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OBの山行記録・ 2007年9月3日 (月)

【道南】狩場山・須築川/(米山)

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【ルート】須築川→茂津多ルート下山
【年月日】2007.9.1-2
【メンバ】L:澤田卓郎(2004)、AL:勝亦浩希(2003)、G:米山悟(1984)
【行 程】9/1:須築橋(5:10)→Co300(8:00)→Co420(9:15-35) →Co570(11:50-12:10)→Co860C1(13:30)
9/2:C1(5:40)→ヤブ漕ぎ開始(7:10)→山頂(8:25-9:10)→須築橋(12:50)


道内屈指のゴルジュ沢、須築川。現役パーティーに入れてもらった。壮絶なゴルジュを期待して踏み込んだのだがむしろ印象は、愉快な「おフロの遊園地」だった。広く大きな狩場山を一本槍でひと突きの快適ライン。滝4つ以外は全部水流か水際を直登。
前夜は、札幌からバスで来た二人を八雲で拾って須築河口へ。土日雨だった天気予報は金曜日の午後から劇的に変わった。「土日晴れ、その後一週間は雨」と。始めの数時間は河原歩き。体が温まった頃に泳ぎの淵が始まる。Co300は新宿ゴールデン街のウラ路地よりも狭い淵になっていて、「ようこそ須築へ、いらっしゃ〜い」という雰囲気のところを犬かきで泳いで入門する。


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そこからはくねくねの天井の高い洞窟探検風だが、ザラザラの砂岩で摩擦が効く。全部水流真ん中突破。高い滝でもないし落ちても水瓶で、どんと行けという感じだ。ノラネコくらい大きな魚があっちこっちに泳いでいる。蹴飛ばさないように水流を行く。



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Co420二股から先がS字峡。沢の真ん中を高さ100m以上の柱状節理で取り巻かれた岩峰が塞いでいる。どこかの世界遺産みたいな眺めだ。これのせいで沢がSの字に屈曲している。



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6mほどの滝があり、初めて捲く。左岸のがばがばフェイス状を登ってクライムダウン。ザイルなし。残置ハーケンがメタメタ打ってある。多すぎるのでいくらか頂く。その後も楽しいゴルジュや数メートルの滝が連続する。



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プール付き3m滝は登れそうもなく右岸少し登って斜めに懸垂する。残置ハーケンあり。ここで初めてザイルを出すが、全行程15mザイルで十分だった。



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その後も楽しめる函滝を幾つか越えると、どうやら登れない7mの滝。左岸側の縦リスの入った壁を登ってクライムダウン。



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ここで初めてザイルでビレーする。ハーケンが1m毎に打ってある。ここは確かに易しくはない。その後も函や小滝は続くが、だんだん沢が開けてきて遠くに570二股が見えてきた。もしやさっきのがヤカンの底か?もっと凄いのを身構えていたのでやや拍子抜けした。



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谷が開け、明るい感じになった。とはいえまだまだ遊園地は続く。二股を越えれば落差10m弱のハングの滝を右岸草付きから捲き、相変わらず泳いで取り付き水流にホールドを探す滝が続く。ニシキヘビのモンモン模様のきれいな滝もあった。沢は明るく開けていき、太陽が降り注ぎ、快適この上ない。



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Co760、地図にある12m滝は右岸をノーザイルで登る(過去の記録では20mとあるが12mにしか見えなかった)。小さいながらもカチカチ決まるホールドがある。まだ時間に余裕があるので、天場を探しながら登っていく。流木豊か、眺め抜群の場所があり、Co860mで泊まる。この上にも良い天場はいくらでもあった。




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イタドリを敷いたベッドを作り焚き火の脇でごろ寝した。空が朱色に、群青色に変わり、北斗七星がカシオペアに位置代わりし、遅い月が山の端を這い、最後に空が白み始めた。眠ったり覚めたり薪を足したりだがツエルトのない夜は空の移ろいが見える。



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翌朝も晴れ。羊雲や絹雲が浮かぶ秋の空だ。水はやがて涸れるが、夏道のように快適な涸沢をつめ、最後のヤブを1時間ちょっと漕いで山頂少し東側の道に出た。ササ→カンバ→ハイマツだがミックスでもなくまあまあのクラスのヤブ。
南側の大草原を見下ろす山頂は誰にも会わなかった。須築川を見下ろす。奥尻、遊楽部が見える。



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茂津多コースは長いが好きなコースだ。人通りが少ないせいか地面が柔らかく、のんびり歩ける。前半は展望を楽しみ、後半はブナ林を楽しむ。傾斜が緩いので膝に来ない。牧場の散歩道風。天気は下り坂。きょうから季節の変わり目で秋という気配。夏の最終日に間に合って良かった。



20年前、遊楽部に登るのに前夜泊した瀬棚駅は廃線で今は温泉になっている。汗を流して「富美栄」でメンチカツ定食。瀬棚で一番の大衆食堂だ。食後は「甲田菓子店」の岩シュー。ここでしか食べられない。

須築は確かに簡単な沢ではないが極端に難しい沢ではなかった。昭和40年の初遡行に5日かかっていることや、改訂前の「山谷(S58)」では「頂上まで最低三泊」、「極度に困難」などと書かれていたので心の中で伝説化していた(改訂後はそこまで書いてない)。泣けてくるほどびびる所や、ヘトヘトになるような泳ぎも無い。核心部の長さも沢のスケールも、世の中にはまだまだ上がある。今回の条件に限れば日帰りも出来る。だがもちろん、良き沢には間違いない。日高を終えた二年班二回戦にも良いと思う。
  • コメント (4)

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コメント一覧
松永   投稿日時 2007-9-5 23:05
「知り合いから遡行の話」でした。無学をお許しください。
松永   投稿日時 2007-9-5 22:59
遅くなってすみません。彼らは他会の知り合いです。S字を過ぎてハングの滝を越えた河原に泊まり、翌日新道を降りたそうです。北大さん等はほとんどノンザイル恐れ入りました。カムエクの記録見た所属する会の仲間は感嘆詞をもらしていました。昔知り合いが素行の話聞かされても、遠い世界と思っていましたが、今も変わりません。(干水は渇水よりと言う私の造語でした)お会いできたらこちらこそきちんと挨拶させてもらいます。
米山   投稿日時 2007-9-4 21:07
松永さまはじめまして

ごあいさつをありがとうございました。須築橋たもとではあまりお話もできず失礼しました。結局翌日、お仲間の方は須築へ行かれたのでしょうか。今回苦労しなかったのは水量が少なかった点が大きいようですね。いつもこうとは限らないのが須築の奥深い所かも知れません。

滝の難しさで言えば須築よりオコツナイ沢の方が上だと感じました。木にあったシュリンゲ、腕力が絶えてしまって回収出来なかった一本です。
松永   投稿日時 2007-9-4 10:55
.初めてです。お礼を言いたくて書きました。テント建てていられた時声をかけた者です。後輩に誘われてオコツナイ川同じ日に遡行しました。面白かったです。木にあったスリング使用しました、楽させてもらいました。車窓から見たとき異常な干水だと思いましたが写真見て納得しました。ヤカンの滝の水、干仕上がっていますね、ビレーされている方の所に水ありませんものね。我々も楽しているのではと話していました。後輩が記録見なければ決して行く事はなかったです。ありがとうございました。
 
 
 
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