ヤマレコAACH - 切り抜き一覧
発行日時 | 見出し |
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2021-8-2 10:15 |
大星沢本流
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大星沢本流(沢登り/札幌近郊)日程:2021-07-30(日帰り)メンバー: sy2017 yumepporoコースタイム:写真:デカナメ滝多しシャワーがムズいので右岸直登残置をありがたく使わせてもらうF2 雰囲気がいい!左岸リッジ状をザイル出して直登!F3手前の巻き ズルズルF1 水圧がすごい感想:久々の沢登り。楽しいなぁー今年も佐藤さんと沢行けて嬉しいです!
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2021-8-2 6:54 |
サッシビチャリ川1839峰南面直登沢右股
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サッシビチャリ川1839峰南面直登沢右股(沢登り/日高山脈)日程:2021-07-30〜2021-08-01メンバー: Iida_2017 mizushu2016コースタイム:写真:Co1040の多段の滝二つ目テンバから南面がよく見えるさくさく二股あれ??泳ぎは苦手チムニー1週間前もあったが??入渓スタートCo1280、チョロチョロ3年越しに沢の楽しみCo1140の滝、ジャミング函良い写真だがこの後悲劇が…上から一望終わりしべちゃり橋Co870二股感想:僕は沢登りが大好きです。39北面にコテンパンにやられた3年前。そこからどれだけ自分達に力がついたのか、期待と自信と不安が入り混じった中で臨んだ山行だった。結果的に言えば遡行自体は非常にサクサク進み、継続予定だった23南面も楽しみになるほどだった。雪渓が無く水も少ない状態とは言え、この感覚は素直に嬉しい。ただ沢の怖さを思い知らされた山行でもあり、難易度に関係なく大けがや命に係わる危険がそこら中に潜んでいるのだと再認識させられた。それを忘れることなく沢を楽しんでいきたい。
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2021-8-2 3:31 |
美瑛/辺別川遡行
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美瑛/辺別川遡行(沢登り/大雪山)日程:2021-07-31〜2021-08-01メンバー: saito1987コースタイム:写真:日高チックな回廊も上流部の渓相扇沼山への夏道(荒廃中)にのるその上流すぐのF2釜滝10m−釜をへつり左壁の弱線から登る後続ザイル出す猛暑で水に浸りながらの河原歩き蝦夷雷鳥Co1000F1 2段の滝 20m+ 右岸捲く上段は裏側チムニー状で見えない水流少なければ内部登攀可能夏道から兜岩を振り返る兜岩が見えてきた扇沼山と硫黄沼所々岩盤が出てきて飽きない硫黄沼古い噴火口だろうか良い眺め扇沼山へへつったり泳いだり扇沼山頂上Co1260ゴーロ帯の中に河原状を見つけて泊まる5万図水線の二股をすぎてCSの滝F3 10m右岸の淵をへつって瀑水を浴びながら左岸に移りチムニー状を登る。面白い。感想:猛暑の中の快適な渓歩き。顕著な滝3つはいずれも捲けるが直登も楽しい。下山の夏道は絶賛荒廃中。廃道近し。
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2021-8-2 1:51 |
コイカク沢左股右沢
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コイカク沢左股右沢(沢登り/日高山脈)日程:2021-07-31(日帰り)メンバー: sy2017 Takenaka2017コースタイム:写真:ハング滝。水量しょぼい。干上がっているV字谷に崩壊雪渓スライダー、跨ぐ【逆層ヌメヌメ滝の中に直登ラインを見いだすYukiSato】こんな滝が無限に出てくる。全てノーザイル。感想:本格沢登りにくたびれた。絶賛筋肉痛。翌日も赤岩でガッツリ登った。携帯電話で天気予報を見て沢中悪天を回避するスマートな山登り。実に薄っぺらだ。春も感じたけど悪天のプレッシャーがない山登りなんて自分にとってはニセモノだ(夏道登山者の方など登山性の異なる人を批判するつもりは全くありません)。早く全身で山に浸りたい。
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2021-7-27 12:35 |
ピラトコミ東面、1823峰七の沢本流東面右股
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ピラトコミ東面、1823峰七の沢本流東面右股(沢登り/日高山脈)日程:2021-07-23〜2021-07-25メンバー: Iida_2017 mizushu2016 marucircldコースタイム:写真:ピーク直登沢はずっと滝快適テンバ下から上からピラトコミの雪渓七の沢本流右沢からすぐのところピークザイル出して登った所出合ザイルfixした雪渓および滝大滝、巻いた感想:2年目のメンバーにこれが楽しい沢登りだと思ってもらえたら嬉しい。やはりホンモノは日高だ。(知らんけど)イビキのおっさんはマジで許さねえからな。明るく快適な直登沢。かなり日高っぽい(知らんけど)準山には贅沢すぎ?水に濡れないので秋でも楽しそう。
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2021-7-27 6:15 |
伊佐内川〜我呂ノ沢
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伊佐内川〜我呂ノ沢(沢登り/積丹・ニセコ・羊蹄山)日程:2021-07-22〜2021-07-23メンバー: mt_furano Nakagawa2019コースタイム:写真:スイカ割りしたお花畑にポン伊佐内唯一の見せ場ピー写cdした滝3つ星ホテルで沈おれたちのアイドル朝焼け燃ゆる感想:最終準山伊佐内は眠すぎてあまり記憶がない。我呂ノ沢は下降に適したきれいな沢。ピークはなんかエモかった。岬いけたらもっとエモいのだろうか。
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2021-7-27 5:46 |
飛生川
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飛生川(沢登り/支笏・洞爺)日程:2021-07-18(日帰り)メンバー: mt_furano Nakagawa2019 Mt-sunnyコースタイム:写真:なんとか引っ張り上げる癒し渓早く飛び込まんかい!オワニッコニコ変態2匹あかん、おれ泳げないんだったそっれぽくなるいくで〜キラッキラプール後のあの感じ感想:準山2.5回目(補完)自分も楽しかったし、なにより後輩たちがニコニコしていてとてもあったかい気持ちになった。沢、楽しいよね。
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2021-7-27 5:11 |
千代志別川〜床丹川
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千代志別川〜床丹川(沢登り/増毛・樺戸)日程:2021-07-10〜2021-07-11メンバー: mt_furano Nakagawa2019 Mt-sunnyコースタイム:写真:滝となって合流する二股うみおつかれキラキラかこうピー写飽食の時代到来楽しそうおはようございますおさかな捌き班元気なM感想:準山2回目海まで歩き通したのめっちゃよかった。海の見える山大好き。
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2021-7-27 4:49 |
白井川本流〜白井川左股
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白井川本流〜白井川左股(沢登り/札幌近郊)日程:2021-07-03〜2021-07-04メンバー: mt_furano Nakagawa2019 Mt-sunnyコースタイム:写真:ごつ盛りあひお楽しみゾーン夏の幕開け旅のはじまりピー写股&タマ&竿ズレ野郎さっそく雪渓を捲くドボンすいすいかわいい珍客感想:準山1回目ありえんくらいヌメッてた。サンショウウオかわいい。
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2021-7-26 8:28 |
s峡 ryusei、M谷、屏風岩
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s峡 ryusei、M谷、屏風岩(フリークライミング/大雪山)日程:2021-07-16〜2021-07-18メンバー: midori428 sy2017 nikonikoaokazu taanabe写真:3p目 ひたすらズラす 5.10 40m55m懸垂1p目 ビレー点 岩角と奥の水平クラックにカムcd5m挟んで、4p目 5.8 チムニー 20m開拓:成田 SY Y子先生 RP初登:SY 「Judgelight」とする 5.11aではちと辛いか? 面白いよ1峰のWonderをリード中のYさん2p目 奥へとトラバース15mM谷P Trで3p目「Door 5.10」を経て 「3 years ago 5.11bc 30m」通称3yを気合でOS フォローは☓。なんとかカムエイドで抜ける。M谷P 秋には登りたいProjectの逆くの字クラック。とにかくむずい。そしてランナウトする。。。3p目上から3峰1p目 5.10 25m 最後の核心部 finger は短いながらも5.10台後半では? 3p目感想:楽しい!!やることいっぱいあってこれからが楽しみ♡来年は通いたい!よく登った3日間。暑くて沢に飛び込みたくなる。今回トポにおんぶにだっこだったが、このような大きな壁を登るには、下からよく観察し適切なRFをしなければならないなぁと反省(←Doorで少し迷った)。総合的にクライマー力のなさを痛感することが出来た。ただ力があって登れるだけでは、ダメなこともわかった。このエリアは行く度、自分の課題、弱い点が見つかる最高のエリア。オフィズスが一番楽しい。
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2021-7-24 12:42 |
砂蘭部川から沖沢山(相沼内川下降)
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砂蘭部川から沖沢山(相沼内川下降)(沢登り/道南)日程:2021-07-22〜2021-07-24メンバー: saito1987 Yanke1987コースタイム:写真:5万図熊峰沢の分岐を過ぎると函状狭まる砂蘭部川の河原砂蘭部川の淵相沼内川の一夜快適天場F2右岸捲く湧き出る温泉(冷鉱泉)下部の函状地形は至る所に温泉湧出頂上無風の稜線笹薮漕ぎに昇天しかける南の沢型を下降上部の滝(Co520)も同様右岸を捲く朝霧這う河原を下山詰めは右を選びやや北西側の稜線へ出る頂上から南の断崖に沿って下降点を探す暑いので気持ちが良い感想:元小屋沢山まで足を延ばす予定だったが、足爪を剥がしたうえ、暑さと吸血虫の襲撃で意気消沈。のんびりと相沼内川を下山した。沖沢山から下降の沢:頂上から南の断崖を確認しながら西北西に笹を漕ぎ、西の肩を越え南の沢型斜面へ下りる。Co800手前に断崖あり、懸垂15m+10m。Co750付近から小滝のクライムダウンが断続的。15m、10m、25mの懸垂。支点はすべて灌木。火山角礫岩主体の岩は若干脆くヌメるので注意。
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2021-7-22 6:00 |
精進川〜雷電山
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精進川〜雷電山(沢登り/積丹・ニセコ・羊蹄山)日程:2021-07-21(日帰り)メンバー: mizushu2016コースタイム:写真:沢には坂ビス温泉へ元気が無さそうで心配したすぐに函F1、登ってない見た目ほどでは無い大滝、簡単その後も滝が出てくるハングの滝、左岸登れたこれは右岸から巻いたピーク15m滝。左岸から、?+くらい中を行く感想:もう少し入渓者が居ても良いんじゃないかという沢。中だるみは否めないが、ピークまで行くのがおススメ。2年班の1回目に札的行くより楽しいんじゃないかと…
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2021-7-22 6:00 |
湯内川
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湯内川(沢登り/積丹・ニセコ・羊蹄山)日程:2021-07-20(日帰り)メンバー: mizushu2016コースタイム:写真:温泉上からF7久しぶりに海で泳いだなんてことは無いF1奥にF3F6,ここが核心か海岸に下りスタートF8感想:海から泳いで取り付き、それなりに滝も楽しめる確かに間違いの無い沢。おまけに温泉付きとは。天気の良い日にワイワイ行くのに適した所。
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2021-7-18 11:25 |
芦別・γルンゼ〜南峰南陵
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芦別・γルンゼ〜南峰南陵(アルパインクライミング/芦別・夕張)日程:2021-07-18(日帰り)メンバー: Iida_2017コースタイム:写真:ド根性下山がんまおやおやF9ヒンヤリほんだに楽しい小滝もある南峰取り付きいい気分北峰と布部ストロングスタイルどころの話ではなかったやったー上部F3F8および二股F2滑ったら雪渓に喰われる。ここが一番怖かった。fu○kあるふぁザイル出したとこ感想:南峰南陵はそれを目的として行くほどではないが,沢からの継続だと手足に伝わる乾いた岩の感触が嬉しい。沢を歩いてアプローチし,そこに壁があったら難しくなくともクライミングを交えてピークに立つ。登山という表現行為として,この形は非常に美しいと思う。いい絵を書き上げた気分。
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2021-7-18 10:23 |
楽古川B沢〜十勝岳〜楽古川A沢
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楽古川B沢〜十勝岳〜楽古川A沢(沢登り/日高山脈)日程:2021-07-10〜2021-07-11メンバー: nikonikoaokazu mizushu2016コースタイム:写真:三段の滝の上の次F1ガスガス屈曲部の滝、右岸ルンゼから上から感想:ペンケ札楽古に似たような感じの沢。藪もなく楽しいが少し短い。
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2021-7-15 2:05 |
黄金沢〜群別川
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黄金沢〜群別川(沢登り/増毛・樺戸)日程:2021-07-03〜2021-07-04メンバー: Iida_2017 mizushu2016コースタイム:写真:爽やかである感想:意味不明なボルトに無限捨て縄。群別の大滝にはfixザイル...そんなに安全に守られたいなら沢登りなんかすんな
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2021-7-13 9:22 |
中の川支流 (支五の沢)
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中の川支流 (支五の沢)(沢登り/日高山脈)日程:2021-07-12〜2021-07-13メンバー: Iida_2017コースタイム:写真:核心F5F3F6F4冷え〜F2したのボルダーめんどくせ〜おわでごんinfinite薪F2F7F1感想:沢登り4本目〜初の日高!!!が単独になってもた。日高に一人で来ること自体初めてだったのでいつも以上に緊張した。支五の沢は開放的で無駄の無いええ沢でした。やっぱり日高はええですな。
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2021-7-4 3:17 |
Scrack 岳、屏風岩1峰、発電所等
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Scrack 岳、屏風岩1峰、発電所等(フリークライミング/大雪山)日程:2021-07-03〜2021-07-04メンバー: sy2017 Takenaka2017 taanabe写真:Wonder 5.10 最初はチムニー龍樹練習中取り付き付近屏風岩アプローチ 30min即身仏 5.9R 中間は小さい突起に巻きつけただけ 墜落には耐えられない クライミングがもっと好きになる Big Bang 5.10+ OW ほぼ完登 嬉しい竹中たなべ感想:1日目: 3人で岳エリア。プロジェクト触ってみたが、最高高度2m位で沈。黒蛇と龍樹にテンション入ってしまい調子も良くなかった。2日目: 2人で屏風岩のマルチ、山スキー部とは別行動。写真ないけど「Gate 5.10+ 50m (FA dz氏)」 OSしました。面白かったけど、苔すごい、即身仏のRのせいでのぼられてないのかなぁ。でもここに来るようなクライマーなら何でもない、朝飯前だと思うのですが。ワイドの動きは自分でも良くなってきたのがわかる。少しは成長したのか。パートナー募集中。車、金なし。S峡行きませんか?
