こんにちは!イグルスキーです。
ヤマレコAACH - 切り抜き一覧
発行日時 | 見出し |
---|---|
2022-2-3 9:28 |
北信・佐渡山からイグルーだより
こんにちは、イグルスキー米山です 前回紹介した黒姫山の隣の佐渡山でも、同じ日に違うイグルー仲間が作っていました。この週末は、黒姫、佐渡山周辺のパウダーがすごく良かったそうです。山スキー好きは狙う山域がカブってますね。でもお互い会わなかったみたいです。 講習やって半月めのカモの会のお二人でした。この前の記事で紹介した、北八ヶ岳で講習した山岳会のお二人が、早速実践しました。今回は雪たっぷり、2mはあろうかという量で、しかも見晴らしの良い気持ちの良い場所です。 作ったドームに閉じ込められた?二人だったのでそれぞれ隣接して母屋とトイレを作り始めたら、ドーム内からのブロックだけで屋根までできてしまったので、両者ともそれぞれ閉じ込められてしまって、声も届かず、穴を掘って出てくるのがタイヘンだったとのことです。始めのうちは思わぬ設計ミスで、笑い話のようなことがありますね。 ドームと竪穴と、排雪の関係屋根が楽勝でできてしまったために、床をもっと掘り下げる。でも竪穴の底なのでその雪を掻き出すのに苦労したそうです。前回は積雪が少なくて、床からあんまり取れなかったので、外からもブロックを供給しましたから、今回は事情が随分違います。 こういう雪たっぷりのところでは、排雪しやすいように、出入り口を急斜面に向けて作ることが多いです。雪洞と同じように。しかし今回の場所は真っ平らなところなので、こういうところでは、屋根づくりと掘り下げの需要と供給がピッタリと合うように、ちょっと大きめのドームにするといいかな。まだ難しいですよね。また、出来上がったあとで床を下げたいときは、外に出すのでなく、登山靴でがんがん踏みつけて、床を凹ませていくと、結構下がります。多少くたびれますが。イグルーの床は、時間が経つと沈んで行きます。屋根は雪洞ほど落ちてきません。軽いからだと思います。 このように積雪の加減によって、イグルーの設計対応が少々変わるのです。 入り口を閉めず寒い思い前回の講習ではそれほど気温が低くなかったのもあり、出入り口の処理をあまり伝えなかったのですが、これをぴったり閉めると、イグルーの保温性は抜群です。ヨシキトさんは自称超寒がりとのことで、今回はザックを入口に立てただけで凌いでいたら、寒くて参ったとのことでした。私の塞ぎ方、図を描きますので参考にして、次回からやってみてくださいね。今回はせっかくトイレも隣にあったのだから、入り口はビシッと閉めこんでよかったのですよね。 隣接トイレをくっつける男同士のパーティーでは自分のマットをめくって雪面に立ち膝して小用するのが常ですが、女性がいる場合は脇に一回り小さい女子トイレイグルーを、出入りできるようにして作ります。そうすると夜中でも、塞いだ出入り口を壊して出入りしなくても済みます。今回はちょっと2つのイグルーが離れちゃったみたいです。 連結イグルーを作るときは、かなりくっつけて、壁を共有するくらいの勢いでやれば早くできます。雪の壁は防音防臭なので、全く気になりません。これも図を参考にしてみてください。 何度か作るうちにすぐ快適なイグルーが自在でできるようになります。イグルー作りは屋根さえ作れるようになれば、あとはいくつか作って泊まるのを繰り返し、どんな積雪、どんな雪質なら、どんな作り方、どんなサイズで進めようか頭に浮かぶようになります。ちょっとした家造りなのです。慣れればこれがとても楽しいのです。テーブルやカウンターだって、暇なら作ればいいのです。 来週あたり、イグルー長期山行を支度していたのですが、オミクロン最盛期とカブってしまったみたいで、休暇なんだか、自宅待機なんだか、不透明なことになって来てしまい、なかなか思い切った山行に行けない状態です。自分で山に行かずに、イグルーに挑戦した人の記録で記事をすすめてすみません。やってみた!という人、もしいたらイグルスキーに連絡ください。 きょうはここまで、またね〜。 山行記録: 佐渡山・乙妻山(北東斜面1940mまで)/イグルー泊 2022年01月29日(2日間) 妙高・戸隠・雨飾, 山滑走 / tartletの山行記録 www.yamareco.com
|
2022-1-31 21:10 |
黒姫山のイグルーたより
みなさんこんにちは、イグルスキー米山です。 シーズンたけなわになってきました。信州から、イグルー泊成功の、うれしいお知らせがありました。紹介します。この週末、黒姫山で山スキー山行したヨーコさん二人パーティー、初イグルーの記録です。 黒姫イグルーのヨーコさんヨーコさんは八ヶ岳山麓の山スキー愛好家です。何年か前に山でご一緒したとき、イグルーを作って見せようとしたのですが、そのときは季節が遅くて、ノコギリが雪面に刺さらないほど固く凍っていて、できませんでした。その後ヨーコさんは自力で取り掛かり、昨シーズンは壁を築いたけれど屋根がどうしても塞がらずでした。 今回、二人パーティーの山行では「上段部は細長いブロックを使う」という点を取り入れ、1時間半ほどでとうとう屋根付きイグルーを完成させました。積雪は十分、雪質も良かったようです。 このイグルーで素敵なのは、入山のときに見つけた枯れ花を持っていって、イグルーの壁に飾ってます。こんど真似してみたいですね。
豆電球がLEDになってからは、ローソクご無沙汰でしたが、イグルーではローソクが最高に似合います。このコーナーはまるで祭壇か仏壇か。 F.B.ではおししそうなごちそうが並んでいました。
今回のイグルー評勝手ながら、完成写真から、感想を。 ドームを小さく作れば屋根は塞ぎやすい。見かけ上この小ささなら、40分で作れる最適なサイズです。でも小さいから、足元からブロックをとることで掘り下げて、下で横に広げると良いのですが、二人組で、外にひとりいる場合は外からもブロックがもらえるので、足元が深くならない。それで今回は少し生活空間が狭くなったかも。 この、雪の深さと人数とドームの大きさのバランスは、その都度、積雪と雪質を見て判断します。何度かやれば、わかるようになります。どんどんできるようになって、楽しくなると思います。 それから写真で見る限り、少し入り口の穴が縦長なので、外からも良いブロックがもらえるなら、中の人はブロック運びのために出入りしなくても良いので、二段目くらいの低さで早々に梁を作って、入り口を狭く(この半分に)してしまえば、夜、塞ぐときに楽で、暖かく過ごせます。 屋根さえできれば、次回の工夫の数々が湧いてきて、もっと良いイグルーになっていきます。 あちこちで、イグルーを作れる人が増えてきて、とても嬉しいです。 きょうはここまで。またね。
|
2022-1-31 9:18 |
日高/寿都似山
日高/寿都似山(積雪期ピークハント/縦走/日高山脈)日程:2022-01-30(日帰り)メンバー: Yanke1987コースタイム:写真:イドンナップ、ナメワッカ方面コルまでの登りは快調オパケシウシベを望むヌカンライ岳の向こうは幌尻か?林道に降りる樹間からヌカンライと幌尻登頂糠平山残照コルに出た鹿-1林道から寿都似山をみる鹿-2ヌカンライ岳糠平川を渡る橋、鹿も利用しているピーク手前感想:昨日の岩内岳下山したのち林道のアプローチを偵察。夜は二風谷のゲストハウスで一泊。朝は-21℃まで下がった。林道は除雪されているがゲートがある。鹿撃ち車は入れるようだ。スキーを引っ張って30分くらいで糠平川を渡る橋が見えてきた。橋を渡りしばらく林道をたどるがすぐにはっきりしなくなり、右手の広い沢型地形に入る。ブル道らしきところもあり快調に登れる。コルに上がりクトーつけて急斜面を登る。やがて左手からの小尾根と合流し傾斜がなくなる。ここからピークまで、下山時の登り返しを最小にすべく、小さいポコをネグりつつなるべく平坦なトレースをつけていく。ピークは樹木に覆われ、眺望はいまいち、それでも白い幌尻やその周辺が樹間から見えた。912までシールつけて戻る。そこからパウダー斜面を一気に滑降して林道に。ゲート前で後片付けしていたら鹿撃ちの車がおりてきた。
|
2022-1-30 2:55 |
冬季赤岩 東大壁 bクラック
冬季赤岩 東大壁 bクラック(アルパインクライミング/札幌近郊)日程:2022-01-29(日帰り)メンバー: sy2017 nrtk7写真:1p目成田1p目フォロー2p目佐藤感想:なんとか登ってきました。たしかに大壁継続は良いトレーニングになりそうですね! 雪が増えてきて赤岩も仕上がってそうなので、ベガと行った。今回は前から気になりつつもビビって行かずにいた東大壁の小林、あるいはbクラックへ。 東大壁で最近の知り合いが登った話を聞いたのは佐藤ルートか北大ルートで、小林ルートとbクラック共通の1p目はツルツルカチ系フェースだった記憶があったので、冬季は皆敬遠しているきらいがあった。しかし、よく考えたらなんだか行けそうな気がしてきたので突入することにした。 今回はラッセルが結構ありそうだったので下からではなく大壁頭から懸垂で取り付くことにした。懸垂60m1pいっぱいで中央バンドに降り立つ。このとき、1p目を軽く見て、2人とも確信を得る。男気じゃんけんで勝利した成田から1p目へGo。 1p目 成田 20m まずフェースを左上。リスやクラックもあり、プロテクションは良好。ポケットにトライカムを決めてから2歩ほど左へトラバースしてからが核心。細かいポケットやカチにフッキングして登る。ボルトが打ち換えられたようで、一番難しいセクションは真新しいハンガーボルトにクリップして思い切っていける。が、ガバだと思って掴んだ遠めのホールドが甘いカチで、思わずヌンチャクを掴んでしまった。落ち着いてみたら全然フッキングできるカチは多数あったので勿体無いことをしてしまった。そのあとは棚に乗ってから右のクラックを直上してケミカルまで。M5くらいだと思う。 2p目 佐藤 50m bクラックを行くことにする。立ったクラックを20m程登る。プロテクション、アックスのかかり共に良好。ジャミングも快適。クラックの抜け口は右トラバース気味に突破。しかし、抜け口のあたりを越えてから見えなくなってからベガ雄の進みが遅くなり、見えなくなってからロープが出たり戻ったりして雪が時々降ってくるようになった。ビレイ中は見えなかったが、この上は除雪と凍った草付きや泥にアックスぶち込みとかかりの悪い微妙なフッキングのフェース等と結構悪い登りだった。こちらもM5以上はあると思う。佐藤ルート3p目の終了点に合流して終了。 やっぱり冬季赤岩は楽しい。次は継続登攀をして更なるトレーニングをしたい。冬の赤岩は世界に通じるというのは、誇張表現ではなく真理だと思う。 また、今回1p目は核心部にピカピカハンガーが打たれていたが、あれがボロボロリングとかハーケンとかだったらかなり印象は違っただろう。本チャンの山の中にこんない残置ボルトなんて滅多にない。そしてもしアルパインのルート開拓をするとして、ボルトありきのルートを拓くのは意義があるのか、美しいと言えるのか、また現実問題としてそんな打つ時間や労力の余裕があるのか疑問に思ってしまう。今回はこいつに頼って登ってしまっている以上、全く偉そうなことは言えないが、アルパインルートでのボルト使用について考えさせられた。
|
2022-1-30 2:38 |
雷電 ナイル川
雷電 ナイル川(アイスクライミング/積丹・ニセコ・羊蹄山)日程:2022-01-30(日帰り)メンバー: sy2017 Takenaka2017コースタイム:写真:今年のナイル川 遠くからでも中々の威圧感ビッグウェーブ 1p目 WI5 30m ほんの少し被っていた。(竹) 中間部の洞穴まで2p目WI4 50m 粘り気のある氷〜上部の氷柱の裏まで3p目WI4+ 40m トラバース〜少し悪い凹角状を登る 灌木まで感想:全体を通して滴りもなく快適に登れた。成長が感じられて良かった。
|
2022-1-26 0:14 |
この一月の全国イグルー活動を見て!見て!
こんにちは、イグルスキー米山です! このところのイグルー講習などで、参加した皆さんが、あちこちでバンバン建立しはじめています。今年は降雪も多くて気温も低いまま。琵琶湖西岸から青森の標高0mまで、あちこちのみなさんのイグルー活動を実況報告します。
青森自宅ウラで雪かきのついでに、べったり雪でも工法あり?イグルスキーが10年前住んでいた青森の山仲間、シュンさんコマさん夫妻が自宅の庭に「雪かきスコップだけ」で完成させました。ノコなしでここまでできました。快挙です。 この日は気温が3〜4℃と高く、積んだブロックは、ザラメの雪で隙間を接着させたりもして、長方形に切ったブロックを、イグルーの内側に向けて積み上げて内側にブロックを迫り出させたそうです。
里には里のべったり雪工法がありますね。
山伏山岳ガイド、チビイグルーで講習昨年2月、斑尾山で個人講習した信州の山伏山岳ガイド、田村さんです。子供サイズのミニイグルーを10分で作って見せているそうです。これは要領説明に凄くいいですね。イグルーは小さければ小さいほど、ブロックが大きければ大きいほど、容易に作れるってことがよくわかります。 田村さんは、これからイグルー講習も始めるとのことです。
比良山系でも、雪たっぷり昨年12月、部員合宿で特訓したばかりの同志社大学山岳部の加藤さん、早速作っています。今年は積雪が多いおかげで、比良山地で、こんなに立派なブロック切ってます。このあと、3月もどんどんイグルー山行するみたいですよ。 伊吹山も今年は真っ白だ!昨年10月にイグルスキー京都講演を聞きに来てくれた、日本山岳会京都滋賀支部の松下さんがつくりました。 伊吹山はこの冬、名古屋からも毎日ずっと真っ白に見えて大チャンスの年です。こんな立派なやつを作ってF.B.で見せてくれました。 4人入れるほどで大きく作りすぎましたが、もう数回練習したら2人で約1時間以内で出来そうとのことです。
御嶽山でもやってます御嶽山麓開田のガイド、鈴木さんのイグルーです。開田のスキー場で作って、F.B.でみせてくれました。 根子岳でカニ鍋イグルー昨年2月、特訓したヤマレコのトモエさんたち、この週末に菅平の根子岳で作りました。トモエさんには、このときイグルスキー動画を製作していただきました。 4人入れるサイズの宴会部屋と、寝室2つ作って、カニ鍋やっていて羨ましいですよ。お料理上手、仕込み上手の面々です。カニ写真を始め詳細はヤマレコに記録あります、ぜひ見てみてください。雪上車で上がれるスキー場なんですね。ここは絶景です。特大イグルーの屋根はスキー板を渡して補助してあるようです。
北大山岳部 日高横断、単独含むスペシャル山行が4本イグルーのふるさと北大山岳部。この冬も現役と若手OBがそれぞれイグルーを使って、超人的記録を連発しています。奥深い日高山脈の東西稜線乗っ越し山行が4本も!
