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第9回北大山岳館講演会

ホモ・ヤマルーデンスの科学論・大学論 ―山系クラブの副産物的存在意義―-

2016年10月15日(土) 13:30~15:30

要旨
 小保方さんの研究不正事件によって、科学研究者や大学に対する市民の関心がかつて無いほどに高まったようである。実は、小保方さん事件と同様の事件は国内外を問わず決して少なくはない。また、科学者を名乗る人物がいわゆるニセ科学や科学的根拠不明の商品の広告塔として登場することも珍しくはない。こんなことが続くとやがて科学や科学のコミュニティや大学は信頼を失い、崩壊の危機を迎えるのではないか。しかし、大学における研究不正は、国内外の自動車メーカーや製薬会社の不正、さらにオリンピック選手のドーピング問題などと基本において何ら変わりはない。とすると、我々の社会そのものの中に危機的な部分があって、それが今まさに急速に顕在化しつつあるということなのではないか。
 演者は清き国ぞとあこがれ、清き頂きを目指して津軽海峡を渡り、約6年間の山岳部生活で多くのことを学び、その後の40年間を大学で研究と教育に従事した。山登りと研究には極めて多くの類似点がある。この講演では山で遊びを覚えたホモ・ヤマルーデンス (注)の視点で、今日の科学や研究や大学や研究者や、さらには社会の問題をともに考えたい。5年前の地震と津波それに原発事故の際にも、科学者や専門家と呼ばれる人たちに対する市民の信頼は大きく損なわれた。二十一世紀の大学や教育や研究、そして研究者はいかにあるべきか。もちろん、唯一の正解などありはしないから、問題は我々がどのような道を選ぶのかということになる。この機会に参加者の皆さん、特に山系クラブの学生諸君と議論ができるなら大変うれしい。大学の山系クラブの存在には大きな副産物効果があると思うからである。(注:ホモ・ヤマルーデンスは演者の造語。J. Huizinga のホモ・ルーデンスHomo Ludensをもじったもので、ヤマは山のこと。)

■講師紹介

  • 前田仁一郎
    北海道総合地質学研究センター理事長
    • 1950年 富山県富山市に生まれる
    • 1969年 北海道大学教養部理類入学
    • 1974年 北海道大学理学部地質学鉱物学科卒業
    • 1981年 北海道大学理学研究科地質学鉱物学専攻博士課程修了 (理学博士)
    • 1983年〜2016年 北海道大学理学部・理学研究院にて研究と教育に従事
    • 2016年 特定非営利活動法人 北海道総合地質学研究センターを設立し理事長に就任
    • 北大山の会会員
    • 専攻は地質学・地球科学、特に火成岩岩石学・テクトニクス。日高山脈の斑れい岩の成因、日高地殻断面を用いた大陸地殻の形成過程、北海道島周辺のテクトニクス、インド洋・大西洋・太平洋の中央海嶺での潜航・掘削、オマーンでの海洋地殻の形成過程などの調査・研究を院生・学生や多くの共同研究者とともに行ってきた。

  • 主な著作
    • 「北海道の地質と構造運動」地学団体研究会 1986
    • 「日本の地質 I 北海道地方」共立出版 1990
    • 「日本地質図大系北海道地方」朝倉書店 1996
    • 「新版地学事典」平凡社 1996
    • 「日高地殻−マントル系のマグマ活動」日本地質学会 1997
    • 「日本地方地質誌北海道地方」朝倉書店 2010
    • 「地球惑星科学入門」北海道大学出版会 2015

  • 主な論文
      Opening of the Kuril Basin deduced from the magmatic history of Central Hokkaido, North Japan, Tectonophysics, 1990; Chemical features of orthopyroxene in peraluminous igneous rocks, American Mineralogist, 1991; Interaction of a spreading ridge and an accretionary prism: Implications from MORB magmatism in the Hidaka magmatic zone, Hokkaido, Japan, Geology, 1996; A long in situ section of the lower ocean crust: Results of ODP Leg 176 drilling at the Southwest Indian Ridge, Earth and Planetary Science Letters, 2000; Evidence for high-Ca boninite magmatism from Paleogene primitive low-K tholeiite, Mukoojima, Hahajima Island group, southern Bonin (Ogasawara) forearc, Japan, Island Arc, 2004; Geochemical evidence in clinopyroxenes from gabbroic sequence for two distinct magmatisms in the Oman ophiolite, Earth and Planetary Science Letters, 2006; Ni-Fe alloy possibly associated with reduced magmatic fluids in lower-crustal gabbro, IODP Hole U1309D, Atlantis Massif, Mid-Atlantic Ridge, Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 2009; Drilling constraints on lithospheric accretion and evolution at Atlantis Massif, Mid-Atlantic Ridge 30°N, Journal of Geophysical Research, 2011; Primitive layered gabbros from fast-spreading lower oceanic crust, Nature, 2014

■会場・問い合わせ先等

  • 会場:北大山岳館 札幌市北区北18条西13丁目(北大構内北西隅、北大恵迪寮東側)
  • 定員60名(予約無し,無料)

問合せ先:北大山岳館運営委員会 携帯090-6870-5120

Facebook: https://www.facebook.com/hokudaisangakukan
E-mail:sangakukan@aach.ees.hokudai.ac.jp

 
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