「大雪山」冬は雪と氷に閉ざされ人間を寄せ付けない。7日ぶりの晴天、ガスの中から彼らは我々の前に姿を現した。
河は時として、人の幅程に狭まることがある.
山に道はない。あるのはただ自分が歩いたという記憶だけ。
雨の日は気持ちが沈むように、風鳴り響く冬山しかしそこで思いを抱かれるのは恐怖だけではない。
ただ震える。心が。
敷かれたレールも雪の下。
抜けるか、抜けないか、感覚の世界。
冷静にがっつけ。
大か小か、近か遠か、地面か空か、すべての2択に意味はなくなり、白い宇宙にポツン。
ただここだけが存在している。
周りの音はどこか遠くの世界のように。
長い1日が終わり火を焚く。沁み込む一献、語り合うもよし眺めるもよし。山に溶ける贅沢な時間。