ぜひリンク先の入魂記録をご覧ください。
イグルーは北大生まれだけど、イグルスキーも独自で発展させたし、現役に現場講習はまだしていないから、みな自力で作っています。長い山行が進むに連れ、始めは製作時間2時間半でもどんどん時間を縮めていきます。こうして雪洞やテントがだんだん不要になっていきます。一番慣れてるカムエク南西稜単独の成田さんは、テントなしで行きました。
これぞイグルーが最も冒険的な山で使えるという実践記録です。
●現役の厳冬期南日高・神威岳〜ソエマツ岳〜ピリカヌプリ〜トヨニ岳4泊目の雪洞は、屋根がフワフワ雪だったのか、出発準備中に崩落したようです。入山5日目にイグルーを作りこれ以降イグルーになった模様。 ●厳冬期中北部日高縦走(新冠湖〜イドンナップ岳〜ナメワッカ岳〜カムイエクウチカウシ山〜1823峰〜コイカク夏尾根)イグルー、テント、雪洞を三つ巴の9日間のようです。まだイグルー作るのに2時間かかっているのかな、雪洞と同じ時間だけど、膝などが濡れないのでいいです。 ●厳冬期中部日高横断単独行 西川尾根〜1823峰〜ピラトコミ山「ナナシ沢側に発達した雪庇の裏側に出口を掘った、半雪洞型イグルー作りました。雪はボソボソでハイマツがすぐ出てくる場所でしたが、雪庇の庇部分が硬くなっていて、そのままブロックに使えたのが楽でした。」とのこと。ぼそぼそ雪は1月はありがち。でも、そう離れなくても良い雪はあります。雪庇に目をつけると、良い雪あり?。こうして雪質を見る目をみがきます。
西川岳やピラトコミ山を踏んだとは、しぶすぎる。1823m峰、無名峰ですが日高を知る人なら憧れの山頂の一つですよ。
●厳冬期カムイエクウチカウシ山南西稜単独行(農屋〜カムエク〜1823峰〜コイカク夏尾根〜中札内)テント無し。イグルーかツエルトだけで日高最難関の尾根を単独で行きました。 「やっぱり僕は登山が好きなのだと感じることができた山行だったと思う。」 現在、日高で最強の男です。途中、全山縦走中の仲間と単独同士、偶然会ってイグルー共にして泊まっています。これは最高の出会い旅。 いま、新しいイグルー製作動画を製作中です。旧知の映画ディレクター氏が、編集してくれています。まもなく公開します。これみて皆さんも挑戦してくださいね〜
きょうはここまで。またね。
|
2022-1-25 11:47 |
カムイエクウチカウシ山南西稜単独行(農屋〜カムエク〜1823峰〜コイカク夏尾根〜中札内)
カムイエクウチカウシ山南西稜単独行(農屋〜カムエク〜1823峰〜コイカク夏尾根〜中札内)(積雪期ピークハント/縦走/日高山脈)日程:2022-01-04〜2022-01-11メンバー: nrtk7写真:神々しい日の出いつもならここで終わりだけど今回はここからバス停まで28kmΩ3からコイカクヤオロ1839。ピーク神々しいコイカク北面一番の核心と言われているところカムエク南西稜核心部手前から振り返るピークまでの登り染まる稜線核心部を振り返る1839はガスってたまたね1823これから行くところカムエク南西稜核心部1823ピークから飯田が歩いた西川尾根♯上に遭遇日の出コイカクピークガスガス感想: 年末年始はなんか天気が悪そうだったので日和って下界(と山小屋)で友達と酒を飲んでまったり過ごした。しかし、街で過ごしていると次第に心の中に鬱々としたものが溜まっていき、自分がとてつもなくむなしい存在に思えてきた。後輩達の貫徹報告などがメールで流れてきて、その溜まっていた何かが爆発しそうになり、このままだと死ぬ、とすら思えたので急いで山に行くことにした。 去年の南日高単独行はデナリを抑えて人生で最もつらい山行だった。そしてあまりにつらかったので、この時期の日高はもう二度と行かないと心に決めていた。しかし、今こんな気分のときにどこへ行きたいと自分の心に問いかけてみると、その答えは日高だった。じゃあ、どこを歩く?正直、日高の支稜、主稜線はもうほとんど知り合いが近年歩いてしまっており、もう目新しさ、珍しさを求めてこの山域を歩くのは不毛だと感じていた。ならもう誰かが最近どこを歩いたとかは気にせず、自分の歩きたいラインを歩けば良いじゃないか。そうなれば、自ずから標的は定まった。3年目の冬、カムエクピークから眺めた南西稜だ。下山は札内川に下りよう。なら八の沢左岸尾根や右岸尾根で早々に稜線から下りてしまうのは勿体無い。コイカクまで歩いてしまおう、とぼんやりと思い描いて出発することにする。ちょうど3年目のカムエクで会った羽月さん五島さんの山行から1839峰Atを抜いた、下位互換みたいな山行になってしまうが、もうそんなことは気にしない。今回もテントは邪魔になる気しかしなかったので置いていった。また、ロープも荷物になる気がしたので持っていかなかった。1/4 曇→晴 静内ダム(1400)高見ダム(1645)般別大橋(1800)=C1 農屋バス停から歩き始める。歩き始めてすぐに通りかかった車に静内ダムまで乗せてもらえた。ガイドの方だそうだ。感謝。数時間歩いて日が沈んで暗くなるが6時までは歩こうと決めて歩き続ける。暗闇を歩くと精神が下向きになる。般別大橋手前でツェルト泊。狐が寄ってきたのでストックを振り回しながら奇声を上げて追いかけ回したら消えていった。ツェルトが狭く、寒くて早くも帰りたくなる。1/5 晴 C1(600)高見橋分岐(800)ナナシ沢出合付近(940)清和橋(1330)Co750(1500)=C2 2時間程林道を歩いていると作業車に追い越された。完全素通りだったのでまあそういうもんだよなと思っていたら、しばらくしたら戻ってきてなんと除雪終点まで乗せてくださるとのこと。圧倒的感謝。除雪は昨日今日で入っているらしく、ナナシ沢を過ぎた橋のところまで。去年の野村さん岡崎にも会ったらしい。除雪終点から歩き始める。ラッセル脛。林道ラッセルという単純作業を繰り返していると、負の思考のスパイラルに陥ってくる。自分があまりにもみじめすぎて泣きそうになった。こんな奴なんて山奥で人知れず無くなってしまえばいいのにと縁起でもないことを考えた。工事途中で放棄された千石トンネルや、2停滞した清和橋など、3年前の夏メインを思い出すオブジェクト達を見て感慨に耽る。斜面に取り付くとラッセル膝〜腿。やはりここ数日で結構積雪があったようだ。微尾根上の平坦地にツェルト張ってC2。1/6 快晴 C2(700)Co950(830-845)Co1160(1330)シカシナイ山直下Co1600(1530)=Ω3 相変わらずラッセル膝〜腿。でも山に全身でぶつかっている気がして心地よい。思わずニヤける。とか思っていたら腰ラッセルになったりして流石に閉口。Co950で尾根に合流。ラッセルましになるかと思いきや膝〜腿ラッセルが続く。令和4年初吠え。全身運動をすると向精神作用があるのか、昨日とは打って変わってなんだか楽しい。吠えながらもルンルンでラッセル。躁鬱病なのだろうか。Co1160でシカシナイ山への登りが始まると急に雪が締まって歩きやすくなった。どんどんペースを上げてシカシナイ山直下の吹き溜まりでイグルー作ってΩ3。制作1h。振り返ると23〜ヤオロ、そして39。あまりにもいい景色なので夕日に染まる39を眺めながらウイスキーを飲んだ。うますぎる。1/7 ガス→雪 Ω3(730)1810ポコ手前(1210)=Ω4 予報的にカムエクのっこしは微妙そうだとゆっくり支度。イグルーから這い出ると意外と視界500ぐらいある。シカシナイ山からの稜線はそんなに埋まらず快調。天気も高曇りになっていい感じ。主稜線も全部見えた。ナイフリッジっぽいのも何箇所かあったがスノーシューでいけた。手は一応ピッケルにした。これはカムエク越えられるかもねと思っていたらいつの間にかガスガスになって雪が降り始めた。 歩きながら、登山やクライミングはつくづくオナニーだなあと思う。なら、ピオレドールはその年最もすごいオナニーをした人達で、山野井さんはすごいオナニーをし続けて殿堂入りを果たしたってことだな、とかしょうもないことを考えて一人ニヤニヤする。俺もすごいオナニストになりたいものだ。 ・1821の登りで急で硬くなったのでEP。氷化した斜面にアイゼンとピッケルが心地よく刺さる。・1821で視界100程度。時間的にも視界的にも微妙なのでこの少し先で泊まることにする。ここからの稜線はズボズボ。視界もどんどんなくなって100~50になった。1810ポコ手前で稜線のキワもよく見えなくなったのでここまでとする。適当な吹き溜まりにイグルー作ってΩ4。停滞するかもしれないので広めに作って制作1.5h。1/8 ガス、雪 Ω4=Ω5 気圧の谷の前面で一瞬晴れたりしないかな〜、と早朝にイグルーから出てみるが、安心のガスガス。おうちに逃げ戻る。とっくに心は停滞モードになっているが、最善を尽くした感を出したいがために往生際悪く1時間おきに外を確認するも、変わらずガスガス。停滞じゃ!と叫んで靴を脱いで寝袋に潜り込み酒を飲む。1/9 晴→ガス Ω5(900)カムエク(1130)ピラミッド(1230)・1602(1330)=Ω6 イグルーの出口が1.5m程吹き溜まっていた。7時にイグルーから出るとガスガス。カムエク方面に向かって叫ぶ。すると、それが通じたのかみるみる内にガスが消え去って晴れてきた。テンション爆上がり。カムエク方面はまだガスっているが、これなら行ける。荷物をパッキングして出発。 稜線は概ね十勝側に1m程の雪庇。判断は特に難しくない。所々細いところもあるが特に問題なく・1848まで。ここからが核心だ。天気はすっかり良くなり、カムエクピーク付近にはガスがかかっているものの、それ以外は全て見える。岩稜やギャップなども見えた。雲を纏った稜線が美しい。核心部は岩稜を十勝側を捲いたり上を行ったり。少々急なトラバースやクライムダウンもあるが、アイゼンピッケルの決まりはよく、さほど緊張せずに快適に通過できた。ちょっと急なところをクライムダウンすると、いつの間にか核心部は終了していた。あとは息を切らしながらカムエクへの急登をこなしていく。今回はCo1200以上は雪が締まっており非常に歩きやすい。過去の記録にあるようなラッセルも特に無くさくっとピークに到着。南西稜に向かって叫ぶ。 ピークはガスガスビュービューなのですぐに東へ下りる。ピークからは真新しいトレースがあった。しかもこのトレースはどうやら北から南へ一方通行で縦走しているようだ。そんなことこの時期にやる奴なんて身内しかいないだろ……とか思いながら稜線を歩いていく。カムエク以降は視界50~100で普通に天気悪かった。がトレースや岩やハイマツでルーファイは容易。・1807から南の岩稜は日高側を捲いて通過。十勝側のぶったちを眺めて夏の1807東面のバーチカルハイマツクライミングを思い出してほっこりする。 岩稜帯を終えて・1602コルにたどり着くと、なんかイグルーを建設中の怪しい人影が。この瞬間歩きながらずっと抱いていた疑念が確信に変わった。そいつは全山挑戦中の♯上であった。近づいてあいつもこっちに気付き、お互い大爆笑。まあこの時期に稜線上で遭遇するやつなんて身内だよな。折角なのでイグルーをちょっと大きくして一緒に泊まる。♯上はシュラカバを家に忘れたので秀オリを購入して来てるらしいが、案の定シュラフがビチョビチョのペタンコになっていてかわいそうだった。イグルーのブロック積みが適当だったので雪が吹き込みまくった。(がんばって塞いだ)1/10 晴時々ガス Ω6(630)1823(830)コイカク夏尾根頭(1145)札内ヒュッテ(1530)=C7 二人ともコイカクまで行ければいいという計画だったので一緒に出発。流石に重荷の♯上と同じペースで歩くわけには行かないのでここで別れる。互いの安全と貫徹を祈って各々のペースで出発。 ここから1823までの稜線は何気にまだ歩いたことが無い。アイゼンでサクサク歩き、埋まるところはスノーシューに換え、無理やりスノーシューのまま1823峰ピークまで。下りスノーシューはちょっと微妙なのでアイゼンに換えて歩く。ピラトコミ分岐を越えてズボりはじめたあたりでまたスノーシュー。コイカク北面が神々しい。次の夢が膨らむ。コイカク岩稜はアイゼンにして日高側を捲いて通過。氷化した斜面にアイゼンピッケルが心地よく決まって快適。コイカクから夏尾根を下降。途中の岩稜は氷が張っていて今山行中で最も緊張したかもしれない。Co1300まで下りたらあとは安全地帯。スノーシューに換えて滑り降りてコイカク沢まで。雪の少ないコイカク沢はそれはそれでちょっとめんどかった。