積雪の最も多い2月〜3月にかけて、ここ数年モチベーションを高めてきた越美国境縦走を計画しています。111キロ、10泊11日(予備2日)。イグルーを使った山登りは、人里から離れた山岳深部を長期間安全に漂うための原点です。
日本海に近いため、この山域は標高も緯度も低い割に積雪があります。1000〜1300mの間を上り下りするこの連峰は地味ですが、文明世界からの距離感は北アルプスの奥地クラスではないかな。徳山ダム、上大須ダム建設と過疎化でいまは山里がほとんど消え、どのエスケープも岐阜県側、福井県側とも人家まで遠いです。おそらく電話も普通で、気象情報はラジオ天気図です。広大な無人地帯が、この山域の最大の魅力です。山の難易度は高さでは無く、深さだと思います。
1970年代からの越美国境山行記録本など。ホハレ峠は、徳山ダムで廃村になった門入(かどにゅう)のゆきえさんの人生を追った記録。
各々の14山頂と峠の歴史的な往来記録が夢を誘います。源平合戦由来の戦場の谷、蠅帽子峠の水戸天狗党行軍記、夜叉ヶ池の雨乞い史、揖斐川、根尾川源流域の今は無き山間集落の近代史など。信州の山奥にはないこの土地独特の歴史がありました。
今回は仲間が見つからなさそうなので単独かもしれませんが、この前北大ワンゲルOBの野村良太さんが63日間670キロの北海道中央縦走をしたのを見て、一人でもやってみたくなりました。一人だとずるずるやめるかもしれないので一応この場で宣言しようと思います。