OBの山行記録・ 2011年10月16日 (日)
縫道石山クライミング/南西稜と西稜(米山悟1984入部)
米山(1984) , 斎藤(1987) , 木城(2009)
下北の怪峰・縫道石山。岩を見るや眼光炯々たりのクライミング熱中盛りの後輩と登る。久しぶりの岩登りで、米山はこてんぱんにやられた。
一日目晴れ:青森午前6時前発→縫道石登山道発9:10→あちこち見てから南西稜取り付き10:40→14:00終了下降→15:00頃駐車場
二日目曇りのち雨:7:00駐車場発→8:10西稜取り付き→山頂11:40〜12:30→南壁基部観察〜雨で下山→駐車場13:50
↑正面が南西稜、左スカイラインが西稜
前日、青森の家に函館と札幌から到着。早朝、軽自動車で下北へ出発。
きょうは青森の二人組も西稜に行くとのはなし。取り付きは分かりにくいというが、行ってみてどこを登るか決めようという感じで出る。南のポコの高まりから縫道石山の岩峰が見える。西へ行こうか南へ行こうか。夏道から別れ、岩壁基部を西へ行きそうなけもの道を辿っていくと、10人近くの人が岩の下にいて、もう取り付いている。人がたくさんいるので驚いた。さらに西へと基部の藪を行くと、西稜らしき岩尾根にぶつかった。取り付きはもっと下らしいが、ここを下るのも少々急だ。戻って西稜の右側にあった岩尾根を登ってみることにする。1ピッチ登って、展望利くところでキシロが持ってきた古文書のようなルート図を見ると、どうも南西稜のようだ。右の南壁では大勢登っている声が聞こえる。
↑南西稜取り付きの難しいところ
○南西稜(4+〜5級と思われる・トップ斎藤)
1pめ:出だし一発、難しく傾斜あり。
2pめ:15m未満、楽なルート
3pめ:傾斜あり、レイバックからジェードル、右に回り込んで細かいホールドで傾斜ある壁を長く登りテラスまで40m。三番の僕はレイバックで失敗し落ちた。二度目は腕力切れでまた落ちた。三度目は少し左に上がってきわどくトラバースして抜けたが、既に腕はタコのようにくにゃくにゃ。その後の傾斜の強い直上フェイスは腕力切れのせいで時間がかかる。レストできるスタンスもないこんなところで時間をかけては腕の力がなくなるばかりなのだが、そこは経験で復活を図り腕をだましてなんとか登りぬける。実にまいった。
4pめ:テラスから右へ抜けると5mで南西稜頭。楽。右に南壁の大岩壁、左に長い西稜が見える。山頂でオクヤさんが手を振っていた。
↑南西稜3ピッチ目レイバック
齋藤は相変わらずどこでも登る。キシロはずいぶん腕を上げた。
北海道も見える好天。フェリーが海峡に見えた。
岩峰の上から、少し下の懸垂点まで飛び降りありの下降を10m。そのあと懸垂で藪の中へ降りる。そこから南壁とのコルへ行くと、幅50センチ、長さ20mほどの洞穴のような窓があり、神殿のようなところだ。トンネルを抜けて南壁を見に行く。人が沢山取り付いているようだ。僕らはここから藪を下降する。駐車場にテント張って、酒飲んでいるとオクヤさんたちが降りてきた。ゆでチクワをごちそうになり、そのうまさを見直す。ボルトに穴あけてワイヤー通して作った手作りのチョックや頭をくりぬいたハンマーなど、手作りクライミングギアに舌を巻く。
↑西稜中間点からきのう登った南西稜を裏から見る
<二日目>
西稜に登る。きのう上から見てとりつきにはガレ場を通るほど低い所を行くようにした。西尾根末端よりもさらに右側に回り込むと、取り付きらしいところをサイトーがくんくんと鼻を使って見つける。
←西稜2ピッチ目
○西稜(4〜4+級と思われる・キシロトップ)
1pめ:10mくらい。幅30センチの割れ目をチムニー登り。藪こぎはさんで
2pめ:フェイス
3p目:オクヤさん手製のボルトチョックの利いたクラックあり。傾斜急。一段あがってそのあとはイナバウアーしてしまいそうなトラバースあり。