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2021-7-4 1:17 |
銭函天狗山
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銭函天狗山(フリークライミング/札幌近郊)日程:2021-07-04(日帰り)メンバー: saito1987 Yanke1987写真:レジャークラックウルトラセブン2P目のチムニーズリズリやんけリゾートクラック銭函天狗岳の岩場中央カンテから中央チムニー感想:31年ぶりの訪問。前回は現役4年目の時、甲斐駒の準備山行でアブミに乗りまくった事を覚えている。フリーのラインを何本か。・レジャークラック・リゾートクラック右・ウルトラセブン2P(1p目は上部抜け口のクラックで行き詰まり、中央チムニー側へ)・リゾートクラック左
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2021-7-2 7:30 |
Alaska, Denali, Cassin Ridge
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Alaska, Denali, Cassin Ridge(アルパインクライミング/北アメリカ)日程:2021-05-04〜2021-06-20メンバー: kasaisnt nrtk7写真:West Ribを下るセスナWest Rib Cut-offフォレイカーアタック日の朝。風強い。勝利飯。ふくらはぎパンパンあとは雪壁登り。つもりがややいやらしいトラバース。Squirrel Hill登ったあと結構登った。Talkeetnaに帰ると夏でした。Medical Camp(14,000-foot Camp)South Buttress。Cassinへ向かう。5.6のスラブ。ピーク。2回とも他のパーティーはいなかった。5.6のクーロアール。ここが一番むずかったかも。West Ribの最初のクーロアールもバックステップ。氷河上で泊。Denali Passへのトラバースもうちょい。Fixの登り美しい氷河北東フォークCassin Ledge。ギリギリ2人寝られる広さだが意外と快適だった。バックステップしすぎて足痛い。2nd Rock Bandの最初の核心。5.8のピッチはアイゼン赤岩登ってれば問題ない。さようならWest Buttressには無限にルート拓けそうHanging Glacierへ。凄い雰囲気フォレイカーも小さく見える。HCよりフォレイカーCassinを見ながら降りる。疲れる。景色は最高。ヘッドウォール2p目終了点より1stRC核心1p目。Bank Houseの中。Ski Hill Campまたも狭いところで泊。フランシス80°の核心。3rd Rock Bandは右から捲く。あとはひたすら雪壁登り。JC抜けたのは薄暗くなってから。Japanese Couloirへ突入。テンバとデナリ綺麗に色が分かれた岩豪遊。セスナHigh Camp(17,000-foot Camp)ウィンディーコーナーの後。後ろにはフォレイカー。家に帰るまでが登山です。ハンター北壁ピークからのパノラマピーク(へたくそ自撮り)1st Rock Bandへ。クレバス2p目。11,000-foot CampへMCに戻ったらテント埋まりかけてた。2nd Rock Band頭より。カヒルトナピークス&ハンター&フォレイカー結構高度感あるので気は抜けない。デナリ2nd Rock Bandへ。3p目。意外と立ってる。あとちょい。下る。これは北峰。雲海。振り返るここで泊。ひたすらバックステップ。ヘッドウォールへ向かうCassin Ledgeで泊。雲海とHC。アバラッペル。11,000-foot CampWest Ribとりつき。ナイフリッジ。感想:去年デナリ全面入山禁止の報を受けて頓挫したDenali West Rib遠征。遠征が潰れてしばらくはただただショックに打ちひしがれていたが、逆にこれは来年Cassin Ridgeを狙うチャンスなのではないかと思うことにした。転んでもただでは起き上がらぬ。1年あれば十分Cassinを登れるまでに仕上げることができる。そう思い道内の岩や氷を登りまくり、あっという間に出発の日となった。5/4~5/9 アラスカ入り〜準備5/4成田空港にて集合。本当に出発できるのか半信半疑だったが、無事出発。仁川、ロサンゼルスと乗り換えてアンカレッジへ。ロス行きの飛行機では笠井はビールを飲めたらしいが、僕は韓国語で話しかけられ意味不明だったので適当に返事したらただのジュースだった。5/4(現地)ロスでの入国審査はザルだった。コロナが関係しているのだろうか。だだっ広い空港をさまよい歩いてアラスカ航空の出発ゲートへ。またもや適当な検査であっという間にアンカレッジ。アンカレッジについたときにはもう夜中だったので、タクシーで予約していたIngra House Hotelへ。そこから荷物を置いて夜食を食える所を探して徘徊するが、このご時世か、どこも早く閉まってしまい、彷徨った挙げ句コンビニで粗食を買ってホテルで泊。5/5まずは衛生端末を買いにMidtownのアウトドアショップREIへ。inReach miniやらガス缶やらを買う。もう一つのMidtownのアウトドアショップ、AMHも寄った。Downtownに北上し、安くてうまいアラスカの地ビールを買い込み、ピザ屋で夕飯を食う。日本語を勉強しているという同年代くらいの人と会話をした。5/6今日もまったり起床。各自適当に過ごす。夜はDowntownのレストランで豪遊。うまかったが二人で100$くらい使ってしまった。コロナでホテル待機とかあるかと思って入山を13日で申請していたが、そんな必要はなさそうなので、5/10にタルキートナで入山手続きをしてセスナでカヒルトナ氷河へ行くことに計画変更する。レンジャーとセスナ会社にメール送ったらなんとかなった。5/7再度REIへ行ったりして最終チェックしたあとMidtownのwalmartで食料の買い出し。雑炊用のカレールーは、北米でも安く売っているかと思っていたが、普通に日本の3~6倍の値段がする。半分カレー味、他は謎シーズニングで凌ぐことにする。3.5kgで5.5$の恐ろしいハム塊を購入。夜はその激安ハムとレタスをケチャップとマスタードで味付けしてパンで挟んだやつ。今後3日間は全てこれだけで生きた。5/8前日は今日Talkeetna行きのバスを手配して、すべての準備を終わらせてまったりするはずだったが、二日酔いで体調悪く夕方に起きる。駄目人間である。ぜんぶもう遅い。この日は何をしたか記憶にない。5/9Talkeetnaには今日には入っていたいがまだバスが手配できていない。電話使えないので色々な会社へメールを送るが無反応(公営バスはギリギリ期間外)。おまけに勢い余って昼にホテルをチェックアウトしちゃった。大量の荷物を手に、ホテルの駐車場で立ちすくむが、タクシー呼んでDowntownのLog cabin Anchorage visitor centerへ最後の希望を託して向かう。普通の英会話ですら危ういが、センターのおばちゃんの助けを借りて、奇跡的に本日16:30にビジターセンターへ迎えに来てくれるというGo Purple Shuttleという会社のシャトルバスに乗せてもらうことになった。感謝。Talkeetnaへは2~3時間で、バスの運転手さんにTalkeetnaの町を紹介してもらった。本当は僕らが乗るセスナ会社のTalkeetna Air Taxiの無料の宿Bank Houseに降ろしてもらってそこで泊まるつもりだったが、Bank Houseは満員らしく、TATのOffice近くの小屋に泊まらせてもらった。Talkeetnaは本当に小さな村で、数時間で村を全部周れそうな感じ。この日も村の酒屋で地ビールを買って飲んだ。5/10~5/27 入山〜Denali West Buttress アタック5/10 KBC(15:00)=C1僕らの寝ている小屋の前は出発するパーティーの荷物の計量所らしく、7時からずっと人がガヤガヤしていて叩き起こされた。8:30にTalkeetnaの中心のはずれにあるレンジャーのオフィスにて(今はコロナ禍なので正確にはオフィスの庭で)入山者が全員受ける必要のあるオリエンテーションを受ける。ここでDenaliを登るのに必要な許可ナンバー付きのタグや、CMC(排泄物を入れる容器)などを貰う。なお、これらは入山者の多いWest Buttresのみで必要なようだ。その後、再び泊まった小屋に戻り、荷物を整理してからあらかじめ予約していたTalkeetna Air Taxiのオフィスへ向かう。ここで3ガロンのホワイトガソリンとデポ旗を購入し、自分達の荷物を計量してから支払いをする。貴重品とその他荷物はTATに預けられる。荷物は1人56kgまでは追加料金なしだが、まさかの自己申告!僕達がどうしたかは想像にお任せして、13:30にセスナに乗っていざ出発。セスナの乗客は10人程居たが、僕達以外は皆氷河だけの観光客だった。とはいえ、僕達もセスナの窓から見える初の本格的な氷河とあちこちに点在するブッ立ち花崗岩の壁、そして巨大なデナリに興奮する。小1時間ほどのフライトでKahiltna Base CampのLanding Pointへ到着。Mt. Hunter北壁の1200mのブッ立ちがまず視界に飛び込んでくる。Mt. Francisも手頃なブッ立ちがいっぱいあって面白そうだ。Mt. Francisの東コルの向こうには、Denaliの姿も見えた。でけえ。すこし外で景色を楽しんだりしていると、ガスが晴れてMt. Forakerの威風堂々とした佇まいが見えてくる。今回は登らないが、このフォレイカーのどっしりとした姿に見惚れ、次回があれば登りたいと早くも思ったりする。Infinite Spur狙いたい。この日は外で雑炊を作り、下界で食いきれなかったレタス、トマト、例の豚ハム塊をぶち込んだ豪華なものとなった。ブッ立ち、肉、ウイスキー。5/11 C1(9:30)SHC(14:30)=C2 ガス時々雪4時に起きる予定だったが見事に寝坊して7時起き。やれやれ。バジルソーススパゲッティを食べるが米国産穴だらけジップロックにバジルソースを入れたのでバッグの中がオイルまみれになっていた。やれやれ。他のパーティーはもう行ってしまったかと思ったが、意外に同じぐらいの時間に行動開始していた。白夜で24時間明るいのでみんな各々のタイミングで行動している様だ。ソリとタイトロープの慣れない2つの要素を含む氷河歩きは、最初のカヒルトナ本流へのちょっとした下りでは苦戦したが、それ以降の登り基調になると動作面では想像よりは苦戦しなかった。でもお互いのペースに合わせるのは意外と慣れなくて大変だった。ガイド山行っぽい6人パーティーを越したり越されたり、また越したりしつつ、Ski Hill Campまで。暇だったので持ってきたウイスキーを飲み尽くしてしまった。ここから1ヶ月の禁酒が始まる(恐怖)。5/12 C2(9:00)Co3200あたり(17:45-18:00)C2(19:30)=C3 晴11,000-footまで荷上げの予定で出発。調子に乗って一泊分の装備だけ残して他の装備や食料や燃料を全て持つが、延々と続く登り坂にやられる。おまけに昨晩降雪があったのでトレースは消えており、先頭はラッセル。例の6人パーティーや、他のパーティーと交代しつつ行った。Co3000を越えるとなんか息苦しい気がする。振り返るとまるで映画のような景色。Co3200で力尽きたのでデポして来た道戻る。他のパーティーも上まで上げていたり、僕達よりも下でデポしていたりと様々だった。帰りはスキーで来た人が後ろから楽しそうに降りてきて羨ましかった。僕はこの日体調が悪く高山病かと思ったが後から考えるとただの二日酔いだったかもしれない。5/13 C3(9:45)デポ地点(13:45-14:00)11,000-foot Camp(15:30)=C4 晴軽いザックでサクサクと登り、あっという間にデポ地点へ。半分ちょっと回収して11,000-foot Campまで。荷物重いし疲れたし何より標高高くなってきたので、明日は下のデポをこのテンバまで上げたあと、Windy Corner手前まで荷物を少し上げるだけにする。5/14 C4(9:00)Co3200デポ(9:30)C4(11:30-12:00)Co4100(14:00-14:15)C4(16:00)=C5 晴→ガス陽が当たらない時間だと-15℃以下でとても寒い。しかし陽が出ると途端に暑くなり、ベースレイヤーで行動。デポを回収し、Squirrel Hillの上に荷物をデポ。Motorcycle Hillの下りはアンザイレンしたままスタカットでダブルアックスと足で制動しながらソリ下降。5/15 C5=C6 晴14,000-foot Camp(Medical Camp,MC)まで荷上げするつもりだったが、笠井が少し頭が痛いそうなので念の為レストとする。ホゲホゲ。5/16 C6(10:30)Co4100デポ回収(11:30-11:45)14,000-foot Camp(16:00-17:00)C6(18:30)=C7 晴時々ガス 行動中気温5℃くらい朝早いと寒いので今後は遅めに起きて遅めに出ることにする。ほぼ一日中行動できる明るさなので好きな時間に起きられる。Squirrel Hillの上のデポを回収して14,000-foot Campに荷上げ。左手のWest Buttressは無限にルートを拓けそう。Windy CornerのあたりでCo4000を越えてくると、流石に二人共空気の薄さを感じたので、かなりペースを落として登った。このあたりはほとんどのパーティーがアイゼンだったが、結局僕達はスノーシューで全部行った。例の6人パーティーとは行動がよく重なり、密かにズッ友と呼んでいた。MCに荷物をデポし、来た道を戻る。Windy Cornerからの下りとMotorcycle Hillの下りはまたソリ下降。5/17 C7(10:30)14,000-foot Camp(18:00)=C8 晴時々ガス 行動中気温-5~10℃今日もゆっくり起きて出発。Co4000あたりは成田は昨日より楽だったが笠井はまだ少し頭が痛くなるようだ。14,000-foot Campでズッ友の近くにテンバる。雪が堅すぎてほとんど掘れない。フォレイカーとハンターが雲の上から突き出ているのが見える。外で飯作ろうとしたが日没が近づくと急に寒くなってきたのでテントに逃げた。日が沈むとかなり冷え込み、寒すぎてよく眠れなかった。5/18 C8=C9 晴時々曇予報が余りよくないので順応も兼ねてレスト。しかし予報に反して普通に動けそうな天気だった。テントの周りに雪ブロックで要塞を築く。笠井は唯一の暇つぶしの小説を読み尽くしてしまい絶望している。FMラジオが入ったので貸した。5/19 C9=C10 晴→曇時々雪笠井の体調が芳しくないのでレスト。僕は暇なので散歩した。ガスっているときにヘリが近くを飛んでいた。5/20 C10=C11 雪停滞。こんな天気でも登っていくパーティーがいる。こんなにダラダラしていると自分達が何をしに来たか忘れてしまいそうだ。高度4300mでの筋トレはなかなか効く。夜は雪が降り続いた。5/21 C11=C12 雪雪は更に強くなって、入山してから最も悪い天気。交代で雪かきをする。日本から送ってもらっている予報が全く当たらない。雑炊の味が薄くてつらい。5/22 C12(12:00)16,200-foot(15:45-16:00)C13(17:00)=C13 ガス時々晴 行動中気温-13℃起きるとWest Buttressは見える程度の視界。やっと動けると喜んで出発。