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2023-2-5 14:41
イグルーも食べ物も手作り・玄米雑炊
休日の昼、10泊分の冬季スキー山行の食料を試食してみました。
長期山行は食べ飽きない同じものを
長期なのでレトルトやアルファ米ではなく、原料自家製乾燥で。そしてやはり長期なのでビタミン、ミネラル、繊維質が自ら豊富な玄米で雑炊とします。雑炊は鍋一つ、食器は各自一つで完結するし、冬季は特に必要な水分を食事と同時にたくさん取れるし、あたたまる、味付けは失敗しようもない。優れた山料理です。山岳部の定番です。
玄米は沸騰後弱火20分で食べられます。普段の食事はごはん炊きなので更に蒸しますが、雑炊なので別に良し。ちょっと硬いけどよく噛んで食べると味わえるし、ゆっくり食べられる。きょうは玄米130gを半分に分けて2種類。カレー雑炊と納豆味噌雑炊を作りました。実際は一食でこのどちらかの味を倍です。毎晩交互にします。味付けは最期にするので二種の味見です。
カレールウが表示通りでは少ない。やはり130gの雑炊は下界より多い。味噌の加減もわかりました。スーパーで手に入る粉末カレールウは横濱舶来亭とオリエンタルカレーの二種。結局両者とも必要量の重さはそう変わらないこともわかりました。
手作り乾燥野菜と乾燥納豆
かぴんかぴんのにんじん。ビタミンAと繊維はこれ。
冬天気良く乾燥する太平洋岸は、野菜を干すのに最高です。北陸の皆さんには申し訳なし。
一人一晩130gの玄米に自家製乾燥野菜をにんじん5g、大根5g、玉ねぎ5g、それからにんにく生姜、しいたけ、きくらげを適宜入れて作ります。乾燥野菜は、大根と椎茸はすぐ手に入るので買ったもの。玉ねぎ、にんじん、納豆、にんにく、生姜は自作。切り方をいろいろ変えてこのところベランダで量産している。
にんにくと生姜です。これももっと乾かすとヤバい粉末になりますね。日常の料理でも重宝しますよ。
半乾きの納豆。もっとカピカピにしてミルにかけると粉末になり、茹で大豆に降り保温すると納豆が自作できます。
やはり長期山行では野菜がほしい。ビタミン、ミネラル、繊維質は、無いと不調になる重要点。それに菌類。納豆は嬉しい!あとは味噌を粉末にするかどうか。大した重さじゃない気もするし。
これに夏でも腐らない「ひき肉の過剰塩コショウ炒め」をさじで振り入れれば良い。今回のパートナーは肉食制限中とのことなので大豆肉を持参してもらい、各々の鉢でかける。
今の所、食料が一人8kg。これが毎日少しずつ軽くなっていく。この重荷では、華麗に新雪パウパウを滑る「バックカントリー・スキー」という感じではなくて、「山スキー」です。
イグルー作りとの共通点
乾燥野菜を作っていて思いましたが、食料を原料から手作りする山登りは、寝床を手作りするイグルー山行に通じます。便利な食品を買ってきてお湯をかけて食べるだけでもいいのですが、自作の喜びというか、やってみれば面白いところとか、やってみると全然面倒くさくないところとか、何か似ています。
きょうはここまで、また
2023-2-1 23:48
ノーウェジアン・イグルー
イヌイットやエスキモー以外でイグルスキーほど山でイグルーに泊まっている人はいるのだろうか?と思っていましたが浅はかでした。
先日、ノルウェイに引っ越したというインスタ友だちから衝撃のお話が。あちらではちらほらイグルー泊している長期スキー旅行者がいるらしいのです。
動画を送ってくれました。
Vikerfjell en vinternattsdrøm del 2
iglo på fjelletigloo in the mountainsIglu im Gebirge
衝撃です。イグルスキーが早々に諦めた、わりと平たいブロックを整形しながらタテに積んで、多面体の半球を作る、本場「北極圏式」の難しいイグルーを作っています。上手です。ノコギリの幅が欧米風で広い点も、平らな面を広く切りやすそうですね。
思い切り大きな面積のブロックをタテに積んで行くには、接触部分を丁寧に整形しながら傾けもたれあわせていくバランスが難しそうです。
また、日本海があるため低緯度の割に雪が多い日本は、世界一の豪雪地帯なので、いつでも新雪がたっぷりあってどけるのが大変ですが、アッチは気温が低くて古い雪(積もってから時間が経って自然に締まっている)が多いからイグルー的には作りやすい「かるかた雪」が多いのではないかと想像します。つまり日本の3000mの稜線みたいなイグルーを作りやすい状態です。
ちなみに話はそれますが、欧米人は新雪ラッセルとか新雪パフパフとかが日本ほど頻繁にないので、白馬や栂池やニセコや羊蹄や八甲田にパフパフ求めて来るんじゃないかなと思っています。以前カナダで、日本なら普通に行く感じの新雪ラッセルの日、雪崩が危ないから行けませんとガイドに言われ、ちょっと違和感を感じたことがありました。
新雪も多く、気温の上下が結構あるため溶けて凍ったザラメ層が割とある、かるかた雪層を掘って探る形の日本の樹林帯でのイグルー作りは、文句なしの「かるかたブロック」をたくさん切るにはちょっと不利な状況かもしれません。イグルスキー式は、そういう日本の登山で、1時間以内のスピードで作る、不格好な実用型です。
はやくイグルスキー動画を英語化して、このノルウェイ人と交流したいです。いずれは北米の北極圏とも交流したいと思っています。
きょうはここまで、またね。
2023-2-1 10:04
コイカクシュサツナイ岳北面直登沢 冬季初遡行
コイカクシュサツナイ岳北面直登沢 冬季初遡行(アイスクライミング/日高山脈)日程:2022-12-10〜2022-12-11メンバー: nrtk7写真:左岸垂直からベルグラバンドトラバース。お宝発見!偵察通り左岸捲きを終えると素晴らしい光景が。氷が無限に続く。暗闇のピーク。傾斜は30~80度くらい。ピークが見えてきた?側壁からはいいのが無数に垂れてる。1p目成田60mWI4。見た目より傾斜ある。ひたすら登る。再び函となる。流石に勘弁してくれ。落ちるとドボン。2p目宇野60mWI4。函滝は直登できないので側壁の氷壁を登る。簡単な氷をフリーソロ。フォロー。すごい空間。2p目上部。20m程で傾斜は落ちるが滑滝が続く。初冬のコイカク沢踏み抜かないよう慎重に中を行く。左の氷瀑。左岸トラバースして氷柱の下をくぐって直登。難しくはないがずっと気が抜けない。落ちると数百mの滑り台。夜間登攀。直登沢出合いの氷瀑を見上げる。雰囲気出てくる。映える。右岸からお目当てのコイカク北面直登沢が氷瀑となって合流してきている。暗くなってくるが氷は終わらない。右股、函の始まり。側壁がいちいち面白そう。映え。函滝は右岸捲く。とりあえず登っておく。60mWI4+。2日目、前日の偵察通り下部函をへつる。感想: 「アイスクライミングをして山頂に立ちたい。登山の中の合理的な手段として、アイスクライミングという行為がしたい。」初めてアイスクライミングをしたときからずっとそう思っていた。僕の拠点である北海道はアイスクライミング天国だ。だが、アルパインアイスという観点で見ると寧ろ不遇なフィールドだ。層雲峡の氷も、雷電や雄冬をはじめとする海岸の氷も、全てトップアウトしたらただの平らな台地か雪壁に出るだけだ。そのゴールに山頂はない。勿論アイスクライミングそのものを目的として捉えれば、アプローチは極めて近いし、デカい氷、デリケートな氷柱、テクニカルなミックスなどよりどりみどりだ。だが、そうであるがゆえに氷を登る行為だけに純化されてしまい、最早あまりにも登山と切り離されてしまっている。では山の中の直登沢はどうなのだろうか。おそらくこれは道内のアイスクライマーなら誰もが思いつくだろう。そして次の瞬間には、北海道の雪の多さを思い出して、その発想を捨てたはずだ。すぐに雪で埋め尽くされ、雪崩の巣となるに違いない。あまりに危険すぎる。――本当にそうだろうか?本州で有名なアイスのエリアである甲斐駒は、太平洋側の気候であるが故に冬は基本的に乾燥し、降雪は少ない。だからこそ沢中の雪崩のリスクは比較的少なく、そこまで傾斜のない滑滝も雪で埋め尽くされない。北海道にもそのような山域はないだろうか?その条件を満たす山域には一瞬で思い当たった。北大山岳部の庭といっても過言ではない、日高山脈中南部がまさしくそれだ。そして幸いなことに、日高中南部には急峻な滑滝の連続する直登沢がひしめいている。そういう目で見れば、おそらくここは天国になることは間違いない。そう思い一昨年、昨年の年末年始に日高を単独縦走した際に直登沢の様子をよく見てみると、やはりそこにはあった。美しい蒼氷が。 しかし、これらを登るには問題があった。まず、日高の山にはほとんど登山道がない。つまり積雪がほとんどなく沢の雪崩の危険がない時期には、稜線やそこに上がるまでの尾根は基本的に藪漕ぎとなる。また、当たり前だがほとんどの沢の下部には釜や函を従えた滝が出現する。早い時期にこれがどうなっているか。山深さもネックとなる。ほとんどの山が普通に尾根歩きをしても稜線まで2〜3日かかる。それでも、大学生活すべてを懸けて通い詰めた日高の知識を総動員していくつか行けそうなところにあたりを付けていた。そのうちの一つが、コイカクシュサツナイ岳に突き上がるコイカクシュサツナイ沢(以下コイカク沢)だ。右股左股とあるが、どちらも条件は変わらないだろう。コイカクシュサツナイ岳には、夏尾根と呼ばれる実質的に整備された登山道が存在し、登山口となる札内ダムから、積雪期であれば登り1.5日、下り4時間程度で往復できる。アプローチは比較的楽で、下部の釜や函滝さえどうにかなれば遡行でき、下降も夏尾根を使えば暗闇の中でも可能だ。 2022年1月にカムイエクウチカウシ山南西稜からコイカクシュサツナイ岳まで縦走した際に、コイカクシュサツナイ川(以下コイカク沢)からコイカクシュサツナイ岳の北面に突き上げる直登沢に氷瀑がかかっているのを確認した。この時の下山日に未曾有の大雪が降り、帯広は日勝峠、天馬街道などが全て通行止めとなり札幌への道が全て閉ざされ、僕は帰宅難民となった。そこで帯広在住の宇野さんの家に急きょ泊めてもらい、通行止めが解除されるまでの2晩お世話になった。この時、冬の日高の直登沢の話題になり、宇野さんもコイカク沢に目を付けていたということが分かった。ではまだ雪の少ない次の11月下旬〜12月上旬に行きましょう。という話になった。 