・行動日と停滞日
例えば(7-2)は7日間行動、2日間停滞したことを表す。
行動日はテントから出て行動した日、停滞日は天候などの理由で行動しなかった日。

・リーダースタッフとメンバー
リーダースタッフ(L-s)はリーダー(L)とアシスタントリーダー(AL)の二人。メンバー(M)はその他の現役部員。OB,OGなどがL-s以外で参加する場合、ゲスト(G)と呼ぶ。

・年目
名前の後ろのカッコ内の数字は年目を表す。入部した年が1年目。

・メインと準山
夏、冬、春に10日前後の長い山行を計画する。これがメイン山行。メインへの実力アップのため3~4回、週末2日程度の山行を重ねる。これが準備山行(準山)。

・1年班と2年班
1年班はバリエーション初級、2年班はバリエーション中級以上の山行を行う。

・ルーム
「北大山岳部」を指す時と「部室」を指す時とがある。

・アタック(At)とのっこし
山頂までの上り下りで同じルートを使うときがアタック。登ったあと違うルートへ向かうのがのっこしと言い、区別する。のっこしのほうが荷物が重くルートも未知のため難易度が上がる。

・シートラ、シーデポ、シーズリ
ドイツ語でスキーをシー(Schi)という。スキーをザックに縛って担いで歩くことをシートラという。スキーを置いていくときはシーデポ、またスキーの先端に紐をつけ引っ張って歩くことをシーズリという。

・C0、C1、Ω1
山中のテンバはC1,C2と記すが、前夜泊はC0と記す。Ωはテントではなく雪洞やイグルーで泊まること。

・Coあるいはコンタ
等高線をコンタラインというので標高のことをさす。また地形図で標高の数字が示してある尾根をコンタ尾根と呼ぶ。

・タンネ、白いところ、パヤパヤ
タンネとは針葉樹のことをさす。タンネのはえているところは風も弱く視界も利きやすいので全天候で行動できる。一方タンネのないところは「白い」とか「白いところ」などと記録に書く。白いところは視界や風の基準を設けて進む。パヤパヤは木がまばらに生えている場所のこと。風除けにはならないが少しでも木が生えていると距離感がつかめて安心できる。

・夏テンと冬テン
夏テンとは夏用テントのこと。張り綱つきのツェルト。夏はこれにポール代わりの立ち木を組んで立てる。冬テンは冬の樹林限界以上で泊まるときに使うドーム型テント。

・前面、谷
気象用語。低気圧の前面は短い晴れ間があることがある。谷は「気圧の谷」のことで、一般的に天気が悪くなる。

・バリズボ
バリっとやぶれてズボっと潜る。表面が凍っているが踏み込むと沈む雪のこと。一般的にはモナカ雪、ブレイカブルクラストなどという。

・不快調
文字の通り。辞書には載っていないがよく使う。

・EP
アイゼン、ピッケルのこと。頭文字に由来する。

・ラテルネ
ヘッドランプのこと

・ネーベン
行動食のこと。副食の意で飴やチョコレートなどの糖分、チーズの脂肪といった高カロリー軽量のものを持っていく。主食はビスケットやパン、餅などを季節によって使い分ける。部員はいつも同じものを食べているためネーベンには飽き飽きしている。

・カメラーデン・リート
ドイツの古い歌で、山岳部では過去の遭難現場を通るときに追悼のため歌う慣わしがある。戦友の死を弔う歌。

・F
滝のこと。F1,F2は滝の順番をさす。

・ab、アップザイレン、ラッペル、懸垂
ロープを使い切り立った場所を降りる技術のこと。

・ガス
雲の中に入ること。一面真っ白となり見渡しが効かなくなる。500m以下50mまで区別して視界範囲を区別する。冬に視界が50を切るとホワイトアウトする可能性がある。

・ツボ
雪面の上をスキーやアイゼンをつけずに素の登山靴などで歩いていくこと。

・デポ旗
目印となる小さな旗。

・シール
スキーの裏につける滑り止め。これをつけることによってスキーで斜面を登っていくことができる。

・プルージック結び
紐の結び方の種類の一つ。プルージックでザイルに動かせる支点を作りそこに自分の体を結ぶことで安全を確保して登ることができる。

・シュリンゲ
短く切ったザイルで作った輪のこと。少し登るのが難しい岩場で先行した人が、後ろを来る人にとって登り易くするための手がかりとしてシュリンゲを設置したり垂らすことがある。

・イグルー、雪洞
イグルーとは雪のブロックを積んで作るテンバのこと。風と吹き溜まりに強く、稜上でもイグルーを作ると安全に泊まることができる。作成には熟練が必要。雪洞は雪の斜面に穴を掘って作るテンバ。湿気がこもりやすく濡れるため長期ではイグルーがよい。

・ねぐる
小さなポコがあったとして(ポコとは稜線上のコブのようなぽこっと出ている場所)それの基部を行くことができればポコをわざわざ登る労力が必要なくなる。ねぐるとはそういった方法のこと。

・ラッセル
重い雪を掻き分けて進むこと。スキーやスノーシューを履いても深雪の上ではくるぶしから時には腿や腰まで埋まることがある。腰ラッセルは100m進むごとにバテる位きつい。

・雪庇
主に稜線で、一方方向からの風により風下に向かって雪のテーブルが発達したもの。下に地面があると勘違いして踏み抜き滑落する危険性がある。

・6月山行
毎年6月の大学祭期間の休講を利用した4日前後の山行。残雪期である大雪などに行くことが多い。

・函
ゴルジュとも言う。沢で両岸が岩壁となっている場所。歩いて通過することが難しく泳いだり捲いたりして通過する。

・捲く
通過困難な場所を回避して進むこと。

・スラブ
のっぺりした一枚岩のこと。

・ショルダー
肩車のこと。

・ナメ
ナメラとも言う。一枚岩の川床のこと。平らで足に優しい。

・ブッシュ
植生のこと。主に草や笹などを指す。

・テープ
文字のとおり。昔登った人が残した目印となるテープが木に巻きつけられている。

・トポ
岩場のルートが記された本。

・ナイフリッジ
稜線上など元々細い部分に雪がついてナイフの刃先のように鋭く切れ落ちている場所のこと。

・ランナー
スリングのこと。トップが登っているときに、プロテクション(確保支点)にロープをセットしながら登る。

・プリセット
ランナーをプロテクションに設置した状態でリードすること。

・リード、フォロー
岩登りなどで一番最初に上る人をリードといい、後続をフォローという。

リードする人は落ちた場合を考慮してランナーを取りながら登り、登り終わったら最上部で確保支点を作成する。
フォローはリードの人に確保してもらいながら登る。

・テンション
岩登りなどで落ちて体がザイルにぶら下がった状態になること。ザイルに荷重がかかっている意。

・トラバース
高度を上げずに水平に進むこと。同コンタトラバースとは同じ標高を維持したまま進むこと。

・コンティニュアス
何人かが互いをロープで結び合って同時に行動すること。コンテと略す。