12人ぐらいのガイドパーティーの大名行列の後ろになってしまったのでちょいちょい待ちながら登る。寒いが上ホロに比べればマシ。Co4700ぐらいからfix。ユマールは持ってきてないのでタイブロックやマイクロトラクションでシコシコ登る。銀河の滝中間部ぐらいの斜度の氷で、fixなければバリエーション初級ルートとしてそれなりに楽しめそう。稜線に出ると視界50気にならない風なので、High Campまで行くのはやめてここに食料等をデポ。fixの下降は大名行列パーティーはユマールかけてロープを掴んでクライムダウンしていて怖そうだった。僕達は懸垂で下降。降りているときに、大名行列パーティーのガイドの一人のお姉さんがタルキートナまでのバスに一緒に乗った人だと判明した。夕食はウインナー入りの久々にうまい雑炊。夜は風が強く寒かった。5/23 C13=C14 晴爆風、停滞。5/24 C14(11:00)16,200-foot(14:00-15:00)MC(16:00-16:45)16,200-foot(19:45-20:00)High Camp(23:30)=C15 快晴雲ひとつない快晴。今日High Campで明日アタックする予定で出発。一昨日と同じように登って16,200-footのRidge Campへ。大名行列を抜いたりしてペースはいい調子。しかしRidge Campで思わぬアクシデント発生。デポしていた食料とJETBOIL本体とCMCが昨日の爆風によって消失。埋めていたが雪面がまるごと削られていた。秀バッグに入れていた成田の食料だけがかろうじて生き残っていた。しばらく辺りを掘ったりして探すが、ない。茫然自失として立ちすくむ。とりあえずMCまで降りてウィスパーライトと燃料と食料を持って再度上がることに。下りの途中でアルファ米4食を拾った。しかし肝心のJETBOILは……。テントに戻って色々確認したところ、幸い食料と燃料は切り詰めたり降りるパーティーから貰ったりすればなんとかなりそうだ。レンジャーテントに行ったらCMCもくれた。RCへの登り返しは荷物が軽いから楽かと思っていたが、精神的なものか、それとも疲労か、かなりヘロヘロになって登った。RCを整地して泊まっても良かったが、日はまだ沈みそうにないのでがんばってHCへ行くことに。ここからは気にならない風。普通に寒いうえに身体が暖まるペースで動けないのでビレイジャケットを着込んで歩く。HCまでの稜線は岩稜で、意外と2年班レベル。コンテで通過し、所々スノーバーが刺さっているのでそれにランナーをかけていった。一箇所fixもあった。雲ひとつない絶景で楽しい所なのだが、とにかく疲労がやばく、笠井は血の味のする?咳をしながら、成田は吐き気を覚えながらおじいちゃん並のペースでヒラヒラになって歩く。最後らへんは二人共一歩ごとに変な声を出しながら何とかHCへ着。大名行列パーティーのテントの近くにブロック軽く積んでテント張って中に倒れ込む。高所で長時間行動するつらさを知った。5/25 C15=C16 晴風が強いので停滞。二人共微妙に頭が痛い。昼頃起きてテンバのブロックを補強。完成間近というところで大名行列の一人にすごい剣幕でテント近すぎるんだよfuck youと口汚く罵られ唖然。なんだこいつと思いながらも揉めるのもだるいので少し遠くにテントを移動。ブロックを積み直しているとそのパーティーの他の人が謝りながら手伝ってくれた。夜は更に風が強まり、ブロックを補強した。5/26 C16(13:00)Denali(18:50-19:00)C17(21:00)=C17 晴時々曇今日を逃すとしばらく悪天予報。9時頃出てみるが風強く即テントに退散。ピークには笠雲がかかっていて厳しそう。これは無理かもねと思いながら12時頃外を見てみると、多少弱まっていたのでDenali Passで引き返し判断として出発。ザイルは不要と判断してザイルハーネス等は置いていった。他のパーティーはほとんど諦めて降りているようだ。Denali Passへの登りは急だがトレースがしっかりついている。所々スノーバーが刺さっているので不安ならピン取れる。デナリパスで風は気にならない程度だったのでピークへ向かう。風は北〜北西で、デナリ北峰には絶えず雲がかかっているが、そのお陰で僕達の進路は時折ガスる程度。しかしなから気温-30℃近くに加えて風があるので身体が冷える。Archdeacons Towerの辺り手前で、ビレイジャケットをテントに忘れた笠井が寒いので下りると言い出し、仕方がないので成田のダウンを貸す。トレースはあちこちにあるが、今日アタックしているのは僕らだけ。この時期にデナリを独り(二人)占めする。なんという贅沢、と言いたいところだが高度や風や気温でそんなことを考える余裕もなくとにかく無心で登る。フットボールフィールドからデナリ頂稜を眺め、「あと少しだ」と呟くが内心まだこんな登るのかと思った。最後の急登を終えてリッジに出たKahiltna Hornにてようやく風を避けられたので一休み。そこにザックを置いて頂上まで百メートル程のナイフリッジを登る。息はすぐに上がるが、立ち止まると身体が冷たいのでひたすら歩く。最後はよくわからない雄叫びを上げ、ピーク。誰もいない。雲海、氷河、山。ハンターも、フォレイカーも、みんな小さく見える。程なくして笠井も山頂に着き、握手を交わす。へたくそな自撮りを撮って、ぼーっと景色を眺めて、叫んで、寒くなったので下りる。下りも無心で歩き続け、しかし緊張は解かずに、ヘロヘロになってHigh Campのテントに転がり込んだ。HCには、僕達と大名行列パーティーしかいなくなっていた。例のガイドのお姉さんが祝ってくれた。彼女等は"Maybe"明日アタックするそうだ。予報は悪そうだが……。結構ギリギリの条件のアタックだった。二人とも頭が痛い。テントの中で火を炊いて、生を感じる。5/27 C17(10:30)MC(15:30)=C18 ホワイトアウト8時頃起きると、テントが積雪で潰されそうになっていた。急いでテントから出て除雪。辺りはホワイトアウトしている。今日から低気圧直撃で天気は悪くなる予報だったが、予想よりも早い。風もあり、この条件でWest Buttressを下るのは微妙だが、今後更に悪くなる予報で、食料もそれをやり過ごす分はないので、頑張って降りるしかない。飯を食って、カシンから降りてきたとき用のデポを埋めて出発。念の為アンザイレンして行く。ほとんど視界のない中、左手の地形を見ながらラッセルして磁石と記憶を頼りにWest Buttressの稜線へ入る。ここから気温-22℃、視界10m、強めの気にならない風の条件で岩稜を下っていく。顔面は即座にビバ上ホロならぬビバデナリ状態になり、氷漬けである。トレースは消えているが時々現れるスノーバーに適宜ピンを取って降りていく。岩が出ていると逆に稜線がわかりやすいので助かる。氷の斜面を慎重にバックステップを交えて降りたり、ホワイトアウトした稜線に目を凝らして境目を見極めたりして、MCへ降りる斜面のFixまでたどり着く。Fixは埋まっており、掘り起こして懸垂。その下の斜面も結構積雪があり、雪崩が怖い斜度なので、最初の4psはスタカットで、その後はコンテで下降。トラバースは避け、できる限り真っ直ぐ降りる。ホワイトアウトしているがしばらく降りると下の方に黒い影が見え始め、やがてそれはテント村と人だとわかり、そこへ向かって降りていく。テント村に到着してようやく安心。みんなまさか今日上から降りてくる人間がいるとは思っていなかったのか、亡霊を見るような目で見られた。話しかけられ、昨日ピークに行ったと言うと驚かれた。デポしたテントは埋まりかけていた。掘り起こし、整地してテントをもう一張張って泊。今日はルームで培った能力を総動員した一日になった。登頂を祝してウインナーとサーモンツナ入りの雑炊に、焼いたベーコンを載せた豪華な夕食を食って腹いっぱいになって寝る。ビールが飲みたい。だがこれからが本番だ。5/28 C18=C19 晴至福のNatural Get Up。なぜか天気がいい。昨日頑張って降りた意味……。昼頃起きてテントの周りに要塞を築く。日本人の単独行者と会って話す。海外の山ではmont-bellは日本人の目印になる。5/29 C19=C20 ガス、強風今日は予報通りガスガスで強風。テントに引きこもる。5/30 C20=C21 晴明日から出発のつもりだったが、6/3から高気圧の予報が一気に変わり低気圧直撃に。これでカシンはほぼ絶望的になった。一気にどん底に突き落とされ、失意の中眠りに就く。5/31 C21=C22 晴一晩落ち着いて考えた結果、一縷の希望を託して6/5まで粘り、その間のちょっとした好天でWest Rib上部も登ることにした。指定された巨大クレバスにCMCの中身をぶん投げに行ったり、散歩してカヒルトナ北東フォークを眺めに行ったりした。タコス雑炊(おいしくない)にマリームを入れるとそこそこ美味くなることが判明した。夜の予報でカシンの可能性はほぼなくなった。6/1 C22=C23 雪僕らは"運悪く"カシンに取り付けないのだと思っていたが、よく考えるとそれは違うのではないかと思い始めた。僕達は"高気圧圏内の確約された数日間の好天"を狙って取り付くつもりでいたが、天気の不安定な、そして読めないアラスカでビッグルートを登るには、そもそも多少の悪天でも臆せず登り、生きて下りてくるという精神力とそれを裏付ける経験か、わずかな好天を長時間行動で動き続け、スピーディーに登り切る圧倒的な体力とスピードのどちらかが必要不可欠なのではないだろうか。つまり、それらを持ち合わせていない僕達は"アルパインクライマー"には程遠い存在であり、カシンリッジを登るには値しない人間だったということだ。そんなことを思っていたら予報が変わりなんか行けそうになった。急いで支度をして寝る。6/2~6/7 West Rib下降〜Cassin Ridge登攀6/2 C23(8:30)West Rib合流(11:30)West Rib上Co4100(18:00-20:00)Northeast Fork上(25:00)=C24 晴しっかりと眠れずに出発。West Rib Cut-Offへの登りには昨日の夜のものと思われる真新しいトレースがあった。トレースのおかげもあり快調にWest Ribへ合流。トレースもWest Ribを下っている。もしかして…。West Ribの下りは最初は200m程の緩い氷の斜面をスクリューでピン取りながらコンテでクライムダウン。その後氷混じりの岩稜。リッジ上を岩角にかかっていた残置シュリンゲでab30m。その下も微妙だったのでアバラコフ直通しでab30mでリッジ東側の安定した雪面に降り立つ。このあたりでトレースとはいつの間にかおさらばしていた。雪面を岩、スノーバー、スクリューでピン取りながらトラバースしてナイフリッジに復帰して下るとまた面倒そうな岩稜。東側の氷の斜面をアバラッペル60mで雪面に下り立ち、クレバスのある雪面をコンテでしばらくトラバース気味に下りると傾斜の落ちた雪のリッジ。所々急だったりヒドンクレハスがあるので一応コンテで下降。Co4100で、意外とペースが早く、West Rib下部のクーロアールをもう少し気温の低い時間で下降したいので時間待ち。テント張って夕飯食って再び出発。しかしここからが長かった。しばらく緩い斜面を下りると急な雪のリッジになったのでひたすらバックステップ。結構下にクーロアールが見えたがそこまではとにかくバックステップで下る。足が疲れる。一応コンテでピン取りながら行った。クーロアールはWest Ribの核心だと思っていて、ひたすらアバラッペルだと思っていたが、何かただの雪の斜面になっていて全部クライムダウンで下降。所によっては前向いてすら下りられた。しかし一生分したんじゃないかと思う程バックステップして、足の疲労が半端じゃない。ヘロヘロになってNortheast Forkに降り立つ。薄暗くなってしまったが、カヒルトナノッチの下のあたりがギリ安全そうに見えたのでそこに泊。アプローチで既にヘロヘロである。6/5 C24(10:30)Japanese Couloir取り付き(12:30-13:30)Cassin Ledge(24:30)=C25 晴時々雪前日の疲れがあまり取れていない。脚の色々なところが痛い。予報も芳しくない。とりあえずサクッとCassin Ledgeまで行ってしまおうと出発。2時間ほどデカいクレバスの開いた氷河歩きでJapanese Couloir下のベルグシュルントまで行って登攀準備。West Rib Cut-OffのトレースがWest Rib側壁のズタズタ氷河を下降してCassin Ridgeに取り付いていた。そんなのありかよ。ということで以降だいたいトレースがあった。クーロアール内は支点はスクリュー、アバラコフ、カムナッツ等でいくらでもとれる。Japanese Couloir1p目 50m 成田 ベルグシュルント越えが意外と難しくトップは空身で越えてすぐ上で吊り上げた。その後は50°くらいの氷。氷質は層雲峡風。2p目 55m 笠井 50°くらいの氷だが、重荷のせいか、昨日の疲れか、ふくらはぎが一瞬でパンプする。下部はタイブロックコンテでサクッと登るつもりだったが、とにかく疲れるのでスタカットで登ることにする。3p目 55m 成田 狭めのクーロアールに突入。トポだと50°になっていたが、1箇所70~80°ぐらいのところがあった。高度と重荷と疲れで北海道で登るより遥かに疲れる。4p目 55m 笠井 傾斜の緩い雪〜氷で傾斜の強い氷の下まで。雪が時折降ってチリ雪崩が上から降ってくるようになる。5p目 50m 成田 クーロアールの核心ピッチ。岩と氷のミックスを少し登った後、80°の氷。普段ならこの斜度は余裕で登れるが、重荷やら疲れやら高度やらで一瞬でふくらはぎがパンプして息ゼーゼーで抜けた。北海道でWI5+を登るのより疲れた。このピッチを登っている最中にWest Ribの側壁で物凄い雪崩が起きた。ひえ〜。6p目 120m 笠井 しばらく簡単そうに見え、時間も結構かかっているので2.5p分程マイクロトラクションコンテで登った。50°ぐらいの氷と雪。7p目 100m 成田 ここもマイクロトラクションコンテで2p分つなげた。60°くらいの氷〜雪。ナイフリッジに出るが支点取れなかったのでリッジを少し行ってCassin Ledgeの横の岩角まで。想像より遥かに時間がかかり、疲れた。傾斜から判断して楽勝かと思っていたが甘かった。重荷を背負って傾斜の緩い硬い氷をひたすら登るのは結構な重労働だった。ヘトヘトでCassin Ledgeへ転がり込む。ここは大人二人がちょうど横になれる岩棚だが、整地しなければテントは張れなさそう。クラックから支点作ってセルフとり、岩棚の雪やら氷を削り、テントを張って飯食って結局寝たのは27時過ぎ。アヒアヒ。6/4 C25(13:00)Crux Gully終了(15:30)Hanging Glacier Bivy(18:00)=C26 晴2日間の行動で大分疲れたのでゆっくり起きる。よく寝たので身体の調子がいい。昨日の反省を活かしてトップのザックは軽くする。コンテで岩と雪と氷のミックスを登り、5.8のCrux Gullyの取り付き。ここは成田リードで登る。アイゼン赤岩?〜?級程度でそこまで難しくないがチムニーっぽいのでザックが引っかかってうざかった。その後は笠井がトップでコンテでKnife-Edge Ridgeを7p分ぐらい。たまにスノーバーやスクリューでピン取れたが、基本的にあんまり取れない。ここはトレースのお陰で大分楽させてもらった。これが終わるとルート中随一の快適テンバHanging Glacier Bivy。先行パーティーはここで泊まった様だ(ちなみにこのパーティーの泊まった痕跡はここにしかなかった。強い……)。僕達もここで泊。