札内ヒュッテで快適に泊まるつもりだったが、1人だからか全然小屋が暖まらず、虫の死骸も大量で(掃除したけど)なんかつらかった。1/11 晴→雪 札内ヒュッテ(10:00)札内ダム(11:00)中札内道の駅(16:00) 朝起きたら小屋が寒すぎてつらかった。日が出るとむしろ外のほうが暖かい。小屋でこんなにつらいの初めて。掃除して出発。ピョウタンの滝越えたら誰か乗っけてくれるでしょと思っていたが、そんな甘いことは無く、100台くらいの車に素通りされながら札内ダムから最寄バス停道の駅中札内までの28kmの道をひたすら歩いた。最後のほうは精神崩壊しかけていたので後ろから追い越して素通りしていく車一台一台に呪詛の言葉を吐き捨てていた(完全に逆恨み、ごめんなさい)。 中札内のバス停から帯広へ行ってはげ天へ行ったはいいものの、猛烈な2つ玉低気圧によって道内各地は大荒れ、帯広も未曾有の大雪ということでバスとJRは前便運休。帯広駅で無事帰宅難民と化して途方に暮れる。ありがたいことに帯広在住のU野さん宅に停めさせていただくことに。本当にありがとうございます。夜はU野さんとお互い目をつけていたラインの話で盛り上がる。勿論、あそこはお互い目をつけていた……。 翌日もバスは運休で帰札できず、引き続きU野さん宅にお世話になる。色々と良くしてもらって本当にありがとうございました。 出発前は相当にやられるつもりで出かけたが、今回は稜線の状態が良すぎて結構ルンルンで通過して楽しく縦走できてしまった。できるならばこの稜線をまだまだずっと歩いて行きたいと思えた。でも、とても楽しかったというこの感情はきっと大切なのだと思う。自分の限界を攻めるスポート的なクライミングも勿論楽しいが、やっぱり僕は登山が好きなのだと感じることができた山行だったと思う。全部貪欲にやりたい。折角無職なんだ。クライミングも、山も、普通の社会人じゃ両立できないことをやってやろうじゃねえか。そんなことを思った25の冬でした。
|
2022-1-25 3:36 |
上ホロ 正面壁 フィンガーファイブ
上ホロ 正面壁 フィンガーファイブ(アルパインクライミング/十勝連峰)日程:2022-01-23(日帰り)メンバー: sy2017 nrtk7写真:1p目終了点ピーク!1p目、雪多い笑さよなら〜2p目のベガ雄下山晴れ?感想:時間かかりすぎた。現在のカミホロは雪が多すぎて、フォローで登る分には楽チンだが、リードだと、プロテクションが微妙…。精神力、登攀能力、支点構築全てにおいて改善の余地あり。ところで、中央クーロアールや3段ルンゼはこの雪の量だともう終わってると思われる。やはりシーズン初めこそ、赤岩やカムイでお茶を濁さずに雪の付いてないカミホロのルンゼ系のルートに行くべきだと思った。 今日は前から行きたかった正面壁フィンガーファイブへ。 アプローチは沢に下りたあたりからホワイトアウト。記憶と勘と地図とコンパスを頼りに取り付き尾根に取り付き、ひたすら登る。ナイフリッジはそんなに細くなく取り付きバンドへ到着。 フィンガーファイブへの取り付きはここから左トラバースだが、結構急だし雪も多いのでザイル出して行く。ベガがトップで正規1p目の基部まで。 1p目 成田リード 30m 凹角を登る。ほぼ氷。一部垂直氷でWI4くらいだと思う。スクリューを決めて快適に抜ける。その後は雪壁を15mくらい登って2p目の浅い凹角の基部でスクリュー、イボイボ、トライカム×2で切る。 2p目 佐藤リード 45m 核心ピッチ。左上気味の凹角からカンテを右にまたいでから立った凹角を登って緩くなる。アックスが結構どこにでもバスバス決まって心地よいが、プロテクションを決めるには結構掘らなくてはならなくて時間かかる。イボイボとトライカムで切る。 3p目は成田が雪壁を20m程でピーク。憧れの看板ビレー。 ピーク周辺はホワイトアウト、またも記憶、勘、地図、コンパスを頼りに軽く彷徨いながら何とか上富良野岳の下降点に到着。あとは旧DZ経由で安政火口に降り立ち、下山。 アックスの決まりが良すぎて反則感があったけれど、傾斜もわりとあって、かつピークにダイレクトに突き上げる素晴らしいルートだと思う。ドライなコンディションでまた登りたい。
|
2022-1-25 3:29 |
上ホロ 八手岩 南西面凹角
上ホロ 八手岩 南西面凹角(アルパインクライミング/十勝連峰)日程:2022-01-22(日帰り)メンバー: sy2017 nrtk7写真:2p目朝は晴れ1p目感想:ナイスリードでした。お見事です。 ベガと共に上ホロへ。前日はカムイ岩で2人とも各々の目標ルートで吹っ飛ぶ。夜は東神楽のちえん荘で鹿肉をご馳走になる。 八手尾根を登って正面を右に回りこんで取り付き。まだルート開拓の余地はありそう。 1p目 成田リード 3段ぐらいのハングを越えるが、壁は雪べっとり、ベルグラでスタンス消滅しており厳しい。ただ、所々氷が厚く発達しておりスクリューやアックスがしっかりと決まるところもあった。最初ザック背負って突っ込んだが厳しかったのでクライムダウンを繰り返し、最終的に空身にして突破した。プロテクションはトライカム、カム、ナッツ、スクリュー、岩角、チョックストーンにスリングと総合格闘技的。クライムダウン時にヌンチャクを掴んでしまったが、前進はフリーで行けた。ハング越えた後雪壁を7m程登ってハング基部の岩でビレー。体感M6。 2p目 佐藤リード ハングの岩を左から捲いて浅い凹角。アックスはバシバシ決まって快適。プロテクションはとりづらい。 左トラバースで左ルート2p目終了点に合流し、懸垂1pで八手岩基部に下降。八手尾根を下降して駐車場まで。 初見ルートは充実感があっていい。そして今年の上ホロは氷が多くていい感じだ。
|
2022-1-19 6:02 |
出入り口を最後まで塞げないとき
こんにちは!イグルスキー米山です。 前回の講習で得た出入り口問題の気づきを1点書きます。 出入り口が縦長になってしまうぞ。屋根を塞ぐには「かるかた雪層」が必要。→足元だけからかるかたブロックを供給できないときは、ドームの外側に供給地を作って運び込む。→それには出入り口を最後まで塞げない。→出入り口が縦長の、歩兵連隊の門にあった歩哨所みたいになってしまうよ。 円の内部だけから十分なかるかた雪層のブロックが取れれば、あるいは外にもうひとり居て、外からかるかた雪の長細いブロックを手渡ししてもらえるのなら、出入り口の上に早めに「梁」を渡して、360°まんべんなく均 一にドームを作れます。 本来、ドーム状に屋根を塞ぐには、円が閉じている方が作業がしやすいです。細長いブロックをカーブに橋掛けして、穴を狭くしていくからです。だから、出入り口で円が欠けていると、そこはなかなか屋根がふさがりませ。結果、逆から屋根が攻めてきて出入り口の上からシャッターをおろすような格好になります。 門の脇に柱を立てよう。こういう場合は両脇に長細いブロックを立てて置き、柱を築いて梁を渡しましょう。そのぶん出入り口が前に張り出して内部も少し広くなります。出入りの口が広すぎて、梁が届かない場合も、片側あるいは両側に柱を立てて狭めれば解決します。 出入り口は最終的には小さくしておいたほうが、中が温かいし、塞ぎやすいです。たった一人で作るときに、憶えておきましょう。講習会では一人一個作るので。 きょうはここまで、またね。
|
2022-1-17 21:52 |
カモの会とイグルー講習会・北八ツで
こんにちは!イグルスキー米山です。 まだちょっと早かったかも。北八ヶ岳1月15,16日は首都圏の山岳会、カモの会の8人とイグルー講習会をやりました。そろそろ北八ヶ岳あたりでもイグルーできる積雪なのではないか、東京方面から参加者がくるので白馬村よりは近いほうがよいかと思いましたが、やっぱりまだ満足な積雪ではなかったなあ。 でも探せば鉱脈があるぞ!という稽古になりました。9人全員、無事3人用×3イグルーで泊まれて、翌日は一人一個、多い人は2個ずつ作りました。作り放題の楽勝雪質の季節ではこの苦労は経験できません。 カモの会は、ヤマレコの生まれ故郷です。会員の年齢層が広く、若手もイグルーを身に着けて、積雪期の可能性を広げたいと講習希望がありました。昨年予定だったのにコロナで延期になり、一年越しの実現です。 長細いブロックを産出できる、かるかた雪の層をいかに見つけるかイグルー作りには壁を内傾させ屋根を塞ぐ、長細い、軽くて硬いブロックが10本ちょっとは必要です。この層は新雪の下にあり、降ってから低温下で日が経って、ある程度自重などで締まった層です。 「指で押しても穴があかないけど、ノコをギコギコしなくても刀のように切れる硬さ」 です。この層さえ見つければ、もうできたも同然なのですが、今回の現場はこの層がわずか50センチほどだけで、とても足元からだけでは供給できず、周りにブロック供給地を広げることになりました。地形の僅かな起伏で、数メートル離れるだけでこの層が無かったり、豊富になったりと、適正地を探す目が問われました。 メンバーの一人がプローブ(ゾンデ棒?でかるかた層が1m近いところを探り当てて、良い場所に作っていました。これは有効です。そこでは、供給地を外にしなくても、足元だけから積んで完成させました。 メンバーは雪洞経験とイグルー挑戦経験あり何人かはイグルーに事前に挑んでみたということで、今回でずいぶん手応えを得たとのことでした。作ってしまうと、できることが信じられる。できる前は、とうてい作れると思えない。ここがイグルーの面白いところです。 今回気が付きましたが、一日目にブロック取りに専念していた人は、二日目に個人イグルーを作るとき、すごく早く作ることができました。やはりイグルー作りの要点は、ブロック切り出し技術だと思います。良いブロックをいかにテキパキ切り出すかが、スピードを決めます。 今月末には、早速実践の山行を行うとのこと、山行記録が楽しみです。 今回気がついたこと2,3点を次回、書きたいと思います。 きょうはここまで。またね。
|
2022-1-12 2:15 |
北見山地( 藻瀬狩山〜手塩岳)
北見山地( 藻瀬狩山〜手塩岳)(積雪期ピークハント/縦走/道北・利尻)日程:2021-12-27〜2022-01-01メンバー: nikonikoaokazu kasaisnt2016 shu2019 yumepporo Mt-sunnyコースタイム:写真: 藻瀬狩山の登り。小屋で賑やかな年越し。HEAVEN HILL。ケンタッキー。職人の魂とアメリカンドリームを味わう。ギチギチの刑はM時代の思い出になるだろう。。。真っ直ぐの道。手塩ピーク。決めポーズ。 藻瀬狩山ピーク。手塩を振り返る。一瞬の晴れをついた1枚。出発S木くん。遠くを見つめる2人。髪が凍ったS木くん。渚滑ピーク手前。感想:青木:僻地の山小屋を暖めて、そこで酒を飲むのが楽しいなと思います。皆さんと年を越せて良かったです。笠井:大晦日の僥倖。元旦、至福の林道歩き。ケンタッキーの恵み。賑やかなMにも囲まれ、感謝あるのみ。村井:厳しい寒さの中に温かさを感じられる良いメインでした。おじさんと若者に幸あれ。石川:年末年始をルームらしい山旅で過ごせて幸せです。みなさんが健康で楽しい2022年になりますように。山下:山が好きだ!😃小川:支えてもらってばかりでしたが、六日間歩ききることができて達成感でいっぱいです。本当にありがとうございました。齋藤:昼ごろに晴れるピーク、稜線が気持ち良かったです。雪はもふもふでした。年上のLsの雰囲気を味わいながら楽しい旅ができました。みなさんありがとうございました。鈴木:楽しいパーティで、山旅を満喫できました。
|
2022-1-6 6:15 |
厳冬期日高横断単独行 西川尾根〜1823峰〜ピラトコミ
厳冬期日高横断単独行 西川尾根〜1823峰〜ピラトコミ(積雪期ピークハント/縦走/日高山脈)日程:2021-12-30〜2022-01-05メンバー: Iida_2017コースタイム:写真:1823の肩,この後2hヤバヤバ!落ちたらコイボク39北面一番好きな景色C1写ってないけど,下が急なルンゼになってて怖い急に何でも金で買える世界に切り替わると脳がバグるとるに足らない山とか書いたのはどこの誰だ俺と西川毎晩ちゃんと飾った。Ω4=5( ̄∇ ̄)再び道道111ピラトコミピークより十勝平野ようやく大橋そういえば初日の出西川それっぽく( ^ω^ )記録にあった1620の岩峰日高は下降尾根からはコイカクが美しいこっちもめんどくさいぞ〜どうせ北大の関係者だろと思ったらやっぱり今年も通った尾根末端取り付きはどこもこんなもんでしょう名無三の沢fin全部見える去年入渓すらできなかった23南面北まで右に落ちればナナシ,左に落ちればコイボク西川ピーク南から感想:もはや徒歩旅行。自分のマゾ気質に毎度驚かされてばかりです。山行中8割くらいの時間,俺何やってんだろうって思って歩いていた。人との繋がりを絶っているときにこそ,人との繋がりを強く強く感じます。記録の少ない(またはない)ところの詳細な記録を残すことは,ある意味罪かもしれないと思ったり。
