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- 発行日時
- 2020-8-15 10:09
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- 東大雪/カムイサンケナイ川から前トムラウシ山(トムラウシ川西沢下降)
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- 東大雪/カムイサンケナイ川から前トムラウシ山(トムラウシ川西沢下降)(沢登り/大雪山)日程:2020-08-13〜2020-08-14メンバー: saito1987コースタイム:写真:源頭は鹿の楽園2つ目の滝の手前C1の朝沢中から前トムラ捲いて下りるのもあれば上の函後半のナメ滝連瀑の核心水も湧き出たり涸れたり限りなく透明なブルーの淵細かいホールドスタンスを拾って左岸水際を登る薄い岩苔が滑って困るカムイサンケナイ川下の函ザイル出して右岸登る上の函後半のナメ滝連瀑始まり微妙なクライムダウンも登れば面白そう水が冷たく浸かりたくない懸垂で処理する滝も色々黒豆の木液果まだ酸っぱい溶岩ゴーロとこのような岩棚の連続ニペウペペをバックに源頭部V字が続く下段に噴き出す名物滝前トムラウシ山頂上落差最大の滝は懸垂とクライムダウンで処理前トムラへの岩海斜面右股入りすぐの滝たたずむ標高点前トムラからトムラウシ上の函雪渓付き滝の処理から核心始まるCo960二股付近から始まる川幅一杯のナメ床カムイサンケナイ川下の函幅広の滝トムラウシ川西沢源頭近くの溶岩ゴーロ林道跡のカルバート橋で山行おしまいすだれ滝トムラウシ川西沢へ鹿道を辿る感想: 神威橋から入渓。カムイサンケナイ川は大きく下の函(Co850前後)、上の函(Co1000〜上二股手前)と分けることができ、その間は河原歩きに終始する。函はのっぺりした黄色い凝灰岩層でV字谷を成し、高捲きは不可。細かいホールドスタンスを拾いながら水線沿いを突破していく。上の函の後半、連続するペロンとしたナメ滝が見事。靴底のフリクションを最大限効かせながら登る。ゴム底よりもフェルト底の方が効くようだ。 Co1080二股から前トムラを目指し、右股へ。すぐに40mぶっ立ったナメ滝を見上げる。ザイルを出して水線沿いの右岸を登る。岩は脆く要注意。しばらくテン場を探しながら進み、2つ目の顕著な滝、苔生した10m滝の手前を切り拓いて泊まる(Co1150位)。右股に入ってからは、源頭近くまで良いテン場は無い。湿度が高く、午後から断続的に小雨が降る。焚火は出来たが、寒い夜を過ごした。 翌日、カムイサンケナイ川右股の源頭は、鹿の楽園だった。ぴゅーぴゅーと鹿の鳴く声を聞きながらお花畑を抜けて前トムラウシ山の岩海斜面へ。ハイマツを踏み抜いて岩の隙間に落ちないようルートファインディングをしていけば、藪漕ぎは無い。頂上には苔生した標高点がポツンとあった。本日は雲海の上。東大雪から裏十勝の展望台である。 前トムラウシ山から西沢へはCo1500付近を目がけて下降する。途中から鹿のハイウェイに導かれ、高山植物が咲き乱れる池塘群を抜けると、源頭部溶岩のゴーロ帯に出る。沢は傾斜が急になると、溶岩のゴーロとぶっ立ち系枯滝(5〜20m)がいくつも交互に出てくる。水は涸れたり吹きだしたりして面白い。透明なブルーの淵の造形も見事だ。 下降する場合、両岸が立っている滝の処理は、上からのルートファインディングが難しい。下手に高捲きはイヤなので、懸垂主体で降りていくが、今回持参したザイルは30m1本のみ。1回で済むところを2回に分けて懸垂したりして、時間を喰った。表面に薄い苔が付いた岩には、フリクションが効かず苦労する。予想外に滝や段差が出てきて、次第にお腹が一杯。中には、この流域最大クラスといえる滝もあった(2段60〜70m)。下部から2箇所湧水が噴き出す50m滝は、上段15mを懸垂後、左岸を捲いて降りる。次のすだれのようなナメ滝は、冷水を浴びながら右岸側を懸垂。下降のフィナーレは、延々と続く黄色い凝灰岩のナメ床、幅広の滝。 今回下降したトムラウシ川西沢は、内容的にもっと登られても良い沢だと思った。さらに下流側のトムラウシ本流渓谷から遡行を繋げれば、北海道有数の沢登りルートとなるだろう。