6/5 C26(6:30)1st Rock Band突入(8:30)2nd Rock Band突入(16:00)Triangular-shaped roof下(20:30)=C27 晴→雪笠井トップでコンテで出発。Hanging GlacierのOverhanging serac wallは一箇所繋がっているところがあったので大分楽に越えられた(マイクロトラクションコンテ)。その後雪面登ってコンテのまま1st Rock Bandへ突入。1st Rock Band簡単な岩と氷と雪のミックスをマイクロトラクションコンテで2~3p分登り、傾斜の強くなった70°mixedのところでスタカットに切り替える。1p目 50m 成田 岩と氷のミックスを登り、右側壁の残置ハーケンのあるクラックを一段乗っ越して緩い氷の斜面に上がる。そのまま15m登って再び岩と氷のミックスを登り狭いクーロアールに入り、そこの岩を使ってビレー。2p目 50m 笠井 クーロアールを15m程登り、緩いミックスを登った後、立ったチムニーを越えて岩でビレー。3p目 50m 成田 雪面を20m程登ってもう何もないかと思ったら立った岩が出てきた。意外と難しめの岩を10mほど登って緩い雪壁になるところでビレー。その後は簡単な岩混じりの雪壁だったので笠井トップで再びコンテ。リッジに出てしばらくそのまま進み、コンテのまま2nd Rock Bandへ突入。2nd Rock Band簡単な?岩と氷と雪のミックスをまたもやマイクロトラクションコンテで2p分登り、70°mixedの傾斜が強くなってきたところでスタカットに。成田リードで70°mixed、というより、ほとんど岩の5.6ぐらいを50m程で傾斜の緩いところでビレー。意外と登りごたえがあった。笠井がザイル引きずってTriangular-shaped roof下の岩棚のBivyまで。天気、時間、Bivyがいい感じなことからここで泊まることに。クラックから支点作り、またも雪やら氷を削ってテント一張分のスペースを作って泊。変なところに泊まるのも慣れてきた。6/6 C27(7:45)2nd Rock Band上(10:45-11:15)3rd Rock Band上?(15:00)Co5400(18:00)=C28 晴 気温朝-20℃夕方-5℃次の2pは5.6のピッチなので、テンバの支点でビレーしてスタカットで出発。1p目 55m 笠井 5.6 雪壁のトラバース〜登りから、短いスラブを登り再び右トラバースで岩でビレー。2p目 50m 成田 5.6 頭上のクーロアールに入る。スラブ〜緩い氷を登って意外と難しい立った岩をのっこし、雪壁から最後の簡単な岩を越えて2nd Rock Bandの頭に出て岩でビレー。5.8のピッチよりここのほうが難しく感じた。これで技術的な核心は終了し、ここからコンテで3rd Rock Bandを巻く雪のトラバース〜クーロアールを登るのだが、よくわからなくなかったのですぐにあった雪のクーロアールを見てみる。しかしその下部は岩でちゃんとクライミングしなければ登れなさそう。もっとトラバースするのかと右の方を見てみるが、流石に巻きすぎだろうということで、最初のクーロアールを行くことに。左の雪壁から岩と氷の3級ぐらいのトラバース1pで突入し、その後はコンテで雪壁を登り3rd Rock Bandを巻いた。巻き終わった右の広い雪壁にトレースがあり、結局もっと大きく巻くのが正解だったようだ。コンテで進んでトレースに合流し、リッジに出て次の岩を左の雪壁から大きく巻いた後、ナイフリッジを行ったところで一休み。以降はザイルがただ重いだけで意味なさそうなのでしまった。その後は岩や雪のリッジをひたすら登る。が、高度の影響で、二人共笑っちゃうぐらいゆっくりとしか登ることができない。アヒアヒになりながら登り、Co5400のボルダーのそばにここに泊まってくださいと言わんばかりのテント一張分の平坦地があったので喜んで泊まる。6/7 C28(7:00)Summit(10:45-11:00)HC(13:00-13:30)MC(15:00)=C29 晴気温-31℃。さむい!急なリッジを登り、その後岩混じりの斜面を縫うようにして登る。ペースは昨日よりはマシだがそれでも数歩ごとに呼吸を整えなければいけない。わかってはいたが全装で6000mを越えるのはしんどい。デナリを“のっこし”た先輩方の偉大さを感じながら登る。岩混じりの斜面を登り終え、リッジに上がると後は雪面をひたすら(に感じるが多分距離は大したことない)登ってカヒルトナホーンに出る。ここにザックを置き、ピークに空身でポン。堅い握手を交わす。なんと今日も誰もいないピークだった。風があって寒いので写真撮ってピークを後にする。フットボールフィールドで休憩して、HCまで下る。前に来たときよりトレースが明瞭になっていて、まるで登山道のようになっていた。でもデナリパスへのトラバースはグズグズの風成雪で覆われていてちょっと状態悪かった。HCでなんとかデポを掘り当てて、MC目指し再び下る。West Buttressもトレース明瞭で、急な斜面には親切にカッティングも施されていて全部前を向いてサクサク下りられた。Fixをスルスル下りて後は長い斜面をひたすら下りてMCへ帰還。MCのテントは更に増えていて、本当に村のようだ。僕達は多分最古参だろう。肉と雑炊を食って久々の平らな大地で寝る。6/8 C29=C30 曇時々雪MCでまったりと身体を癒す。安全テンバで時間を気にせず横たわれる喜びをかみしめる。6/9~6/11 下山6/9 C30(14:00)Ski Hill Camp(21:30)=C31 曇→吹雪まったりと出発。ソリの下りは想像通りコントロールが難しく腹立たしい。スキーヤーに華麗に追い抜かれていく。ウィンディーコーナーのあたりで風が出てきて、11,000-foot campから下りているあたりで吹雪になり、ほぼホワイトアウト。デポ旗やトレースを見失いこのまま進めるのも微妙なので整地して泊まろうとしたら、後ろからスキー集団がやってきた。俺達についてこい的な感じになり、ずりずりと後ろを歩いてSki Hill Campに何とか着。6/10 C31(12:00)Kahiltna Base Camp(15:30)=C32 曇時々雪氷河は来たときよりもクレバス開き気味になっていて、トレースを行くが時折ズボズボはまりながらKBCまで。Mt. フランシスに向かって、白石さん達に黙祷を捧げる。フランシスからは、常に石やら雪やらが崩れ落ちる音がしていて、近寄り難い雰囲気だった。BCマネージャーのお姉さんは僕達のことを覚えていてくれた。他パーティーの人に日本人でカシンリッジを登ったと言うと「Are you Girigiri Boys?」と聞かれた。流石に畏れ多い。セスナが来るのを待つが、今日は先に着いたパーティーが飛び立っていったのが最後で僕達は明日の朝飛ぶことになった。余った食料で豪華な食事を食う。6/11 C32(9:40)タルキートナハンター北壁を眺めながらセスナを待つ。垂直だけの冒険にはあまり興味がなかった僕だが、この壁とそこを走る無数の氷の線を見ているうちに、だんだんと登りたくなってきてしまった。楽しそうだ……。程なくしてセスナが到着し、乗り込む。セスナが飛び立ち、無数の名もなきブッ立ちをかすめて、岩と氷だけの世界から遠ざかっていく。氷河はやがて大河となり、モノクロの世界に緑が加わって生命の息吹を感じ始める。タルキートナに降り立つと、初夏となっていた。新緑が目に眩しい。僕達の長い冬が終わった。レンジャーステーションに行ってチェックアウトをする。CMCを返却して軽く質問を受けた。CMCを一つ失くした旨を伝えると、150$請求された。高え。TATのBank Houseに荷物を移動し、1ヶ月ぶりのシャワーを浴びる。Bank Houseは、セキュリティもなにもない一軒家で、勝手に何日でもいられそうだ(決まりとしては一回のフライトで2泊らしい)。世界中の登山者の足跡が残されており、本棚には大量の日本語の本が置いてあった。植村直己が泊まったというモーテル兼レストランLatitude 62にて豪勢な食事。勿論、1ヶ月ぶりのビールも。五臓六腑に染み渡った。Bank Houseに戻って、ビール飲んでつまみを食いながら本を読み耽り、いつの間にか眠りに落ちていた。6/12タルキートナ歴史博物館へ行く。タルキートナとその開拓の歴史や、アラスカ鉄道の説明などがあるが、デナリの登山博物館がやはり最も興味深かった。植村直己を偲ぶコーナーもあり、時代や国を超えて愛され続ける彼の偉大さを改めて実感した。夜はMountain High Pizzaというピザ屋。流石に豪遊しすぎたので、以後自炊とする。Bank Houseに戻るとひたすら本を読んだ。官能小説も見つけた。6/13タルキートナは、入山前は閑散としていたが、今は避暑地のような感じなのか観光客で賑わっていた。適当に散歩して、緑を楽しんだ後、アンカレッジへ向かう。行きも利用したバスGo Purple Shuttleに来てもらった。Qupqugiaq Innという怪しい雰囲気のホテルに泊。Qupqugiaqとはアラスカの民話に出てくる十本脚の熊だそうだ。Walmartで飯を買ってビール飲んで寝る。6/14各自適当に散歩。宿泊費をカードで払おうとしたらエラーで払えなかった(笠井はカード忘れたので持ってない)。手持ちの現金も足りず、フロントのおばちゃんに凄い剣幕で話しまくられ(8割方関係なさそうな話だったがよく理解できなかった)、結構絶体絶命になり、最悪有り金かき集めて二泊分の金を払って宿を出てどこかで野宿をするかと思ったが、カード会社に電話できて事なきを得た。6/15フロントのおばちゃんは何事もなかったかのようにフレンドリーになっていた。在アンカレッジ領事事務所に行って陰性証明書を出してくれる医療機関を聞いた。医師のサイン貰えればOKっぽいので、近くの図書館でVisit Healthcareという団体が無料でやっている検査を受けることにした。その後は各自適当に行動。僕はCoastal Trailという海沿いの遊歩道を散歩した。いい景色だった。Anchorageは自然と町のバランスが丁度よくて住みやすそうだ。6/16図書館で検査を受けた。結果は翌日メールで来るらしい。その後ダウンタウンに行き、アンカレッジ博物館を見学してから土産を買った。6/17ホテルをチェックアウトして、タクシーで空港へ向かう。出発は翌早朝4時なので、空港の椅子でダベる。PCRの検査結果が、笠井は15時頃届いたが、僕は中々来ず、このままだと出発に間に合わないと焦ったが、24時ぐらいに届いて一安心。空港では無料でコロナワクチンを打てたらしい。6/18シアトル・タコマ空港で、仁川行きの飛行機に乗り換え。陰性証明書の提示を求められ、果たしてこの無料で手に入れた手書き陰性証明書で大丈夫なのだろうかと今更不安になるが大丈夫だった。このときに日本政府の位置情報確認アプリとかもインストールさせられた。機内では今度は無事ビールが飲めた。6/19夕方に仁川国際空港着。成田行きの飛行機は翌朝発なので、仁川でひたすら時間を潰すことになる。このご時世なので多分韓国に一時入国とかもできなさそうだ(多分)。仁川国際空港は乗り換えの多い空港なので、乗り換え客用の設備は充実している。くつろげる椅子で本を読んだり寝たりして気がつけば朝だった。本当は無料シャワーとかもあるらしいが今は閉鎖されていた。6/20機内で誓約書とかなんか色々書かされた。昼に成田着。今回仁川、ロス、アンカレッジ、シアトルと色々な空港に行ったが、成田の到着ロビーはなんか殺伐として空気が死んでいる。ウェルカムムードはゼロ。まあ当然か。必要書類を確認され、唾液を採取され、スマホに入れた位置情報確認のアプリとかの説明を受けて設定し、検査結果が出るのを待ち、数十分ほどで結果が出て陰性だったのでようやく入国。公共交通機関は使えないので二人共親に迎えに来てもらい、解散。二人とも初の海外、高所登山だったが、目標のルートを登ることができた。これまでのクライミングの経験をフルに発揮して、デカい山でクライミングすることができ、とてもいい経験ができた。しかし今回の成功は、運よく天気がちょうどいいタイミングである程度の日数で持ってくれたおかげであることも否めない。体力とスピードがもっとあれば、もっと短い日数で素早く登ることができる。そしてそれはわずかな間の好天もチャンスに出来ることを意味する。とにかく複数日長時間動き続ける経験と能力がまだまだ足りなかった。(僕たちの数日後に女性がソロでスキー担いで14時間でカシン完登したらしい。トップクライマーとの実力の差を思い知らされた。)今回の遠征で、自分たちの実力が世界でどれだけ通用するのか、また、何が足りないのか、これからどういうトレーニングをすればいいのか、ということを、強烈な実感を伴って学ぶことができた。とりあえずまた道内でトレーニングして、金が貯まったらどっか行きたい。ルートの感想West Buttress: アイゼン歩行に慣れていれば問題なし。変な天気で突っ込まなければ大抵他のパーティーがいたりトレースがあったりする。West Rib: 舐めていたが登ったら割と楽しめそう。去年の利尻の簡単めな稜(東稜、東北稜、長浜ダイレクト等)ぐらいのレベルか。スクリューが予想より遥かに使えた。Cassin Ridge: 銀河の滝×2.5〜赤岩の?~?級〜OP尾根〜上ホロ正面壁のクーロアール×3〜上ホロ北西稜、という感じ。技術的には特に難しくないがとにかく体力が必要。上ホロ、層雲峡、利尻等で長時間行動を複数日続ける準山をやったほうがいい。悪天に捕まると降りることすらできなくなるので、天気判断は重要。ただしルーファイは難しくないのでガスっている程度であれば行動可。核心は天気と体力なので、素早く抜けられるパーティーであればあるほど、チャンスが多くかつ安全。プロテクションは岩と氷でほぼどこでも取れる。アプローチは北東フォークとWest Rib下降があり、今回はWest Ribを下降した。北東フォークは入り口やWest Rib取り付き下流付近はかなりズタズタで大変そう。また、今回北東フォークの近くにいた数日間だけでも、かなりヤバい雪崩を何度も目撃した。この谷に降雪中または後に入ると高確率で死ぬのは間違いない。West Rib下降は、そういう運要素はなくなるが、延々と続くバックステップが結構しんどい。懸垂するほどの斜度ではないが、お気楽にほいほい下れるような斜度でもなく、気を抜けず精神的にも疲れる。どちらも一長一短でどちらがいいかは一概には言い切れない。カシンを1~2日で登る強いパーティーだったらWest Rib下降のほうがリスクは少ないだろう。装備靴は成田はスパンティーク、笠井はベガ手袋はMCまではホームセンターのネオプレーン手袋とテムレスで行けた。Co5000あたりからはニトリルゴム手袋+ウール手袋+オーバー手。カシンの時は五本指オーバー手でピーク行けた。衣類は上はfinetrackドライレイヤー、finetrackメリノスピン、mont-bellのULサーマラップ、finetrackエバーブレスアクロ、mont-bellフラットアイアンパーカ、実家にあったmont-bellのダウン下はfinetrackドライレイヤー、メリノウールのタイツ(どこのか忘れた)、finetrackのフリースパンツ、mont-bellのULサーマラップ、finetrackエバーブレスアクロピーク登頂時はこれらを全部着た。イメージとしては上下とも上ホロ+1枚。寝袋はISUKAのAir+810。MCではテント1人1つで寝たが、たまに寒い時があった。カシンでは気温の低い時間に行動して昼間寝るスタイルにすれば寝袋軽いのでも行けるかも、と思った。テントはmont-bellステラリッジ2人用×2。WBアタック時とカシンでは1つはMCにデポして1つだけ持っていった。これしか持っていなかったのでこれで行ったが、カシンではもっと軽いシングルウォールテントをお勧めします。ストーブはMSRウィスパーライトインターナショナル。燃料はホワイトガソリン3ガロン。本当はWBアタックとカシンの時はJETBOILのつもりだったが、紛失したので全部ウィスパーライトで行った。食料は朝ラーメン(茹でずにお湯で戻した)+マッシュポテト、夜雑炊、行動食ビスケットピーナッツレーズンチョコレートorクリフバーWBアタックとCassinの時は朝ラーメン+マッシュポテト、夜α米+フリーズドライ+ラーメン。アックスは2人ともPetzl Quark×2。アイゼンはPetzl LYNX。衛星端末としてinReach Mini。札幌の現役にMountain Weather Forecastの天気予報を送ってもらった。が、当たらないことも多々あるので気圧配置なども送ってもらった方がいいかも。
