北大山岳部創立100周年記念事業準備委員会報告
(2023年総会にて報告)
北大山岳部創立100周年記念事業準備委員会
委員長 渡辺興亜
北大山岳部は、1926(大正15)年の創立以来、3年後の2026年には100周年を迎えることから、昨年度の北大山の会総会において、山の会として記念事業の実施を検討するため、標記委員会を設置することが決定されました。 準備委員会は、昨年9月に山の会理事会の決定を経て設立され、以降定期的に8回にわたり会議を開催して、記念事業実施に関しその考え方や内容、経費等について議論を重ねてきました。 準備委員会においてとりまとめた事業案は以下のとおりです。この段階では、いずれの事業案についても日時や期間、実施方法等について決定に至ったものではなく、異なる考え方を列記している項目については、今後、案の絞り込みや選択、一体化などについてさらに検討を進めていく必要があります。
- 記念式典
開催方法について
a.2026年7月、総会と同日に札幌で開催。
b.札幌と東京の双方で開催、多くの参加が見込め、役割分担も可能。
c.Webで繋ぐ全国同時開催、1人でも多くの会員が参加できるように、例えば札幌、東京、大阪をメイン会場、他地域はサブ会場として繋ぐ。
- 記念誌
北大山岳部100年の年代記とし、100年の流れが理解できる通史を基軸に編纂する。
a.北海道および本邦北方域の登山史および探検史としての意味合いの側面を重視する。
b.部報が16年間出ていないので、部報15号と100周年記念誌をセットとする。
c.山岳部の歴史と共にAACHのアカデミック面での活躍にも重きを置いたものとする。
d.遭難の記録、考察や戦没者の記録をまとめて記述する。
- 山岳館機能強化
山岳館の今後のあるべき姿、どういう山岳館にしていくべきかという議論は別に話し合う機会を設けていく。貴重な資料を防火、防災を含めてどう保存していくか検討する。
- 山行データベース
100年分の山行記録を電子データ化し、地域、年代、構成員などを検索でき、今後の山行も随時追加できるデータベースを作り上げていく。
- 記念山行、遠征
山の会会員及び現役から希望や具体的提案があれば、実施を検討する。
- 記念写真集
80周年のアルバム制作時に収集した8,000枚の写真を活用するなどして、100周年の記念アルバムを制作し、文字だけではなく、写真でも残していく。
- 現役支援
次の100年を山岳部が継続して活動していくための現役支援事業を検討する。
- 北海道の山岳環境の維持保全への貢献
100年後も我々のフィールドが美しく保たれることを願い、環境保護団体への協力支援等、ニーズを調査把握し、具体的内容を今後検討する。
北大山岳部創立100周年記念事業実行委員会設置
北大山の会会長 渡辺興亜
北大山岳部は1926(大正15)年に創立され、来たる2026年には100周年を迎えます。創立以来、夏は沢を遡行し冬はスキーを用いて北海道の山々の頂に立ち、登山史に実績を残してきました。その活動の積み重ねは、北海道の地理的、自然的特性に応じて独自の山行スタイルや登山技術を生み出し、それがフロンティアスピリットとともに代々伝統として受け継がれています。こうした伝統の継承は、今日まで山岳部の現役部員や山の会会員にとって、国内外における登山活動はもとより、先駆的な学術研究や事業開発の分野での活躍の支えにもなってきました。実行委員会は、下記の17名を構成員としてスタートし、必要に応じて増員等を検討することとし、その人選、人数等は実行委員会において決定します。
私達は、100年間培ってきたこの伝統を次の100年に引き継ぐ節目に居合わせています。ここ数十年間には大きな社会的変化があり、部員数の減少、山の会の会員数減少といった変化も生じています。こうした変化に対し、北大山岳部、山の会の衰退という見方もありますが、別の観点からすれば新たな展開への胎動の予兆とも言えます。「一つの100年の歴史」の終りは、「新しい100年」の始まりでもあります。「100年史」のつなぎ目にある今、「新たな展開」とは何かを考えるべき時でもあります。進化する情報社会のなかで情報発信機能を高め、AACHの社会的存在としての基盤を高めることは新たな時代の中での重要な課題と言えるでしょう。
いくつかの記念事業を展開することはすでに議論が始まっており、これらをより具体的に進めるため、準備委員会を発展的に解消し、新たに北大山岳部創立100周年記念事業実行委員会を設置することを提案します
構成員
委員長 渡辺興亜(1958)
副委員長 浜名純(1967)、沓沢敏(1973)
委員 山田知充(1960)、藤野明治(1961)、伏見碩二(1961)、井上孝俊(1966)、白石和行(1967)、古川幹雄(1970)、森田英和(1973)、小泉章夫(1974)、福井文弘(1975)、志賀弘行(1976)、工藤哲靖(1978)、岡島伸浩(1983)、石川守(1987)、本多和茂(1989)
Tweet| |
100周年記念事業実行委員会報告 (2024) |