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97ドーダ峰 »

渉外報告(辺見 悟)

Contents




概要
インドヒマラヤにおける登山隊の渉外活動については、「インドヒマラヤの手引き」(HAJ発行)や毎年開かれているインドヒマラヤ会議(HAJ主催)の資料等が詳しく、大いに参考になった。インドヒマラヤに行く登山隊を取り巻く環境は年々変化しており、各登山隊の渉外係は現在の環境の詳細を正確に把握すべきである。そこで渉外活動全般の詳細は、上記の書籍、資料等に譲り、ここでは私たちの渉外活動を反省を込めて振り返ってみたい。

経緯
96 11.20IMF(インド登山財団)にDODAを登りたい旨のFAXを送る
11.27仮アプリケーション提出(IMFに着いたのは12/27)
12.18額面US1,690ドルの銀行手形(BankDraft)をIMFに送付
97 01.15IMFより、正式申請に必要な各種書類の提出要請、環境寄付金及び環境保護費徴収の手紙が届く
02.05不足分の額面US1,610ドルの銀行手形をIMFに送付
14正式申請書の提出
27インド大使館にビザ申請
03.31新たに加わった隊員(1名)のビザ申請
04.15エージェント(IBEX EXPEDITIONS)とコンタクト開始
IMFに入国通知状の送付
IMFから正式登山許可が下りる
06.10全隊員のビザ交付
07.10先発隊出国
17後発隊出国


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登山許可取得まで
 私たちは、11月20日、キシュトワールヒマラヤ・ドーダ峰に遠征したい旨のFAXをインド登山財団(IMF)に送り、後日、IMFからドーダ峰を予約(Booking)したとの手紙を受け取った。また、FAXと同時に、隊員数や遠征期間等が未定の申請書を送付したが、仮申請においては不必要と思われる。12月18日、登山料(Booking Fee)として額面1,690ドルの銀行手形( Bank Draft )をIMFに送付した。その後、1月15日付のIMFからの手紙で、登山料が増額されたこと、環境寄付金(Environmental Levy,$300:Non-Refundable)1)及び環境保護の為のデポジット(Environmental Security Deposits,$1,000:Refundable )2)の存在を知った。早速、不足分の$1,690をIMFに送付するはめになった。この他、この手紙により正式登山申請に際して以下の書類が必要になった。
  1. 申請書のコピー(1部)(IMFの形式に則ったもの)
  2. パスポートサイズの写真を添付した各隊員のBio-dataのコピー(8部)
  3. 遠征予定表(8部) (日割りのもの)
  4. ルート図(8部) (手書きや写真ではなく、地形図上にマークしたもの)


 2月14日、上記の書類をIMFに送付した。これで登山申請は終了した。

 手紙によるIMFとの交渉は日本から出した手紙が一ヶ月後にIMFに着くなど、時間がかかり非効率である。多少お金を払ってでも、FAXやe-mailを使って素早くやり取りのできるエージェントを介して交渉した方がなにごともうまく行くと思う。

注1)「現在実施中の1隊につき千ドルのデポジットは不要となる。」
注2)「1隊につき3百ドルの環境税を4百ドルに変更する。」
(第19回インド・ヒマラヤ会議資料p3./1998/日本ヒマラヤ協会)


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エージェント
今回、1984年スダルシャン・パルバート峰遠征隊と同じくIBEX EXPEDITIONSに依頼することにした。 契約内容は、以下の通り。
  1. デリーの空港からホテルへの隊員の送迎と隊荷の輸送
  2. デリーのホテルの確保
  3. IMFとのブリーフィングの日時決め
  4. デリーにおける買い物の手伝い
  5. デリーからマナリまでの輸送手段の確保
  6. コックの確保
  7. メステント、キッチンテント,トイレットテントの借用
  8. フィックスロープ(400m,$200)、EPIガスカートリッヂ(4本、$36)の購入
  9. 有事の際の一時的な資金の提供
  10. キッチンボーイの雇用
  11. デリーのホテルの確保
  12. デリーの長距離バスターミナルからホテルへの隊員の送迎と隊荷の輸送


 1〜7の契約については、一人あたり$690、隊員4人で$2,760であった。送金は手数料$25を含め、IBEXの銀行口座に振り込んだ。9の契約には、各隊員の保険の明細のコピーを提出したが、結果的には口約束に終わった。 レーにおいて、 IBEXの子会社とも言えるHIMALAYA EXPLORERSでキッチンボーイを雇うことにした。
 また、登山活動終了後、デリー帰着の際に、マナリよりFAXで以下の内容をIBEXに依頼した。  11、12の契約については、RS8,580であった。

 インドには登山関係のエージェントは、他に数多くあるが、 IBEXは、かなり手際良く、信頼できる仕事をやってくれる。

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トランシバーについて
 IMFより、2台借用することとした。借用料は、一台一ヶ月あたりUS50ドル、超過料金は一台一週間ごとにUS12ドルである。この他、保証金が必要であり、一台につきUS450ドルである。この保証金は遠征終了後点検され、故障がなければ、IMFより返却される。
 当初、私たちはIMFに輸入、開局申請書を送付し、許可を得てから日本より持ち込む通常のプロセスを踏む予定であった。インド国内において登山隊が使用しうるトランシバーの周波数は150.175,150.900MHZ(及び26.968,26.976MHZ)であり、日本国内で私たちが普段使用しているトランシバーの周波数は144MHZである。だが、最近のトランシバーは周波数の拡張が簡単にはできない。税関の目を盗みインドにこっそり持ち込むことも考えたが、エージェントの薦めもあって、最終的にIMFから借用することにした。
 IMFには数は不明だが、数隊の登山隊が使用しうる規模のトランシバーがある。すべて日本製の同一機種であり、つい最近購入したらしかった。日本の単三電池が使用可能であった。