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2021-6-27 12:50 |
シシャモナイ海岸/憩いの散歩道
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シシャモナイ海岸/憩いの散歩道(アルパインクライミング/積丹・ニセコ・羊蹄山)日程:2021-06-27(日帰り)メンバー: saito1987 Yanke1987コースタイム:写真:憩いの散歩道1p目のリッジ状3p目積丹ブルーをバックに高度を上げるへつりの核心部登攀終了し尾根の上へ核心部抜けて振り返るまたきた灼熱の海岸シシャモナイ大滝海岸をへつりきって左のスカイラインが「憩いの散歩道」反対側の海岸に降りるへの字ハングとカモメの親分兵隊岩とジュウボウ岬2p目感想:やんけ部長に付き合ってもらい、3度目の正直でトレース。「憩いの・・」ルート名とは裏腹にワイルドなマルチピッチ(7p)。取り付きまでのへつりの印象が強烈。泳ぎも可?残置支点はほぼ無し。浮石の処理も含めて総合力が試される良いルート。それにしても熱中症がやばかったな。
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2021-6-27 2:16 |
千代志別川左股〜雄冬山〜アカイワ川
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千代志別川左股〜雄冬山〜アカイワ川(沢登り/増毛・樺戸)日程:2021-06-26(日帰り)メンバー: mizushu2016コースタイム:写真:浜益御殿と浜益岳大変だった所アカイワ川の滝2段の滝終わりピーク千代志別の河口が見える海ご飯函入口感想:・千代志別川左股右股の方が滝が多くて楽しい。函が唯一のお楽しみポイントだが一瞬なのでどうしても雄冬に沢から登りたいという人以外は微妙だと思う。Co700はどちらに進もうが藪は大変っぽい。・アカイワ川下降沢として面倒な所もなく良い感じだが、行きつくまでが大変。藪漕ぎ準山したいならいいかも。実は初めての単独行(泊まり)。藪の長い所を選ぶべきではなかったと後悔したが、天気が良かったので救われた。夏を感じる良い山行だった。
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2021-6-26 2:17 |
シシャモナイ 西の河原西壁スラブルート
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シシャモナイ 西の河原西壁スラブルート(アルパインクライミング/積丹・ニセコ・羊蹄山)日程:2021-06-26(日帰り)メンバー: nikonikoaokazu TnkYutaro2019 Mt-sunnyコースタイム:写真:3p目4p目終了点でリッジから登ってきたフォローを見下ろす。3p目終了点1p目出だし2p目出だしジュウボウ岬感想:シシャモナイは景色がよくて本当に気持ちがいい。青い海、遠くの崖の草が青々と風になびいていて、いろんな鳥が自由に飛んでいる。
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2021-6-25 12:59 |
S峡発電所エリア&石垣山
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S峡発電所エリア&石垣山(フリークライミング/大雪山)日程:2021-06-24(日帰り)メンバー: Nakagawa2019コースタイム:写真:「頭ならびに腹」Onsight!「ベスピュラ」RP感想:「頭ならびに腹」。適度なランナウト。登り切れば安住の地。これは目指すべき人生のカタチか(適当)。
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2021-6-21 10:23 |
層雲峡 天狗の挽臼/ ロングナイト
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層雲峡 天狗の挽臼/ ロングナイト(フリークライミング/北海道)日程:2021-06-19(日帰り)メンバー: sy2017写真:感想:ロングナイト 12b石狩川、層雲峡渓谷をバックに登る素晴らしいロケーション。ルート長30m、キャメ0.4〜0.5番サイズが延々続く美しいフィンガークラック。杉野保氏OS初登の伝説?のクラック。ただの一般人でも登れました。
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2021-6-20 12:30 |
余別51点沢↗︎珊内岳↘︎122点沢
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余別51点沢↗︎珊内岳↘︎122点沢(沢登り/積丹・ニセコ・羊蹄山)日程:2021-06-19〜2021-06-20メンバー: Iida_2017 mizushu2016コースタイム:写真:倒木の架かった滝25m大滝 難しい巻になる←ほんとか?突っ張る7mFすんげー冷てぇんだわ。もう一生来ないであろう珊内ピーククマさん🐾Co600大滝下から突っ張る前のへつり大物沢型の雪渓大滝超えた後もちょこちょこ小滝があるスペースあり、晴れた日なら泊まりたい大滝。登った横の沢型も雪渓感想:沢一本目。ちょっと早いかと思ったけど,まあ行けました。ちょっと早いけど。長い寒い冷たい痒い。これぞ沢。育てよう,天気予報に負けない心。今シーズン初。ガッツリ動いたので、運動していない体にはかなり大変だった。そんな体で行くような所ではない気がするが、天気予報に負けず沢に行って良かった。やっぱり楽しい。初めてラバーソールの沢足袋を使ってみた。ルームで使っている人が少ない気がするので心配していたが、案外問題なし?得手不得手はあるものの、ぬめりの無い所のフリクションは抜群だった。気になっている人は使ってみるのもありだと思います。
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2021-6-19 11:37 |
小樽/赤岩
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小樽/赤岩(アルパインクライミング/札幌近郊)日程:2021-06-19(日帰り)メンバー: saito1987 Yanke1987写真:西壁3p目西壁側稜3p目西壁2p目感想:西壁周辺にてやんけ先生と懐かしのマルチ。・西壁ノルマル3p・西壁側稜3p(途中1p目終了点からフリー「春の日」なんとかOS)・西奥フリー「上を見て」OSのちトップロープで遊ぶ・44フェース「おやすみ」のちトップロープで遊ぶそよ風の吹く赤岩にはAACH関係者が多く集っていた。
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2021-6-16 21:35 |
巨大イグルーと陸奥湾への滑降
![]() ![]() こんにちは、イグルスキー米山です。 大きすぎるイグルーは壁が高くなってサイロになってしまいます。失敗の常道なんですが、それでも屋根を塞げる奥の手があります。きょうはそれを発見した記念すべき山行の話です。 ![]() 津軽海峡線の駅から入山。いまは新幹線の本州最北駅になっているのでは。この頃(2012年)は北海道新幹線は工事中でした。 袴腰岳が2つ!今回も津軽半島の袴腰岳のイグルーです。津軽半島には20km離れて袴腰岳が2つあります。紛らわしいのですが、今回は北の袴腰(半島最高峰)です。 だいたい、袴腰と烏帽子と茶臼は日本中あちこちにあります。どれも山の形から名付けた昔の日用品です。袴腰は袴を付けた姿、つまり富士山みたいな形良い台形山の名に付きます。ちなみに烏帽子はとんがり帽子なので尖った山、茶臼は丸い釣り鐘型が多いようです。茶臼というのは、円筒形の石臼の、携帯タイプのものです。戦国武将は茶道がたしなみで、小さい石臼を持ち歩いてゴリゴリと抹茶を挽いたのではないでしょうか。 ![]() ベルルンの壁で〜ス!これでは手が届かず。いいセン行ったんだけどなあ。 またも鉄道&イグルー半島スキー今回も鉄道入山です。道南方面から海峡トンネルを越えて来る仲間と青森からの私とが、駅で合流。秘境なので、駅でいきなりスキーを履いて出発です。 登れるだけ登ってラッセルして、泊まる時間になって、まだ標高は低いけどイグルー作ります。若いメンバーにイグルーづくりを練習がてら任せたのですが、大きく作りすぎ、刑務所の壁ができてしまいました。 それに標高が低いと日中気温がプラスになることがあるため、積雪の質が重く固くなり、使いづらいブロックばかりになってしまうのです。イグルーは、気温の常に低い標高の高いところのほうが楽に作れるわけです。短いブロックをいくら積んでも壁は高くなるばかり。このパターンは手が届かなくなって屋根ができないやつだ・・・。 2時間過ぎたあたりで、奥の手、木の枝を梁にする手で、あっという間に解決し、杉の葉のはみ出した屋根で、荷をほどきました。やってみるとこれがずっこけるくらい簡単なのです。見栄えは悪いのですが。 ![]() 日が暮れてしまったのだけど、葉っぱを付けた杉の枝数本を梁に使って、その上には適当なブロックを適当に乗せるだけで屋根が塞げてしまいます。 奥津軽の名峰山脈を越えて陸奥湾に滑降![]() 天までせり上がって見えるのは陸奥湾の対岸、下北半島の秘境仏ヶ浦の断崖海岸。ここは両半島が狭まる平舘海峡。青函フェリーも通ります。 標高は低くても、豪雪地の上、登山者も一般人も含めて、ここは人類のいない貸し切り山です。流行らない山を地形図で見つけ計画するほど楽しいことはありません。 遠景の、山麓のブナの冬枯れの薄茶色が、雪面の中に幾重も波のように模様を描いています。低く垂れ込めた雪雲が陸奥湾の上を滑り歩き、対岸の下北半島の岸壁帯がときおり日を浴びて輝いて居ました。 帰路はバス、それから鉄道途中でシールを落としたメンバーもいて ![]() バスの中で満足の笑顔 外ヶ浜の海岸通りの集落に下山したのは日が暮れてから。それでも最終路線バス4分前にバス停に滑り込みセーフ。バスは貸し切りでした。 津軽半島山脈を東から西へトンネルくぐる鉄道で入山して、山の上を西から東へ横断して、また蟹田の鉄道駅へ。 ここで函館方面へ帰る二人と青森へ帰る私でお別れ。 イグルーの屋根は枝を渡せばあっさり解決する、ということを発見してしまった歴史的な山行です。 きょうはここまで。またね。 ![]() 山行記録: 津軽半島最高峰 平舘山脈横断 袴腰岳、丸屋形岳 2012年01月14日(2日間) 十和田湖・八甲田, 積雪期ピークハント/縦走 / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com
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2021-6-14 23:57 |
ストーブ列車イグルー半島
![]() ![]() こんにちは、イグルスキー米山です。 きのうまで簿記3級試験のため、しばらくブログ更新お休みしていました。いやあ、難しかったです。再開です。初夏、イグルーとは最も縁遠い季節ですが、相変わらずテーマはイグルーで行きますよ。 津軽半島山地![]() 右は陸奥湾、左は日本海と十三湖。山の上からはこの陸と海の線を見下ろします。 青森県の北には右に下北、左に津軽半島の2つの半島があります。標高は1000mちょっとですが、青森は標高0mでも根雪の土地です。雪山の難易度は標高ではなく、植生で見ます。北極に行ったら海岸でも厳しいですよね。風よけになる木が無くて、気候が厳しいから木も生えないからです。津軽半島山脈にはよその人には無名でも、麓で見上げれば格好いいし、登れば満足の山脈がそびえ立っています。きょうは津軽半島の脊梁を東から西へ横断したイグルー山行の話を紹介します。 ![]() 津軽線・蓬田(よもぎた)駅から山脈へ。自動車で山に行くとこの行程を楽しめない。手前の針葉樹は希少な良材、青森ヒバの森。奥の白い山嶺・大倉岳(677m)はブナの森です。 入山も下山も鉄道私が北大山岳部だった昭和末期までは、まだ北海道にも廃線間際の鉄道があり、乗り継いで駅で泊まって山に行きました。山スキーと大きなザックを背負って、うっすら雪の載ったシバレる駅のホームに降りる情緒、まだ津軽半島では健在です。青函トンネルの津軽海峡線があるから、在来線も残っちゃっています。ありがたいです。 ![]() ドーム部分、4人には小さく見えますが、下が広く広げてあります。雪を捨てやすい段差の脇のとき、この手が便利です。 稜線の吹き溜まりにイグルーブナ林の稜線の、ちょっとした段差の地形のところに吹き溜まりがあり、そこに下から出入りするタイプの4人用イグルーを作りました。広く作れば快適なのですが、いつも面倒になって小さめになってしまいます。 ![]() 袴腰岳山頂の祠。津軽一帯は西暦800年にヤマトの侵攻を受けて以来、辺境ならではの神仏の祀り跡を濃く感じます。この山周辺にも蝦夷平定、中世戦国、修験道者に関わる古い話をたくさん読みました。 海と平野と大倉岳と袴腰岳脊梁山脈の2つの山頂をつなぎ、ブナの林の中をスキーで進みます。海と平野の上を雪雲があっちに行ったりこっちに行ったり。冬の津軽は基本的に雪雲の中です。標高の高い八甲田などは、ガスガスのビュウビュウで、登っても滝壺の中を泳いでいるようなものです。この1000m以下くらいの雪山が、全天候でも安心して山スキー山行ができるエリアなのです。意外に。 ![]() バスガイドみたいなお姉さんが、スルメ焼いてくれました。 下山ルートも鉄道、しかも骨董車両津軽鉄道の終点駅に滑り降りて、スキーをたたんで車両に乗り込むと石炭の匂い。昭和中期のストーブ列車を、今も続けている骨董鉄道です。 ![]() 石炭は当時唯一の国産。釧路太平洋炭鉱産でした。 テーマパークじゃなくて本物なんです。ストーブの前の席は、みんな座りたいから、交代です。スルメ焼いたり、清酒を飲んだりもします。よそ者はこれで盛り上がっていますが、隣の客車では沿線住人が日常で使っています。シーハイルの五所川原高校や太宰治の生家もこの沿線です。 私の4年の青森時代でも、指折りの美しいラインどりの計画でした。日程さえ取れれば、山脈イッキ北上もしてみたかった。この半島はサキッチョまで行っても鉄道駅がある、よい立地なのです。 きょうはここまで、またね。 山行記録: 津軽半島脊梁の山越えとストーブ列車(大倉岳、袴腰岳) 2010年01月30日(2日間) 十和田湖・八甲田, 積雪期ピークハント/縦走 / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com |