それから季節が一回りし、冬となった2022年12月3日、僕と宇野さんはコイカク沢から支稜上にあるピラトコミ山東面直登沢を、この時期の日高の沢のイメージを掴むことを目的として遡行しようとした。今年は例年になく季節の進みが遅く、山脈は黒々としていた。河原や側壁の斜面には雪はほとんどなく、しかしそうであるが故に側壁の微妙なルンゼが結氷し、白い筋となっていた。ピラトコミ東面沢そのものは、普通の冬靴で行ったため序盤はわずかな渡渉が面倒で、途中から釜が始まり、そこでは側壁に張ったベルグラでへつるという新しい遊びを若干楽しみながら通過していった。しかし、ようやく沢床が氷で埋められてきたという段階で、釜に張った氷を成田が踏み抜き太腿まで浸水し敗退となった。戻り際に、側壁の凍ったルンゼを2ピッチ120mで登り、一応1本クライミングをして帰った。気温がそこまで低くなく、釜や側壁に張る氷が脆弱であったのが敗因だった。しかし、今週ここからいよいよ気温が下がり、おそらく来週には条件的にはかなり出来上がっているだろう。そう話し、翌週12月10日と12月11日の2日間に本命のコイカクシュサツナイ岳北面沢を遡行することにした。12月10日 晴→雪 札内川ダムゲート(7:15)コイカク沢(7:45)コイカク沢二股(9:00-10:00)側壁氷瀑登攀開始(12:15)終了(13:45)二股(14:45)=C1 宇野さんと札内川ダムゲートで集合。自転車に乗ってコイカク沢出合いまで建設途中で放棄された道道111号線を走る。先週と比べて冷え込んでいるが、コンスタントに降雪もあったようで、山は少し白くなっている。道道からコイカク沢に入渓。今回は先週の反省を生かし、2人とも長靴で来た。出発から2時間ほどでコイカク沢右股と左股の分岐となるCo640二股に到着。二股にテントを張り冬靴に履き替え、とりあえず右股の偵察へ向かう。最初は雪のうっすら積もった河原で歩きづらい。30分程歩いて函に差し掛かる。函の内部は水面は普通に水が流れていて、側壁は氷柱が垂れ下がっている。ここでアイゼンに履き替えて、右岸を捲く。その後程無くして10m程の釜滝。滝は凍っているように見えたが、右岸から捲き気味にアプローチすると表面1cm程が凍っているに過ぎなかった。これでは登れないので右岸の氷壁WI3程度を捲く。そこから5m懸垂で沢に合流。少しの河原歩きを挟んで再び函滝。ここがCo760屈曲点。函側壁の氷を登ってからバンド状草付きを登って這い上がると、右右岸に氷の筋がいくつもかかっている視界に飛び込んで来た。思わず驚嘆の声を上げる。どれも50〜80mくらいはあろうか。とりあえずその先の沢を覗くと、すぐに函となっている。おそらく左岸を捲くしかないが、大掛かりなものになりそうなので今日はここまでとする。このままテンバまで戻るのも味気ないので、右岸の氷を登ってみることに。成田リードで1ピッチ60mいっぱい。WI4+程度だろうか。ちょうど層雲峡・錦糸の滝と同じようなスケールと内容だった。もう1ピッチ雪所々氷の沢型を詰め、藪漕ぎトラバースをしばらくしてから藪を繋いで斜めに降りて沢床に復帰。ちょうど面倒な釜や函の下降を回避できたようだ。テンバに戻り、ジンギスカンともつ鍋で宴をする。12月11日 晴→雪 C1(6:30)北面直登沢出合い氷瀑(11:30)コイカクシュサツナイ岳(16:45-17:00)二股(19:15-20:15)札内川ダムゲート(22:30) 薄暗い中出発。昨日と同じアプローチをこなし、函地帯まで。ここからは偵察通り左岸の緩斜面を登り藪に突入し左岸を捲く。Co790屈曲まで藪を漕いで適当な緩斜面を伝って沢に復帰。ここから側壁は更に高くなりいよいよ核心部といった風景となった。幸いにもここからは沢が比較的凍っていたり雪で埋まっていたりして歩きやすい。それでも所々踏み抜きがあるので注意しながら進む。たまに現れる釜や淵は側壁に発達した氷をトラバースして突破していく。アイスボルダ―のような感じで楽しい。少し進むと15m程の函滝。下まで繋がっていない氷柱なうえに下が釜となっているたので左岸氷壁のWI3程度をフリーソロで越えてトラバースして捲いた。続けざまに釜持ち滝。これも釜のせいで取り付けないので左岸氷壁から捲いた。この辺り以降の側壁には一級品の氷が無数に垂れており2人とも目を輝かせながら進んでいく。両岸とも立った壁となって(左岸は氷壁)沢が左に曲がる所に入るとすぐに右に曲がる15m滑滝。これは完全に結氷していた!決して難しくはないが、2人して「こういうのがやりたかった!」と喜々として登る。ここを抜けるといよいよ両岸が100m以上切り立った日高らしいV字谷となり、側壁からは幾筋もの氷の筋が僕らの立つ沢に落ち込んできている。圧巻だ……。思わず目移りしてしまうが僕達の目的はアイスクライミングをしてコイカクピークにダイレクトに立つことだ。氷柱の横をすり抜けたりして雪で埋まったゴルジュ帯を歩いていく。再び7m程の函滝。ここも滝下は水流がドバドバなので取り付くことはできないので捲くしかない。両岸立っているが左岸が何とか行けそうなので本日初めてロープ出して成田リードで取り付く。垂直氷壁を7m程登ってからベルグラの張ったバンドを7mトラバース、更に2mクライムダウンしてから微妙なフッキングで滝の落ち口に蹴り込んで突破。ゴルジュを再びラッセルするとまたしても10m函滝。これも滝下は釜となっていて普通には取り付けない。左岸からトラバースして氷柱状のカンテを乗り越え、更に氷壁を左トラバース、垂れ下がった氷を破壊して凍った滝本体にアックスを打ち込んで取り付き、あとは快適な氷を登って突破。ここを越えると奥に右岸側壁から氷瀑が合流してきている。どうやらこれがコイカクシュサツナイ岳ピークにダイレクトに突き上げる直登沢の入り口のようだ。夏にはここはハングした側壁からシャワーが降り注いでおり相当厳しいらしく、未登らしい。今は快適な氷瀑となっており、2人とも思わずニヤける。全てが想像通り、いや想像以上だ。 滝下でロープを出して取り付く。1ピッチ目は成田リードで60mいっぱいWI4+程度、下から見上げるよりも長く(アイスあるある)、滝の途中のテラス状でスクリューで切る。2ピッチ目は宇野さんリード、最初の20m程はWI4+くらい、そこから傾斜は堕ちるがまだ40〜60°程度の氷が続き60mいっぱいでスクリューで切る。3ピッチ目は成田、傾斜の緩いクーロワール状に張った氷を30m程度で次の滝の下の完全結氷した釜まで行き凍り付いた倒木で切る。 この先もまだまだ滝は続きそうだがもう難しいものは出てこないだろうということで、ロープはしまう。次の滝は20m程度だが60°くらいなのでフリーソロ。これを越えてそろそろ終わりかと思ったらそんなことはなく、再びゴルジュ状に。しかもその上にまだ氷瀑が見える。おいおい、まだ楽しませてくれるのか。ゴルジュ状は雪が詰まっているように見えたが、スカ雪で踏み抜くので、側壁ベルグラをつっぱりで越えていく。その上の氷瀑は60〜70°くらい。これもロープは出さずに各々思い思いのラインを登る。この上にもまだ滝が出てきたがこれも難しくはないのでフリーソロ。この上にも滝。これを越えてもまた滝。越えても越えても次の滝が現れる。イメージでは高低差300m程登ったらあとはラッセルかと思っていたが、どうやらそんなことは無さそうだ。次第に滝と滝の間の緩傾斜雪壁(=安定して立てる所)も少なくなり、30〜70°の氷壁がひたすら続くようになる。しかも標高が高くなり気温が低くなるにつれて氷も硬くなり疲れる。ツルツルの硬い氷なのでフロントポイントを蹴り込んでアックスを打ち込まなければならず、特に傾斜が緩いと腕立て伏せみたいな体勢になって逆につらい。 それでも、つらさよりも興奮が勝っている。大好きな日高の山で、大好きなアイスクライミングをしてピークへと歩みを進めているという事実がとてつもなく貴く感じられる。ふと振り返ると適当な尾根や稜線へと突き上げている無名のルンゼ群に素晴らしい氷が張り巡らされている。美しい。全部登ってしまいたい。そう思いながらアックスを振り、アイゼンを蹴り込み、一定のペースで登っていく。 気が付くと時間が押しており段々と薄暗くなってきたので、辛うじて見つけたテラス状で休憩し、ヘッデンを装着。暗くなっても滑滝は容赦なく続く。流石に「もう勘弁してくれ……」なんて思いながら登りまくる。最後は20m程ラッセルをすると、ポンと平らな所にたどり着いた。ピークだ。美しいラインが完成した。宇野さんと抱擁を交わす。ピークは軽く吹雪いているので、ちょっとした余韻に浸った後そくさくと下山開始。コイカク夏尾根は事実上の登山道とは言え、上部は油断できない。岩稜帯を慎重にクライムダウンし、下部はうっすらと新雪の乗った斜面を滑り降りてテンバまで。疲れたので泊まってしまいたいが今日下山の計画なので荷物をパッキングしてコイカク沢を下る。道道に出て、暗闇の中自転車をこいでダムゲートまで。もう遅いので成田は宇野さん宅に宿泊し、翌朝帰札。 ずっと夢見ていたクライミングを、想像以上の内容で行うことができた。沢を下部から詰めてピークにダイレクトに立つというラインの合理性、そのクライミングの内容、全てが理想的だった。日高という僕と宇野さんにとって特別な山域で、こういう新しい冒険ができたことがこの上なく嬉しく思う。この山はいつでも僕に最上級の喜びを提供してくれる。また、ここに戻ってこよう。
2023-1-30 11:09
道東/標津岳
道東/標津岳(積雪期ピークハント/縦走/道東・知床)日程:2023-01-29(日帰り)メンバー: zeniya1990 Yanke1987コースタイム:写真:湖面を行く湖面にひいた一筋のトレース登り、標高500mくらい登り、標高800mくらい養老牛岳へと繋がる稜線緑ダム湖に降り立つピークにて標津岳をバックに湖面を渡る感想:この時期全面結氷しているであろう緑ダム湖から標津岳を目指す。ダム湖を詰め四の沢を行くがこの沢両岸がやや立ってて面倒。ゼニヤ、スノーブリッジ崩れスキー濡らす。標高800mまで上がると風が強くなってきた、しばし風が弱まるのを待つ。ピークも風強くややシビア、握手して早々に下山。上部はカリカリの斜面だが樹林帯に入ると快調パウダーだった。下山は四の沢とアタックチャ川との間の岬を目指す。.418南の沢型に湖面に繋がる林道を発見、これを経由してすんなりと湖面に戻った。このころになるとすっかり天気は回復。