|
2022-1-5 5:19 |
厳冬期中北部日高縦走(新冠湖〜イドンナップ岳〜ナメワッカ岳〜カムイエクウチカウシ山〜1823峰〜コイカク夏尾根)
厳冬期中北部日高縦走(新冠湖〜イドンナップ岳〜ナメワッカ岳〜カムイエクウチカウシ山〜1823峰〜コイカク夏尾根)(積雪期ピークハント/縦走/日高山脈)日程:2021-12-25〜2022-01-02メンバー: sy2017 Takenaka2017コースタイム:写真:倒木ジャングル宇宙を感じる青2人ともカメラのバッテリー落ちて最終日はこの一枚のみ広く快適な尾根毎日朝晩歯磨きカムエクdaizouさんピラミッド正しい林道に戻ったところ朝日で輝く主稜線へ道内ボルダラーもここまでは足を伸ばさないだろう。深緑の水の色がなかなか綺麗だった歩いてきた東西稜線をバックに札内岳〜十勝幌尻岳を歩いていないので厳密には東稜線?春別岳までの岩稜帯写真だと伝わりにくいけど結構厄介でしたAACH式リゾット“雑水”+ウィンナー遠く望む主稜線新冠富士へ札内JP手前は少し細い噂は本物らしいこいつの偵察山行でもあった半雪洞三段イグルー風雪しのげそうボルダー物色中「ナンガ・パルバート単独行」の腰の角度と同じ佐藤薮だらけ1917峰はデカい。なぜアイヌ語のピーク名がないのか。感想:フリークライマーが本職なので、一ヶ月前から急ピッチで体を仕上げた。具体的にはクライミングジムへのランニングやスクワット、食事療法等。なんとかメインまでに間に合ってよかった。ところで今回テントを持っていったが、イグルーを作るのを面倒くさがり前半はほとんどテント泊で非常に寒い思いをした。低気圧の前日には流石に作ったが、やはり暖かく快適でテントとは雲泥の差だった。が、技術的に自分たちが作っているのはイグルー型雪洞であり、ブロックを積み上げる技術を習得したいと強く思った。単独、テントフリー、全山、冬型と分かったうえでの39At。先輩方は本当にすごい。でも、今の僕達にできることはやれたかな。何よりも毎日楽しいと感じれたことが嬉しかった。
|
2022-1-4 1:19 |
2021冬メイン2年班(南日高3山縦走)
2021冬メイン2年班(南日高3山縦走)(積雪期ピークハント/縦走/日高山脈)日程:2021-12-25〜2021-12-31メンバー: Nakagawa2019 TnkYutaro2019 koichiro_mコースタイム:写真:C3より残照のソエマツこの先靴幅マスソエマツへソエマツピリカ間は日高側切れ落ちてるさらに南下まさにピリカヌプリ尾根頭より神威靴幅山より神威岳雲の向こうにピリカを感じて神威ピークより南望ケツと神経すり減らして下山西峰先からEP風に叩かれながらトヨニへ高度感◎クリス雪庇ニョキDay4朝。悪い夢なら覚めてくれ。快適Ω寒すぎて壊れたALC4よりピリカ角煮キムチ韓国海苔ニンニク背脂雑炊これ登るんか笑もはや森ソエマツからピリカを目指してDay6朝、しめ縄燃やして出発ピリカ直下はEPでBSピリカ頂稜どんどん頭が悪くなる、、、北望ピリカピーク感想:WE ARE STILL ON THE ROAD
|
2021-12-30 10:24 |
イグルー模型つくってみようか
こんにちは、イグルスキー米山です。 年の瀬です。今週は日本海側にドバドバ、いま住んでいる名古屋でも、ほんのりと雪がつもりました。山スキー派は、さっそく、乗鞍の東面、西面に出かけてラッセルしていますね。新雪というのは、降って数日した頃がイグルーどきです。もう今週末からは、結構なエリアでイグルー泊ができるようになると思います。 もし仲間の都合が付けば、2月にはマイナー山域の越美国境か、乗鞍岳西面を日数続く限りイグルーで長距離山スキー山行をしたいなどと考えています。あそこらへんにもたくさん降ったようです。 この冬もイグルー作りの講習を出来得る限りお受けしているのですが、もっと広くコツを広げるために、模型を作って動画にしたらいいだろうか、なんて考えています。 ブロック(30cmx30cmx50cm)を足元からきれいに切り出して、それを周りに積んでいくのですが、イメージとしては消しゴムのちょっと短いやつ。3:3:5くらいので二段目まで積んで、その後は長いのや縦割りのを3,4段目に積んでいく模型。それを動画で撮って示すの。材料は、消しゴムか、だいこん。始めは平らな白い地面から、ブロックを掘り出して積むコマ撮り動画。楽しそうじゃない?スマフォ一つでできるかな。 お正月にできればやってみたいです。きょうは構想だけですが。 きょうはここまで、またね〜。
|
2021-12-30 4:15 |
尾瀬(敗退)
尾瀬(敗退)(積雪期ピークハント/縦走/尾瀬・奥利根)日程:2021-12-25〜2021-12-26メンバー: Kashiken imuraコース状況/その他周辺情報:12/25 ゲート(11:00-15:00)鳩待峠 ※所要時間はラッセルがほとんどない状態(くるぶしくらい)。寒波に備えて重くなった荷物にあえぎながら、ゲートから鳩待峠まで10.5kmの林道を歩く。鳩待峠にて積雪深120cmくらいの吹き溜まりの所を見つけて、2人用のイグルーを2hかかって作る。今回はテントフリーのため、イグルーを作れないと悲惨なことになるので、必死になって作った。久しぶりに作ったが製作にかなり時間がかかっているので、まだまだ修行が足りない。ブロックの隙間を埋めなかったため、通気性が抜群であったが、寝ている間にうっすら雪が積もっていた。今度から適度に隙間を埋める必要がありそう。夜は新潟の酒屋で買ったうまい酒を飲み比べ。鳩待峠は楽天モバイルでも電波が4本入っていた。さすが尾瀬。12/26 鳩待峠(9:30-13:00)ゲート ※所要時間は新雪が30cmほど降った直後の状態。(すねくらい)予報通りの大寒波で、視界がなく、ピークアタックができないため、やむを得ず下山することに。真冬らしい天気で、厳冬期の山の雰囲気を楽しむ。年末年始は冬型で天気が悪いことが多いので、この時期はうまく樹林内を繋いだ山行を計画しても面白いかもしれないと感じた。もちろんテントフリーで。写真:初尾瀬。最初の1時間くらいは車輪跡がついていた。30cmくらい積もった。新雪のため、下りでも進みが遅い。イグルーの中から。ぼこぼこ。残りの3時間はくるぶしくらいのラッセル感想:久しぶりにイグルー泊をしたが、?トイレの度に靴を履く必要もなく(小便ならイグルー内でも問題なし、大便はパーティによる。。)、?大雪でも除雪をする必要がなく(今回の気象条件なら夜に1〜2回程度は除雪が必要)、?内部で立てる程度の解放感があり(下を掘り下げれば、高さが200cmくらいになった)、?炊事を中でしても湿気がたまらず、?水用の雪もとりやすく、?テントがいらないため、軽量化が図れる(スノーソー(のこぎり)とスコップのみでOK)ので、本当にいいことづくめ。テントより断然快適なので、もっともっと技術を磨いていきたい。
|
2021-12-25 4:56 |
新雪は踏み固めてはいけない
こんにちは、イグルスキー米山です。 前回のイグルー作りで、何年も挑戦してきた人でもにいわれてみるまで案外気が付かなかったという点に気が付きました。思い込みというのは結構強いものです。 新雪は踏み固めない。どかします。テント設営の習慣などから、まずはじめにイグルー作るんだし、ラッセルしてきた深いふわふわ雪を踏み固めなくちゃ、と思いませんか?踏み固めなくて良いのです。脇にどけてしまいましょう。山行行動中のイグルー設営は急いでいます。踏んで固まるには多少時間がかかりますが、どけたほうが早いのです。 テントと違って、ふわふわ雪の基準が違いますから、どける層はそんなに厚くありません。救って、手からこぼれ落ちる柔らかさの分だけなので10センチとかそんなところです。これは降り積もってから1日も経っていない分です。 切りやすく、運びやすく、くっつきやすい密度イグルーブロックで使う雪質は、「救ってこぼれ落ちさえしなければOK」です。テントを張るにはちょっと柔らかくて沈むような雪でも、ブロックになればOKです。雪は積もった後自分の重さで沈み、たぶん数日で程よい硬さに変わっていきます。そのぐらいの固まり具合が、イグルー用ブロックには最適なのです。切りやすく、運びやすく、くっつきやすい、工作に適した締まり具合です。新雪をどけた下の1mくらいが、これから掘り出すブロック供給地兼生活スペースになります。ゴチゴチに踏み固めた雪をわざわざ作る必要はまったくありません。 先週の雪に加え、今晩はいよいよクリスマスのトドメの雪が降りますね。今シーズンも着実に山の上ではイグルーの雪が積もっていきます。楽しみですね。 きょうはここまで、またね。 |
2021-12-18 15:59 |
少雪季の4人用は難!(12月の掟)
こんにちは、イグルスキーです。 前回の初冬イグルー講習で気づいたことその1です。 「イグルーを登山実用で使うには、製作1時間以内が限度」なので、ドームを小さく作ることが重要です。「作るドーム部の大きさは内径1.8mが限度」です。となると、4人用は厳しい。なぜか? 1.8mとは畳の長い方の尺です。畳2つ並べると2畳=1坪の正方形。混んでる山小屋ならここに3,4人押し込みます。冬山だからくっついて眠るので幅は一人45cm、一坪に4人でちょうどよいです。殆どの人は身長1.8m以下です。 1時間で作れる標準サイズイグルーは、いいとこ3人まで内経1.8m円形ということは、真ん中にのっぽが一人、両脇に1.6mくらいの人が二人で合計3人くらいのイメージです(左の図)。でももし1.8mのノッポが3〜4人いれば、圓に内接する正方形の対角線が1.8×√4なので(ピタゴラスです)内経が2.54mになってしまいます。これはでかくて、ちょっと屋根を塞ぐのはかなり難しい(中の図)。この直径でスタートすると、実践イグルーでは、失敗コースです。 でも雪面下に掘り広げると、1時間で4人用が可能だから4人以上のときは、見かけ上のドーム部は小さくまとめて、雪面下で横広げにブロックを切り進めて屋根材にして空間を広げます(上の図の一番右の図)。そして床の形を内経2.54mのでかい円形にする必要はなく、2畳の正方形で十分です。動物と違って人間は、丸ではなく四角の空間のほうが使いやすいのです。それに側壁から長く真っ直ぐなブロックを切り出すので壁も平らになります。 少雪季の4人はどうする?初冬でまだ積雪が少なく、足元のブロックを2段分つまり1m近くも掘り下げできないときは、雪面下で横に広げる方法が使えないので、見かけのドームがほぼイグルーの広さになります。 ということは、4人用は1時間では作れません。二手に分かれて連結ひょうたん島式で2+2や3+3で行きましょう。 雪が深ければ、ドームはもっと小さくできるということは、2〜3人用のイグルーが内経1.8mと先に書きましたが、下に掘って横に広げられる深雪なら、始めのドームは直径1.5mくらいで十分です。というか一段目は1辺1.5mの方形(つまりその上に積むドームの内径はもっと小さくできる)で作ってもOKです。当然ドームが小さいほど屋根塞ぎはとても簡単になります。これより小さく作ると狭くなって作業がしにくくなります。ブロック有効な積雪が1mを越える、1月以降ならば、イグルーを作るのが簡単になるのです。 211210 イグルー講習会@西穂高岳 : 同志社大学 体育会 山岳部 公式ブログ 日程:2021年12月10日(金)〜12日(日)場所:長野県西穂高岳周辺目的:イグルー作成の技術習得参加者:加藤(3)秋田(3)境野(3)坂東(1)兼松(1)小倉(1)西村(1)武田(1)小谷(監督)齋藤(コーチ)山口(OB)宇野(OB)須見(OB) 米山さん(講師)去る12月の1 blog.livedoor.jp |
2021-12-14 7:20 |
同志社大山岳部はイグルーが大好き!