2021-6-14 4:03 |
S crack 屏風岩Ⅱ峰
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S crack 屏風岩Ⅱ峰(フリークライミング/大雪山)日程:2021-06-13(日帰り)メンバー: sy2017コースタイム:写真:下部の草付きは慎重に登る帰りに撮影②3p目2p目 帰りに撮影①7番大活躍For Answer1p目核心を越える 右のクラック全景
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2021-6-13 5:24 |
鹿島槍ヶ岳 東尾根
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鹿島槍ヶ岳 東尾根(積雪期ピークハント/縦走/白馬・鹿島槍・五竜)日程:2021-05-03〜2021-05-05メンバー: Kashiken imuraコース状況/その他周辺情報:1日目(6h):大谷原駐車場(6:30)東尾根取り付き(6:45)一ノ沢ノ頭(10:00)二ノ沢ノ頭(11:30)手前の稜上=C1(12:30)大谷原の広めの駐車場に車を止めて、林道を進む。林道がS字カーブを描いたあたりで・1251を目指して適当なところを上がる。急とのことだったが、それほどでもなく、一息で・1251まで。東尾根を2時間ほど歩くと十分に雪が出てきた。途中引き返してきたパーティとすれ違う。本日乗越し予定だったが、悪天なので、引き返してきたのだそうだ。一ノ沢ノ頭手前くらいでアイゼンを付ける。一ノ沢ノ頭は広いピークで晴れた日の幕営には最適。二ノ沢ノ頭までは途中ナイフリッジっぽい箇所が出てくるが問題ない。この日、二ノ沢ノ頭ピークは風の通り道になっているようで、少し戻ってC1とした。ブロックを結構積んだが、夜はあらゆる方向から風が吹き荒れ、うるさい夜を過ごす。イグルーを短時間でかつどこでも掘れる技術を身につけたいと感じた。2日目(12h):C1(5:30)第一岩峰基部(7:30)第二岩峰基部(10:30)鹿島槍北峰(14:00)鹿島槍南峰(15:30-15:45)冷池山荘北の稜上=C2(17:30)二ノ沢ノ頭から30分ほど進むと雪壁の急登が始まる。比較的急登の雪壁を一段登ったら、そこからはダブルアックスに変えて、コンテで進む。シングルアックスでも対応可能だが、ダブルが使えると行動がスピーディーになってよい。コンテで30分弱登ると第一岩峰直下。ここで泊まれるとの情報だが、それほど広い場所ではなかった。・第一岩峰(2p):基部手前からスタカットで中央の雪壁を登る。1P目はザイルスケール40mほどでトラバース手前まで。I氏リード。2P目は雪壁を斜上して、簡単な雪壁をロープいっぱいまで伸ばす。K氏リード。ここは雪が少ない場合はドライツーリング的となり、難易度がやや上がるそうだが、すべて雪壁登攀に終始した。第一岩峰から第二岩峰までは雪稜をトラバース。雪庇と滑落に注意しながら進む第二岩峰手前のトラバースは急なので、慎重にコンテで進んだ。第二岩峰基部ではヘリの救助を待つ4人パーティと出会う。彼らは5/2に入山し、2日間も第二岩峰直下の狭いコルで悪天をやり過ごしたそうだ。ヘリのダウンウォッシュの影響で行動ができないため、K氏が1P目を登った後に救助終了まで30分程度待つこととなった。幸いこの日は快晴だったので、スピーディーに救助活動が行われたようだった。救助隊員の手際、配慮が素晴らしく、感動。学生時代にこの場面に遭遇していたら、人生変わっていたかもしれない。・第二岩峰(1~2P): 先行パーティが1段上がったところで1Pを切ったので、それに合わせる形で登攀開始。1P目はK氏。15mほどの簡単なピッチ。2P目はかぶったチムニーを超えるのが核心。男前じゃんけんで見事勝利したI氏は苦戦しながらも見事に突破。残置ピンもあるが、信用ならないので、カムは数個持ってきたほうが安心して登攀できると思われる。終了点は灌木。第二岩峰からは高度感のある雪稜登高が続く。天狗尾根の頭を過ぎ、鹿島槍北壁の稜線で先行するパーティのトレースを辿っていたところ、K氏の右足が突如宙に浮く。2×5mくらいの雪の塊が北壁に落ちたのだった。とっさに左足に重心を乗せ、後ろにのけぞって事なきを得たが、落ちていたら確実に死んでいただろう。落ちたら終わりという意識を常に持っていたものの、漫然とトレースを辿ってしまっていたことが原因だ。この経験からトレースでも雪庇踏み抜きする可能性があることを改めて再確認し、その後の行動はより注意深く行動するように心がけた。この直後、これまで前を進んでいてくれた先行2人組パーティに代わり、ラッセルを行い鹿島槍北峰まで。このパーティは本日ずっと先頭を進んでくれており、申し訳ない気持ちがありつつも、先にピークを踏ませていただく。南峰の最後の登りは急な雪壁なので、注意する。最初にロープを出してからロープをしまわずずっとコンテで進んだ。雪が緩んでいると怖いかもだが、今回は雪が締まっていたので、快適に進む。南峰から冷池山荘までもおおむね雪があった。なだらかな尾根を下り、冷池山荘テンバ付近でC2。登ってきた東尾根、劔や立山、北アルプスの山々など360度の大展望を望める最高のテンバ。3日目(5h):C2(6:00)赤岩尾根ノ頭(6:30)西俣出合(9:00)大谷原駐車場(9:30)雪の状態がそれほどでもなさそうだったので、夏道沿いのルートを選択したが、やはり稜線を忠実に下ったほうがよかったと思われた。雪の状態から西沢(赤岩尾根の南側の沢)を下ることも可能と思われたが、念のため赤岩尾根を下る。尾根上は雪が残っている箇所が多く、終始アイゼンを付けて下った。あとは林道を大谷原まで。写真:
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2021-6-13 5:23 |
日光 赤岩滝
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日光 赤岩滝(沢登り/日光・那須・筑波)日程:2021-06-12(日帰り)メンバー: Kashiken imuraコース状況/その他周辺情報:西ノ湖入口バス停(10:00)赤岩滝下(11:00)赤岩滝上(14:30)西ノ湖入口バス停(16:00)バスの発着所のある赤沼駐車場は満車で車を停められず、1キロほど離れた三本松駐車場に駐車。赤沼から西ノ湖入口まではバスで20分ほど。1時間ほど歩いて、赤岩滝取り付きまで。赤岩滝は立派な多段の大滝(全部で120mほど)。最も落差の大きい滝は右側の壁が弱点でそこを登る。水流際なら右側だと思われるが、ラインは見いだせなかった。下部は右側からノーザイルで登り、木が生えたテラスからスタカットに切り替えた。1P目(?,40m):土のついたスラブを登る。岩は脆いので注意。ホールドは草をつかむのが有効。錆びた残置支点を利用できるが、自分で支点を作る場合はハーケンが主となりそう。残置支点が3つあるポイントでビレイ。2P目(?,25m):土のついたスラブを1段上がると、傾斜の強い壁があり、これが核心。フットホールドが細かく、フエルトの沢靴なら厳しいが、残置支点は豊富にある。滝の落ち口でビレイ。3P目(?,20m):最も落差の大きい滝を超えると、次の10m前後の滝。これは右の草付を登る。意外に傾斜があり、落ちると終わりなので、スタカットで行くのが無難。滝の落ち口でビレイ。4P目(?,15m):傾斜の緩い滝を左から登る。残置支点は少ないので、支点はハーケンや灌木でとる。滝上の灌木でビレイ。5P目(?, 10m):7m程度の滝を右側から巻き気味に登る。登攀終了後はシカの食害で植生がほとんどない右岸の踏み跡を辿って二股まで。あとは歩きやすい登山道をバス停まで。写真:感想:メイン山行で大滝登攀を狙っているなら、良い準備山行になると思われる。またシーズンの早い時期から登れるので、足のそろったパーティであれば、シーズン初めの足慣らしにもよく、もっと登られてもよいのではと感じた。
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2021-6-6 3:56 |
シシャモナイ登攀(大滝、クレイジー、大スラブ)
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シシャモナイ登攀(大滝、クレイジー、大スラブ)(アルパインクライミング/積丹・ニセコ・羊蹄山)日程:2021-06-05〜2021-06-06メンバー: Takenaka2017 nikonikoaokazu aach_17inoue Iida_2017コースタイム:写真:身体に悪そうな黒煙と業火から逃がれる大滝上流はこれ以外ブタ沢爆海風で逆流する飛沫が気持ちいい対岸の火事2p目初登ルートは水量多くてとてもテンバの岩。1pだが長くて良い。爽快でしたクレイジー1p目水色がロクスノに載ってた(だいたいの)初登ライン1p目感想:初登の記事を読まなければシシャモナイ大滝を登ろうなどという発想は出てこなかったと思う。自分の登攀対象の幅を広げてくれた初登者の方々に感謝したい。
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2021-6-6 1:50 |
S峡発電所エリア
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S峡発電所エリア(フリークライミング/大雪山)日程:2021-06-06(日帰り)メンバー: saito1987 sy2017写真:中川惜しくもOSならず溶結凝灰岩台地を穿つ石狩川の流れ岩塔の頂上から1年目鈴木期待の新人岩塔頂上から残雪の黒岳凌雲ライトハンドドリーム1p目3年目中川余裕の登り登ったのが左奥の岩塔発電所エリア最難ルートへ挑む佐藤ライトハンドドリーム2、3p目遠望ライトハンドドリーム3p目クラックを繋ぎ、岩塔の頂上へライトハンドドリーム1p目無事OS!感想:最近の現役・若手OBの登攀力に驚いた。自分もまだまだ精進が必要だな。
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2021-5-31 12:21 |
Scrack 岳エリア
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Scrack 岳エリア(フリークライミング/北海道)日程:2021-05-29(日帰り)メンバー: sy2017 nikonikoaokazu写真:奥立岩黒蛇 11a ★★★黒部源流やられました龍樹 11d ★★ツチノコ 5.10a感想:土曜日は岳エリア再訪 龍樹再登できて嬉しい。黒蛇は相変わらず最高のルートでした。開拓者に感謝。日曜は奥立で朝活。雨でも登れるけどやっぱり湿ってた。
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2021-5-30 11:50 |
小樽赤岩
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小樽赤岩(アルパインクライミング/札幌近郊)日程:2021-05-30(日帰り)メンバー: saito1987 inoue2009写真:不動岩稜側壁黒い凹角テーブル岩稜4p目テーブル岩稜2p目直上感想:現役時代の登り残し、黒い凹角を登る。AACH花井さん初登だったような。(ブラックカミン⇒ブラックチムニー?シュバルツカミン?)
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2021-5-28 22:54 |
イグルー講習会@青森八甲田
![]() ![]() こんにちは、イグルスキー米山です。 今回ははじめてイグルー講習会をしたときの話です。 ![]() このころは、大したアドバイスもできず、原始的な方法で積んでいますが、なんとかなっています。雪質にも助かっています。2月の雪は、作りやすいです。2009.2@八甲田・萱野茶屋 青森の山岳会で、講習会をしました2008年に青森に転勤した時、青森の山岳会(山岳同人たがじょ)に入って、八甲田、白神、津軽、下北半島の山を登りました。 引越し先でその土地で登る人達には、さまざまなことを教わります。この山にはこの山の事情があります。 たとえば八甲田の樹林限界以上のところは冬の間は吹雪が絶えず、登っても彷徨うだけで、かえって1000m以下の山のほうが楽しく登れることなどを知りました。だって標高0mから積雪2〜3mで山みたいなものなので。 ![]() 一番キチッとした性格の人が作った美しいイグルーです。人柄が見えるようです。津軽のジョッパリさんです。 総勢25人でイッコずつ・個性さまざま
はじめにイッコ作って見せて、それぞれ皆で作ります。人それぞれ、性格が反映されて面白いです。 この頃はまだ、長細いブロック式も幅厚の壁式も、私自身意識しておらず、たいして教える言葉も持たず、ただやってみせるだけだったのですが、カンのいい人は一度見たら自分の中でコツを掴んで次々と作り上げていきました。 ビバーク用突貫イグルー練習![]() 井戸みたいに小さいですが、一応下は広く、横になれます ![]() ブロックが大きければ少ない数で棺桶みたいな一人用がすぐにできます。本当に横になるだけ。これは誰かが作ったのをみて、なるほどなーと思ったのです。 この講習では、雪山で一人で孤立した時になんとか夜を過ごすための緊急イグルーも作りました。 追い詰められた精神状態でも落ち着いて夜を過ごす、30分ほどで作れる小さいイグルーです。 ここ、萱野茶屋は、1902年、日露戦争を前に八甲田雪中行軍の訓練山行中に疲労凍死した青森陸軍第五連隊の200人も通過しています。わずか百年前の近代化した日本人は、冬山登山の基本的な行動技術も知らずに大きな犠牲を払いました。いまここは酸ヶ湯温泉まで通年除雪され、車で行き過ぎるだけの場所です。 いつか、青森第五連隊と同じルートを、スキーで八甲田縦断し、遭難地あたりでイグルー泊してお弔いをしたいと思っています。青森の人達はユーレイが出る、と怖がっていますが、彼らの話をきいてみたいです。 山行記録: 八甲田山麓・萱野茶屋周辺イグルー構築稽古会 2009年02月01日(日帰り) 十和田湖・八甲田, 講習/トレーニング / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com きょうはここまで、またね。 |
2021-5-26 22:13 |
11月でもイグルー・大雪山、黒岳北稜
![]() ![]() こんにちは、イグルスキー米山です。 きょうは冬一番のイグルーの話、11月です。 ![]() 中に二人入って製作。雪の少ない季節は、足元の積雪が浅いので円の外側からもブロックを切り出して積んでいくと早い。全員北大山岳部員だと、あっという間にできる。 大雪山は冬山のハツモノ登りに行くところ![]() イグルーで天気の回復待ち。7ピッチの雪壁を前に辛抱。 大雪山の黒岳は北面が切れ落ち、その壁なり、リッジなりを登るザイルルートがあります。初冬に登る冬山一発目の山です。日本で一番冬が早い北海道で、一番標高が高い大雪山、そして一番早くリフトが動くのがここ。 北大山岳部の一年生は、だいたい11月3日の連休に大雪山の旭岳、23日の連休に十勝連峰の上ホロカメットク山周辺で冬山をスタートします。12月まで待てませんッ!!