2023-1-30 10:59
遠軽/瀬戸瀬山
遠軽/瀬戸瀬山(積雪期ピークハント/縦走/道東・知床)日程:2023-01-28(日帰り)メンバー: zeniya1990 Yanke1987コースタイム:写真:ピークとキンドー氏途中にあった古い小屋、スキー場の名残?瀬戸瀬温泉から歩きはじめる下山の滑降ピーク感想:温泉の除雪終点から歩き林道が交錯する尾根に沿って登る。途中2つ廃屋小屋があった。下山、頂上台地の縁でシールを外す。登った尾根は登り返しがあるので右側の斜面を滑る。ヤブ多く快調ではない。地図にない立派な林道が上まで伸びていた。温泉入って次の目的地に向かう。
2023-1-26 22:16
寒くて眠れないとき&湯たんぽ
イグルーに泊まると、寒くて眠れなかったという声が結構あります。寒がり度は人にもよるし、それぞれですが、外よりは確実に気温が高いし、外と同じ気温に下がるテントより、しっかり塞げば断熱性能は抜群です。
寒い理由は次のいくつかです。
床からくる冷気
雪の上なので冷気は下から来ます。接地しているところが冷えるときはこれ。参考にイグルスキーのマットを披露します。
ザックの内側に
全部伸ばす
尻のところを二重に
全体を二重に
イグルスキーは材料屋から買った結構薄い建材のポリウレタンマットですが、長いのが自慢です。寒いときは二つ折りにして、尻の下を重点的にします。尻から肩がマット、腿から向こうは潰したザックの上。枕は何かの荷物という感じ。冷え込みがキツそうなときや寝袋無しのビバークのときはコメツガ、シラビソ、エゾマツ、トドマツなんかの下枝をノコで切ってきて体の下に敷き詰めます。
身長よりイグルーが狭いと、雪壁に足があたって冷たいです。雪ふれない工夫か、十分な壁の掘り込み対策を。
隙間風や隙間吹き込み
イグルーの下の段などは、しゃがんだときや横になったときに風が当たる高さなので、外から念入りに隙間を塞ぎます。隙間ふさぎは粉雪を詰めてもダメで、ブロックのかけらをかぶせるようにそっと置きます。隙間に突っ込んだり押したりすると、できたてのイグルーは崩れやすいので気をつけましょう。
赤い印のかけらは後から置いた隙間ふさぎのもの
乗せるかけらは、ノコで薄く本くらいの大きさ〈穴によって文庫本からA4まで〉に切ってたくさん載せます。イグルー全体をやっても5分くらいの作業です。中からもできますが、中からだと重力に逆らって突っ込むことになるので、外からのほうが塞ぎやすいです。天井部分は遠くて手も届かないし少し空いているくらいがいいかも。
風が強くて隙間から粉雪が吹き込むときもあります。朝起きて真っ白でびっくりしますが、まあそのうち慣れます。それでも寒いときは、ツエルトをみんなで一緒に掛けて寝ると温かいです。粉雪避けにもよいです。
広口PTボトル。左は焼酎黒霧島〈ピーナッツ入)、右はもう販売していないビタミンウォーター。象足に入れる湯たんぽ
足が冷たいとき。必殺・湯たんぽを作る
熱湯一歩手前のお湯〈熱いと変形することがある〉をペットボトルに入れて両足の象足の中に一つずつ入れます。焼酎の黒霧島の容器は口が広くてお湯を入れやすく、漏斗不要で使いやすいです。翌朝の炊事にそのぬるくなった水を使います。この容器は、厚い手袋でも開けられて、行動食の柿ピーやグラノーラなど粒状食を入れるのにもちょうど良いです。日中の飲料水にも、首が細くないからペットボトルより凍りにくいです。イグルーは床が雪なのでボトルのお湯注ぎ作業も楽です。こぼし放題。
眠れない夜は隙間から星や月も見えるよ
いろいろ思い浮かぶことを楽しむ
寒くて一睡もできない時も、じっと目を閉じていると、自分の頭の中に、自然に湧き上がってくるアイディアやイメージや記憶などを楽しみます。ずっと忘れていた人のことや、思いもしなかった解決策や、すごくいいことを思いつくこともあります。うとうとしていて支離滅裂なストーリーに流されていく映像(?)もありますよね。交響曲を全楽章、脳内演奏することも。くよくよしないで、眠れぬ夜を楽しもう。どうせ疲れれば寒くても眠ります。
前回は外気温が氷点下15℃。内部は、隙間ふさぎを適当に怠ったので氷点下5℃。寒くて夜中にマットを二つ折りにしました。湯たんぽの用意もなく足が冷たくて眠れませんでした。でも、面白いことをたくさん思いつきましたよ。将来のイグルー講習会の行方とか・・・。
きょうはここまで、またね。
2023-1-25 22:05
初めて一般募集のイグルー講習会@乗鞍岳
岳都松本山岳フォーラム主催の講習で30名に教えました
日帰り日程なので限られた数時間でしたが、ほとんどの人がイグルー完成しました。至らなかった人、ごめんなさい。もう少し手厚く教えられれば多分できます。でも楽しかったと言っていただいて嬉しかったです。半分近い人が、支度をしてきてそのまま泊まり、翌朝は乗鞍山頂を目指したり、いくつかイグルーを作り続けて腕を磨いていました。
これまでは直接間接に知る山岳会やガイド組合、大学山岳部に講習してきましたが、岳都松本山岳フォーラムが仕立ててくれて、一般公募は今回が初めてです。ヤマレコや岳都松本のHPでの告知ですぐに30名がいっぱいになり、急遽第二回も設けました。びっくりです。
満足のマイルーム
二人+一人でトンネル連結、こんちは〜
巨人コンビの巨大イグル-ながらブロックも巨大で問題なし
墓石のような見事なブロック、もう切れます
ちょい天井高すぎぃ!でもコツ掴みました
穴塞ぎの瓦大薄いブロック
イグルーはやっぱり面白いから人気なんだ
来てくれた皆さんは市内県内が半分、県外各地からが半分でした。イグルスキーの6年前の著書を読んでくれていたり、かなり前の岳人に書いたイグルー特集の記事を憶えていてくれたりと、結構イグルーが心から離れないという人が多く、イグルーというものはニッチながらも強い魅力があると思いました。乗鞍岳への登山ルート沿いの人通りの多いところでやっていたので、通りがかりの登山者も興味深そうにたくさん話しかけてきました。中には、「あなたイグルスキーさん?」という人も。動画で見て、上の方でイグルー作ったそうです。以前谷川岳でイグルーを作っていてその時にも挨拶を交わしたお二人さんも、今回来てくれました。
側面から三角柱を切り出したとこです
今回の雪のコンディション
今年は少雪です。スキー場リフト周辺を予定していましたが雪が少なく、少し標高を上げてみました。本当はスキーコースを外して樹林内でやりたかったのですが樹林内は積雪が更に少なく、吹き溜まりのあるスキーコース脇ではじめました。
表面20センチは先日の雪、その下は先週の雨が降った暖かい日の氷ザラメ層がありました。このへんは良いブロックにはなりません。新雪はどけて、氷層は壊れなければ土台に使う程度です。でもその下、30センチくらいのところから下は、かるかた雪層でした。積雪時から0℃以上にならずにゆっくり熟成した層です。場所によってその層が一段分しかなかったり、二段分あったりのばらつきは、ありました。ブッシュが見えている近くはやはり浅かった。
5人座れる3人用くらいの標準型。みんな自作の個室に戻って寝たので集会場
旧友と再開、ヤマレコのお二人とも
数年前からイグルー教える約束の旧友も遠くから来てくれて、講習後も3つばかり作って腕を磨きました。また、結婚記念日祝いのヤマレコのお二人もやってきて、隣にイグルー作りました。5人座れる1.5×1.5のイグルーを作ってお祝い焼き肉をいただきました。多分、マトヤンとトモエさんは結婚記念日をイグルーで祝った人類史上初のカップルです。
実演終盤、墓石サイズの長いブロックが続くと、もう屋根はできてしまう
やはり重点は、きれいなブロックを切ること
今回も、やはり躓いている人の多くはブロックの切り出し方を助言すると格段に良くなりました。切断面のきれいな大きなブロックさえ掘り出せれば、難しくは無いのです。それには案外、ノコギリの使い方が重要でした。意外と、そんなところから分かれ道がありました。
スキーヤー、他の登山者への配慮
今回は脇とはいえ、スキーコースの近くで何十個もイグルーを作ったので、スキーヤー一名から苦言を頂きました。私もスキーをする身で見れば、イグルーや、その穴ぼこがたくさんあったらホワイトアウトなどで危ないと思います。できればそんな心配をされないよう、目立たないところ、通りから外れたところでやるのが筋だと思います。お詫びいたします。
数日後、当の本人からヤマレコ記録にコメントをいただき、不安から強い口調になったかもしれないことのお詫びと、帰りに通ったら後片付けができていて安心した。それからイグルーにできれば泊まってみたいというメッセージまでいただきました。とてもありがたい連絡でした。
イグルーは本来、誰もいないルートで誰も泊まらない場所で行動できる自由な山登りのための手段です。ルートという線から離れて面で動いてもらいたいです。
今回気づいたいろんなイグルー作りのポイントについて、次回から連載いたします。お楽しみに。
きょうはここまで、またね。
主催のフォーラムによるレコ↓
山行記録: イグルーづくり体験講習会
2023年01月21日(日帰り) 槍・穂高・乗鞍, 講習/トレーニング / sangakuforumの山行記録
イグルスキーによるレコ↓
山行記録: イグルー講習会@乗鞍岳(岳都松本山岳フォーラム)
2023年01月21日(2日間) 槍・穂高・乗鞍, 講習/トレーニング / yoneyamaの山行記録
2023-1-18 1:43
エリコ山・北大山岳部のビバーク合宿+イグルー講習