同志社は「イグル好きー」だったこんにちは!イグルスキー米山です。 今年もついに冬がやってきました。コロナや異常気象もあるけど、季節が巡ってくるのは本当にありがたいです。 10月に日本山岳会の計らいで京都で講演した折に、最前列で聞いてくれていた同志社の若手OBから、ぜひ現場講習を、とのうれしいリクエストを頂きました。聞けば同志社は知床や利尻などの北海道の冬季山行が大好きで、みなイグルーに対する関心が凄く高いのです。 更に長距離冬季山行だけではなく利尻の登攀みたいな細くて急なところでもイグルーができるというのが響いたみたいです。イグルーが好きなやつはみんなイグルスキーですね。 この季節に14人!積雪ある場所を探して。しかし、日程オファーは12月の2週め。積雪が少なく、雪も固まりきっていないほど、イグルー作りの難易度は高まります。でも、今月のうちに腕を磨いて、できれば正月の長期登山で実践したいって言うんだから、やります。学生時代は短いんだ、ひと冬も無駄に過ごしちゃいけない。 一個や二個なら、周りがヤブでも積雪50センチで作れますが、14人分+練習用として20やそこらを作るにはキツい季節です。始め期待していた魅惑の未踏峰、アカンダナ山はまだ真っ黒なのでやめました。 京都と名古屋から一番近い西穂に、ロープウエイのパワーを借りて登りました。標高2220m、西穂山荘から南に標高差100mほど下ったところ、吹き溜まりのありそうな地形に見当をつけたら当たりました。毎回発見の連続です。 日が暮れてしまった〜前日のうちに登って、積雪情報をくれた先発隊4人がすでに池の畔で作り始めていました。スゲえ気合です。さっそくイグルスキーが一個作って見せました。すでに試していたメンバーからは、細かな技を直に見て、いろいろとガッテンとの反応が出ました。 開始時間が遅く(15時ころ)なっていたので、中段のコツを説明した段階で、各々に始めてもらいました。イグルスキーのは1時間ちょっとでできましたが、完成後、整形中に内部の土台を削りすぎて全崩落という痛恨の失敗があり瓦解、やり直したため、みんなのイグルーの細かい指導が甘くなり、暗くなってしまいました。ごめん。でもなんとか全員ねぐらを確保して、饗宴となりました。 登山生活40年で、最もゴージャスな宴でした。これだけの料理を仕込み、運び上げ、まかなってくれた力量に驚嘆しました。おいしかったです。お誕生日おめでとう。 翌日はまたみな一個ずつ作りました。中段から、思い切って内側にせり出すのがコツです。ここで攻めないと、高い塔が出来上がり、天守閣型のやつになります。安土城ですね。会場のあちこちから、崩落のたびに悲しげな叫び声が響くのもイグルー練習の楽しいところ。悲しいときは大声で泣き叫びましょう。阿鼻叫喚。 今回の気づき・下に掘れなければ4人用は無理事前には4人用イグルー4つ位をイメージしていたのですが、40分で作るドームの大きさは構造的に限界があり(内径1.8mくらいまでだと思う)、これだとと身長180センチの人と両脇に160センチ位の人の三人が限界。4人用にするには地面の下に1mくらい掘れて、その両脇を広げられる積雪がなければならない。だから積雪1m弱では、2〜3人用が限界です。それをいくつか連結式にするとOKです。 今回の気づき・石切場と出入り口の位置は上向き足元だけからブロックを供給できないから、供給地(石切場とよんでます)からブロックを運び込みます。重いブロックを運ぶので、斜面の上側から降ろしたほうが楽なので、石切り場はイグルーの上側になります。運び込みの出入り口は終盤まで梁を載せられないので、入り口も斜面の上を向きます。梁をつけてしまうと出入りでくぐらなければならないけど、梁を載せないとなかなか天井を塞ぎづらいです。 2つの気づきは次回以降、わかりやすく図解入で解説します。 きょうはここまで。またね。 山行記録: 同志社大山岳部とイグルー講習会・西穂 2021年12月11日(2日間) 槍・穂高・乗鞍, 講習/トレーニング / yoneyamaの山行記録 www.yamareco.com |
2021-12-4 6:51 |
疲労凍死とイグルー
疲労凍死雪山で死に至る要注意な危険の一つ「疲労凍死」は、バテて動けなくなり、死んでしまう事故です。何かの要因で体力の限界になってしまったら、体幹の温度が下がり(低体温症)、本人は歩くことも思考することも難しくなります。パーティーの一人が動けなくなったとき、置き去りにできず全員が動けなくなり体温が下がります。悪天の雪山で長時間動けないということ自体が非常に危険なことです。 メンバーが低体温症で行動不能になったトラブルは私自身は幸い経験がありません。が、私がイグルーにこだわる事になった理由は、ある低体温症による疲労凍死事故が大きく影響しています。 北大の知床遭難1979年3月、北大山岳部の知床遭難事故がありました。4,4,3,1,1年目部員(留年が多いので年生ではなく年目といいます)のパーティーで岬を目指す2週間の縦走計画でしたが、途中強い2つ玉低気圧の暴風雪でテントが潰され、徹夜で何時間も雪かきをしていた上級生3人が相次いで疲労凍死しました。知床は標高こそ低いのですが、海岸線からほぼ樹林限界で、半島自体が白い山脈と化すのです。それほど気候の厳しいところです。 私の居た1980年代、この遭難の影響を受けて北大山岳部では、悪天のとき逃げ場のない場所でテント泊をしないことに計画の検討方針を決めました。しかしそれでは日高もヒマラヤも行けなくなってしまいます。経験が積めなければ更にできることが少なくなってしまう。 そんな中で私が5年目になったとき、はるか昔に北大で発達しながら、便利なドームテントの登場で廃れていたイグルー技術を、もう一度見直してみたいと思いなおしました。そして三つのイグルーを進めて三回の悪天を迎え撃ち、中部日高の縦走計画を貫徹することができました。 1902青森歩兵連隊の八甲田。1962北海道学芸大の大雪旭岳。1963愛知大の薬師岳。もし、暴風雪の中で何時間も為すすべのなかった数多の遭難者たちがイグルーの技術を身に着けていたら、と空想することがあります。朦朧とした遭難者の彷徨は、暴風雪の中、ほとんど距離を稼げずに数時間続きます。イグルーは積雪50センチの吹き溜まりがあれば40分で作れます。ただ、作ったことがなければ、とても作れるとは思えません。 そしてノコとスコップとその積雪がなければ、やはり作ることはできない。 先週起きた、白山の遭難今週は、11月24日に白山であった疲労凍死事故の詳細記録を読んで、心がずっと囚われていました。チームは過去の記録を読む限り経験も技術も体力も十分な面々のようでしたが、その本質的な「スピード」が仇になったのかもしれません。小さな弱点が大きな違いになってしまった。これほど鍛錬していた人たちでも、その方法だけでは越えられなかった。 通常、遭難直後は当事者でなければ詳しい情報は無いので詳細記録を読む前には予断を口にしないようにしていますが、最近は時間が経っても責任を持って発表する人は多くありません。今回は常々記録を出していた人でもあり、非常に早くに詳細を読みました。こうして遭難の詳細を、時間をおかずに読むことで実に様々な思索をします。 我が身、我が家族、我が共同体、我が事として。 山行記録: 白山(遭難事故) 2021年11月24日(日帰り) 白山, 山滑走 / YSHRの山行記録 www.yamareco.com
|
2021-11-28 11:59 |
冬季赤岩 ミナヅキリッジ
冬季赤岩 ミナヅキリッジ(アルパインクライミング/札幌近郊)日程:2021-11-28(日帰り)メンバー: midori428 sy2017コースタイム:コース状況/その他周辺情報:壁はドライ写真:ピナクルリッジ4p目31p目前日、マントルで激パンプしながら、ユクM10RP→翌日に少し響いた24p目感想:ミックスクライミング、クラッククライミング、フリークライミングの融合。赤岩での冬季登攀それ自体が楽しい。
|
2021-11-19 21:21 |
山と渓谷12月号にイグルスキー記事
こんにちは、イグルスキーです。 山と渓谷12月号に載せてもらいました。「雪まみれの先輩たち」という企画の一角で、イグルーを使ったテントフリー登山について。山と渓谷の12月号では二年前にもイグルーの特集記事を載せていただきました。やっぱり雪はまだ降ってないけど雪山妄想が膨らむこの季節の定番企画になると、嬉しいところです。記事は6pにわたり、他にプロスノーボーダーの田中幸さん、北大WVOBの野村良太さんとの三人の一問一答形式の構成です。イグルー、バックカントリースノーボード、全山縦走の話です。 ピンチな経験ピンチな経験はありますか?という質問に、私自身は死にかけたことは無いな、と思って「ほとんどありません」と答えはしたのですが、後からよく考えてみると、自身のピンチはなくても同行者の死にかけ経験は何度もありました。 ナムチャバルワでは目の前で仲間が雪崩で亡くなりましたし、富士山では仲間が500mも滑落したのに骨折で済みました。学生時代に上ホロカメットクのD尾根で、ホワイトアウトのナイフリッジでメンバーが転落したけど数メートル下の段差で止まったこともありました。ウエンシリの巨大スラブではノーザイルで延々微妙なクライミングをして、メンバーが転落したこともあった。 自身のピンチだけでなく、パーティーのピンチだったことを、深く自分のこととして反省点として認識できていなかったんだな、と、印刷物になって来たのを読んで、あらためて知りました。隠したかったわけではないのに出なかったのは、自分の中で自分の過失として受け止められていなかったのかもしれません。 山ではなかったピンチ自分自身の過失として生涯最大レベルで一番後悔しているのは、山の中の技術的なミスではありませんでした。知床での長期山行で、最終下山日を一日だけ延期して変更したことを、下山連絡先に伝えただけで家族に伝え忘れたばっかりに捜索願を出されて、マスコミ沙汰の大騒ぎになってしまったことがありました。このとき、全国で遭難騒ぎが相次いでニュースになっていたせいもあり、家族が、警察が、マスコミが、過剰に心配してしまったのです。 山の遭難に加えて、一番怖いのは世間の仕打ちです。おそらく人生を変えるほど強い影響の事件でしたが、家族の気持ちを甘く見ていた自分のせいだと思っています。 とても省スペースでは説明できないので、記事では省きました。 きょうはここまで。またね。
|
2021-11-18 5:51 |
リスペクト アリサ・フランクリンの伝記映画
イグルー&冬山シーズンを前に、山の計画を練る季節です。今年もやりますよ。でもまだ雪がないので、好きなこと書いていきます。映画の感想を番外編で載せます。イグルスキーは60〜70年代のブルース・ロック、ソウルが大好きです。
ジェニファー・ハドソンが主演のアリサ・フランクリンを見てきました。天才アリサをやれるのは天才ジェニファーしかいません。
オーティス・レディングの「リスペクト」が、真夜中のセッションでどんどんアリサ風に変わっていくレコーディングのシーンがお見事でした。「ほんのちょっとのリスペストをください」とDV男に向けての歌だったんだ。オーティスの歌の印象とは違って完全にアリサの曲に。 アリサの歌いだしを聴いて、初顔合わせのバンドのメンバーが気配を感じ取り、メキメキ曲ができていく、後に伝説的に有名になったアラバマ州マッスル・ショールズのフェイムスタジオでのセッションのシーンが再現されていて、ここが一番の見所かな、と思いました。 かかるナンバーが全部好きです。最後のシーンの教会ライブで、アメイジング・グレイスを歌うドキュメントフィルムを半年前に見ましたが、ピアノ弾きのちょっとダサいシャツとネクタイそのまま再現していて面白かったです。 ジェンダー&黒人差別とパワハラだらけの時代。父親、パートナーのDVとの苦闘のなかで、天才アリサだって苦しんで歌ったんだな!ということが深くわかる映画でした。 それにしてもどのオトコもありえないほどのダメオばっかで、まるで古典バレエの脚本みたいだったよ・・・。今ジェンダー関連本を固め打ちで読んでいるので、ますます。 アリサのおなじみナンバーを歌うジェニファー・ハドソンのサントラ盤も今週ずっとかけっぱなしです。山でも頭の中で鳴りっぱなし。 |
2021-11-15 11:40 |
赤岩 西奥壁 凹角ルート
赤岩 西奥壁 凹角ルート(アルパインクライミング/札幌近郊)日程:2021-11-14(日帰り)メンバー: sy2017 Mt-sunnyコースタイム:写真:西壁Kの上部フェース2p目1p目奥チムのど真ん中のワイドクラックが気になる感想:とにかく怖かった。これを面白いとは思えなかった。精神的な成長に繋がると信じたい。あ、アイゼンアックスではとても登れる代物ではありません!
|
2021-11-14 11:52 |
御池岳から茶屋川を杠葉尾まで