ガスに煙る北稜をイグルーで狙う![]() 氷点下の環境でも風が防げると全く余裕。せっかく来たけど仕方なし。 標高1790mに良い吹き溜まりを見つけた。積雪後一週間も経てば新雪ではない。吹き溜まっていればイグルーができる。周りは藪も出ているが、首尾よく3人用を作る。1時間ほど。中は別世界、イグルーは天気待ちに最適。風は当たらず、外が見える。 このときは11月だし、雪が十分無かったら困るとテントも持っていったけど、もういらない事がわかった。テントで天気回復待ちをすると、たたんですぐ出られないし、アイゼンも履いたまま待てない。イグルーならホイホイ出発できる。全然違う。 天気はこちらの休日日程に合わせてくれない。諦めて下る。 きょうはここまで、またね。 |
2021-5-25 7:42 |
小樽赤岩 東大壁
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小樽赤岩 東大壁(アルパインクライミング/札幌近郊)日程:2021-05-15(日帰り)メンバー: Takenaka2017 nikonikoaokazu Nakagawa2019コースタイム:写真:aカンテフォローの平野さんdカンテ1p目bクラック1p目となりの♯syコンビ感想:無雪期赤岩修了も近い。東大壁は高度感あって楽しいし北大ルートは素晴らしかった。しかしもう5年目だというのに色々な場面で自分の未熟さ、要領の悪さを感じた。
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2021-5-25 3:25 |
雷電【北西壁ダイレクト、ドーム壁スラブルート】
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雷電【北西壁ダイレクト、ドーム壁スラブルート】(アルパインクライミング/積丹・ニセコ・羊蹄山)日程:2021-05-15(日帰り)メンバー: hazuki2012r midori428コースタイム:写真:スラブスート1p目3p目スラブスート3p目5p目1p目感想:無雪期の記録をほとんど見ないのはブヨとウルシのせいか。やたら時間がかかってしまった。想像より岩もしっかりしてて快適だしおもしろいのでもっと登られてもいい。
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2021-5-24 22:21 |
笈ヶ岳(おいづるがたけ)の深山イグルー
![]() ![]() こんにちは、イグルスキー米山です。 きょうは秘境の山旅から、白山北方稜線のイグルー山行の話です。 飛騨、加賀、越中の三国境は笈ヶ岳、深山です。笈ヶ岳という山は、登山道が無いのに名峰として知られる山です。ちょうど三国(三県)の境で、どこからも遠い。北アルプスに負けないくらい長い白山の山脈の中で、白山本峰に次いで存在感を放つ山です。しかも山頂には、8世紀やそこらの古い白山信仰の修験道の残した仏具があったといいます。 こういう奥深い山へは、雪で藪が埋もれた時期にイグルーで迫るのがイグルスキーのやり方です。富山県境川ダムの脇の尾根から入山して31km、飛騨の白川郷まで3日間です。 ![]() 濡れた雪はそれはそれで積みやすい。イグルーの雪って本当に毎回長所短所あり。文句言わず続ければ必ずできる。一泊目。標高1500m大門山手前。 初日はミゾレ、ずぶ濡れになりながらイグルー作る4月上旬でミゾレの中稜線へ。稜線はマイナス4℃。ブロックを適当に乗せればくっつくという楽勝な雪コンディションで、30分ほどで2人用イグルーを立てる。体はずぶ濡れだけど、4月はこんなもの。 ![]() 大門山へ。霧が晴れて世界が広がる。悪天は、こうなる前の仕込みのようなもの。天国の回廊です。 二日目は好天。大山脈を南下する。マイナーな山名が多いけど、一応10の山頂を縦走する。どれも修験や山人が名付けた古い名前だ。 大門山だいもんざん(1572m)、赤摩木古山あかまっこやま(1501m),見越山みこしやま(1621m)、奈良岳ならだけ(1644m)、大笠山おおがさやま(1822m)、笈ヶ岳おいづるがたけ(1841m)、仙人窟岳せんにんいわやだけ(1747m)、国見山くにみやま(1680m)、瓢箪山ふくべやま(1637m)、三方岩岳さんぽういわだけ(1736m) ![]() 知られざる名山、大笠山。白山北方の鋭角の雄が笈なら、おおらかな山容の雄は大笠山。カールのような丸い源流部はスキーで飛び込みたくなる。 笈ヶ岳は里から一番遠いところ雪の季節に3日かければ来られるけど、その3日がなかなか休めない現代日本人。このときもやりくり調整して作った3日だった。職場調整と、相棒と、その家族の同意と。そして天候と体調。これらがすべて揃って、美しく描いた計画を実践できる。この立案も相棒松原氏。 イグルーは、メインの山が最も格好良く見える所に建造したい。歩きながら近づいて、「ここだな。前でも後ろでもなく、ここだ。」写真を撮る、三脚を立てるときと同じ。 イグルーを例によって短時間で作ってしまって、夕暮れの小ピークでブラックニッカを飲む。紅く染まりゆく白い山並と、まだ樹氷の落ちきらない、遥か稜線や谷に点在するブナの、光る木立がきれいだ。日が傾いて行くと、そこが広い海であることが分かってきた。日本海だ。線香花火の最後の一時のような紅い玉が沈んでいった。月は半月、ほぼ真上だ。 記録より ![]() 白山と2泊目のイグルー。山が最も美しく見える場所。下に掘ったらダケカンバの空洞に当たった。 笈ヶ岳南面はちょっと難しい
白川郷へと向かう稜線は極端に細く、その谷底がクラクラするような高度感あり、そこをスキーでソロソロと乗り越える、結構難易度の高いルートになります。道もなく、人の手を拒む山として残ったのには理由がありました。 ![]() 笈とイグルーの見合い写真。 きょうはここまで、またね。 山行記録: 大門山→大笠山→笈ヶ岳→三方岩岳(白山北方スキー縦走) 2003年04月09日(3日間) 白山, 積雪期ピークハント/縦走 / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com |
2021-5-22 23:07 |
絶景のイグルー・常念岳の巻
![]() ![]() こんにちは、イグルスキー米山です。 きょうは私のふるさとの山、常念岳の2020年2月イグルー山行から。 ![]() 二の丸から本丸への黒門をくぐる時、さり気なく配置された2ショット。築城者、1592年、石川数正によって計算された風景美がこれだと思うよ!偶然では無いのです。 常念は松本平の王様どんな鈍い人でも、冬の松本で北アルプスを見たら、あれはなんだ、かっこいい!と思う山。それが常念岳です。 「松本城天守は、常念岳が一番かっこよく見える場所に築城した」 「松本の城下町は、常念の左肩に槍ヶ岳が見える範囲に築いた」 というのが、戦国山城めぐりをしてきた私の、証拠の無い確信です。 ![]() 常念岳の南側の深い雪を進む。雪煙で前常念の長い尾根が隠れ、鋭鋒に見える。相棒ははるか先でラッセル中。 常念岳を、クラシックルートから登りたい江戸時代1828年に槍ヶ岳を開山した播隆上人は、小倉の住人の案内で、信州側から槍を目指しました。当時のルートは今の島々、釜トンネルのバス道路ではありません。あそこは峡谷でした。 三郷村(現安曇野市)の小倉から直登して鍋冠山、大滝山から越えたと思われます。槍ヶ岳山荘の穂苅さんの書いた本では、当時このルートで上高地入りし、徳沢経由の飛騨越えルートが開発されたのだそうです。鍋冠までの夏道は少し前の国土地理院地図には載っていましたが今はどうでしょう。実際にはほぼ踏み跡が切れ切れで一般ルートとは言えません。 それでも大した藪ではないし、かなり良い登路だと思いました。問題は、雪の硬さの見込みを間違えスキーを持っていかなかったため、大滝山までに二泊もかけてラッセルをしたことです。 でも、時間はかかったけど、この間の針葉樹林はすごく雰囲気の良いところで、ズボズボのラッセルをしながらも幸せを満喫しました。これぞ深山幽谷。 大滝山で針葉樹林を抜けると、見慣れた常念岳が真横から姿を見せました。常念は、松本から見るときと90°違って前常念への吊尾根が出て、横に伸びた象の頭みたいな形になります。 ![]() 常念を背に築城するボク。 松本中から丸見えのポイントにイグルー大滝山の長細い山頂部の一番北側にイグルーを作りました。そこから眺めるとウチの実家は、信州大学の敷地の南の、付属中学のヒマラヤスギの木立のやや右です。松本城本丸の松林や筑摩神社の杉林など、大きな森があると場所の目処が付きます。よく知っている町の俯瞰はいくら見ていても飽きません。背後には蝶ヶ岳の裏に穂高岳も見えるのですが、盆地を見下ろすのが楽しいです。 ![]() 黒くて焦げ鍋を伏せたようなのが鍋冠山。ここを直登した。この写真に見えている空との境はすべて歩きました。 住みかの町から見上げる空との境、山の稜線をすべてあるきたいというのが、高校生の頃からの密かな願いでした。常念岳、蝶ヶ岳、大天井岳というような有名峰をつなぐ稜線は夏の縦走で道もあるので中学生の時に歩いているのですが、鍋冠や黒沢山というようなシブシブの山嶺は、今だからこそ歩ける大人の山なのです。ようやく故郷に帰って、着手できるなあ、と思いました。 ![]() 松本平を見下ろす常念岳直下のイグルー。日が暮れる時、常念の影が盆地を東へ進む。右上は美ヶ原。黒い岬のようなのが犬甘城山の丘陵。遠くやや左は浅間山、右の遠くは八ヶ岳。 常念岳直下にもイグルー翌日4泊目は蝶ヶ岳の冬季避難小屋で防風を避けているうち、ここで泊まるか、となり、その翌日に常念を目指しました。山頂からの下りで、もう一回、松本平を見下ろす所にイグルーを作って5泊目に泊まりました。このあたりには、学生時代にも北海道から登りに来て、イグルーで泊まりました。1989年でした。 ![]() 朝一番の路線バスで松本駅へ。常念岳が黄金色に朝日を浴びる。登った山を町から見上げる楽しみ。 住む町から見える山に登ったあとは日々山を見上げて、「あそこを歩いた」、「あそこにイグルー作った」、と思い出します。バスを待ちながら、信号待ちで立ち止まりながら、常念を見上げる。これが松本に住む魅力です。 ![]() 山行記録: 厳冬期常念岳・鍋冠、大滝山、蝶ヶ岳から縦走 2020年01月31日(6日間) 槍・穂高・乗鞍, 積雪期ピークハント/縦走 / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com |
2021-5-20 23:20 |
南アルプス絶景イグルー
![]() ![]() こんにちは、イグルスキー米山です。 南アルプスの百名山荒稼ぎ山行の話です。 イグルー2つで南部の名山荒稼ぎ17 年前、名古屋に住んでいた時、南アルプス南部の未踏だった3000m峰を一気に登りました。天候に恵まれ、悪沢岳(荒川三山)、赤石岳、聖岳を巡って満腹でした。そのときのカギはイグルーでした。広河原から入山して大聖寺平にいぐるーを 作り、荒川三山を往復、その後赤石岳を越えて大沢岳山頂にまたイグルー、聖岳を往復して、遠山郷へ下山というルート取りです。 ![]() 小渋川から渡渉20回くらいしながら入山して、2つのイグルーからそれぞれアタック。考えうる最も美しい計画ラインではないかな。 大聖寺平のイグルー平たい所に竪穴掘りながら積んだ、かなり保守的なイグルーです。荒川岳往復を中日でしたので二泊しました。一日経ったらもう堅固。二人100kg乗っても壊れません。 ![]() 頑丈です。二人乗っています。ドームは小さいけど、地下に広げてあって、中は広々でした。 大沢岳山頂イグルーこれは絶景です。山頂です。背後には聖、正面には明石。死ぬ前にもう一回、ここでイグルー泊したいものです。 ![]() 背景は聖岳。赤石岳も、荒川三山も、富士山も、思いのままです。 ![]() イグルーの中。 きょうはここまで、またね。 ![]() 山行記録: 荒川岳、悪沢岳、赤石岳、大沢岳、中盛丸山、兎岳、聖岳 2004年04月14日(6日間) 塩見・赤石・聖, 積雪期ピークハント/縦走 / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com |
2021-5-19 22:19 |
槍ヶ岳の真正面イグルー
![]() ![]() こんにちは、イグルスキー米山です。 テントではちょっとコワい場所のイグルーシリーズです。 弓折岳山頂イグルー、2018年2月新穂高温泉から蒲田川左股をぐっと奥まで進み、鏡平の西の尾根を直登して弓折岳山頂にイグルーを作りました。狙いは鷲羽岳です。山深いところにあるので、まだ未踏でした。百名山を全部登る気は特にありませんが、まだ登っていない名峰(素敵な山)は百名山であることも多く、どうせ登るなら、夏の沢を直登するか、厳冬期で行きたいもの。人の作った道に世話になって登るのではもったいないです。 ![]() 双六と三俣蓮華岳を東側から巻いて鷲羽岳に直進するルートは、晴れていれば目標は明らかだ。問題はガスった時。鷲羽岳の左奥に水晶岳が見える。本当はあそこまで行きたかった。 退路に最適、地形の変わり目にイグルー弓折岳山頂にイグルーを作った理由は、視界がなくなると尾根の下降点がわかりにくいからです。ここに泊まっていれば、日数不足で下山するときにホワイトアウトでもただ磁石で方向を切って下れば良い。下降点を探すのに困らないからです。これより奥に泊まると、視界がないときはかなり苦労するはずです。このさき双六岳をトラバースして三股山荘から鷲羽岳を往復するコースは、視界が見えていないと地形が難しいからです。 ![]() 魔性の女、鷲羽岳が「おいで〜、おいで〜、ボクたちおいで〜」と美しい姿で誘いかける。我々は両目をハートにして吸い込まていく。そして帰路はホワイトアウトの防風。氷点下10℃。写真中央の三俣山荘周辺ではホワイトアウトで何も見えなくなった。 鷲羽岳、幸運なアタック、帰り道に罠イグルーから鷲羽岳への往復は片道5時間の1日仕事です。双六小屋から三俣山荘の間は、だだっ広い雪原のトラバースで、視界がなければスピードはガタ落ちです。白い闇の中を最速で進むことはできません。行きは好天、美しい鷲羽岳がおいでおいでと手招きをしていて、僕らは吸い寄せられるように山頂に到達しました。 しかし、帰路、天候は変わりました。広大な黒部川源流の風景を徐々に霧が覆い、三俣山荘を過ぎたあたりで完全なホワイトアウトに。 イグルーが作れれば全然怖くない地図と磁石ではるか彼方の弓折岳イグルーに帰ろうとしますが、視界が数mの白い闇では、到底スピードを出して進めません。山での判断は一刻を争う競技スポーツのようなスピード感はありません。数時間後に打つ手がなくなってしまわないように、立ち止まって冷静に考えさえすれば、生還できることが多いのです。 今夜はこのあたりで泊まろう、というのが最適解でした。私はイグルーが作れます。こんな時、ツエルトだけならどんなに寒くて心細いだろうと思います。ザックを下ろしてノコとスコップを出そうとしたところで、「相棒が三股山荘の冬季小屋を掘ろう」と提案しました。 結果、大雪原のホワイトアウトで小屋を探し当てるのに小一時間彷徨い、地下3mほどに埋もれた冬季小屋の戸を掘り返すのにも1時間かかりました。中は真っ暗、物置のようなところでした。持っていたマットと、非常用防寒アタック装備を全部着込んで、行動食をむしゃむしゃ食べて、シュラフカバーに入ってザックに脚を突っ込んで眠りました。 でも確信した。イグルーを作れる自信があると、どんなホワイトアウトも全然怖くない。最高に自由な気分だった。 ![]() 槍ヶ岳は、ここから見ると大きな山塊であってその先が小さく尖っているだけに見える。ここからはショボい穂高よりも圧倒的に立派。 絶景のイグルー翌日、視界は悪かったけれど100mくらいは見えるようになったので、一日かけて弓折岳のイグルーに帰還しました。槍ヶ岳を真正面に見るこのイグルーは最高の立地でした。もう一泊して笠ヶ岳を往復してもいいくらい。でも、一山行にメインは一つがふさわしい。あまり欲張らないほうがいいと思います。雪のコンディションもよく、下りは延々長い斜滑降で弓折岳の南の谷へ滑り降りました。 ![]() 夜明け前。水槽の中の槍ヶ岳。 ![]() 山行記録: 《北ア》新穂高温泉から鷲羽岳、三俣蓮華岳、双六岳厳冬期アタック 2018年02月18日(5日間) 槍・穂高・乗鞍, 積雪期ピークハント/縦走 / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com きょうはここまで。またね。
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2021-5-19 22:19 |
槍ヶ岳の真正面イグルー