エリコ山・北大山岳部のビバーク合宿+イグルー講習(講習/トレーニング/札幌近郊)日程:2023-01-14〜2023-01-15メンバー: yoneyama Yanke1987 yumepporo Nakagawa2019 TnkYutaro2019 Mt-sunny koichiro_m Sugiyama_2022写真:でも長細いのは切れている。まさにビバーク準備の雰囲気寒そうな背景ですが、作っていると体はぽかぽかいよいよ個室建築タイム身動きできません。息も苦しい。胸が圧迫される。早々にサナギになり、隙間からvサインお疲れ様穴の下に60センチほど掘り下がっています。日が暮れてきたつついて感触確認一段積んだらもう腰までの壁壁の部分のブロックがややジャガイモ状態なので、なかなか載せるのに苦労します。安定しないんだね。いくつもあって、古墳群につついて感触確認左奥にイグルー午後6時、いったん緊急避難用テントで集まってお茶。このあとは各自イグルーいくつでも作って、サナギに。上の方になると、軽さが問われる。一見大きいけど、安定する重さかどうかは密度によるから、持って見て決める。ストーブって偉大だ。今回は飛行機で来たので自分のではなく、札幌の仲間に借りてきた。一段目のブロック、大きくとれています。初日下山のふたりここ、いいじゃないですか。弱層テスト。三分で柱を作って、ウエからスコップで5回たたいて割れるかどうかの手順ブロック採る溝の角がきちんとしている。これ、大事です。大きめに作っています。天守がズドーンと伸びると、立つのもラクですね。イグルスキーだけはビバーク訓練じゃないのでストーブ使ってラーメン。作りかけのイグルーで記念撮影朝まで時間はたっぷりある。もっかいやり直してます。ほぼできて、隙間塞ぎ段階上部が安土城になっています。スキー場のナイターかな、ダイダイ色の空。屋根、塞がってきてますね。デカい一段目とれています。手前イグルスキー、奥三つは一年生掘り出し救出三つあります。ぎゅうぎゅうビレイと滑落停止練習棺桶が着々個室サイズは狭くてちょとやりにくい面もある。長材を横渡しの、「全然イグルーに見えないタイプのイグルー」。材さえとれれば、早い。一分間の生き埋め体験このあたりは、パズル。どの形をどう使うかは、切り出してみてから決める。真駒内までぎゅうぎゅうの車内。イグルスキー作の40分イグルー。長細いブロックで梁を渡し、屋根は低く作れました。気温が低いので、落ちません。傾斜地の縦横穴式をやっています。午後6時、いったん緊急避難用テントで集まってお茶。このあとは各自イグルーいくつでも作って、サナギに。この人も早いおせわになりました〜イグルー壊して埋没練習お隣と近く作っているので、トンネルでこんにちはができます。新人のは、トンネルでつなぎます。3人用くらいの大きめを作ったビーコンで雪崩埋没者捜索練習掘り出し救出翌朝、雪が降り積もり腐海のオームみたいだ。順調です。感想:イグルーのふるさと北大山岳部へ私は、昭和63年の1月にペテガリ山頂にイグルーをぶっ建てたのが始まりで、それ以来イグルー愛好家をしています。北大山岳部の冬季メイン山行でした。そもそも戦中昭和18年の冬季ペテガリ初登頂はイグルーがあって成し得たものでした。日本のイグルーのふるさとは北大です。その後、部報にイグルー研究の一章を載せたりして、北大山岳部ではイグルー技術は続いていました。でもまだテントフリーではないとのこと。イグルーが続いてはいてもまだ製作に2時間かかるのでは、テントフリーにはできません。1時間以内にできないと。冬季山行の必修テクニックの一つに北大山岳部がテントと永遠にサヨナラできるよう、1時間以内でできるように、僭越ながらイグルスキーが40年磨いた最新技術を伝授しに、札幌へ。年に一度の恒例行事「ビヴァーク訓練」です。正月の長期山行が終わったこの時期に、「テントなし、ストーブなし、晩飯抜き、寝袋なし」で各自で一晩なんとか耐えるという実践「虎の穴」トレーニングです。山中で一人で孤立しても朝まで粘る経験です。その他、弱層テスト練習、雪崩埋没体験、ビーコン救出訓練、滑落停止ビレイ訓練など、雪山訓練定食も盛り込んでいます。全部こなした最後、日が暮れかかった時間帯に、イグルーを作り始めました。ううっ、いつものイグルスキー講習会と違う切迫の展開。イグルスキー最新テクをお伝えイグルー作りは一年生以外は皆ほとんどやっていました。ノコとスコップでブロックを切って積む事自体はみな慣れているので、基本はOKです。ただ、最近イグルスキーがたどり着いた、「長方形井桁積み法」と、「下二段横三角柱切り出し法」を伝授しました。サイコロ状ブロックだけで屋根を作るよりも、速く作ることができます。テントフリーの域には、製作一時間を切らなくては実用になりません。だからこれを伝えたかった。それから、今回は単身ワンルーム術なので、小さいやつを作るのに特化しました。イグルー作っている方があったかいワ!寝袋無しビヴァークの辛い夜なので、夜更けまで皆イグルー作りを繰り返しました。いくつも作るのが大事なんです。しゃがんでじっとしているより、イグルーを作っているほうが温かいから稽古が進む。これは意外な発見でした。普通、日が暮れて暴風雪の中でも宿が無いなんて、かなり壮絶ピンチなんですが、イグルーを作り始めるとすぐ風よけの壁の中に入れるし、結構体を使うので温かいんですよね。うっすら汗かくくらい。それに今回は寝袋、ストーブなしで寒い夜を過ごすので、みな隙間を念入りに塞いでいました。「ホンキですよ」とのことでした。3時スタートで9時半まで繰り返し稽古をやってたそうです。スゲえ向上心。イグルスキーは早々にマイイグルーに入って寝袋でひとり酒でした。ほんとは現役とたくさん飲みたかったですが、皆単独訓練なので。究極のサバイバル技術翌朝6時、訓練終えてみんなでコーヒー沸かして飲みました。外気温マイナス13℃、イグルー内部は氷点下5℃でした。お疲れ様。寒かったけど、ノコとスコップさえあれば、ザックとマットの上にシュラフカバーと非常用食料、メタ(エスビット)と小鍋だけでお湯作って各自のピンチ食(非常用食料)で過ごします。今回は完全個室なのでトイレも自由。ぴったり入口を締めたらもうサナギの気分、イグルーを出たら生まれ変われます。ノコギリでエゾマツ、トドマツなど常緑針葉樹の枝を集めて、体の下に敷き詰め空気層を作り、これで雪面からの冷気を遮断します。なんとしても生還する自信を付けます。北大山岳部は、日本で最高の登山学校だと思いますよ。3つ4つ作れば、もうテントは不要です。天然の雪山に、身も心も同化するような山行をしよう。https://igloosky.com/2023/01/16/igloo-session-with-aach/
2023-1-17 21:58
山と渓谷2月号に6p載せてもらいました
山と渓谷に記事掲載です
昨年3月に乗鞍岳で行なった、山ライター・マリベさん企画のイグルー講習会、今月発売の山と渓谷で記事にしていただきました。カラーで6pです。マリべさんが講習で初めて挑むイグルーづくりのルポです。イグルスキーがイグルーにハマったいきさつや、イグルーがどれだけ可能性があるかについても多くの言葉で書かれています。
ぜひご覧ください。
ついでに今月号の短い感想を
●メイン企画「単独行の基本」は、私も近々単独長期山行をするかもなあ、というタイミングだったので、今更ながら遭難データなどの数字も改めておさらいする良い機会に。沢登りのモデルが大西良治さんで驚く。
●サブ企画の山城特集は、私の大好物です。やっぱり愛好家、多少は増えているのだな。やっぱり、土地の風物、人々の営みとつながっていてしかも足腰使って体感するからおもしろいんだよね。苗木城、岩村城はわりと近いんだから行かなきゃな、と思いました。しかし土塁や堀切などの地形のわかりやすい写真は相変わらず難しい。この話はイラストでなければ伝えにくい。
●北大山スキー部OB阿部幹雄さんによる、実録雪崩遭難最終回。2年前の大雪山上川岳の雪崩埋没事故と、その幸運なレスキューの一部始終。阿部さんはこの30年以上、雪崩事故の検証と実録に取り組んできた。事故の経過、救助の経過がまとまった文章で読めるのは地道な取材の賜物だ。好き好んで話したくないし、聞きたくないし、読みたくないかも知れないけど、読んでよかったと思えるもの。3月に、この記事を含む雪崩事故実録集の本を出版予定とのこと。
●氷の道チャダルを行く、ザンスカール川の氷の道の風物、岩と氷の中の日常の人々、すごく良い。
●でこでこてっぺん、最近私は、同世代女性の被ってきた境遇にいちいち聞き耳を立てている。そうだよねえ。職場でも、親戚でも。と、しんみりする。
●角幡唯介の連載、子連れの山についての喜びを語る。二元論とか言って、角幡さんでもそうなんだねえ。うちも幼稚園以来再び、一緒に山に行くことになるかも。
きょうはここまで、またね。
2023-1-16 22:17
北大山岳部の現役とイグルーセッション?
イグルーのふるさと北大山岳部へ
私は、昭和63年の1月にペテガリ山頂にイグルーをぶっ建てたのが始まりで、それ以来イグルー愛好家をしています。北大山岳部の冬季メイン山行でした。そもそも戦中昭和18年の冬季ペテガリ初登頂はイグルーがあって成し得たものでした。
日本のイグルーのふるさとは北大です。その後、部報にイグルー研究の一章を載せたりして、北大山岳部ではイグルー技術は続いていました。でもまだテントフリーではないとのこと。イグルーが続いてはいてもまだ製作に2時間かかるのでは、テントフリーにはできません。1時間以内にできないと。
冬季山行の必修テクニックの一つに
北大山岳部がテントと永遠にサヨナラできる、1時間以内でできるように、僭越ながらイグルスキーが40年磨いた最新技術を伝授しに、札幌に乗り込みました。
年に一度の恒例行事「ビヴァーク訓練」です。正月の長期山行が終わったこの時期に、「テントなし、ストーブなし、晩飯抜き、寝袋なし」で各自で一晩なんとか耐えるという実践「虎の穴」トレーニングです。山中で一人で孤立しても朝まで粘る経験です。その他、弱層テスト練習、雪崩埋没体験、ビーコン救出訓練、滑落停止ビレイ訓練など、雪山訓練定食も盛り込んでいます。全部こなした最後、日が暮れかかった時間帯に、イグルーを作り始めました。ううっ、いつものイグルスキー講習会と違う切迫の展開。
九州の天山山麓出身の一年生。人生初イグルーです。イグルー作りはホント楽しいのです。
イグルスキー最新テクをお伝え
イグルー作りは一年生以外は皆ほとんどやっていました。ノコとスコップでブロックを切って積む事自体はみな慣れているので、基本はOKです。ただ、最近イグルスキーがたどり着いた、「長方形井桁積み法」と、「下二段横三角柱切り出し法」を伝授しました。サイコロ状ブロックよりも、速く作ることができます。テントフリーの域には、製作一時間を切らなくては実用になりません。だからこれを伝えたかった。それから、今回は単身ワンルーム術なので、小さいやつを作るのに特化しました。
今回はサイコロブロックから(立方体ブロックだけだと積むのに時間がかかる)の脱却が課題。「長方形井桁積み法」に不可欠の長細い三角柱イグルー術を伝授。さっそくバンバン積んでいますよ。寒いのヤだからホンキです。
イグルー作っている方があったかいワ!