御池岳から茶屋川を杠葉尾まで(沢登り/霊仙・伊吹・藤原)日程:2021-11-13〜2021-11-14メンバー: yoneyama macchan90写真:最後の数mが降りられず巻き直し巨岩窯跡三本杉の窯跡石灰岩の風景三筋滝を右岸からまくおっ立てケルン杉葉を拾う萌え残りの紅葉茨川少し上のモミジは紅黄緑の三色だった素敵な車両です。巨岩カタクリ峠に近い谷の中はライムストーン日が当たる日が低く終日夕景のよう三筋滝の上一本紅葉の置き忘れおっ立てケルン沢の中の石灰岩三筋滝、12m谷を下る茨川集落のお宮赤葡萄酒とにんじんサラミチーズ朝メシ赤い木立美しい源流石灰岩おっ立った三岐鉄道北勢線の終点、阿下喜(あげき)駅におろしてもらう朝。マルタイ餅にんじん茨川少し上、天然林と植林の境目オイルサーディンケチャッピースパゲティ三筋滝の上三筋滝、12m憩い三筋滝右岸にはロープがフィックスされていた落ち葉谷のラッセルボタンボッチの崖の上紅葉と苔石ボタンボッチの崖の上5m滝巻いて降りる美しい源流斜行の苔森車両の幅はやや狭い。炭鉱鉄道みたい。石灰岩高山と藤原岳遠景斜行の落ち葉谷憩い杉の幹の長い苔茨川集落の山岳部室2茨川集落のお宮茨川少し上のモミジは紅黄緑の三色だった茨川集落のお宮コブ登りの急登点火石灰岩=ライムストーンのゴチゴチ岩むむ。光を浴びる苔車から10歩以内のキャンパーの群れボタンボッチの崖の上、遠くに琵琶湖。長い茶屋川林道は世間話で雑木林の逆光美しい源流茨川少し上のモミジは紅黄緑の三色だった茨川集落の山岳部室1坪庭にしたいボタンボッチへの草原。シカ食害で作の中のみ従来の植生のよう。ボタンボッチの崖の上ザックスペース石灰岩のデブリボタンボッチへのカルスト平原地下足袋で乗車茨川集落のお宮赤葡萄酒とにんじんサラミチーズ感想:昨年の今頃霊仙山から藤原岳まで歩いたとき、とても気に入った茶屋川源流部にもう一回泊まりに行った。杣人の痕跡、落ち葉のラッセル、緩やかな谷、石灰岩の清水、苔の森、ほのかな紅葉、喧騒無き渓谷を満喫した。谷には小さな滝と大きな滝が一つずつ。水は泊まり場にのみあり。ここは三本杉の下に炭焼きの窯跡があり、自動車道のない時代は人々が通ったのだろうと思う。茶屋谷は古い地図には登山路も描かれたようだが、今はなにもない。茨川という集落は昭和40年、林道が通じた直後に廃村になったという。ここは治田(はった)峠への東西横断路の渡渉点という理由で集落ができたのだと思う。多分茶屋川の下流からではなく、尾根超えのオアシスだったのではないか。特に集落を作るのに最適な地形というわけではないから、多分それが立地の理由だろうと推測する。八幡工業高校と名古屋大学ワンゲルの山岳部室の看板のある古民家が二軒と、お宮がある。河原の鳥居も立っている。静かな廃村跡を想像して降りて来たら、ここまで伸びて来ている林道を使って車が何台も横付けしてあって、オートキャンプの人たちでわんさかだった。ここから杠葉尾までの林道も内燃機関のオートモービルがたくさん行ったり来たりしていた。林道はなかなかのんきに歩ける良い道だった。側壁もそれほど険しくないから、あまり土砂崩れもなく、通行止めも無いのだろう。杠葉尾まで歩行軌跡がつながり、ヤマレコの赤線が鈴鹿山脈でズババッとつながった。お見事なり。20年ほど前、雨乞岳から神崎川を下って杠葉尾(ゆずりお)に下山して近江八幡行きの路線バスに乗った時は、石榑トンネル(2011年開通とのこと)もなく、杠葉尾は静かな最終集落だった。そういえば道路工事をドカドカしていたなあ。2020年https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2755498.html2000年https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-21268.html
|
2021-11-9 10:05 |
小樽赤岩 マグニチュード
小樽赤岩 マグニチュード(フリークライミング/札幌近郊)日程:2021-11-06(日帰り)メンバー: Takenaka2017 Nakagawa2019コースタイム:写真:感想:「たのむ、登らせてくれ……」のら猫と一緒に飯をくらうことはなかったけれど、核心ムーブへのアプローチクライムをそんな祈るような気持ちで何度繰り返しただろうか。RP当日も、最後のデッド失敗やパンプ落ちを繰り返し、自分の力量不足を痛感。日没迫るなか、天気的にも今シーズンのラストトライで成功した時は思わず涙が溢れました。一緒に登ったaachの仲間(ビレイも写真もありがとう!)と素晴らしいルートに感謝。トライ数:8日,27トライ 173cm,61kg(BMI=20.4)登れると信じ続ける気持ち、数センチの誤差も許さない集中力、そして一緒にトライしてくれる仲間。何が欠けても登れなかったと思う。冬が来る。さあ山に行こう。
|
2021-11-7 12:45 |
烏帽子岩
烏帽子岩(フリークライミング/支笏・洞爺)日程:2021-11-07(日帰り)メンバー: midori428 sy2017写真:ひよどり越え RP危険な関係 5.10a? ではないです。感想:リボルトされたと聞いていたが、元のボルトはそのまま、ケミカルを近くに打ってる、ボルト位置全部変わってるけど…いいのか?終了点にはケミカル二個のみ、一々懸垂しなければならない。先客がいたのでマルチのリンガムはやめといて、シングルを数本。ボルトが少し遠く、グレードは結構辛い。チョーク跡はほぼなくOSクライミングを楽しめた。宇宙遊泳5.9は★付きなのにボルトがなさそうだった。なぜ? フリーダムファイター、タヒはフェイスのど真ん中の贅沢なライン、(ボルトが古そうなので)NPを駆使してでもトライしたいのでどなたか付き合ってください。勿論リンガムも。
|
2021-11-7 12:21 |
セバチバナ
セバチバナ(フリークライミング/積丹・ニセコ・羊蹄山)日程:2021-11-06(日帰り)メンバー: midori428 sy2017写真:ビッグママ5.11+ Knockin’s heavens door 5.11d/12a 夕陽 5.10b 感想:定期的に来たくなる良い岩場。残置ビナが新しくなってた。感謝也。
|
2021-11-7 11:11 |
知内/小谷石
知内/小谷石(フリークライミング/道南)日程:2021-11-07(日帰り)メンバー: saito1987 Yanke1987写真:小谷石正面からおさかなさん5.9左肩の痛みこらえて気合一発岩場へはすぐ上部セクションウッチー5.10岩は脆いがフリクション効く前日の函館山南壁から移動イカリカイにて朝陽を拝む釣り人も多い磯感想:道南の岩場巡り。色々な岩肌に触れると五感が刺激されます。
|
2021-11-7 10:47 |
函館山南壁
函館山南壁(フリークライミング/道南)日程:2021-11-06(日帰り)メンバー: saito1987 Yanke1987写真:中央スラブ5.10aなんとか登るパンシロン5.9快調快調感想:スカイハイ5.10bルーフクラックは余裕もって越えるも、調子に乗りすぎ上部フェイスで撃沈。左肩を痛めた。
|
2021-11-6 5:56 |
同志社大学講堂でイグルー講演10/16
こんにちは、イグルスキーです。 少し前の話ですみません。10月16日、京都御所の隣、同志社大学の新島講堂で、「野生の山へ」と題して、北大山岳部のイグルー登山について講演を行いました。日本山岳会京都・滋賀支部の主催でした。この春「岐阜百秀山」を出版した清水克宏氏との講演共同です。こちらも知られざる山域・奥美濃(揖斐川源流域)など、野生の山の紹介です。 「高い山より深い山へ」北海道は北にあるため、低くても植生的に「高山」になる。だから広範囲が「高山」になる。広範囲だからその水平距離が伸びるので里からの距離が遠く「深く」なる。すると、山行に時間が必要になるので荷物を軽く、現地で得られるものを利用するフリー登山の発想になる。 「3つのフリー」私が好んでいる登山方法は、テントフリー、登山靴フリー、ストーブフリーの3つです。 ▼テントフリーはイグルーです。この手ブラの満足感、天然との一体感と言ったら。 ▼登山靴フリーは地下足袋です。雪の上だけは厳しいですが、無雪季は沢でも登山道でも全部タビです。登山靴は雪山、氷の山で使うものです。この軽さと地面を踏みしめる快感、天然との一体感と言ったら。 ▼ストーブフリーは、焚き火です。冬季は一応緊急用ストーブを持ちますが、無雪季は完全火起こしです。もちろん登山道には出てきません。この心身に及ぼすエネルギー、自活の満足、天然との一体感。 登山とは、フリーを考えることフリーとは「〜無しで」です。山登りは文明の利器を使うほど、町と変わらなくなってしまうので、何やっているのかわからなくなりますよね。極端なのはヘリコプターやロープウェイで登ってしまう登山です。過程は問わず、突然結果。最短結論。 高所障害のある4000mを超える山では「酸素フリー」が、岩登りでは「エイドフリー」が大きな意味を持ちます。「GPSフリー」や、「衛星携帯フリー」それに「自動車フリー」はどうでしょう? GPSフリーで極夜のグリンランドを歩いた角幡唯介氏が書いていましたが、極地単独徒歩などの冒険記録で、体力的な新記録は問われるけれど、通信手段やGPSのフリーはあまり挑む人が居ません。日本の山でも軽装でワンデイですごい長距離長時間山行をする人も居ますが、「通信手段手ブラ度」はどうでしょうか。メンタル面、文明との隔絶感では、かなり違うと思います。 「自動車フリー」は、日本の登山では大きく変わります。だって、名山ほど、自動車道路がついちゃっていて、往年の山麓からの道は誰も歩かず、富士山や御嶽山などは昭和40年以前の山小屋は廃墟と化していて、シブい登りができるのです。山麓最寄り駅からトコトコ歩けば、野良仕事の農夫や、石垣の古民家の佇まいを眺めながら入山できます。 携帯電話やGPSや自動車は、週末の限られた時間しか登山できない条件で、自分の能力を越えたパフォーマンスを発揮する便利な道具です。これらをフリーにするには時間に余裕が必要でしょう。しかし、便利なものに頼っていると、「それまで誰にでも練習すればできていたことが、練習しなくなるのでできなくなる」ということを忘れないようにしたいものです。「モノ」を得て、「コト」を失うのです。 イグルーも焚き火も地下足袋歩きも、それに地図読みも、慣れれば誰でもできます。 * * * イグルーオフシーズンでもあり、引っ越しなどもあり、夏の間お休みしておりましたが、また連載を始めたいと思います。高山に白い雪が見えるようになりましたね。この冬もよろしくお願いいたします。
|
2021-11-1 12:02 |
小樽赤岩/奥チムニー&西奥
小樽赤岩/奥チムニー&西奥(フリークライミング/札幌近郊)日程:2021-10-31(日帰り)メンバー: saito1987 Yanke1987写真:
|
2021-11-1 3:01 |
S峡 蝦夷生艶気蒲焼
S峡 蝦夷生艶気蒲焼(フリークライミング/北海道)日程:2021-10-30(日帰り)メンバー: sy2017 Mt-sunny写真:黒蛇をRPの中川 1p目 5.9というより、6級なので、初心者のリードはNG3p目ルーティンと化した龍樹 黒蛇右プロジェクトは来年〜感想:初めて蝦夷生を下から登った。北海道を代表するマルチ なのかな?3p目は何度登っても良いが、なにより1p目が面白かった。後輩にはs峡の洗礼を受けてもらい、岳エリアで筋トレして終了。
|
2021-10-31 11:19 |
雷電 北西壁ダイレクト〜ドーム壁開拓
雷電 北西壁ダイレクト〜ドーム壁開拓(アルパインクライミング/積丹・ニセコ・羊蹄山)日程:2021-10-25〜2021-10-26メンバー: Takenaka2017 nrtk7写真:ドーム壁の未登ラインを登る。フォローのげん。落陽かべ暗黒ラッペル北西壁ダイレクト1p目。感想:しょうもないミス連発で成田さんに迷惑かけてしまいました。僕のように根が怠惰で他力本願な人間はシングルピッチ、ゲレンデクライミングばかりだと、山での思考能力が落ちる気がします。やっぱり僕は山屋でありたいと思いました。あと、ユマーリングとエイドのリード練習します笑 クエストの依頼を受けて雷電北西壁ダイレクトとドーム壁へ。折角なのでドーム壁を開拓しようということに。10/25 晴 前日それぞれT峡、H山南壁と行っていたため疲労やらなんやらで結局雷電の駐車場についたのは昼。1日目に北西壁ダイレクトを登って2日目にじっくりとドーム壁を攻める予定だったが、流石に無理なので北西壁ダイレクト3p目までFixして2日目に全部登ってしまうことにした。 踏み跡と藪で1ルンゼに到着。そこから岩壁基部を左にトラバースして北西壁ダイレクト取り付きに到着。1p目げんちゃんA1、2p目げんちゃん岩〜藪漕ぎ、3p目なり藪〜チムニーとリードしてFixして駐車場へ帰る。夜は駐車場でカレー。カレー雑炊ではなく、カレー。10/26 晴 3p目まではユマーリングでサクッと行くつもりだったが、意思疎通がうまくいかなかったり、ユマーリングがあんまり上手くなかったりで結局時間かかってしまった。4p目は竹中がユマーリングで上がってきている間に成田がロープソロで藪漕ぎ〜草付きでFix。5p目は成田が適当に登ってバンド。6p目は竹中がバンドを10m程。7p目は成田が?+の快適な岩登りで北西壁ダイレクト終了。 藪漕いでドーム壁基部へ。1~2時間ほど依頼された捜索を行うが、見つからず。仕方なし。ドーム壁のよさげな未登ラインを登ることにする。 dz氏が積雪期に登った「Peach」の左から木のバンドに這い上がって、Peachの1p目終了点から左のぶったち岩壁のクラックを登ることにする。 1p目 40m 5.10- 成田リード 下部はホールドスタンスの多いクラック。クラックが少し広くなったあと不明瞭になってフェースっぽくなるところが第一核心。プロテクション固めどりで突破。ここは岩は硬くて快適。少々ボロい凹角を登ってルーフ下につく。ルーフ基部にキャメロット0.2と0.75をセットしてルーフ下フェースを右に3mデリケートなトラバースで一本右の凹角に突入。しかしこの凹角がボロい。しかも立っている。浮石をチェックしながら慎重に登るが、草付きバンドへの抜け口のマントルがほぼ全部浮石!辛うじて大丈夫そうなガバを何とか見つけ出し、腕をシェイク。プロテクションはナッツ。落ちたら岩ごともげそう。大丈夫そうなスタンスに乗り込み、腕を伸ばしてマントル上の硬そうな壁の甘いホールドで身体を上げる。思わず吠えた。バンドに立ち上がって、岩壁にキャメ0.4とハーケン×2で終了。 2p目 30m ? 竹中リード なおも続くぶったち岩壁を直上できたら格好いいが、時間がもうないので草付き灌木バンドを右トラバースで「Peach」に合流し、草付き凹角を登って最後の岩壁の下まで。 3p目 15m ? 成田リード 最後の岩壁(チムニールートと同じ)を登って草付に這い上がる。木で終了。 着いたらもう薄暗くなっていた。木で懸垂60m1pでドーム壁基部に降り立つ。後は北西壁ダイレクトを下降するが、もう真っ暗で北西壁ダイレクトの終了点がどこにあるかよくわからない。あーでもないこーでもないと、3時間(!)彷徨い歩き、何とか北西壁ダイレクトに合流。懸垂6pとかそれぐらいで取り付きに。ロープが絡まったりしてうざかった。ガレガレの踏み跡をヨタヨタと下って駐車場まで。 今回も大変な目に遭ったりしたが、とりあえずドーム壁に1本新ルートを加えることができた。ドーム壁はやはりいいところだ。今回のラインは「彷徨罪」5.10- 3ピッチとする。2p目直上バージョンをまた今度登りたい。この1p目はもうリードしたくないけど(笑)。
|
2021-10-20 5:28 |
赤岩 ミナヅキフェース
赤岩 ミナヅキフェース(フリークライミング/札幌近郊)日程:2021-10-19(日帰り)メンバー: sy2017 Mt-sunny写真:オーバーブッキング 5.11a ガットネロ 5.11d ルーフにへばりついてるが見た目より簡単コルセッティ 5.10aフォルツァ 5.10c感想:ミナヅキリッジを登った人は横目で見ていたかもしれないが、ルームで登ったという話を聞いたことがない赤岩の秘境へ初潜入。安・近・短なので44等で煮詰まったら行きましょう。帰りはミナヅキ4p目を登ったほうが良さそうです。こんな小さい壁登って何が楽しいの?っ思ってるOBの方々には、フリークライミングは本当に面白いですよと言いたい。もちろん僕は山屋を辞めるつもりはありません。
