積雪期の札内川からのアタック山行、夏のペテガリ周辺渓谷探査の当時最先端の記録。ヒマラヤを見据えた極地法研究が、他大学山岳部では始まっている頃。石狩岳でやってみようかなどとも書いてあるが、全体には北大は今と変わらぬ、少人数軽量長旅アタック山行が主流である。
1933/10-1935/10の2年分の山行記録と13の紀行など。北千島幌筵(パラムシル)島の後鏃(しりやじり)岳からの千倉岳連峰パノラマ写真などを含む。編集長は照井孝太郎。価格は1円80銭、316ページ。石狩岳への新ルート(現、石北峠)から初の極地法登山、一月、三月の札内川からヤオロ、39、カムエクなどのアタックを狙う野心的山行、ペテガリ、ナメワッカなど日高深部への夏の挑戦、北千島や樺太の山域記事も久しぶりである。
【時代】
1934年東北地方大凶作、函館大火。毛沢東軍「長征」開始。ドイツ、メルクル隊の第二次ナンガパルバット遠征10人遭難で失敗。12月今西錦司ら京大AACK朝鮮白頭山冬季初登遠征。1935年、イギリス、シプトン隊の第五次エベレスト遠征。
●一月の石狩連峰 徳永正雄
● 吹上温泉よりトムラウシ山 石橋正夫
● 一月の札内川上流 照井孝太郎
● 三月の一八三九米峰とカムイエクウチカウシ山 伊藤紀克
● ペテガリ岳 石橋恭一郎
● 三月の千呂露岳 奥田五郎
● ペンケヌシ岳 西村 正
●シユンベツ川より滑若岳へ 水上定一
● 北千島 初見一雄
● 北樺太の山々
名好山 本野正一
樺太に関する文献表 水上定一
●知床半島の春 豊田春満
●三月の石狩川 石橋恭一郎
●創立前後の思出 渡邉千尚
年報(1933/10−1935/10)
写八点、スケッチ三点、地図五点
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