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第1章 山岳部創立前史(大正期)
第2章 北大山岳部創立と日高山脈の開拓1926年 〜1935年
第3章 “遥かなる山ペテガリ”への挑戦1936年 〜1945年
第4章 戦後再出発と山脈縦走登山1945年〜1957年
第5章 直登沢、集中登山、そして海外遠征 1957年〜1969年
第6章 厳冬期ヒマラヤ8000m峰登頂 1969年〜1982年
第7章 新しい山旅を求めて 1983年〜1995年
第8章 創立100周年へ向けて 1996年〜
前書き・あとがき
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第1章 山岳部創立前史(大正期)
解説
北海道では夏山登山が隆盛になるより前に、冬期のスキー登山が発達した。それは、まだ夏の山登りがほとんど行われていなかった時代に、独墺の山岳地方に発達した山岳スキー術が、北海道に輸入されたからである。
北海道にはじめてスキーの輸入された1911(明治44)年から、中央高地の山岳にスキー登山の試みられる最初の年1920(大正9)年まで、登山は羊蹄山のほかもっぱら札幌付近の山々で行われていた。したがってこの時代は登山記録として特に重要なものは少ないが、すべては全く新しい経験であったから、その時代の人たちの苦心と努力は、むしろその後の時代より大きかったかもしれない。この期間のスキーで初登頂された山には、手稲山、奥手稲山、百松沢山、チセヌプリなどがある。大正時代の終わりごろ、北大スキー部に一群の極めて優秀な登山家が輩出し、北海道スキー登山史上一つの黄金時代を造った。その中軸をなした人たちは、六鹿一彦、福地義三郎、板倉勝宣、加納一郎、松川五郎、板橋敬一、後藤一雄など、当時第一線で活躍した山岳人である。1920(大正9)年から22(大正11)年にかけての3年間に余市岳、ムイネ山などの西部山塊の主峰をはじめ、十勝岳、芦別岳、旭岳、黒岳など中央高地の山々の登攀が次々に成就された。
この時代の北大スキー部のスキー登山の中心をなした人たちは同好会を作り、本邦最初の月刊山岳雑誌「山とスキー」を刊行した。これはスキー部の機関紙であったが、槙有恒、松方三郎、大島亮吉など北大以外の人たちも常連の寄稿家で、きわめて高級な内容を持っていた。「山とスキー」は8年続いて刊行された後廃刊されたが、我が国の登山界に対する貢献は大きかった。 <中略>
スキー登山の発達は、いうまでもなく夏山の開拓に平行して行われたものである。夏山は1919〜20(大正8〜9)年に予科に入学した板橋敬一、松川五郎、加納一郎、館脇操らによって設立された恵迪寮旅行部が主に行い、中央高地の山々を始め、登山家の間には全く未開の処女地であった日高山脈も、1924(大正13)年以降、夏山の記録は急速に増大した。(伊藤秀五郎 北大山岳部五十周年記念誌 1978)
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第2章 北大山岳部創立と日高山脈の開拓1926年 〜1935年