寝袋無しビヴァークの辛い夜なので、夜更けまで皆イグルー作りを繰り返しました。いくつも作るのが大事なんです。しゃがんでじっとしているより、イグルーを作っているほうが温かいから稽古が進む。これは意外な発見でした。普通日が暮れて暴風雪の中でも宿が無いなんて、かなり壮絶ピンチなんですが、イグルーを作り始めるとすぐ風よけの壁の中に入れるし、結構体を使うので温かいんですよね。うっすら汗かくくらい。
それに今回は寝袋、ストーブなしで寒い夜を過ごすので、隙間を念入りに塞いでいました。「ホンキですよ」とのことでした。3時スタートで9時半まで繰り返し稽古をやってたそうです。スゲえ向上心。イグルスキーは早々にマイイグルーに入って寝袋でひとり酒でした。ほんとは現役とたくさん飲みたかったですが、皆単独訓練なので。
羊蹄山麓出身の新人部員。人生初イグルーの恵迪寮生。黙々と、楽しんで積んでました。
究極のサバイバル技術
翌朝6時、訓練終えてみんなでコーヒー沸かして飲みました。外気温マイナス13℃、イグルー内部は氷点下5℃でした。お疲れ様。寒かったけど、ノコとスコップさえあれば、ザックとマットの上にシュラフカバーと非常用食料、メタ(エスビット)と小鍋だけでお湯作って各自のピンチ食(非常用食料)で過ごします。今回は完全個室なのでトイレも自由。ぴったり入口を締めたらもうサナギの気分、イグルーを出たら生まれ変われます。
ノコギリでエゾマツ、トドマツなど常緑針葉樹の枝を集めて、体の下に敷き詰め、これで雪面からの冷気を遮断します。なんとしても生還する自信を付けます。
北大山岳部は、日本で最高の登山学校だと思いますよ。3つ4つ作れば、もうテントは不要です。天然の雪山に、身も心も同化するような山行をしよう。
きょうはここまで、またね。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-21368.html
北海道大学山岳部・山の会 - ペテガリ冬季初登・72年前の今村さんのゲートル 米山悟(1984年入部)
北海道大学山岳部・山の会 Academic Alpine Club of Hokkaido AACH, Sapporo Japan 札幌
2023-1-9 22:41
スキーを束ねるベルト
シリコンのバンド
G3のテンションストラップは高いけどとても使いやすいです。40センチ、50センチ、65センチと様々ある。低温でも伸び縮みして柔軟性ありアイゼンの足首バンドにも良い。何故かというと厚い手袋で片手でも操作できる使いやすさです。着脱が簡単なのに絶対外れない。すごくすき。入山電車の中で手すりにスキーを? 立てて縛る、一本で安心。でも8年ほど使っていたら切れました。合成樹脂だからいつかは劣化してしまう。2本で3000円と高いのですが、理由はあります。
パッチもの
この前、100円ショップセリアでパッチものを見つけました。これが100円!構造はほぼ同じですが、使い勝手が違いました。ゴムの質が違って、片手だとするする流れない。引っ張っただけでは滑らず締められない、ボッチを留め具の穴に入れるのも、ゴムの伸縮が少ないので、片手ではダメで両手が要る。材質はポリプロピレンと書いてあります。低温下ではどうかな。まあそれでも、両手でやっても良ければ便利なものなので、100円なら幸せになります。
製作は金物の産地、燕三条のメーカーでした
ピッケル二本繋げてイグルーの梁
イグルーの梁を作るのに使います
イグルー関連だと、どうしても屋根ができなくて天井に梁を作りたいけど樹林も無く二人分のピッケルがあるとき、2本をつなげるのに、2本のストラップバンドがあるといいです。二つのイグルーのつなぎ目に、これを渡した事がありました。
今日はここまで。じゃあね。
2023-1-9 11:11
2022年度一年班原始ヶ原冬メイン
2022年度一年班原始ヶ原冬メイン(積雪期ピークハント/縦走/十勝連峰)日程:2022-12-29〜2023-01-04メンバー: yumepporo Nakagawa2019 Mt-sunny Sugiyama_2022コースタイム:コース状況/その他周辺情報:なんやかんや雪は十分ある写真:トウヤピーク歩き出してすぐ崩落地点あり下ホロΔ湿原を横断下りはBS交えてニングルいつの間にか見守る立場に脱出じゃThe Dayシルエット樹海の出入り口原始ヶ原を旅する忘れない味の記憶お正月だもんでエピローグ感想:原始ヶ原良いところでした。月並みだけど山とパーティに感謝なんだよな。記録よりも記憶に残る山行。登山技術だけでなく、様々な山との向き合い方を、僕はAACHから学んだと思う。もうすぐ卒部だが、このセンスはたくさんの思い出と一緒に大切にしていきたい。
2023-1-9 4:16
十勝幌尻岳〜札内岳
十勝幌尻岳〜札内岳(積雪期ピークハント/縦走/日高山脈)日程:2023-01-07〜2023-01-08メンバー: Nakagawa2019コースタイム:コース状況/その他周辺情報:Ωは結構掘れる場所ある写真:札内振り返るピークより登った尾根振り返るひがしこれしか作り方知らない1年目の夏メイン以来にコイカク沢感東西稜線ずっとこんな感じにし東西稜線振り返る思わず自撮った今季初Ω下降尾根の急なとこ夜明けとともに歩き出す降りた尾根めんど目な箇所ピークよりエサオマン方面カチポロ見えた感想:帰りの車でバックミラーに遠ざかっていく山稜のシルエット。戻ろう、あの主稜線に、もう一度。
2023-1-9 1:51
タケノコ山〜股下山
タケノコ山〜股下山(山滑走/札幌近郊)日程:2023-01-09(日帰り)メンバー: yumepporo koichiro_m Sugiyama_2022感想:股下山ピーク〜北東ポコ間で白いデジタルカメラ(FUJIFILM FinePix XP140)をなくしました。緑色の紐が付いています。おそらくピークの近くです。もし見つけましたらご連絡ください。
2023-1-8 19:36
越美国境イグルー&スキー縦走111キロ計画
積雪の最も多い2月〜3月にかけて、ここ数年モチベーションを高めてきた越美国境縦走を計画しています。111キロ、10泊11日(予備2日)。イグルーを使った山登りは、人里から離れた山岳深部を長期間安全に漂うための原点です。
山の難易度は高さではなく深さ
日本海に近いため、この山域は標高も緯度も低い割に積雪があります。1000〜1300mの間を上り下りするこの連峰は地味ですが、文明世界からの距離感は北アルプスの奥地クラスではないかな。徳山ダム、上大須ダム建設と過疎化でいまは山里がほとんど消え、どのエスケープも岐阜県側、福井県側とも人家まで遠いです。おそらく電話も普通で、気象情報はラジオ天気図です。広大な無人地帯が、この山域の最大の魅力です。山の難易度は高さでは無く、深さだと思います。
1970年代からの越美国境山行記録本など。ホハレ峠は、徳山ダムで廃村になった門入(かどにゅう)のゆきえさんの人生を追った記録。
山間集落と峠越えの歴史
各々の14山頂と峠の歴史的な往来記録が夢を誘います。源平合戦由来の戦場の谷、蠅帽子峠の水戸天狗党行軍記、夜叉ヶ池の雨乞い史、揖斐川、根尾川源流域の今は無き山間集落の近代史など。信州の山奥にはないこの土地独特の歴史がありました。
今回は仲間が見つからなさそうなので単独かもしれませんが、この前北大ワンゲルOBの野村良太さんが63日間670キロの北海道中央縦走をしたのを見て、一人でもやってみたくなりました。一人だとずるずるやめるかもしれないので一応この場で宣言しようと思います。
きょうはここまで、またね。
2023-1-8 11:24
札幌近郊/島松山〜野牛山
札幌近郊/島松山〜野牛山(雪山ハイキング/札幌近郊)日程:2023-01-08(日帰り)メンバー: saito1987コースタイム:写真:Co380から立派な林道をラッセル札幌中心部遠望軍用道路を離れて島松山へ向かう札幌近郊の山並みをバックに牧柵のように見えたのは侵入不可能なフェンスと金網 ( ノД`)シクシク…島松山最高点は防衛省に占拠されていた仁井別川筋から尾根を越え、軍用道路?に乗るスノーシューで踝のラッセル島松山から野牛山への尾根最初は笹漕ぎ三角点に山名(タケ小山)野牛山着夏道上は先行トレースあり
2023-1-7 11:14
イグルー長期山行の食料計画
昨年2〜4月に宗谷岬から襟裳岬まで670キロ63日単独無補給で歩いた、北大WVOBの野村良太さんのドキュメンタリ番組の放送が先週あって、野村さんのヤマケイオンラインの手記など読んでいたら、私もここ数年やろうやろうと温めていた越美国境稜線11日間111キロの計画を、もし相棒が居なくてもやりたくなり、食料計画を表にしてみました。
第1章 ルートと計画|宗谷岬から襟裳岬〜670?63日間の記録〜
北海道の宗谷岬から襟裳岬へ、積雪期の分水嶺をたどる670kmの単独行。2ヶ月余りに及ぶ長期登山の成否は、その計画にかかっていた。いつ歩くか、北上か南下か。食料はどれだけ必要か。登山計画を練り上げ、食料のデポなど、納得のいく計画ができあがるま
私は今も山岳部育ちの長期山行ベースの食糧準備方法から抜けていないので、普段の週末山行でも美味しくて便利な食事はほぼできません。「食料は相変わらずのもの」を「計って分けて包む」の基本です。フリーズドライもレトルトもあまり研究していなくて、ウチのお勝手のものを持っていくという感じです。基本、毎朝ラーメン毎晩カレー、行動食は柿ピーとフルグラの広口ボトル食いです。
長年の経験で重さは計ってもカロリーまでは全く考えていませんでしたが、今年の夏からはじめた普段の食事記録アプリ「あすけん」で、食品のカロリーや栄養素の相場などが頭に入ってくると、山の場合はどうなんだろうという興味が湧き、今回初めて食品のカロリーも調べて表にしてみました。
野村さんは若いし、一日を3500kcalにしたとのこと。現在58の私の暮らしぶりだと下界では一日2000kcal前後です。やっぱり山では2500kcalくらいは取ったほうがいいのだろうか。たしかに山では何かともっと食べている。表は作りかけだけど、2500kcalくらいは行きそうな気配だ。
下界ではビタミン・ミネラルが豊富な玄米食愛好家です。野菜が欠乏する山でこそ、これの雑炊で行きたい。しかし生から炊くと燃 料が嵩むかな。野村さんはアルファ米で、いきなり加熱せず水に浸して15分待って食えるようにしてから、暖かくするのにだけ火を使うという手で、ジェットボイルEPIガス缶一本で7〜10日持たせるというケチり様でした。こちらは20世紀製の白ガソリン・ストーブなのですが、まあ、ウチにある玄米持っていくかな〜。アルファ米、高いから。
きょうはたくさんある玉ねぎ(正月に実家の母に持たされた)を包丁研いで、薄切りにして干し始め、乾燥野菜を作りました。今うちには玉ねぎと大根がたくさんあるので、切り干し大根も作ろう。のんびりやろう。
雪よフレフレ、ヤブを覆って降り積もれ。
越美国境山域への思い入れなどはまたおいおい。
きょうはここまで。またね。
2023-1-6 19:36
乗鞍岳イグルー講習会第二弾募集しています
2023-1-5 21:33
シーズン到来!!ノコギリについて
雪山にはノコギリ必携
これは私のゴム太郎で、よく見ると270mmでした。でもこれでも作れます。300mmのほうが気持ちいいですけど。柄がゴムだからこの名前です。ゴムは摩擦もよいけど雪も付かない。木の柄だと使ううちに雪がくっついて丸々してきますよ。バンバン叩いて落とします。
