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8.氷と雪 加納一郎(かのういちろう)/1929/梓書房/318頁


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表紙
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木版 屋上登攀者
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木版 岩祭の印象
木版 岩祭の印象


加納一郎(1898-1977) 極地探検研究家
 大阪に生れる。京都1中から1923(大正12)年、北大農学部卒業。在学中に板倉勝宣、松川五郎らと登山とスキーに打ち込み、この時代の積雪期の先駆的登山家であった。1921(大正10)年板倉勝宣らスキー部員と「山とスキーの会」を結成、1922(大正11)年本邦初の山岳雑誌「山とスキー」を発刊、積雪期登山の普及に計り知れない貢献をした。北大卒業後、北海道林務部、朝日新聞、農林省林業試験場などに勤務するかたわら、雪氷や極地研究を行い、多くの著作と今も読み継がれている世界最悪の旅(チェリー・ガラード)」、「アムンゼン探検誌(ロアルト・アムンゼン)」など優れた翻訳書を発表した。1925(大正14)年、日本が初参加した第2回冬季オリンピック(1928年サンモリッツ)に団長として参加した廣田戸七郎らと全日本スキー連盟を創設した。1933(昭和6)年、朋文堂から発刊された雑誌「ケルン」の編集同人として力を注ぎ、さらに1942〜44年まで、登山と探検と極地をテーマとする季刊誌「探検」を朋文堂から発刊した。わが国探検ジャーナリストの草分けであり、第1人者であった。加納の影響を受けた多くの若者達が、北極に南極に活躍し、日本の極地研究を支えた。日本山岳会名誉会員。

内容
 北海道庁を退職し、大阪の朝日新聞に本拠を移して著した最初の単行本。北大スキー部創立者の1人で、日本スキー連盟初代会長稲田雅植男爵が「序」を、同僚の藤木九三が「跋」を書いている。
 樋口敬二氏(雪氷学者、名古屋大学名誉教授)は、加納一郎著作集3「北海道の山と雪」(1986教育社)の解説で

「本書は1929(昭和4)年、中谷宇吉郎先生が有名な雪の結晶の研究に着手される三年も前に書かれた、雪氷に関する日本最初の解説書である」。
そして、「雪氷に関して一応の基礎を持っている人に読んで欲しい玄人向きの読み物であり、この本を雪氷への入門書として読んでもらっては困る。雪氷研究の歴史を知る資料として接して欲しい、」
と述べている。

 9章からなり、第1章「氷雪思慕」から順次、「水と氷の理学的性質」「氷の芸術」「降る雪、積る雪」「雪華の研究」「積雪の性質とその形態」「雪崩」「氷河と氷山」「氷期及び人と寒冷」の構成となっている。

山岳館所有の加納一郎著書
極地集誌 /1941/朋文堂
氷雪圏の記録 /1947/山と渓谷社
極地を探る人々 /1950/朝日新聞社
未踏への誘惑 /1956/朋文堂
山・雪・探検 /1958/河出書房
極地の探検・南極 /1959/時事通信社
極地の探検・北極 /1960/時事通信社
わが雪と氷の回想 /1969/朝日新聞
極地探検・未知への挑戦者たち /1970/現代教養文庫
山・雪・森 /1981/岳書房
極地の探検 /1986/教育社
自然の中で /1986/教育社
加納一郎著作集 全5巻/北村泰一他編集/1986/教育社

山岳館所有の加納一郎翻訳書
アムンゼン探検誌/ロアルト・アムンゼン/1942/朋文堂
北極圏と南極圏/ユーリン・ベルトラム/1942/朋文堂
世界最悪の旅/チェリー・ザラード/1944/朋文堂
南極に挑む/ポール・フレージャー/1960/時事通信社
極点浮上/ジェームス・カルバート/1961/時事通信社
極地探検の歴史 白い道/ローレンス・カーワン/1971/社会思想社
両極/ウィリー・レイ/1971/タイム・ライフ・インターナショナル

山岳館所有の関連蔵書
山とスキー1〜100号/1921〜1927/山とスキーの会
探検1〜5号/1942〜44号/朋文堂
ケルン 復刻1〜10号/アテネ書房
 
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