4p目:ここは西稜半分登ったリッジの上。傾斜ゆるんで景色最高のところ昨日の南西稜がばっちり見える。トコトコ歩いていくルート。
5p目:はじめ2mの段差、のち緩いフェイス。
6p目:草、灌木多し。緩いフェイス
7p目:核心のクラックジェードル。傾斜あり。トーストパンを右に見て登る
8p目:15mほど。何もなく頂上西山頂へ。
↑西稜3ピッチ目終了点
一枚岩の上で一時間ほどのんびりする。風景に見えるのは海と森ばかりの美しい場所。思えば岩登りなんて7年ぶりだよ。僕一人だけこてんぱんに苦労したけど、やる気まんまんの若いのと登って、たのしかった。キシロの、ルートを見つめるときのクライミング大好きそうな眼差しが忘れ難い。
↑縫道石山西稜4ピッチ目
縫道石に対しても正面玄関から「ごめんください!」とお尋ねした充実感。ルートも取り付き点もわかりにくいので、探検的楽しみを楽しめる岩山だ。ルート発見眼が求められる。世界の果ての未踏の岩壁を登りたい人に、ちょうどいい。
↑西稜7ピッチ目核心部
南壁基部で、もう一本登ろうかとあちこち探検しているうち、雨が降り出した。
とっとと下ることに決定。
山頂であったむつ山岳会の会長さんにババ岩のアプローチ道やツキヨタケとシイタケの見分け方を教わった。うまそうだったがツキヨの方だった。
湯野川温泉濃々園で擦り傷を湯治して、下北駅前食堂で捕食。ボリウム満点のガツガツ食堂で満腹。青森まで二時間。青森で函館行きフェリーの時間までまたうちあげ。チビッコと遊んでもらった。
きょうは青森の二人組も西稜に行くとのはなし。取り付きは分かりにくいというが、行ってみてどこを登るか決めようという感じで出る。南のポコの高まりから縫道石山の岩峰が見える。西へ行こうか南へ行こうか。夏道から別れ、岩壁基部を西へ行きそうなけもの道を辿っていくと、10人近くの人が岩の下にいて、もう取り付いている。人がたくさんいるので驚いた。さらに西へと基部の藪を行くと、西稜らしき岩尾根にぶつかった。取り付きはもっと下らしいが、ここを下るのも少々急だ。戻って西稜の右側にあった岩尾根を登ってみることにする。1ピッチ登って、展望利くところでキシロが持ってきた古文書のようなルート図を見ると、どうも南西稜のようだ。右の南壁では大勢登っている声が聞こえる。
↑南西稜取り付きの難しいところ
○南西稜(4+〜5級と思われる・トップ斎藤)
1pめ:出だし一発、難しく傾斜あり。
2pめ:15m未満、楽なルート
3pめ:傾斜あり、レイバックからジェードル、右に回り込んで細かいホールドで傾斜ある壁を長く登りテラスまで40m。三番の僕はレイバックで失敗し落ちた。二度目は腕力切れでまた落ちた。三度目は少し左に上がってきわどくトラバースして抜けたが、既に腕はタコのようにくにゃくにゃ。その後の傾斜の強い直上フェイスは腕力切れのせいで時間がかかる。レストできるスタンスもないこんなところで時間をかけては腕の力がなくなるばかりなのだが、そこは経験で復活を図り腕をだましてなんとか登りぬける。実にまいった。
4pめ:テラスから右へ抜けると5mで南西稜頭。楽。右に南壁の大岩壁、左に長い西稜が見える。山頂でオクヤさんが手を振っていた。
↑南西稜3ピッチ目レイバック
齋藤は相変わらずどこでも登る。キシロはずいぶん腕を上げた。
北海道も見える好天。フェリーが海峡に見えた。
岩峰の上から、少し下の懸垂点まで飛び降りありの下降を10m。そのあと懸垂で藪の中へ降りる。そこから南壁とのコルへ行くと、幅50センチ、長さ20mほどの洞穴のような窓があり、神殿のようなところだ。トンネルを抜けて南壁を見に行く。人が沢山取り付いているようだ。僕らはここから藪を下降する。駐車場にテント張って、酒飲んでいるとオクヤさんたちが降りてきた。ゆでチクワをごちそうになり、そのうまさを見直す。ボルトに穴あけてワイヤー通して作った手作りのチョックや頭をくりぬいたハンマーなど、手作りクライミングギアに舌を巻く。