イグルーを作るのに必要なのはノコギリです。それも剪定用の刃渡り30センチ以上。大体、山にノコギリ持って行くのは炊き火する北大生だけだろ?でした。内地の雪山でノコギリ持っている人はあんまり居ません。でも雪洞だってノコで切るとかなり楽なのですが。
イグルー作りの決め手は、「思い通りのブロック切り」ですから、イグルーはノコギリが無いと作れません。スコップだけで切ったラフなブロックで作るテント周りの暴風壁とは、できるブロックの品質が違うのです。ノコギリは重さわずか数百グラムです。キャンプ用品をたくさん持つより遙かに使えますよ。テント兼ストーブですから。
講習会には一人一本必携です
以前、骨董市の刃物なんでも持っていけコーナーみたいなところで投げ売りされていた代物。木こりさんが研ぎ続けて細くなったのでしょうか。昔の林業家の道具でしょうか。こんなものを見つけるのも又楽しいものです。イグルー作りに第二の人生中。
基本は一人一本用意して欲しいのですが、高校山岳部の講習などの時は、登山装備にノコギリ買ってきてくださいってなかなかいえませんので、ちょっとこの場合に限ってはこちらで用意もしようかなとおもいました。
知り合いの森林組合や林業家(計3名)に問いかけたりしています。もう木が切れない、錆び錆びのナマクラでも構いません。替刃だけのナマクラになったやつでもイグルーには十分です。不要な30センチ以上の剪定ノコギリがあれば、イグルスキーに譲ってください。よろしくお願いいたします。
ノコギリを選ぶのに大事なこと
以前にも書きましたが、もう一回書きます。
講習会参加者のノコギリから。上のスノーソーは長さは良いけど、グリップが平たい板状で、幅が広すぎ。指が疲れて痛くなる。数十個のブロック切るにはきつい。もちろん、これしかなければ持ってきてください。使い心地を比べてみましょう。 下のは刃渡りは短めでしたがグリップの小指部分がひっかかり、硬い雪でも力が入ってすごく楽でした。
●柄の長さは片手分で良いです。二つ折りタイプの長い柄のものは、狭い穴や溝の中で取り回しがやりにくいときがあります。
●柄(グリップ)はあったほうが良いです。替え刃の金属板の柄の部分にテープを巻いただけのノコを用意する人もいますが(軽量化良し、パッキングも収まり良し)、実際に何十個もブロックを切ると、グリップは厚みがあったほうが手が楽です。それからできれば、小指がかかるところの形が良く引っかかるようになっているタイプは、少ない力で大きな力が出せて楽です。日本刀と一緒で小指は大事ですね。
●刃の長さは30センチ以上です
ブロックの大きさはノコの刃の長さより長い辺は切れません。20センチの刃渡りだと20センチのブロックになります。大きなやつを切るほど楽に積めて早く作れますから、断然不利です。逆に50センチとかだと重すぎて、切ったブロックを持ち運べないのです。
手持ちがなければゴム太郎を勧めます
「ゴム太郎 300」で画像検索。値段が結構マチマチなんですね。目を更にして価格を検討してください。近所のホムセンが一番安かったりするかも。
手持ちが無くて新しく買うならとりあえずどこにでも売っていて使い勝手の良いゴムタロー30センチをおすすめします。他のも店にあったらそれに似たのを見つけてください。
「ゴム太郎 300」で検索して安いところを見つけてください。鞘は手製でも良いですがグリップはあったほうがいいですよ。ホームセンターで似たのがあればそれで十分です。
ノコギリの手入れと扱い
これも林業家から譲り受けました。長くて安定のブロックが取れます。倒木、流木もバンバン切れます。
●錆び錆びでも雪は切れますが、やっぱり新品のノコを錆びさせては、倒木や流木を切れなくなります。下山したらすぐに鞘から出して乾燥させて、ちょっと油を塗っておきましょう。ぬれたまま放置はいけません。ステンレスでも放っておくと錆びます。
●新雪の中でノコは行方不明になります。発見できないことも。ノコをスコップに持ち替えるときは、必ず硬い雪面にタテに刺して、柄が見えるようにしましょう。ノコをなくして日が暮れるのは悲劇ですよ。
●イグルー内部でも食用雪を壁から取ったりで必要です。枕元に持ち込みましょう。
第二回乗鞍岳のイグルー講習会募集のお知らせ
岳都松本フォーラム主催のイグルー講習会、満員の1月21日に続いて、2月11日にも再度開催することになりました。いっぱいだった方、ご都合良ければお申し込みください。とことん教えます。
講習参加の方は、このブログの「テクニカルな話」のカテゴリーを流し読みしておくといいですよ。おいおい、もっと見やすくしないといけませんね。
きょうはここまで。またね。
2023-1-2 4:08
ペテガリ〜コイカク
ペテガリ〜コイカク(積雪期ピークハント/縦走/日高山脈)日程:2022-12-26〜2023-01-01メンバー: Iida_2017コースタイム:コース状況/その他周辺情報:クリスマス前の湿雪の影響か、雪の状態は非常に良かった。写真:Photo by R.Nomura ペテガリはヤオロマップピークでようやく見えるさあ、帰ろう。朝。この作業よりしんどいことがわんさかある社会だったら、社会に出たくない。いっつもこう。ルベツネ北峰この日のヤオロマップはずっと雲の中。入場門うげぇ...果てしなく遠いこの木好きなんだけどわかる??楽しそう。パイパンリンゴ畑だった...初ずっとこれが見たかったんだ。時代を越えて、何人もが見てきたんだろうな。Ωとルベツネ北面ラッコからルベツネまで見える荻伏のバス停そんなにあっさり終わらないでくれよ。ちょい細い。が、ちょい細いだけ。「稜上イグルーほれそうっすね!」←4年目にもなるとこの距離で分かるんだなあとっても楽しそう。次第に遠い世界に。語彙力が追い付かない。写真には写らない美しさがある。パッとしないが進むには進む。まだ帰りたくない。HUWVの3人衆ヤオロマップ南面が深い。退場門何度も見た景色に思いがこみ上げる。カチポロはどこにいても見える。西川尾根とカムエク南西稜。ひいき目だけど西川尾根も綺麗じゃん。感想:僕は北海道に来て、AACHに入って、日高を知ることができて本当に良かった。僕に本当の山登りを教えてくれて、こんなに楽しい6年間を過ごさせてくれた、AACHと日高にありがとう。このままいつまでも美しくあって欲しいと心から願います。
2022-12-8 19:54
岳都・松本 山岳フォーラム主催でイグルー講師やります。
2022-12-5 1:10
OP尾根(ナマコ尾根引き返し)
OP尾根(ナマコ尾根引き返し)(雪山ハイキング/十勝連峰)日程:2022-12-03〜2022-12-04メンバー: shu2019 yumepporo koichiro_m ogaga misa2021コースタイム:写真:夏道外れてからずっとこんなん。雪が足りない天気だけは良い土曜日感想:生きているうちに冬メインがなくなっちゃうんじゃないか心配になる雪の量。そんな心配する前に自分の心配した方がいいけど。
2022-11-29 2:46
富良野岳北尾根
富良野岳北尾根(積雪期ピークハント/縦走/十勝連峰)日程:2022-11-27(日帰り)メンバー: yumepporo TnkYutaro2019 koichiro_mコースタイム:コース状況/その他周辺情報:藪こぎ(⁈)写真:藪こぎを強いられる、、、ホコ岩のcd感想:2年連続ホコ岩で引き返し。いつかリベンジせねば。
2022-11-26 10:51
松本の山岳会CMC50年記念誌「攀友」
信州松本を代表する社会人山岳会、クライミング・メイト・クラブ、CMCの50周年記念誌「攀友」を読んだ。
CMCは1970年創立。会報の「攀友」は年に数回発行して現在169号まで発行されている模様。山行記録一覧を見れば、ザイルを使うレベルの山行のみでほぼ毎週のように山行を行なっている。今回は1991年発行の20周年記念誌以来の大きなまとめ。
内容は91年以降の30年分の山行一覧。それから全会員氏名一覧。信州大学山岳会の憶えのある名前もいくつも見つかる。懐かしい人の名も故人もあり、私自身の名も、以前ご一緒した山行記録の欄に見つけて驚いた。山行回数が多いので、時間記録や天候などまでは無く、ルートもすべて詳細は無い簡単なものだ。
はじめから手作り
CMCの歴史を知りたい部外者の私が最も興味深かったのは、創立以来50年間会を引っ張ってきた百瀬尚幸氏による創立期の詳しい話だ。県山岳協会加盟の申請に赴いたときの気持ちや、90年代にチベット登山協会との交流山行にCMCがあまり関わっていなかった事情などが察せられた。
百瀬氏はじめCMC創立メンバーは団塊世代ながら、それ以前からあった社会人山岳界とはほぼ無縁に、ほぼ自力で力を付け、人を集めたのだ。だから全国的に山岳会が凋落した2000年代にも衰えず、今も独自の活気を持ち魅力を放っていることが伺える。
CMCの独自性
ほぼ毎年のように行われた槍穂高連峰の冬季長期縦走記録の、百瀬氏を軸にした記録セレクション(といっても5本+23本も!)。30代の百瀬氏が70代になってもまだ続く記述が、この会の骨組みとなってきたことを示す。日本一の山域、槍穂高連峰の冬季長期山行を、毎年なのだ。
この背骨に加えて、草創期CMCを方向付けた有明山と赤沢岳という地元未踏岩壁の夏冬の初登記。「後立三部作」の針ノ木、スバリ、赤沢岳西面の三稜線への世代を越えた入れ込み様など、CMCならではのマイナーだけど歯ごたえ満点の羨ましい山行記が並ぶ。海外記録にはメルー・シャークスフィン、バフィン、トランゴタワー・・・。メンバーはそれぞれに高レベルで別の山域に向かう。統一感はないけど、ありきたりな山行をしないところが一貫している。他のどこのクラブにもない歴史と現在を作ったのはなんだろう。
独自性の要因はなんだろう
私は松本出身で1984年に北大山岳部に渡り、その後90年代と2010年代に数年ずつ長野県に転勤して登山に関わってきた。この間に聞くCMCの孤高性はずっと変わらない。登山界の変化は大きく社会人山岳会の状況は全国どの町でも次世代につながらず、50年回転している会は多くはなかった。
松本の場の引力にも一つの要因がありそうだ。山があり、町に魅力があり、他の土地から移り住む人が多い。山が好きで来る人もいるが、住んでから好きになる人もいる。信州大学の学生の多くは他県から来ていて、CMCの名簿には、信大山岳会出身のピオレドール・クライマー3人の名もあった。この町そしてこの会を活気づけている要因の一つは間違いなくそんな外からの人達で、私の知る会員も外から松本に来た人がほとんどだ。
そして地元の未知ルートを探求した独自の強みを持つ創設者たちは、自信故にその面々を尊重し自由にさせ、多様性を内包した。それが活気ある伝統として生きているのではないか。
攀じ友=ヨジトモ=climbing mate
記念誌を読んだだけの情報で、フカヨミをしてみました。
A4 297p
2022.11.19 発行
編集長 河竹康之
https://cmc-jp.net/
2022-11-22 2:08
旭岳崖尾根
旭岳崖尾根(積雪期ピークハント/縦走/大雪山)日程:2022-11-19〜2022-11-20メンバー: yumepporo Nakagawa2019 koichiro_m ogaga misa2021コースタイム:写真:東大雪まで見える石室快晴のピークGapを下る1日目視界100とか?