|
2021-10-3 8:16 |
小樽赤岩/東大壁 黒いリッジ
小樽赤岩/東大壁 黒いリッジ(アルパインクライミング/札幌近郊)日程:2021-10-03(日帰り)メンバー: saito1987 Yanke1987写真:ガレを伝ってミミズク岩稜を回り込む海岸に沿って東大壁を目指す折れそうな岩塔岬の高捲き玉砂利海岸も青い海久々の大壁を楽しんだ展望台から藪を漕いで急斜面を下り海岸へ東大壁の中央バンドへ這い上がる海岸から登り始め6P出して大壁の頭へ抜ける海岸沿いに行けず少し戻って岬を高捲く黒いリッジ1p目終了点から海鳥のお出迎え東大壁の裏側へミミズク岩稜の下感想:Sea to Top of 大壁!海岸沿いのアプローチからミミズク岩稜の基部〜中央バンド〜黒いリッジ(6p)で大壁の頭へ。いつもの赤岩が新鮮に見えました。
|
2021-9-28 1:51 |
中の川ポンソエマツ北西面直登沢〜中の川支流(支五の沢)
中の川ポンソエマツ北西面直登沢〜中の川支流(支五の沢)(沢登り/日高山脈)日程:2021-09-25〜2021-09-27メンバー: sy2017 Takenaka2017コースタイム:写真:立派な焚火にご満悦滑ったら死にそうボルダーこのスラブはすごい!ソエマツ岳核心の滝感想:沢中2泊のゆったり山行、焚き火最高。核心の滝は悪い。落ちたらまずい巻きはどうしても体が硬くなってしまい、遅れがちだった。まだまだだなぁ。記録が少なく写真は皆無でずっと気になっていた。憧れの先輩が遡行した沢に来れて良かったです。
|
2021-9-24 4:14 |
南八甲田/黄瀬川から乗鞍岳
南八甲田/黄瀬川から乗鞍岳(沢登り/十和田湖・八甲田)日程:2021-09-19〜2021-09-20メンバー: saito1987 Yanke1987コースタイム:写真:黄瀬松島のナメ両岸立っているが沢の中は岩盤と河原が続く本流筋を詰める飽きない程度に岩盤や小滝が出てくるがザイルは結局使わなかった源頭近くCo1100二股あたりが温泉地帯十和田市から乗鞍岳黄瀬沼分岐近くなると完全に源頭の雰囲気夏道から駒ヶ峯と櫛ヶ峯段丘状の湿原凝灰岩の壁と岩盤上流パートも快調に遡行赤倉岳から小川原湖が見える十和田市街からタクシーで焼山林道ゲートまで8700夏のような陽気の中林道を2h半歩いて松見の滝上流側の支沢から黄瀬川へ入渓北八甲田乗鞍岳から赤倉岳小滝Co660二股手前で早々とC1長根沢付近過ぎると酸性水質強くなり魚影無くなる乗鞍岳頂上から十和田湖26年前の冬、スキーで縦断した丘陵地帯を眺める岩盤とナメが続くが河原やゴーロの方が多いかなCo660二股過ぎてすぐの溶岩柱状節理層雲峡で見慣れているせいか箱庭感覚淵のへつり釜滝感想:沢登りというより渓歩きといった表現がぴったりくる快適な沢。意外と河原が多いので、AACHセンスなら大増水でもしない限りどこでも泊まれるでしょう。上流側に魚は居ません(´;ω;`)下りの夏道は油断したせいか、キンドー氏蒸発事件や道迷いなどがあり、結局バラバラになって下山してしまいました。
|
2021-9-22 7:29 |
赤岩 ミナヅキリッジ
赤岩 ミナヅキリッジ(アルパインクライミング/札幌近郊)日程:2021-09-19(日帰り)メンバー: nikonikoaokazu aach_17inoueコースタイム:写真:摩天黒い凹角が丸見え。このイカツさを?級の登りで制覇出来るいいルート。ミナヅキリッジ1P目。カムがよく決まる。クラックをかじっていれば簡単。ピラニア11a、カチ系。楽しい。トサカ感想:ミナヅキリッジは4p目も好ルート。ただ4+ではなく5級ですね。
|
2021-9-11 11:11 |
雄冬大壁
雄冬大壁(フリークライミング/増毛・樺戸)日程:2021-09-11(日帰り)メンバー: saito1987 inoue2009 Yanke1987写真:アルハンブラ宮殿ボナニート北西面ドンキホーテ感想:溶岩表面の無数にあるポケット(気泡)をうまく利用して登ります。増毛の海を眺めながら過ごせる気持ちの良い岩場。
|
2021-9-7 12:41 |
サッシビチャリ川ルベツネ山西面本流
サッシビチャリ川ルベツネ山西面本流(沢登り/日高山脈)日程:2021-09-01〜2021-09-04メンバー: Takenaka2017 aach_17inoue nrtk7コースタイム:コース状況/その他周辺情報:サッシビチャリ川は熊の巣窟。写真:その上にもまだ滝が連続。というか一つの滝としてカウントしてもいいかも。一段目は左岸岩壁から捲いてバンド状トラバースで落ち口へ。やや難しい。二段目はザイル出して左岸クラック沿いに直登、意外と滝がでかかったので途中で切る。ツルツル系の滝が連続。(Co680)3個目の20m滝はザイル出して直登。徐々に終わりが近づく。泳ぐ。意外と登りやすい。その上には更にツルツルの滝。右岸リッジを微妙な登りで潅木まで。(Co780)その上はスラブ登りが続く。Co1100屈曲からV字に詰まる連瀑帯。直登不能CS滝を左岸から捲いてバンド状クライムダウンで戻る。ここで右岸岩壁から簾状に注ぐ水流がルベツネ山直登沢。今回はそのまま真っ直ぐ谷を詰めることにした。Co820二股の左股は15m+40mの二段大滝。これは登れないので左岸から大きめに捲いた。(Co650)すぐに深いV字谷となる。潅木から振り子トラバースで水流へ戻り落ち口へ。快適テンバで焚き火。右岸捲いて岩壁クライムダウンで水流へ。奇跡的にテンバを発見。出合からルベツネ西面を見る。ツルツルをひたすら登る。函で遊ぶ。たのC。源頭。突っ張ります。ペテガリ。ツルツルです。ピーク。日高体操下山。水が噴射する落ち口を抜ける。エイドで抜けた。出合からすぐに滝。ツルツルでいやらしいトラバース。Co740屈曲の滝。熊に襲われ命からがら下山。1839。火をつけてしまえば快適。その上の滝。これもツルツル。感想:色々と濃い山行だった。大自然が牙を向くとき、人間は成すすべもなく蹂躙されるしかない。残酷であるがそれ故に美しい。
|
2021-9-1 8:58 |
S峡 流星エリア/鬼ヶ城
S峡 流星エリア/鬼ヶ城(フリークライミング/北海道)日程:2021-08-29〜2021-08-30メンバー: sy2017コースタイム:写真:白石淳也さんのマルチ 名前不明shooting star 5.11+RのSY (←少し甘いかも)OWマシーンjudgelight 5.11a を軽々OSするYD感想:S峡の懐の深さを実感した。 PS 流星エリアはSYルートが追加され、中級者に最適なエリアになっております。
|
2021-9-1 6:03 |
夏メイン1年班北日高
夏メイン1年班北日高(沢登り/日高山脈)日程:2021-08-21〜2021-08-28メンバー: yumepporo TnkYutaro2019 hshuhei marucircldコースタイム:コース状況/その他周辺情報:ピリカペタン沢林道は2016年の台風でほぼ崩壊している。河原も流木と左右からのガレで埋め尽くされて歩きにくい。ピンクテープがあったりなかったり。写真:祝2乗越C2 雄大。すごく気持ちいい朝Lご希望の稜線歩き。暑いC7 超快適テンバで最後の夜札内岳で祝3乗越。はげ天を望む。p食の嵐北東カール。暖かい風が迎えてくれた祝1乗越旅の始まりお助けfixしてトラバース→ab。この一帯を直登するのは大変そうC6 焚き火ができる幸せ。元気のないシュラフを乾かすなんか捕まえてきた。かわいいミヤマクワガタ写真の場所ではないけれど、ピリカペタヌの下降では2箇所お助け出してゴボウ。そのうち1280?のFはフリーで抜けると悪くて怖い。右岸の滝上にしっかりとした木(残置シュリンゲあり)があるから懸垂した方がよかった寒い。寒くて叫びながら下ったオニクワガタペラペラになった沢足袋はげ天でわらび餅のサービス。ごっつぁんです(^O^)C3少し上の木で支点をとってabC4=C5 ごくい感想:札内岳は日高がまる見えでした。家に帰るまでが登山
|
2021-8-31 2:17 |
2021年度一年班知床夏メイン
2021年度一年班知床夏メイン(沢登り/道東・知床)日程:2021-08-13〜2021-08-25メンバー: mt_furano Nakagawa2019 Mt-sunny koichiro_m hyogo2019コースタイム:写真:Day6償いの藪漕ぎ沼へ野球場C0コタキ川を振り返るメガネ岩知円別西コル。奥に硫黄山。コタキ川の天然ダム見えてからが長い気の抜けないカブト岩の捲きただひたすら相泊を目指して獅子岩池(本物)沼の朝努力はした入山Fixの支点はまさかの、、、雨風に耐えたC11スーパー極いやっちまったDay5の夜夢にまで見たオキッチウシ河口出発しようとしたらクマ出現M1が粉から作った絶品白玉勝利だビーチでC10豪華天丼パーティ地獄の夜からの超絶快適空間ウニの沢の泳ぎイダシュベツ川。背景は海。窓岩Day11朝。さあ帰ろう。快適C1稜線に上がり北を望む岬へ続く草原C4前の滝。部報のやつ。ルシャ河口西海岸歩き俺たちのメリー号が、、、釣り女師決着足首が緊急事態宣言な人海岸でC9感想:この山行は僕の誇りです。
|
2021-8-29 1:13 |
相沼内川から元小屋沢山
相沼内川から元小屋沢山(沢登り/道南)日程:2021-08-28〜2021-08-29メンバー: saito1987コースタイム:写真:沖沢山突っ張りで抜ける函滝左岸直登の滝2段目のシャワークライム巨岩の詰まった滝(2段20m弱)上部ハング気味右岸の際をズリズリと登る(一番緊張した)右岸から捲けそうCo390から核心部最初の滝1段目左岸壁とCSの際をAOで抜ける(カム噛ます)2段目写真では見えない左岸側水流をシャワークライム(増水時はシビア)巨岩のボルダーで最初の核心を超える函の中から吹き出す温泉温い相沼内川Co340二股手前C1の夜直登できない函滝トライするが右岸捲く事に送電線刈分道を下山ポンノボリ沢は自然の高速路Co460二股過ぎて少し行くとゴーロ帯1段目登る相沼内川函状地形感想:道南の茗渓だと思います。(須築、寿都幌別、オコツナイ、ヒヤミズに並ぶ)AACH五島君よくぞ見つけてくれました。
|
2021-8-18 11:46 |
札内川七の沢支流1807峰東面直登沢
札内川七の沢支流1807峰東面直登沢(沢登り/日高山脈)日程:2021-08-15〜2021-08-16メンバー: Takenaka2017 aach_17inoue nrtk7コースタイム:写真:ここを登れと呼んでいる良い。Co1400三股。チョロチョロ。登攀的な難易度は高くはない。イェーイ^_^ピラミッドへ雪渓下の光景が気になります。スラブ登りなんでもないが落ちれないのでザイル出した。最初のナメ滝七の沢出合を探して徘徊。我々にできるのは巻くことだけである。快適八の沢カールたぶん合ってると思うCo1400三股を考えると右岸巻きしたいが、傾斜など考え左岸巻き。透過型砂防堰堤みたい序盤はミニゴルジュ長いトンネルを抜けると札内ヒュッテ大障壁後の小滝。問題無し。感想:沢登り楽しい。まだまだ物足りない。神威南東面から以前から気になっていたこの沢へ転戦。登攀的難易度そのものは、予想よりも易しかったが、とにかく平均斜度が強く、気の抜けない沢だと感じた。最後のバーティカルハイマツ漕ぎは、人生最難の藪漕ぎでした。
|
2021-8-18 11:40 |
ソエマツ沢神威岳南東面直登沢
ソエマツ沢神威岳南東面直登沢(沢登り/日高山脈)日程:2021-08-12〜2021-08-14メンバー: Takenaka2017 aach_17inoue nrtk7コースタイム:写真:CS滝をボルダリーなムーブで突破。源頭。険谷に小滝が断続的に現れる。険しいV字谷にまたも絶望的な滝が。右岸岩壁を試すがツルツルスラブへ追いやられて敗退。小滝は続くが沢は開けてくる。シャワーで直登を試みるがあまりの冷たさに敗退。Co680二股から連瀑帯となる。ソエマツ沢下部の函。核心部の入り口となるCo850二股へ。奥に絶望的な函滝が待ち構える。滝下でビバーク。滝はまだまだ続く。ツルツル系で意外と登りづらい。絶妙に登りづらいものが多い。懸垂で函へ下りる。朝イチシャワーのユマーリング。安心安定のガスガスピーク。左岸リッジから捲くが悪い岩壁の登りが出てくる。感想:先に何があるかわからないワクワク感。かつて日高の沢を開拓していった方々はこんなワクワクを毎回感じていたのかと思うとただひたすらに羨ましい。日高の沢登りは、北海道の夏にできる最上級のアルパインクライミングだと思う。僕はいつまでも、この地とここで繰り広げられる冒険を愛していたい。
|
2021-8-17 11:36 |
五郎沢遡行・予定外に野口五郎岳〜ブナ立て尾根縦走