↑西稜中間点からきのう登った南西稜を裏から見る
<二日目>
西稜に登る。きのう上から見てとりつきにはガレ場を通るほど低い所を行くようにした。西尾根末端よりもさらに右側に回り込むと、取り付きらしいところをサイトーがくんくんと鼻を使って見つける。
←西稜2ピッチ目
○西稜(4〜4+級と思われる・キシロトップ)
1pめ:10mくらい。幅30センチの割れ目をチムニー登り。藪こぎはさんで
2pめ:フェイス
3p目:オクヤさん手製のボルトチョックの利いたクラックあり。傾斜急。一段あがってそのあとはイナバウアーしてしまいそうなトラバースあり。
4p目:ここは西稜半分登ったリッジの上。傾斜ゆるんで景色最高のところ昨日の南西稜がばっちり見える。トコトコ歩いていくルート。
5p目:はじめ2mの段差、のち緩いフェイス。
6p目:草、灌木多し。緩いフェイス
7p目:核心のクラックジェードル。傾斜あり。トーストパンを右に見て登る
8p目:15mほど。何もなく頂上西山頂へ。
↑西稜3ピッチ目終了点
一枚岩の上で一時間ほどのんびりする。風景に見えるのは海と森ばかりの美しい場所。思えば岩登りなんて7年ぶりだよ。僕一人だけこてんぱんに苦労したけど、やる気まんまんの若いのと登って、たのしかった。キシロの、ルートを見つめるときのクライミング大好きそうな眼差しが忘れ難い。
↑縫道石山西稜4ピッチ目
縫道石に対しても正面玄関から「ごめんください!」とお尋ねした充実感。ルートも取り付き点もわかりにくいので、探検的楽しみを楽しめる岩山だ。ルート発見眼が求められる。世界の果ての未踏の岩壁を登りたい人に、ちょうどいい。
↑西稜7ピッチ目核心部
南壁基部で、もう一本登ろうかとあちこち探検しているうち、雨が降り出した。
とっとと下ることに決定。
山頂であったむつ山岳会の会長さんにババ岩のアプローチ道やツキヨタケとシイタケの見分け方を教わった。うまそうだったがツキヨの方だった。
湯野川温泉濃々園で擦り傷を湯治して、下北駅前食堂で捕食。ボリウム満点のガツガツ食堂で満腹。青森まで二時間。青森で函館行きフェリーの時間までまたうちあげ。チビッコと遊んでもらった。
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コメント一覧
aachblog
投稿日時 2011-10-22 11:01
シラネアオイさま
HYML同じ日の記録観戦していました。薮コギ稜線アタック、沢とは別ジャンルですが、何度も挑戦して敗退するところに美学を感じます。僕たちが下降した沢を登りとしても、難易度な高くないですが、下部はザイルの要る滝がいくつかあるし、上部の長いハイマツ薮コギもあり、楽な沢ではないと感じました。
HYML同じ日の記録観戦していました。薮コギ稜線アタック、沢とは別ジャンルですが、何度も挑戦して敗退するところに美学を感じます。僕たちが下降した沢を登りとしても、難易度な高くないですが、下部はザイルの要る滝がいくつかあるし、上部の長いハイマツ薮コギもあり、楽な沢ではないと感じました。
シラネアオイ
投稿日時 2011-10-21 20:34
この間のナメワッカ登頂ご苦労様です
同じ日 シラネアオイ、反さんの二名でナメを尾根から目指してましたが、悪天候から早朝に分岐手前のテンバから撤退しました
もし会う機会が有りましたら宜しくです
同じ日 シラネアオイ、反さんの二名でナメを尾根から目指してましたが、悪天候から早朝に分岐手前のテンバから撤退しました
もし会う機会が有りましたら宜しくです