2022-11-16 9:36
シュンベツ川下部〜シュンベツ岳西面直登沢〜カムイエクウチカウシ沢左股左沢
シュンベツ川下部〜シュンベツ岳西面直登沢〜カムイエクウチカウシ沢左股左沢(沢登り/日高山脈)日程:2022-09-11〜2022-09-16メンバー: Takenaka2017 aach_17inoue nrtk7コースタイム:コース状況/その他周辺情報:落石注意写真:こいつも厳しそう。左岸捲き。これも渋い登り。核心の大滝。八の沢カール右岸リッジ状から。トラバースで大滝落ち口へ合流。事故現場。見た目よりは易しい。大滝上部。懸垂でスラブ上に復帰。この後空身で突破。カムエクバックのぴーしゃ業火。カムエク沢。と思ったらすぐにまた函。シュンベツ川の謎の穴負傷してもなんか楽しそう。謎の濁流階段到底直登する気にならない。ここでビバーク。捲きは渋い登り。懸垂で沢に復帰。これは捲く。次の滝は捲く。林道歩き28kmからスタート。いきなり突破困難なCS滝。右岸側壁を捲く。ピーク。ガレ。大函はとても中を行く気にならないピークからカムエク。下降沢は簡単なクライムダウンの連続。2p目はクラック。二股近く。直登は厳しい。幌尻バック。ナメワッカがでかい。秋めいてる。これも厳しい。ザイルはほとんど出さない。ツルツル花崗岩にラバーソールがよく効きどんどん滝を越えていく。井上が突破し後続ゴボウ。大滝上も滝が連続。井上渾身の開脚シャワー。ガレが出てきて心配になる。祭り。あとはひたすら?〜?級のフリーソロ。少し戻って右岸捲き。Friends of Hidaka楽しめ。激悪。井上に直撃した落石。がんばる成田振り返ると険しい谷。大滝下部。楽しそう。シュンベツ西面へ突入。ハングシャワーの滝。感想: シュンベツ西面は去年の神威岳南東面、ルベツネ山西面に続き、日高の未踏直登沢として個人的に気になっていた最後の獲物。その内容は期待通りのものだった。遡行中は常にワクワクと驚きがあった。カムエク沢も核心部は想像よりも快適に楽しく直登でき、核心大滝の登攀では出し尽くすことができた。日高の最深部で充実の遡行ができて満足。頼もしく、そしてバカな仲間とこういう冒険ができて幸せです。
2022-10-11 7:46
大雪山縦走
大雪山縦走(無雪期ピークハント/縦走/大雪山)日程:2022-09-26〜2022-09-28メンバー: onozawa_kanta Sugiyama_2022コースタイム:写真:旭岳 平日なのに人がたくさん何にもなかった小泉岳カムイミンタラせっかくなので岩の上まで高根ヶ原斜面も美しい高根ヶ原でエゾシカにたくさん出会う。大地を駆ける姿がかっこよかった。ちょうど紅葉の見頃本当にすみません朝食前のトムラウシ
2022-10-10 2:56
小樽赤岩 ベルギー岩大チムニー
小樽赤岩 ベルギー岩大チムニー(アルパインクライミング/札幌近郊)日程:2022-10-08(日帰り)メンバー: Nakagawa2019 misa2021コースタイム:写真:懸垂すると改めてその迫力を感じる赤岩の秘部マジックホールの異名あり厳しい登攀を終えると平らなピーク玉が縮み上がる感想:えっ、冬ですか?不可能ではないと思いますけど、僕にはまだ無理だなと感じました。
2022-9-23 9:46
南米ペルーアンデス遠征?, Taulliraju(5830m), SW buttress
南米ペルーアンデス遠征?, Taulliraju(5830m), SW buttress(アルパインクライミング/南アメリカ)日程:2022-06-25〜2022-07-09メンバー: Takenaka2017 nrtk7コースタイム:写真:イグルーのなか谷トレッキングプカヒルカに沈む夕日15p目成田A128p目ハング氷タウイパンパより、タウイとタウイラフタウイC1朝斜め懸垂最後のビバークモレーンへ懸垂登攀ライン頂稜下降した壁2p目成田コーラうますぎここで寝た4p目竹中8p目竹中ロバとアリエロを雇ってSanta Cruz谷へ。10p目成田9p目成田生還C1(Llamacorral)から目標のTaullirajuを望む。氷柱14p目竹中7p目上を探る11p目フォロー竹中ピーク27p目ミックスイグルーと頂稜ゆかいな仲間たち最終ピッチフォロー竹中、バックはプカヒルカ13p目成田30p目ハング氷とりつき感想: 下山してしばらく経って思うが、ピークに立った日のクライミングは、今までの人生で一番山と一つになれていたのかもしれない。
2022-9-19 7:44
瑞牆山・小川山フリー
瑞牆山・小川山フリー(フリークライミング/甲信越)日程:2022-09-11〜2022-09-17メンバー: nikonikoaokazu Iida_2017コースタイム:写真:左稜線美肌効果?なんか気味悪いピー写ベルジュエール瑞牆 モツランド末端壁。威圧的。。感想:クライマーのディズニーランド。年パス購入を検討中。
2022-9-5 12:56
2年班沢メイン(ナナシ沢〜1839峰〜サッシビチャリ川〜ペテガリ岳)
2年班沢メイン(ナナシ沢〜1839峰〜サッシビチャリ川〜ペテガリ岳)(沢登り/日高山脈)日程:2022-08-27〜2022-09-04メンバー: Nakagawa2019 koichiro_m misa2021コースタイム:コース状況/その他周辺情報:熊熊熊熊熊熊熊熊林道が各所で壊れて日高が原始の姿を取り戻しつつあるのかもしれない。写真:一つ目の滝2つ目の滝記号人生最高のおにぎりだった大滝上もしばらく函状MVPパー食Co1100右股ザイルは出さなかった。高度感すごい。ザンク美しい函なんか不気味39を背景に。皆やつれ気味か?笑極い夜となったヤオロピークCo940二股の滝はザイル出した結構辛いのもあったガスの主稜線からサッシビチャリを目指す。夏が終わった岩盤の美しい沢ナナシ下流部最後の夜ナナシの吹上げがよく分かった本当にきれいだった徐々にV字23南面出合で憩うつっぱり多用これもまた美しい開ける上部は無数の滑滝が連なる稜線に出るとピークはすぐそこ山荘前は好漁場微妙なへつりで中を行く3段目明るい函が続く左股に入ると大きな滑滝Co850大滝C2まじで遠いここは中行けず少し戻って左岸クラックザイル出して登るデポ回収ヒールフックに乗り込み超えたルベツネ北面?ようやくナナシに降り立つ飛び込んで取り付く箇所も土砂ゴルジュ。もう少し上流はもっとゴルゴルしてた。直登可能な滝が連続クマとにらみ合って波乱の幕開け絶賛増水中遠い西沢に入る39北面出合でC3西尾根より西沢の滑滝群左岸バンドから感想:これが僕の4年間です。
2022-9-4 11:58
小樽赤岩
小樽赤岩(アルパインクライミング/札幌近郊)日程:2022-09-04(日帰り)メンバー: saito1987 zeniya1990写真:感想:でっぷりと身体肥ゆる秋の銭公と。Jドル、猫、テーブル、終了点はハイカーで密でした。
2022-9-2 11:37
南米ペルーアンデス遠征②,Ranrapalca,North Spur
南米ペルーアンデス遠征②,Ranrapalca,North Spur(アルパインクライミング/南アメリカ)日程:2022-06-17〜2022-06-24メンバー: Takenaka2017 nrtk7コースタイム:写真:ガスが濃いピークは諦めてしまったボルダーがたくさんある下山後コーラうますぎるプラトー直前?級の登り一瞬だけ晴れた最後のWI4くらいの氷壁。疲労のせいかドパンプしたM3?快適ご褒美、ではなくタウイラフへのチャージ羊の群れトマト玉ねぎ+チーズ感想:ずっと苦しそうだねと思われそうですが僕は山好きですよ?ただちょっと今回のは実力ギリギリだったのかも。それと高所に順応しきれていなかったのも大きいだろう。順応登山ではもっと高所で停滞すると良さそう。
2022-9-2 11:33
南米ペルーアンデス遠征①, Pisco, Normal Route
南米ペルーアンデス遠征①, Pisco, Normal Route(積雪期ピークハント/縦走/南アメリカ)日程:2022-06-05〜2022-06-14メンバー: Takenaka2017 nrtk7コースタイム:写真:dzポーズ!チャクララフをバックにトマトと玉ねぎが美味しかった!ピスコトレースばっちり感想:2か月振りくらいに今回の記録を読み返したが自分はメンヘラ危険登山者だと思った。幸せを感じたくて登山しているのに。必死で追い求めているうちは無理なのでしょうか。
2022-8-30 1:55
夏メイン一年班知床 モセカルベツ川〜知円別岳〜ポンルシャ川〜ルシャ川〜コタキ川〜知床岳〜知床沼〜オキッチウシ川〜岬〜相泊
夏メイン一年班知床 モセカルベツ川〜知円別岳〜ポンルシャ川〜ルシャ川〜コタキ川〜知床岳〜知床沼〜オキッチウシ川〜岬〜相泊(沢登り/道東・知床)日程:2022-08-17〜2022-08-27メンバー: Iida_2017 yumepporo onozawa_kanta Sugiyama_2022コースタイム:写真:Co1070二股。奥に国後島ルシャ河口。写真で見るとかわいいなモセカルCo400早朝の知床沼M1小野澤曰く後は消化試合Co850F知床池。メイン休憩ばっかりしている灯台から知床岬函の始まりCo640くらいから雪渓出てくる上部にも雪渓。ほとんど横を歩けた。中は亀裂入ってたりする沼が見えた時知床岳を目指して藪漕ぎ。計2.5hくらいポンルシャに向けて薮を漕ぐ感想:夏の知床はけっこう人間臭かった。岬に携帯の電波塔が立たないことと、Mの活躍とを祈ります。3年ぶりの知床で初心を思い出した。クマスプホルダー落としを見事に回収し怪我ばかりの自分には呆れたけれど、パーティと天気に恵まれ、岬に立てて嬉しい限り!ただついて行くだけのことしかできていなかったものの、貫徹できて本当に嬉しい。Lsの姿はかっこよく憧れた。次は、少しでも自分で歩いたといえる山行に近づきたい。
2022-8-16 1:46
大星沢右股・深沢川・三重の沢
大星沢右股・深沢川・三重の沢(沢登り/支笏・洞爺)日程:2022-08-14〜2022-08-15メンバー: marucircld Mt-sunnyコースタイム:コース状況/その他周辺情報:深沢川に続く林道は、入っているのが見つかったら罰金を取られると看板に書いてあった、、。写真:カメラを持っていないため、下連ついでにとったこの写真しかない…。感想:久しぶりにまるちゃんと山に行けて嬉しかった。深沢川のゴルジュ帯はとても楽しかった。
2022-8-12 11:45
黄金沢〜群別川
黄金沢〜群別川(沢登り/増毛・樺戸)日程:2022-08-11〜2022-08-12メンバー: yumepporo Mt-sunnyコースタイム:写真:綺麗な沢〜Co580FCo420F感想:綺麗で天気が良くて気持ちいい沢だった。付き合ってくれた山下に感謝。
2022-8-7 11:46
小樽赤岩
小樽赤岩(アルパインクライミング/札幌近郊)日程:2022-08-06(日帰り)メンバー: saito1987写真:感想:真夏の赤岩だが、本州の梅雨時のような爽やかさだった。肩のリハビリで西壁、リス、リス奥登る。腱が切れていても5.8までなら何とか登れること確認。午後は暑くなってきたので退散。
2022-8-1 12:21
トヨニ北峰南西面〜ソガベツ川
トヨニ北峰南西面〜ソガベツ川(沢登り/日高山脈)日程:2022-07-30〜2022-07-31メンバー: Nakagawa2019 koichiro_m misa2021コースタイム:コース状況/その他周辺情報:日高幌別川とルテンベツ川の分岐よりさらに下でゲートが閉まっている。ソガベツの滝まで約8km。写真:北峰南西面に入ると渓相が一変大滝1段目ペンギンカールつるつる系が多い上部数手がビミョいCo1000三股ピー写あひー(*_*)I'm proud of my anchor水流跨いで左岸バンドから懸垂したやつなっがい林道歩き下降沢上部全部直登可能2段目は左岸へ。みそぎを果たす。源頭より来し方水流左のクラック直登捲いて斜め懸垂はもったいない。感想:めっちゃ疲れた。北峰南西面は沢の楽しさが詰まっているいい沢だった。めっちゃ疲れた。