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航空チケット
 今回のインドへの渡航には、エア・インディアの成田→デリー直行便往復、90日のオープンチケットを利用した。夏休み期間中の学生割引きを利用した。

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ビザ
 現在、インド国内で登山活動をするためには、Tourist Visaとは異なるX Mountaineering Visaが必要である。通常、申請してから交付されるまで3〜4ヵ月かかり、出発予定日から逆算し余裕をもって申請するのが望ましい。過去の報告書にはビザがなかなか交付されずに苦労した遠征隊があったので、我々はビザに関して大変神経を使った。
 今回の遠征隊員のうち一人は、IMFへの正式なアプリケーションのメンバーズリスト送封(2月14日)後、遠征隊に加った。早急に彼のみのBio-dataをIMFにFAXで送り(同時に送封もした)、インド大使館へビザ申請をおこなった。その際、インド大使館に申請が遅れた理由を書いた派遣母体長と隊長連名の保証書(Certificate)を提出する必要があった(通常は派遣母体長の保証書のみ)。結果、彼以外の隊員は2月27日に、彼は3月31日に90日ビザをインド大使館に申請し、全員6月10日付で交付された。
 また、出発の1ヶ月ほど前に別の一人の隊員が遠征参加を取りやめたが、このことによる障害は皆無だった。

 ビザ申請日が延滞する原因の一つに、隊員がパスポートの収得や書き換えを前もって済ませていないことが挙げられる。申請時に登山隊隊員すべてのパスポートを同時に出す必要があるからである。今回、比較的短期間でビザが収得できたことは幸運であった。

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輸送
 今回、日本からインドへ持ち込む隊荷は、旅行者手荷物別送品(アナカン、Unaccompanied Baggage)を使用せず、全て手荷物にした。隊員一人、機内預かりにするプラパール(20kg)と個人装備のザック(20kgまで)を持ち込んだ。エア・インディアの搭乗手続きでは荷物のオーバーチャージを取られないように、計画段階から充分配慮したつもりであったが、国内線の千歳〜羽田と帰路のデリー〜成田、羽田〜千歳で多少のエクセス分(超過重量料金)を取られた。

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保険
 東京海上火災保険代理店の山谷氏を通じて保険契約を行った。期間二ヶ月で以下の内容。一人当たり¥37,950であった。
死亡・後遺障害100万円
傷害治療100万円
疫病100万円
救援費500万円
携行品7−30万円


IMFは、有事の際のヘリコプターを始めとする救援隊や捜索隊の出動費用を賄うための保険加入を各登山隊に対して要請している。

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リエゾンオフィサー
 リエゾンオフィサーの装備はすべてIMFより借用した。借用料はUS700ドルであった。 IMFには装備の倉庫があり、種類、数量は豊富にある。しかし、支給される装備はほとんど一世代は前のもので、これではリエゾンオフィサーはBCに留まるしか無いのでは、と思われる程であった。自分の登山技術を向上させようと思っている今回の様なリエゾンオフィサーには、中古品で良いから日本の装備を支給したほうが良かった。

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緊急時の対策
 前年にインドヒマラヤで登山をしたある登山隊より、ニューデリーに支局を持つある会社を紹介していただき、緊急時の事務局への連絡手段としてFAXを使わせていただけるようにお願いした。事故が起こった場合登山隊とは全く関係のない方々に迷惑をかける訳で、恐縮であったが、幸い快諾して頂いた。
出国前に日本大使館及び外務省外務大臣官房文化交流部文化第二課に登山届を提出し、遠征中には日本大使館の石川達雄一等書 記官に入下山連絡をした。また、日本より英文の緊急連絡網を持参し、遠征地域の要人に手渡した。
 各隊員は家族の了解を得て、念書・同意書・委任状の3通を本登山隊事務局長に提出した。

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連絡先
インド国内
  • Ibex Expeditions G-66, East of Kailash, New Delhi-110, 065.
     TEL 91-11-632641, 91-11-6828479
    Fax 011-6846403 e-mail:mandip.ibex@axcess.net.in
  • インド登山財団 Indian Moutaineering Foundation
    Benito Juarez Road, Anand Niketan, New-Delhi-110021, India
    TEL 91-11-671211, 91-11-602245  Fax 91-11-6883412
  • 日本大使館 Embassy of Japan
     Plot No.4 & 50G Chanakyapri, 12 Pretoyia Street, New Delhi, India
    Tel 91-11-604071
国内
  • 外務省外務大臣官房文化交流部文化第二課
     100 東京都千代田区霞が関 2-2-1
     TEL 03-3580-3311
  • インド大使館
     102 東京都千代田区九段南 2-2-11
    TEL 03-3234-2391  Fax  03-3234-4866
  • ツアープラザ・ノマド TEL 011-261-2039
  • 山谷保険事務所    TEL 011-521-4281

 
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