五郎沢遡行・予定外に野口五郎岳〜ブナ立て尾根縦走(沢登り/槍・穂高・乗鞍)日程:2021-08-11〜2021-08-16メンバー: yoneyama macchan90 fujiwara61コース状況/その他周辺情報:五郎沢取り付きの本流渡渉は水量次第。五郎沢は滝の巻きと登りのルート取りの力が必要晴嵐荘前の吊橋は3年前より消失(知らなかった〜)濁沢の橋は無事だが、水流は今回別のところに流れを変えた写真:北を見る新品の秀岳荘フェルト地下足袋で入渓だ。左手ルンゼ状から捲き登った。川を見るお二人一面が荒れ之原標高2150mC2本流渡渉翌朝、雨で火は落ちていた。C1標高1380mう〜ん、また出た。10m滝。根株掛かる小滝だが、荷のある身には容易になく、一段上がるのにエイリアン支点の鐙を垂らした。そこからデリケートに落ち口へ下る。アブミ回収後、本場仕込みのペンネ・アラビア〜タ。C1標高1380m奥は薬師岳、前は赤牛岳コロナ対策今回、この程度の滝は三者フリーで登ったけれど、各自に緊張の持続が要求される場面多くあった。デシマルグレード、ではなく。展望満喫標高2150mC2チングルマ展望満喫五郎沢へ、高瀬川本流を渡る花崗岩とハイマツの景観そぼ降る雨七倉駐車場で仕度湯船、天国。背後に濁流。ヤマハハコ野口五郎と槍ヶ岳左岸捲き始め二人目はユマーリング、しんがりは確保して。濁沢渡渉五郎沢。赤い岩が多い湯俣川増水中「門」抜け口から廊下状を見下ろす。C1標高1380m。快適な夜だった。登れまいか?左手最下部が水量多く取り付けず(上段は登れる)、悔しいが左岸捲きを選択する。ただ、容易ではない。野口五郎のおじさんの決めポーズです。ペンネアラビアータのもと烏帽子岳を見る30年前、ヘーカさんに茶を飲ませたというその斜面は花畑連なる3m滝右手は容易地獄と、濁沢渡渉増水がじわり迫る。C1標高1380m二股の下前日に偵察してルート工作しておけばヨカッタ。燕岳から大天井にかけてアチャ〜、未だ滝があるかよ。床もぽかぽか。本流渡渉ペンネを茹でる左手の藪棚から、辛うじて引っ掛かる栂の流木を頼りに通り抜ける。さぁ、逃げろ。ルート工作すれば登れそうだったが、次に控える右曲滝の様子が掴めず、困難そうに見えたことも手伝い右手を捲く。いつまでも手を降ってくれる五郎小屋の一家本流渡渉ホンキの本流渡渉抜け口にシュリンゲ垂らした扇状5m滝高瀬ダムでタクシーを降りる。微妙だった高瀬川本流、チン濡れ渡渉。前日降雨があったそうで、もう少し水量が多かったら渡れなかったろう。流木掛かる二段滝は、ボーノ!天国。対岸まで20m、大西氏なら、渡るかもしれないと想像した。食堂付近嫌な感じのザレた側壁を登り、後続のためにロープを垂らす。烏帽子の小屋また雷鳥だ〜五郎沢は手を緩めない。捲いて、三連瀑落ち口野口五郎山頂珈琲の美味しい、オイカワさん家。肉まんもゴッツァンでした。根株掛かる小滝だが、荷のある身には容易になく、一段上がるのにエイリアン支点の鐙を垂らした。そこからデリケートに落ち口へ下る。同前。もとの流路は一滴もなくボーの。シュリンゲで荷揚げした3m滝晩ごはん。もう山行日数分の食料終わり標高2150mC2ペンネアラビアータのもと同行のふたり湯俣川の増水。まだ渡れない。山行を終えた雷鳥二ピッチの懸垂下降で沢床を目指す。烏帽子の小屋奥の3m滝。ザックの閊える登りで一段上がり、落ち口に引っ掛けたナッツ支点の鐙を支えに登り抜ける。小雨降る中、タープ下での焚火炊飯。藪の薄い尾根を伝って、降り立った先に1,2,3mの三連瀑。右手を小さく捲けた。山渓joy五郎沢源流と野口五郎岳、まだまだ高い濁っていないので飲む。丘の上に観世音菩薩雲、湧いてきたまだまだ容赦無し。しかし、然しもの五郎沢も流石に心安くなってきた。右手(左岸)捲き。良いラインで捲けた。湯俣岳からの支沢を左から合わせた辺り。降り立った先に、15m滝アリ。この周辺は側壁が立って黒部に似て険しい様相だった。渡った左岸灌木帯のケモノ道を拾って上手く滝の落ち口へ。本流渡渉6m幅広斜滝3m滝左手をヘツルも、水量も手伝って容易くはない。乾燥室、天国近い雷鳥。今年の生まれ。懸垂下降少々戻り、小沢を伝って登山道を目指す。雨待ちの間の手すさびに焚火を少々。下の天場で作って持ち上げた焚き付けが生きた。標高2150mC2晴嵐荘外観右岸に渡らないことには帰れません。ヨツバシオガマ・・・標高2700m、尾根が崖になり右にトラバースするところチングルマその上の5m、4m滝も纏めて捲いてしまう。最後の下降点でシュリンゲを垂らした。右手を偵察する。ロープを出すのを嫌い、結局戻って右岸を大きく捲き上がる。連なる3m滝右手は容易アザミ水滴記念撮影その奥へ。トリカブトの季節対岸に五郎沢の出合の扇状地烏帽子への下り道一面が荒れ之原よく見ると、地衣類のようだ。登山大系にあった「門柱」だろうか? 廊下状の「門」ではあったが少なくとも「柱」ではない。やはりその先が厳しい。かような下山はチベット高原以来か。左曲点の8m滝。らいてふ。キミは何故に逃げやうとしないのか。二条3m滝右岸捲き始め。本流渡渉野口五郎小屋。件の野口五郎氏は未だ訪問の機会無いとのこと。本流は巨石がゴンゴン転がっていく高瀬川対岸、唐沢岳と餓鬼岳4m堰堤状滝。ここから右岸(左手)を捲き始めて、三ツ岳奥の3m滝。本流渡渉濁流と化したひぃ〜。名古屋帰るのに19000圓。近い雷鳥。今年の生まれ。ハイマツ帯を越えて抜け口では落ちられない。標高2150m地点の堆積地に大小タープを二つ張った。10m程だが、濁水を落として我らを寄せ付けない。濁沢渡渉再び狭まる。山行を終えた7m巾広滝は左手の藪テラスへ。寝床はぽかぽか雷鳥コマクサ水滴シュリンゲをケチってロープ直掛けで、食堂の床もぽかぽか。三ツ岳までの稜線。左奥は立山と剣右奥は後立山水晶岳の南北稜線一面が荒れ之原根株掛かる小滝だが、荷のある身には容易になく、一段上がるのにエイリアン支点の鐙を垂らした。そこからデリケートに落ち口へ下る。シュリンゲで荷揚げした3m滝出れば撮るジョイジョイ。ジョイ。その上の5m、4m滝も纏めて捲いてしまう。最後の下降点でシュリンゲを垂らした。三羽くらいいた火が熾きました。全身びしょ濡れ、風も吹いてきた。湯俣へ急げ。でろ〜ん。標高2150mC2左手に垂れる小枝を支えに登り切った小滝。ようやくの遠景を見る夏道のある標高2610m辺りへ。これで帰れる、とこの時は思っていた浅はかな了見の三人衆。翌朝。玄関付近右手の階段を登る。奥の3m滝。ザックの閊える登りで一段上がり、尾根登り返しの出発。お見送り湯俣岳山頂付近の溜池水流の溝を切る野口五郎山頂一旦開ける。C1標高1380m食堂貸し切り標高2700m、尾根が崖になり右にトラバースするところ三羽くらいいた笹覆う登山道。濁沢渡渉雷鳥山小屋らしい山小舎に泊まるのは初めてのことだったので、写真を撮らせてもらった。米粒、付いてない?感想:【計画】まだ未踏の最高峰、野口五郎岳を、遡行記録の乏しい五郎沢から遡行して、五郎池経由で東沢に乗っ越し、ニノ沢から烏帽子岳へという素敵な計画を松が設計。「ぶらっとヒマラヤ」の藤原さんと三十年ぶりの山行を計画した。8/11 入山前夜岐阜入りして早朝信濃大町へ。東京からの藤原さんと合流して七倉に駐車し待っていたタクシーで高瀬ダムの上まで。日本列島には上海から伸びる長大な前線。明日夜から降り出して数日続く予報だが前線は気まぐれに南北に動くので、山行を止めるほどの要因ではない。高瀬川本流の渡渉は、かろうじて可能。腰までの清流をドスコイ歩きで渡る。最初の二股のすぐ下に砂地の寝やすい天場あり。ローマ人に教わったというペンネアラビアータを藤原さんが作ってくれた。焚き火でグラグラと煮えたぎらせるのがアラビアータ(怒り)なんだそう。うまい。8/12 五郎沢を堪能記録は五十年近く前の日本登山体系のみ。美しいが登れない滝を7回高巻く。初めの右岸巻きは高く上がり、懸垂2回で降りる。以降は藪を伝って降りる。松のアニマルさながらの巻きルートファインドにはいつもながら舌を巻く。登れる滝も意地の悪いのが多く、一箇所が辛くシュリンゲ垂らしたりロープ垂らしが5回ほど。ほぼ核心を終えた標高2000mちょっとで天場を探す。砂地で寝やすそうだが浸水には辛い。しかし、高台の天場は無い。予報通りタープを張り終えたところで長雨が始まる。手強かった五郎沢の核心を抜け、タープの下で雨を見ながら火を焚き、体を乾かす。轟々の沢音の傍ら、藤原さんが仙人にインタビューした時の不思議な体験を語る。8/13 五郎沢脱出するも行き止まり雨は夜通し降ったり止んだり。タープに溜まる水溜まりを落としたりしながら朝になる。身支度を整えて出発待機しても雨の勢いが治らない。タープ下で火を焚いて雨が収まらないから待っていると、益々水嵩が増えて、天場にも流れ込んで来た。流れは薄茶色になって水量も増している。もっと良い場所探して停滞する可能性も話していたが、遡行を続けるレベルでは無いとようやく決断する。右岸尾根にちょうど手頃な小沢があって逃げ上がり、尾根に乗って藪を漕ぐ。たいした苦労なく南真砂岳東の肩に上がって竹村新道をエスケープ下山する。湯股岳は、道が沢のようになっていた。尾根末端の晴嵐荘にたどり着くとご主人のモリモトさんに驚かれる。本流の吊り橋が三年前から無い事を初めて聞き、こちらも驚く。山行最終日まであと二日。二日や三日で渡渉できる水量には絶対ならないよとのこと。ここは携帯も通じないので連絡が全く取れない。長雨は続き、再び尾根を1500m登り返して五郎小屋へ行くしか無い。不安は有るが冷え切っているのでまずは湯船に浸かる。フルチンで雨の中歩き、怒濤の濁流の脇の天然温泉に傘さして浸かる。尻の下の砂地から熱湯が噴き出る。マグマのパワーだ。ここは三十年ぶりだ。8/14 温泉停滞終日雨予報と列島の災害ニュースBS TVを見て過ごす。長雨で、北九州、広島、下呂、岡谷などで深刻な水害。家族は心配しているだろうなあ。でもここは連絡途絶なのだ。増水で温泉の水位が上がっているらしい。小屋中がポカポカ暖かく、昼寝の心地が最高だ。連絡さえつけばここで水が減るまで過ごしたいくらいだ。書棚のラインナップも趣味がいい。洞窟おじさんやなんでも見てやろうも有る。オーウェルのカタロニア賛歌を50p程読んで、噂のゴールデンカムイを読み耽る。アイヌの習俗や食習慣が丁寧に描かれ感心する。コミカルなシーンもあり野蛮なシナリオを和らげている。背中に埋蔵金地図の入れ墨は、手塚治虫のシュマリにもあった話だな。溢れる高瀬川本流の濁水がタプタプ流れ込む、ややヌルい露天温泉にたびたび傘さして浸かり、休養停滞。数日前には腰までの流れを渡った、たった20m程なのに、絶望の怒濤が踊り狂っている。ここが渡れれば3時間で帰れるのに。橋もなく電信電話も通じない異世界だ。ここは本当に日本なのか。8/15 尾根登り返し最終下山予定日。意を決して4時発14時間行動のつもりでイッキにブナ立て尾根までと準備したが、雨が降り止まず6時発に遅らせる。今日中の下山は諦めた。連絡がつく五郎小屋まで行って良しとしよう。雨が弱まったので6時出発。黙々と1500mを登り返す。ありがたいことに9時過ぎにはほぼ雨が止み、樹林限界を超えても風が無く、濃霧の中、野口五郎の山頂へ。山頂に来られて満足だ。恐る恐る五郎小屋の戸を開けると、優しく迎えてもらえた。昭和39年築という年代物の山小屋は懐かしいまでの古くささだ。初めて来るのに懐かしい。ご主人一家が凄く優しくしてくれる。乾燥室も使わせてもらいパリパリに乾く。ここで初めて家族と職場に下山1日延長の電話がかけられて、一安心した。これが一番心の重荷となっていたのである。8/16 晴天下山停滞前線が一時的に南下し、我らは雲海の上になった。初めて展望を得た。雲上の道、烏帽子、ブナ立て尾根を目指す。五郎小屋で雨天連泊停滞していたカトーさんとコグレさんの二人と共に出発する。尾根末端の濁川の渡渉点が悪くなっている可能性があり、小屋に来ていた県警のパトロール・サカタニさんも一緒に下ることに。カトーさんは五郎小屋に年三度もくるほどのゴローファンだそうで、あの小屋とこのルートの魅力を語り合う。途中の三ツ岳の山頂に寄る。岩の高まりが三つ。コマクサが多い。好天の朝に新しい山頂に立てて嬉しい。白馬から乗鞍まで見えていた。烏帽子の小屋も五郎小屋一家の小屋とのこと。暖かいお茶をいただいた。この大雨でやはり下山路は通行止め。お盆だというのにお客ゼロで気の毒だ。ブナ立て尾根は、急だがあっと言う間に下れる整備された道だ。末端の濁川渡渉点がやはり変わり果てていた。丸木橋は流されていないけど、本流が別のところに変わっていて、そこにパトロールさんがロープを張ってくれていた。今日は水は減っている。でも昨日はイッキ下山しても渡れなかっただろう。結局全て、良いようにことが回った。一緒に下ったみんなにお礼を言って心笑温泉の風呂に。葛温泉は規制区域内だったので今回も縁が無かった。大町駅前の蕎麦こばやしで、山菜そば。藤原さんの三十年前在住時以来のお気に入りだそう。麺もツユも山菜もいい。車を置いてもらったオイカワさんちでコーヒーとゴーヤジュースと美味しい肉まんをいただいた。藤原さんと別れて松と帰る段になり、この水害で中央道の岡谷〜伊北が不通で、安房峠越えでかえることに。ネットで中央西線が表示されているようなので、特急しなので帰ろうと明科駅で降ろしてもらう。切符買おうとして、しなのもあずさもまだ運休中と知らされる。松を一人で返してバチが当たったのだ。長野東京周り新幹線で19000圓も払って帰る羽目に。おまけに小田原手前でトラブルで1時間半も停車。乗り換え長野駅の新幹線ホームで立ち食い蕎麦。かき揚げの厚さ8センチはあろうか。信州に来て蕎麦なんか食べて、よその人になっちゃったなあ。思い出深いストーリーに満ちた山行になった。川の渡渉で苦労するなんて、まるでネパールや江戸時代の大井川だよ。でも人って無力だ。待つだけなんだ。六日間も水を巡って七転八倒。藤原さんの面白い話もひさしぶりに沢山聞いた。 先月登った朗らかな黒部の五郎沢とは違ってこちらの高瀬川五郎沢は実際、厳しい沢だった。隣の険谷・西沢程ではないにせよ、雰囲気の似た黒部・口元ノタル沢の数倍難しかったというのが舐めて掛かったキライある私の体感である。どんよりとした天気も相まって下半部の威圧感は中々のものがあり、溯行する我々に緊張の持続を長く要求した。百戦錬磨の大學センパイ方の力量を頼りに高捲きはギリギリに、ロープ出しは最小限に済ませ、手間の少ないシュリンゲ・アブミ垂らし戦法で間断なく現れる花崗岩質の滝群を効率優先で際どく越えていった。核心抜けた、いよいよ黒部へ乗っ越しだ、と勇んだ翌朝から哀しいかな降雨が始まり、野口五郎岳への源流溯行さえも許さない増水っぷりに、悔しいが夏道尾根への脱出を選択した。永く練った計画だけに、エスケープの判断が着きかねたが致し方ない。下山のつもりで辿り着いた湯俣は晴嵐荘で、橋が無いことを知らされて角幡氏へ心を重ねた。川が渡れず帰れない、21世紀の今にこんな事態が起ころうとは。こんな経験しようとは。露天風呂からフリチンで見やる、たった20mの濁流が渡れない為の戻り大高捲きに二日間、台湾大渓谷でないんだから全く。休養停滞に一日費やし、体力の回復を図る。小雨そぼ降る翌朝、ずぶ濡れになりながら竹村新道を辛抱強く登行し、幸いにして風のない稜線辿って2005年の西沢溯行の際に登り損ねた野口五郎岳にようよう立ったのが16年後の終戦の日だった。古式ゆかしき山荘の野口五郎小屋で再び休養した明くる朝、停滞前線の南下に乗じて稜線北上漫歩した。懸案だったブナ立尾根末端の濁沢渡渉を済ませた我々は、一気に里の人となった。 私が一目置く米山さんが一目置く藤原さんとの三人山行は、五郎沢の厳しい溯行内容や予期せぬ?トラブル、停滞中の面白アブナ過ぎる会話や登場人物も手伝い印象実に鮮やかなものとして心に残った。これまで登ってきた米山さんとの数々の完成山行からは得られなかった、不完全だからこそ知る山行の満足を。厚みが違う。「だから成功山行にはロクなモンが無いんや。(by 和田氏)」 また、お願いします。
|
2021-8-17 4:12 |
札内川7の沢1823峰北東面〜コイボクシュシビチャリ川本流
札内川7の沢1823峰北東面〜コイボクシュシビチャリ川本流(沢登り/日高山脈)日程:2021-08-12〜2021-08-16メンバー: sy2017 yumepporoコースタイム:写真:イイズナ?1803東面ヒグマ 中央右見覚えのある車が感想:色々と反省点があったが、納得のいく山行ができた。まだ余裕があったのでもう少し難しい所に行きたい所である。昨年度からは想像もできないほど逞しくなった後輩には、是非とも来年度の二年班のLsを期待したい。
|