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98グルカルポリ遠征隊 »

AACHグルカルポリ遠征隊通信


グル・カルポ・リ通信 5(1998年10月28日)
(by 丹羽由紀夫)

カトマンドゥに帰着しました樋口隊長より下記の連絡がありましたので、お知らせいたします。
尚、グル・カルポ・リ通信は今回をもって終了させていただきます。

登山隊留守本部 丹羽由紀夫 様

ご連絡が遅くなり、申し訳ございません。
一昨日(10/26)全員無事カトマンズに帰着いたしました。
すでに、山口氏から連絡が行っているかと思いますが、残念ながら頂上には立てませんでした。

10/3に第一陣がC1入りした後、予定通りコルへルートを伸ばそうとしましたが、コルへ直接上がる斜面の傾斜が予想以上に急で、荷揚げルートに適さないことと雪崩の危険が大きいとの判断で、ルートを変更して、左股氷河から北西稜に出て、6100mにC2を建設(10/8)しました。

その後、岩と雪のミックスの稜線に500mのザイルをフィックスし、コルへの降り口まで工作しましたが、稜線上は標高差50mほどすっぱりと切れ落ちており、そのまま進むのは不可能、ネパール側の斜面から回り込むルートも岩壁に阻まれて不可能、残り日数を考えるとそれからルートを変更するのは不可能ということで、撤退を決定しました。(10/14)

10/15から撤収作業を始め、稜線に張った500mのロープのうち、200mを回収した段階で天候が悪化し、稜線に300mのロープを残した状態で登山活動を打ち切りました。(10/18)

その後C2以下の撤収を終え、10/22B.C.出発。キャンジンで1日滞在した後、一昨日10/26にカトマンズに帰着しました。

頂上には行けませんでしたが、事故もなく全員無事に下山できたことをご報告いたします。
今後、隊荷の返送作業、ネパール政府への報告等残務処理を済ませ、11/4に帰国する予定です。
以上簡単ですが、取り急ぎカトマンズ帰着の報告をいたします。

グルカルポリ登山隊 隊長 樋口和生



グル・カルポ・リ通信 4
現地本部より下記の連絡がありました。残念ながら登頂断念です。
(by 丹羽 由紀夫@留守本部 via 山口 斌@カトマズ)

只今(10月23日午後2時40分)J.P.LAMAより電話連絡が入りました。
たった今キャンジンゴンパより連絡が入り、全員無事、帰路に付いているとの事です。

遠征隊は高度6150mで悪天候とルートの困難性から登頂を断念しました(断念日時未確認)。

今後の予定は明24日ラマホテル、25日ドゥンチェ到着。
25日迎えのバスがカトマンドゥよりドゥンチェへ。
26日夕刻バスにてカトマンドゥ到着予定です。

グルカルポリ遠征隊現地本部 山口 斌


グル・カルポ・リ通信 3
10月3日B.C.より帰るポーターに託した樋口隊長の手紙が10月9日現地本部に届きました。
(by 丹羽 由紀夫@留守本部 via 山口 斌@カトマズ)

グルカルポ・リ登山隊中間報告
1998年10月3日
AACHグルカルポ・リ登山隊隊長 樋口 和生
「遅くなりましたがグルカルポ・リ登山隊の中間報告を致します」
(9月24日以降分)

9月24日(木) キャラバン先発隊、キャンジンゴンパからペンタンカルポへ入る予定であったがポーターを手配できず、結局本隊と合流。
本隊、ランタン発、キャンジンゴンパ着。到着後ゴンパで安全切願プジャ。
笹瀬、ドゥンチェ発シャブル着。
9月25日(金) キャラバン先発隊、隊荷隊に先行すべく馬でキャンジン発ランシサの先のキジュンプーへ。
隊荷隊、サーダーのカルサンとキッチンボーイ、ナイケでポーター61名を引き連れてランシサカルカへ。
本隊、キャンジンコンパからキムシュンピーク(4600m)へ高度順化、キャンジンゴンパ泊。
笹瀬、シャブル発、ラマホテル着。
9月26日(土) キャラバン先発隊、隊荷隊のポーターに追いつかれ、シェルパと共にBC(4870m)設営。
ペンタンカルポからランタン氷河本流を渡り凹凸のひどい支氷河詰め、裸氷の見える4870mにBCを決定。
隊荷隊、ランシサカルカからペンタンカルポを経てBCへ。ポーターはキジュンプーまたはランシサ泊。
本隊、キャンジンゴンパからツェルコ・リ(5000m)へ高度順化、キャンジンゴンパ泊。
笹瀬、ラマホテル発、ランタン着。
9月27日(日) キャラバン先発隊、終日隊荷整理。
本隊、キャンジンゴンパ発、ランシサカルカ着。
笹瀬、ランタン発、キャンジンゴンパ着。
9月28日(月) キャラバン先発隊、標高5000mへ荷上げ。2回で合計約160kg。
本隊、ランシサカルカ発、BCへ。昼前から降雨。
笹瀬、キャンジンゴンパからキャンジンピーク(4300m)へ高度順化、キャンジンゴンパ泊。
9月29日(火) 朝、シェルパによる安全切願のプジャ。
本隊、終日降雨の為BCで停滞。隊荷整理。
笹瀬、降雨の為キャンジンゴンパで停滞。
戸田、体調すぐれず、午後BCからランシサカルカへ下山。
9月30日(水) 清水、小倉、カルサン、パサン、キパ(コック):標高5300mまで荷上げ、デポ地設営。 宮井、岩瀬、吉田:高度順化を兼ね標高5080mまで荷上げ後、宮井、吉田はBCへ下山。岩瀬は樋口と合流後5100mまで行動しBCへ下山。
樋口、リンジ:樋口の高度順化を兼ね、先発の作ったケルンを整備しながら標高5100mまで往復。
戸田:ランシサカルカで休養停滞。
笹瀬:キャンジンゴンパ発、ランシサカルカへ。戸田と合流。
リエゾンオフィサーは体調不良の為キャンジンゴンパ滞在。
10月1日(木) 清水、小倉、パサン、リンジ、キパ:5300mデポ地から荷上げ後、上部プラトー標高5500mにC1を設営。
樋口、岩瀬、カルサン:BCと5300mからC1へ荷上げ。
宮井、吉田:5080mから5300mへ荷上げ後、ルート標識整備。
戸田、笹瀬:笹瀬の高度順化が不完全な為、ランシサカルカからペンタンカルポ(4600m)へ高度順化、ランシサカルカ泊。
10月2日(金) 樋口、清水、岩瀬、小倉、カルサン、パサン、リンジ:BC. 5000m、5300mからC1へ荷上げ。中間デポ地を撤収。
宮井、吉田:体調不良の為ランシサカルカ(4100m)へ下山。
戸田、笹瀬:ランシサカルカからBCへ。
10月3日(土) 清水、小倉、カルサン、パサン:二泊三日の予定でC1からC2へのルート工作をすべく、BCからC1へ。C1到着後降雨の為行動中止。
戸田、笹瀬:高度順化の為5100m往復。
樋口、岩瀬、リンジ:BCにて休養停滞。
宮井、吉田:ランシサカルカにて休養停滞。