2022-8-1 9:29
上二股の沢十勝岳北西面左股沢〜メナシュンベツ川楽古岳北西面沢
上二股の沢十勝岳北西面左股沢〜メナシュンベツ川楽古岳北西面沢(沢登り/日高山脈)日程:2022-07-30〜2022-07-31メンバー: Iida_2017 yumepporoコースタイム:写真:今日もビュービュー上から何回見ても可笑しいそれなりに大きいホゲホゲ感想:毎回帰りの車の中で一年目が起きていてビビる知床に行かせてください。
2022-7-28 6:47
幌内府川〜余別岳往復
幌内府川〜余別岳往復(沢登り/積丹・ニセコ・羊蹄山)日程:2022-07-23〜2022-07-24メンバー: Iida_2017 yumepporoコースタイム:写真:Co700より上のよく捲かれているF小樽の花火感想:やっと準山2回目ができてホッとした。
2022-7-26 12:35
三之助第一川〜幌別岳〜寿都幌別川
三之助第一川〜幌別岳〜寿都幌別川(沢登り/積丹・ニセコ・羊蹄山)日程:2022-07-23〜2022-07-24メンバー: Nakagawa2019 koichiro_m misa2021コースタイム:写真:寿都幌別源頭は滑床まじでずっと|'ω'|防波堤で昼寝して車を待つおつかれぶったち有名なやつ快適テンバ捲くのも大変飛び込まなければ帰れない朝一から函えーん三之助の函は一瞬で終わるうわーんなかなかの雰囲気徐々に函の様相もう許してくれ〜振り返っても暗い函15mFは立派感想:準山3回目キムクシュ下降を想定した準山としてはなかなか良かったと思う。寿都幌別の独特の景観は一見の価値あり。天気のいい日をお勧めします。
2022-7-26 12:04
大星沢本流
大星沢本流(沢登り/積丹・ニセコ・羊蹄山)日程:2022-07-18(日帰り)メンバー: Nakagawa2019 koichiro_m misa2021コースタイム:コース状況/その他周辺情報:チャリの砂利林道下りがある意味核心。ブレーキ握りしめすぎて前腕パンプした。写真:F5?左岸リッジ登る。F1上に連瀑帯F3。F4ごと右岸捲く。F2。左岸容易。広場に出て終了直登できる10mくらいの滝が続くF1。右岸シャワークライム。はじまる感想:準山2.5回目コンパクトだが登りの要素はしっかりある。週末の悪天予報に途方に暮れている2年班におすすめ。
2022-7-26 11:46
見市川支流冷水沢(引き返し)
見市川支流冷水沢(引き返し)(沢登り/道南)日程:2022-07-09(日帰り)メンバー: yumepporo Nakagawa2019 koichiro_m misa2021コースタイム:コース状況/その他周辺情報:雪渓やばすぎ写真:退散。大滝は懸垂下降3ピッチ。二つ目。参りました。雪渓一つ目Co440のCSF因縁の函ギリギリなんとかなったCo300釜滝感想:準山2回目核心部を遡下降したので準山としてはまあよかったのかもしれないが、個人的には過去に辛酸をなめた沢なのできっちりピークまで行きたかったなぁと思うのが本音です。てかあの雪渓が下りで出てきたらどうすればいいんだ、、、
2022-7-26 11:25
見市川白水沢左股〜平田内川
見市川白水沢左股〜平田内川(沢登り/道南)日程:2022-07-02〜2022-07-03メンバー: Nakagawa2019 koichiro_m misa2021コースタイム:コース状況/その他周辺情報:過去の記録より雪渓多め写真:F1。滝つぼにヌシいた。高度感にシビれたあひー明らかに水が多いやっぱ夏はこれでしょう泳がねば帰れない爆風の釜珍客柴部お迎えありがとう!下流部もいちいち大変F4大滝。2条の水流に挟まれたカンテを登る。飛び込み交えてF2?感想:準山1回目下山後は、ひさびさに「山に行ったなぁ」という感じがした。
2022-7-26 11:01
湯内川
湯内川(沢登り/積丹・ニセコ・羊蹄山)日程:2022-06-26(日帰り)メンバー: Nakagawa2019 koichiro_m misa2021コースタイム:写真:F1上からF6(通称ショルダーの滝)適度な難易度が続く海からアプローチ朝日温泉F1。右岸登る。泳ぐ気にはなれなかったこの滝でおしまいMが先陣きって突破感想:準山0.5回目沢足袋で海岸を歩くとあの夏の記憶がよみがえる
2022-7-16 1:28
暑寒別川本流
暑寒別川本流(沢登り/増毛・樺戸)日程:2022-07-09〜2022-07-10メンバー: Takeuchi_2016 Mt-sunnyコース状況/その他周辺情報:報告_2022.7.9-10(2-0)暑寒別川本流〜夏道L山下(3 AL竹内(2016 M小川(2 西園(1暑寒別川本流は私(山下)が1年目のとき、増水時に入山し、Co360のゴルジュ敗退した沢である。Day1[晴れ]Co230二股(7:30-8:15)入渓(8:15-12:00)Co440二股(12:45-15:00)Co580F1手前=C1Co230二股から林道を歩く。Co300付近で林道消滅し、少し藪漕いで入渓。本流なので水量が多いが増水はしていない。やった。Co360に長さ40m、幅4mの函。「私はもうあの時のひ弱な自分ではない」とLが勇んで出発するも途中で敗退し戻ってくる。ぴえん(笑)。代打AL、突破。ザイル出す。そこからは長い長い河原。ゴルジュで水を吸ったルームのぶっとい40mロープが重すぎる。Co580の8mFの手前でC1。Co570二股周辺は泊まれなくはないという感じ。側壁が崖で、あまりテンバにふさわしくはない気がする。夜はカレー。おいしすぎてニヤツキを抑えられない西園。Day2[雨のち晴れ] C1(5:30-15:00)暑寒別岳(15:15-18:15)暑寒荘滝のトップは全てL。Co580の7mFは右岸直登。難しくはない。途中小ゴルジュあり、Mは中を行きLSは捲く。Co860手前に5mF。右岸草付きを登る。下部の二手くらいが悪く、お助け垂らし後続ゴボウ。Mは少し手間取っていた。滝の2段目は見当たらなかった。Co860の二股はよく分からなかった。その後すぐ3段30mのF。1段目と2段目は左岸直登。3段目は左岸枝沢。3段目だけ少し難しい。3つまとめてザイル出す。後続プルージック。以降小滝出てくるが問題ない。Co1200の右股が滝になっており直登は難しいので左岸草付きより捲く、が、結構シビアでトップをLからALに交代。空身で直登してザイル出した方が良かったかも、、。沢に降りようとしたところ乗りたくない雪渓が沢にかかっているのを発見。このままブッシュ帯を行くことにする。結果オーライ?。一箇所お助けだした。その後も沢を雪渓が覆っている。斜度がきつく、沢足袋では雪渓の上を歩けなさそう。ブッシュ帯と草付きの境界線をブッシュ掴みながらしばらくトラバース。足元悪く小川苦戦。お願い、落ちないで、、と祈ることしかできない。ようやく雪渓が終わり沢源頭部に降り立つ。水を汲むタイミングを逃したまま暑い中藪漕ぎしていたため、ちょろちょろとした水流に一同歓喜。小休止して、沢型を詰める。藪漕ぎ10分でピークより少し南の夏道に出て、ハイタッチ。みんな頑張った。地図読みも間違ってなかった。下山地点からしばらく行かないと電波が入らないことを考慮し下山時刻を遅らせる旨をメーリスに流す。あとは小さな虫たちを引き連れながら夏道を下山。帰りのドライブでは浜省トークで盛り上がる。ごつ盛り小山行下山時刻延長写真:思わずピー写を撮りたくなるような気持だった。感想:初めての本格的な沢のL。緊張で夜は全然眠れなかった。雪渓を予測できず下山時刻を延長してしまったが、パーティ全員で力を合わせた、いい山行だったと思う。山に行くと無垢な自分に戻れる気がする。...
2022-7-2 16:31
爽やかな読後感の遭難報告書「流転」の「丁岳」
2022年3月丁岳(ひのとだけ)遭難事故報告書山岳同人「流転」
弘前の山岳同人「流転」の黒木さんから、事故の報告書が送られてきた。「るてん」は、90年代にはあちこちで盛んだった、セミプロ登山愛好家がたくさんいた地方の山岳会の、今となっては生き残り。もちろん今も変わらず活躍している。北東北という立地を活かし、「山スキーと沢の融合山行」を行動指針に活動している。その路線でヒマラヤの遠征も行う。今どきプロガイド無しの独自でヒマラヤに行く山岳会、激減しています。つまり私と同世代で、現役で山行を続けている集団だ。
丁岳?きのえ、きのと、ひのえ、ひのと、甲乙丙丁の丁だ。初耳ながら名前も良い上に地形図を見れば、こんなところにこんな宝石のような山域があるのかと、引っ張り込まれる。鳥海山の傍らに隠れ、マイナーな立ち位置に鋭い鋭鋒、私好みだ。
丁岳は鳥海山の東、秋田、山形県境の地味だけど名前も姿もカッコいい渋い山。
雪庇を踏み抜き、24時間後どん底からの生還
遭難の概要は、メンバーが雪庇に乗って500m滑落して片足大腿骨折。懸垂下降込みの急斜面で残る二人が3時間後に滑落者と合流。幸い救助ヘリ要請の連絡はついたものの天候要因で翌日に。雪崩の磨いた急斜面で一晩過ごす努力をする最中に2度雪崩にふっとばされて、作りかけの雪洞を埋められ、転落12時間後にようやく落ち着いた3度めの横穴雪洞で一晩粘って翌朝救助という次第。
雪庇転落のいきさつと雪洞を襲う雪崩の図
この間3人それぞれの目線の記述が詳しく、知りたいと思うことが次々述べられて、最後まで興味深く読んだ。遭難事故の中でどう判断し、どう対処したか、その理由と戸惑い、判断が刻まれて臨場感がある。何より、このいきさつを、関わったすべての人に知って、考えてほしいという熱意にあふれた報告書だ。そして、必要以上に恐縮せず、あけすけに事故の気恥ずかしさを晒して蓋をしない。むしろコミカルな爽やかささえ感じる読後感だ。
ピンチをどう脱出するかが山登りの本質
ほんの一歩のミステイクで地獄の底へ落ち、そこからできることを焦らず観察し判断し、脱出生還する。決して望む境遇ではないけど、これこそ我々が山の中で日々探求、練磨している能力なのだ。その過程を辿る報告書なのだ。恥ずべき遭難ではないし、すべての遭難事故を恥として隠したり、罪として責めるのは恥であると思う。
遭難者を探して懸垂下降し、慎重に時間をかけて近づいていく手法、雪崩危険地帯でもL字型に切ったテラスに寝かしていた遭難者はデブリが上を通り、流されなかった話、流されたデブリの中から泳いで流れの薄い側へ抜けきった話、大腿骨折した負傷者を15mも3時間もかけて移動した方法など、具体的な記述を読むことができた。
これだけの事故報告書を2ヶ月で湧き上がる言葉で書き上げ、まとめ、送っていただいたその姿勢も含めてすべてが彼らの山登りに対するエネルギーのマグマだまりなのだ。
この報告書は紙媒体であり、ゆっくり文章を読んで意味のわかる人向けのものである。ネット情報だけ見てキーボードでカチャカチャやって匿名でコメントすることはできない。どうしても読みたい方は流転に手紙を書けば、きっと送ってくれると思います。
2022-6-28 7:33
千代志別川〜浜益御殿〜床丹川
千代志別川〜浜益御殿〜床丹川(沢登り/増毛・樺戸)日程:2022-06-25〜2022-06-26メンバー: Iida_2017 yumepporoコースタイム:写真:本流の滝雪渓感想:沢シーズン開幕嬉しい。
2022-6-6 2:30
小樽赤岩
小樽赤岩(アルパインクライミング/札幌近郊)日程:2022-05-17(日帰り)メンバー: inoue2009感想:・テーブルリッジ・奥リスノーマル・For the Fire Fighter 5.11a RP (2撃)学生時代は、触ろうとも思わなかったグレードです。前回のファイアーマンに続き、個人的にファイヤーと名の付くルートには敵対心があるので登れてよかった。