![]() ![]() こんにちは、イグルスキー米山です。 テントではちょっとコワい場所のイグルーシリーズです。 弓折岳山頂イグルー、2018年2月新穂高温泉から蒲田川左股をぐっと奥まで進み、鏡平の西の尾根を直登して弓折岳山頂にイグルーを作りました。狙いは鷲羽岳です。山深いところにあるので、まだ未踏でした。百名山を全部登る気は特にありませんが、まだ登っていない名峰(素敵な山)は百名山であることも多く、どうせ登るなら、夏の沢を直登するか、厳冬期で行きたいもの。人の作った道に世話になって登るのではもったいないです。 ![]() 双六と三俣蓮華岳を東側から巻いて鷲羽岳に直進するルートは、晴れていれば目標は明らかだ。問題はガスった時。鷲羽岳の左奥に水晶岳が見える。本当はあそこまで行きたかった。 退路に最適、地形の変わり目にイグルー弓折岳山頂にイグルーを作った理由は、視界がなくなると尾根の下降点がわかりにくいからです。ここに泊まっていれば、日数不足で下山するときにホワイトアウトでもただ磁石で方向を切って下れば良い。下降点を探すのに困らないからです。これより奥に泊まると、視界がないときはかなり苦労するはずです。このさき双六岳をトラバースして三股山荘から鷲羽岳を往復するコースは、視界が見えていないと地形が難しいからです。 ![]() 魔性の女、鷲羽岳が「おいで〜、おいで〜、ボクたちおいで〜」と美しい姿で誘いかける。我々は両目をハートにして吸い込まていく。そして帰路はホワイトアウトの防風。氷点下10℃。写真中央の三俣山荘周辺ではホワイトアウトで何も見えなくなった。 鷲羽岳、幸運なアタック、帰り道に罠イグルーから鷲羽岳への往復は片道5時間の1日仕事です。双六小屋から三俣山荘の間は、だだっ広い雪原のトラバースで、視界がなければスピードはガタ落ちです。白い闇の中を最速で進むことはできません。行きは好天、美しい鷲羽岳がおいでおいでと手招きをしていて、僕らは吸い寄せられるように山頂に到達しました。 しかし、帰路、天候は変わりました。広大な黒部川源流の風景を徐々に霧が覆い、三俣山荘を過ぎたあたりで完全なホワイトアウトに。 イグルーが作れれば全然怖くない地図と磁石ではるか彼方の弓折岳イグルーに帰ろうとしますが、視界が数mの白い闇では、到底スピードを出して進めません。山での判断は一刻を争う競技スポーツのようなスピード感はありません。数時間後に打つ手がなくなってしまわないように、立ち止まって冷静に考えさえすれば、生還できることが多いのです。 今夜はこのあたりで泊まろう、というのが最適解でした。私はイグルーが作れます。こんな時、ツエルトだけならどんなに寒くて心細いだろうと思います。ザックを下ろしてノコとスコップを出そうとしたところで、「相棒が三股山荘の冬季小屋を掘ろう」と提案しました。 結果、大雪原のホワイトアウトで小屋を探し当てるのに小一時間彷徨い、地下3mほどに埋もれた冬季小屋の戸を掘り返すのにも1時間かかりました。中は真っ暗、物置のようなところでした。持っていたマットと、非常用防寒アタック装備を全部着込んで、行動食をむしゃむしゃ食べて、シュラフカバーに入ってザックに脚を突っ込んで眠りました。 でも確信した。イグルーを作れる自信があると、どんなホワイトアウトも全然怖くない。最高に自由な気分だった。 ![]() 槍ヶ岳は、ここから見ると大きな山塊であってその先が小さく尖っているだけに見える。ここからはショボい穂高よりも圧倒的に立派。 絶景のイグルー翌日、視界は悪かったけれど100mくらいは見えるようになったので、一日かけて弓折岳のイグルーに帰還しました。槍ヶ岳を真正面に見るこのイグルーは最高の立地でした。もう一泊して笠ヶ岳を往復してもいいくらい。でも、一山行にメインは一つがふさわしい。あまり欲張らないほうがいいと思います。雪のコンディションもよく、下りは延々長い斜滑降で弓折岳の南の谷へ滑り降りました。 ![]() 夜明け前。水槽の中の槍ヶ岳。 ![]() 山行記録: 《北ア》新穂高温泉から鷲羽岳、三俣蓮華岳、双六岳厳冬期アタック 2018年02月18日(5日間) 槍・穂高・乗鞍, 積雪期ピークハント/縦走 / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com きょうはここまで。またね。
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2021-5-18 0:40 |
冬のトドを見る・積丹のイグルー
![]() ![]() こんにちは、イグルスキー米山です。 きょうは北海道で、トドを見に行ってイグルーを作った話です。北海道と言えばクマ、シカ、キツネです。しかしもうひとつ、忘れちゃいけないトドがいます。冬になると、もっと寒い千島、サハリンから「南国の」北海道に来て、ぬくぬくして、暖かくなると帰っていきます。人が近づけない断崖絶壁の海岸に、何百頭もきています。 ![]() 船でなければ近づけない安全な入り江 北海道に居た2005年、私がイグルー術を伝授した北大の登山愛好学生Cさんが卒論のテーマで、このトドのウオッチングをしていました。場所は積丹半島の断崖海岸です。沿岸の自動車道路はトンネルに潜るので、トドにとっては人が全く来ない安全なところです。何百mもの崖の上から岩礁を見下ろすと、ぞろぞろ居ました。 ![]() 泳いだり暴れたり ![]() 野良猫みたいに転がったり このポイントは、車では行けず、山スキーを履いて延々藪山をトラバースした末にある急な藪の雪面です。雪山を自由に歩く、冬山登山愛好家にしか行くことができない場所です。 雑木こそ生えていますが、雪の斜面の先は断崖になっていて、たいへん危険な場所でもあります。Cさんはここに毎日通い、トドの数を数え、もうおなじみの個体の識別もして、望遠鏡でストーカー的に観察していました。 こんな吹雪の吹きさらしで張り番とは。なんて過酷で素敵な卒業論文だろう。北海道大学にはこんな地味で忍耐のいる野生動物や自然科学の現場研究者がたくさんいます。 ベストポイントにイグルーを作ってプレゼントしました。 ![]() ボソボソの雪で、寒風を凌ぐイグルーを作る。トド観察トーチカ。崖の上で足場が狭くて全体が撮れない。 トドは、積丹沿岸の漁場の魚を網を破いて遠慮なしに平らげてくれるので、周辺の漁師には死活問題です。やりたくはないけど鉄砲で脅かしたりもしますが、ほとんど効果がありませんでした。一匹が一度に食べる量は、軽トラ一杯分くらいは軽いのではと思いました。 ![]() ロシアによる識別焼印と、首からポリバケツがはずれない個体 トドの体には、焼印がついているものもありました。カムチャツカでの研究者が個体識別のために付けたそうで、ロシア文字です。荒っぽいですね。他には、海洋ゴミのポリバケツの底の抜けたものが、襟巻きみたいに首から外れずに困っているトドもいました。漁師も辛く、トドも辛く、この海を生きていました。 一部のトドは函館にまで来ていました。函館山の東海岸は、30万都市のすぐ脇なのに断崖の秘境で、陸から楽には行けない場所です。私はときどき、東海岸のトドを見に出かけました。函館山の上にもイグルーを作って見たいと思っていましたが、果たさずに町を離れました。 きょうはここまで。またね。 ![]() 函館山は334m、東京タワーの高さ。この斜面の背面の海岸は、断崖の秘境。津軽海峡要塞として明治から敗戦の年まで軍専用地だったので自然林が豊かです。この写真の左端の古い家に住んでいました。 |
2021-5-16 9:55 |
赤岩 大壁
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赤岩 大壁(アルパインクライミング/札幌近郊)日程:2021-05-15(日帰り)メンバー: nikonikoaokazu aach_17inoueコースタイム:写真:ゼロ1p目逆層の凹角1p目ゼロ1p目終了点から感想:逆層の凹角はケミカルに飼い殺された人を解放するだろう。。
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2021-5-14 21:48 |
イグルーはマルかシカクか
![]() ![]() こんにちは、イグルスキー米山です。 きょうはそのそもイグルーは円形マストなのかという話です。 見かけはドームなんだから始めから丸く掘って積むイグルーのみかけは半球ドームです。なぜドームかといえば、構造上一番屋根が作りやすいから。だんだん壁が真ん中に寄って行って、最後に穴が狭くなるから屋根が閉じるわけです。壁は傾けなければならないので、倒れることとの戦いです。真っ直ぐな壁は倒れやすいけど弧を描いた壁は倒れにくい。だからドームなのです。 ![]() 丸く積んで、足元も丸く掘り下げて作っています。当たり前の発想です。2005.2@オロフレ山 自然な発想で疑いもなくずっと雪の上に円を描いてブロックを掘り始め、円筒の竪穴の周りに丸くブロックを積んでいました。 でも居住スペースは四角形だ最近になって気がついたのですが、人の居住スペースはシカクの方が住みやすい。部屋だって四角いしテントだって底部はシカクじゃないか。自然界には存在しない直線が、人間にとっては快適な住空間なんだ、ちょっと寂しいけど。 ![]() 今年のモデルはシカクの寝床。ブロックもバンバン切れるよ。 それにブロックだって円筒形の竪穴から一辺が弧になったブロックを取るより、四角い豆腐型や長い板状を切り出すほうが、工作には適している。こうして最近は円筒の居住スペースではなく、四角い部屋の上に丸くドームを作るように変わって来ました。 話を聞けばあったりまえなんだけど、30年も先入観に囚われていました。まだまだイグルーは進化しますぞ。 ![]() シカクい穴の上にマルいドームを乗せれば良い。天井部分なので、これでいいのだ。 将来は立方体のイグルーもやってみよう最近あみだしたトレンチ切り出し法を使えば、天井に浴槽のフタみたいなブロックをかけて三葉虫の腹状の屋根に作ることも可能です。わざわざエッジを効かせた四角い壁を建てちゃって。 ![]() 左、ヘルヴェチア・ヒュッテ。右、松本城天守のつもり。大好きな建物ふたつ。 もっと悪ノリすれば、ヘルヴェチアヒュッテ風のイグルーも作れるかも知れないぞ! いや、五層の松本城天守も作れるかも・・・。もうそなると札幌雪まつりですね。 きょうはここまで。またね。 |
2021-5-12 21:58 |
以前は私もダサかった・アルベロベッロとラテルネンデッケ
![]() ![]() こんにちは、イグルスキー米山です。 きょうは私のイグルー技術も変わってきているという話です。 以前は私も難しい方法しかしらなかった![]() 2005年4月@幾春別岳 以前のイグルー作り写真を見ると、ブロックの上側をどんどん傾けて、隣同士をもたれあわさせて作っていました。きのうのブログで15年前の函館時代のイグルー写真を見ていて気が付きました。今の方法とは違います。 ![]() ころころのブロックを斜めに組んで屋根を塞ごうとしている。この方法は滑り落ちて結構難しいです。2005年2月@オロフレ山 ずいぶん前から講習をしたりしていますが、昔のやり方だとやはり誰にでも作れるというわけにはいきません。それでも上手な人は作ってしまうのですが。この方法でも雪が悪くなければ40分で作れますが、いきなりは難しいです。 今の方法の肝は二つ その一・幅広せり出し・アルベロベッロ法![]() 村中、全部これです。壮観です。南部のアドリア海側の内陸の町です。 ![]() 平たい粘板岩を丁寧に水平に並べて屋根を作る伝統家屋です。ホテルです。 壁の厚みを持たせ、幅のあるブロックを載せて内側にずらし、段々に壁を内側へ寄せる。つまり、ブロックの上面を内傾させない。内傾させると、どんどん積んだ上のほうは急になり最後は滑り落ちるからです。 ![]() これは展示の模型です。イグルーに似ているな、と思いました。 これを思いついたのは、イタリアのアルベロベッロの世界遺産、粘板岩の瓦を積んで作る三角屋根の住宅の村を訪ねたときです。 素材が平たい岩だから傾けたら危ないですよね。昔、屋根のある家に課税する役人が来る日に、「屋根なんかねえよ!」と、すぐに取り外せる屋根の住宅を作ってとぼけたのが由来だとか。 重ねる板の幅が、内側にせり出す長さに対して十分あるならば、落っこちないのですね。限度はあるけれど。村の景観が、まるでイグルー講習会やった時みたいだったので思いつきました。 ![]() ラテルネンデッケとアルベロベッロ両方の特徴を持つ最強の屋根材です。 その二・長細ブロック組み上げ、ラテルネンデッケ法![]() 4月の腐れ雪で、なんとか完成。長細い材でなんとか橋渡しを試みている。ちょっとラテルネンデッケと言うには美しくないですが。2016年4月@権現岳 長細いブロックで円弧の縁に橋掛けをすれば、どんどん屋根はふさがります。これはラーメンどんぶりに置いた箸や、井桁で組む焚き火の焚き付けなんかでヒントとしました。 ある時一緒に泊まった建築家の友人がイグルー天井を見上げて、「これはラテルネンデッケと言ってアフガン〜パキスタンのイスラム寺院やチベット僧院の丸屋根にあるよ。バーミアンの時代からある」と教えてくれました。古代建築家もやっていた技術だったのですね。 http://www.ne.jp/asahi/arc/ind/6_china/northern/xarakeloc.htm www.ne.jp 最近のはやりは、長細く平たい板状ブロックを切り出して、ダンゴムシか三葉虫の腹みたいなのが、一気に早くふさがって未来型イグルーです。 きょうはここまで。またね。 ![]() 三葉虫かオームか。虫の腹状で、もはやイグルーというより未来基地。このブロックが切れてしまえば、超ラクです。2021.5@栂池 |
2021-5-11 23:22 |
遭難からイグルーで生還
![]() ![]() こんにちは。イグルスキー米山です。 きょうは遭難死の話です。 函館にいたころ16年ほどまえ、函館で4年間過ごしたとき、北大水産ワンゲルの若手OBとよく山に登り、イグルー技術も伝えました。北海道南部は札幌から遠く、以前私も8年過ごした札幌からは、なかなか来られなかった道南の渋い山の数々を雪の季節に登りました。地形図から最適な尾根を選んで、イグルーで海の見えるところに泊まり、誰もいない山頂を目指しました。転勤で予期せぬ町に住み思わぬ山と出会う、私の生涯の宝の山々です。 ![]() 道南の山々。函館に4年間住んで訪れたマイナーピークスです。 Aさんの遭難死そんなころ知り合ったAさんは、学生時代は運動部で体は頑丈、仕事を始めてから山が好きになった若者でした。何度か山行を重ねて経験を積んで、あるときメップ岳に登り遭難死してしまいました。ほんの20mほどその時だけコチコチに凍っていた稜線から落ちたのですが、運悪くダケカンバの立ち木に当たって死んでしまいました。同行者のBさんは、Aさんの死を確かめたあと稜線に戻りそこにイグルーを作って悪天をやり過ごし、翌朝ヘリに救助されました。 ![]() 数日後に現場へ。二人のスキーと、イグルーあと。4月なのでイグルーは屋根が落ち、穴は吹き溜まりになっていた。 イグルーで生き延びたBさん後日、何人かで二人の遺留品を回収に行きました。そこでBさんが一晩過ごしたイグルーを見つけました。大きなブロックを並べて作る、一人用の、狭くて低い緊急イグルーです。多分30分以内で作れるはず。彼はその夜このイグルーの中でどんなことを考えただろうか。斜面は凍っていたが、晩にはミゾレが降ったという。 山登りを続けていれば、楽しい事ばかりじゃない。親しい人の死にもしばしば出会います。しかしそれはことさら山だけの話ではなく、人生そのものと同じであると私は考えます。 仲間が事故死、あるいは怪我という大事件のとき、残った者はどうするか。山での判断の多くは、一刻を問うほどには迫らない。時間をかけ、心を落ち着ける必要がある。慌てないこと、考えるのをやめないことが一番肝腎だ。 起こってしまったことを受け入れ、余裕を持ってそこから自分の考えを整理すること。ひどい天候の中でも、まずそれができる場を作ること。私は、Bさんがこの非常事態に、憶えたばかりのイグルーを使ってくれて、本当に良かったと思いました。 ![]() ぶつかった立ち木に印をつけた。ザックを山から下ろした。低温で、可動式レンズキャップが半開きに。なんだか悲しい心象のよう。 死者を弔う、思い出すこと。Aさんは口数少ないけれど心が伝わる好青年で、山にはいつもイカの沖漬けやイカ飯を作って持ってきてくれました。ザックにはやっぱりイカの開きが入っていました。調査船の船乗りだったので、函館港停泊のAさんの夜勤番の夜、Bさん含めて何人か遊びに行って、船で鍋をつついたこともありました。吹雪の赤い街灯の波止場を、路面電車も終わった時間に、ほろ酔いで家まで防寒ゴム長で歩いて帰った夜が懐かしいです。 山で別れた死者のことは、何度でも思い出しましょう。人の生は死んでしまったってそれっきりじゃない。 きょうはここまで。またね。 ![]() 山行記録: メップ岳 2005年04月23日(日帰り) 道南, 積雪期ピークハント/縦走 / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com |