10月3日までの経過は以上の通りです。
今後当面の予定は10月5日に樋口、岩瀬、リンジがC1入りし、同日まで上部工作をしている清水隊と交代してC2へのルートを出来るだけ早く確保する積もりです。

<天候>
  • 今年のモンスーンあけが遅れているようで、本隊のキャラバン中に青空が見られたも のの本隊がキャンジンゴンパを出発する頃から雨が降り始め、今日まで降雨・降雪のか った日はありません。連日雨具を用意しての荷上げです。
  • ここ数日は寒気が入っているのかBCより上部では雪。朝起きると毎日新雪が3cm前後積もっています。早く天候が回復してくれるのを祈るばかりです。

    <ルート>
    BCからC1までは二ヶ所のクレバス帯と上部のプラトーの大きく三つに分けられます。
  • 下部クレバス帯(5000〜5100m)...比較的大きなクレバスが続きますが、クレバス自体の見分けははっきりしており、ヒドンクレバスもなく簡単に迂回できます。

  • 上部クレバス帯(5300〜5400m)...氷の上に雪の積もったクレバス帯ですが、クレバス自体の規模は小さく迂回も容易です。降雪後のヒドンクレバスには要注意ですが竹のデポー旗で対処しています。

  • 上部プラトー(5400〜5600m)...5400mを過ぎると傾斜が落ち、広大な雪原が広がります。ランシサ・リ、ペンタンカルポ・リ、グルカルポ・リの三つの山に囲まれた所で、5500mにC1を設営しました。
    上部プラトーに抜けるまでには広い谷沿いのルートで、側壁からの雪崩や落石に注意する必要はありますが、技術的に困難な場所もなくルート工作も標識の設置以外は必要ありませんでした。

    <体調>
  • 高度順化には個人差があり体調にはばらつきがあります。高所経験者と未経験者で順のスピードの違いが現れているというのが現状でしょうか。
  • 今回の山は上部でのルート工作に時間を必要とする為、現在高度順化のうまくいってない者も時間をかけて順化をし、いずれ前線復帰できるものと考えています。
  • 高度に慣れない以外は皆健康で山の生活を楽しんでいます。
  • 現在半数が体調不良により荷上げ能力が不足していますが出来るだけ早く前線を先に延ばし好天をついて頂上にアタックをかけるつもりでいます。
    しかし相手が「天候」のためあせりは禁物。チャンス到来に向けて万全の態勢を整えておくことが何よりと考えています。

    朗報をご期待下さい。
    グルカルポ・リB.C.
    にて 樋口 和生

  • グル・カルポ・リ通信2
    本隊はカトマンドゥを出立いたしました。
    (9/21)
    (by 丹羽 由紀夫 会員)

    本隊到着後の経緯は下記の通りです
    9月16日本隊到着
    17日観光省訪問、トレッキングパーミッション取得、パッキング(山口宅)
    18日午前8時 清水、小倉先発隊として出発(山口の自家用車使用)
    パッキング終了
    夜は佐々木正雄君を交え山口宅で宴会
    19日山口自家用車カトマンドゥ帰着
    17時荷物をバス2台に積み込み
    夜は佐々木正雄君を交えレストランにて会食
    中華料理 北京ダック美味
    20日午前7時 本隊出発
    笹瀬隊員19時カトマンドゥ到着
    22日笹瀬隊員トレッキングパーミッション取得予定
    23日笹瀬隊員路線バスにて出発予定

    グル・カルポ・リ通信1
    カトマンドゥからの一報
    (9/17 朝)
    (by 丹羽 由紀夫 会員)

    6名、昨晩無事カトマンズに到着しました。

    キャラバン先発は予定通り、18日朝出発予定です。
    陣容は清水、小倉、パサン、ポーター×2でがガマさんの車を借用します。


     
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