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発行日時
2018-8-21 1:39
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日高山脈 沢旅 途中下山
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日高山脈 沢旅 途中下山(沢登り/日高山脈)日程:2018-08-06〜2018-08-20メンバー: fukumoto_2013写真:(キネンベツ)この滝は左岸の岩から適当に越えた (神威北東面)ペテガリbカール (キムクシュ)釜滝 (キネンベツ)ヤオロ南面 (サッシビチャリ)談笑する浮浪者たち 奥は未完成の橋C2よいところ (神威北東面)二股すぎると滝 (ヤオロ右沢)ソエマツ北面のガレ北日高捲く (中の岳北西面) 滝をクライムダウンしていく (中の岳北西面) 釜滝連続 (ヤオロ右沢)Co610から函状 (コイボク本流)ピリカ五の函 (キムクシュ)ナメがきれい (キネンベツ)ペテガリbカール (キムクシュ)39サッシビチャリへ下る哀愁漂う背中出合入ってすぐ(キネンベツ)入山のヌピナイ林道いちいち面倒 (キムクシュ)終わった…つめてえ (キムクシュ)神威コイボク出合付近1つ目の雪渓 (中の岳北西面) Co830二股 (ヤオロ右沢)うそこけルベツネ西面 行ってみたい去年はここの露岩に植生とFixがあったらしい (ヌピナイ右股)ずっと滝 (ペテガリB沢)三股の大雪渓 (キムクシュ)最初は函状河原 (歴舟本流)カムエク道くっきりペラペラ雪渓 (中の岳北西面) テンバ出てすぐ (神威北東面)六の函当たりか? (キムクシュ)やったあ雪渓はこれだけ (コイボク本流)(キムクシュ)カムエク沢も行きたい十勝側にガス核心とされている滝 (コイボク本流)滝が出てくる (コイボク本流)23 (コイボク本流)コイボクカールコイボクカール容易な小滝 (コイボク本流)1度だけ捲いた (ペテガリB沢)一旦開ける (神威北東面)突っ張り多用 (神威北東面)ヤオロ右沢圧倒的な雪渓 (サッシビチャリ)やぶ漕ぎはほぼない (ニシュオマナイ川)ひしゃげたツェルト雪渓 (ヌピナイ右股)(コイボク本流)増水核心の函 (歴舟本流)ヤオロ南面右がルベツネ北面(キネンベツ)ペテガリB沢 滝が始まる1200二股から大滝まで (コイボク本流)テンバ出ると滝 (キネンベツ)大口 (キムクシュ)その直後の滝 左岸側壁から越えた (コイボク本流)第一の函の雪渓 乗るのに少し苦労 (神威北東面)Co860過ぎ (キネンベツ)五の函下の二股 (キムクシュ)神威北東面出合C7 乾かす2つ目以降は全て捲いた (中の岳北西面) 捲き終えたところ (歴舟本流)基本的に泳がないで行ける (ヤオロ右沢)(キムクシュ)源頭付近 (ニシュオマナイ川)濁りがひどい (キムクシュ)Co1220事故の起きた函 (キネンベツ)(コイボク本流)無限 (ペテガリB沢)日光が貴重 (キムクシュ)カール内にちょろ川が出現していた再度河原 (コイボク本流)核心の函 奥に滝 (歴舟本流)雪渓 (札内八の沢)二の函?は長かった (キムクシュ)捲いた方の函 (サッシビチャリ)うえから (ペテガリB沢)Co700付近 (コイボク本流)全て登れる (神威北東面)(キムクシュ)手こずった函滝 (コイボク本流)雪渓下にまた雪渓 (キムクシュ)核心の第二の函入口 (神威北東面)1つ目の滝 (ヌピナイ右股)ソエマツ岳より北を望むへつる (キネンベツ)1番大きかった滝 (ペテガリB沢)Co830手前 (ヤオロ右沢)捲き道明良 (歴舟本流)(ヤオロ右沢)函が断続 (コイボク本流)ヤオロより北C7出てすぐ (歴舟本流)未完成の橋810三股より (コイボク本流)道道111負の遺産 道道111右岸水流際直登 (コイボク本流)連瀑となる (神威北東面)ドボンしたひと (キムクシュ)C4 (ニシュオマナイ川)ルベツネ北面出合の滝 (サッシビチャリ)函状でいい感じ (キネンベツ)八の沢カール千本ノック (ペテガリB沢)単調な河原 (歴舟本流)歴舟本流出合=C7きれい (キムクシュ)乗ったところ (神威北東面)大滝は右岸ルンゼから (コイボク本流)Co700二股 (ニシュオマナイ川)懸垂した大滝 (中の岳北西面) カムエク南西稜五の函 (キムクシュ)Co1000付近 (ヤオロ右沢)福本は右を、山崎は左を登った (ペテガリB沢)ヤオロ方面源頭近く (ペテガリB沢)いい写真ではないが、落ちた石と山崎の足雑誌を読み漁る体力を吸われた (キムクシュ)キネンベツ出合(キムクシュ)C14付近 (キネンベツ)(コイボク本流)巻いたりクライムダウンしたり (キムクシュ)970三股すぐ手前の滝 (キネンベツ)札内川本流快適 (神威北東面)引き返し増水したコイボク説明不要 (ヌピナイ右股)中の岳西コルより下る沢とペテガリガチャガチャ (キムクシュ)簡単な滝がいくつか (キネンベツ)中を行った函 (サッシビチャリ)bカールの沢 (キムクシュ)五の函 (キムクシュ)この先にヤオロ南面出合 (サッシビチャリ)cカールの沢からルベツネ (キムクシュ)C14付近 (キネンベツ)中の岳(神威北東面)上二俣 (歴舟本流)(キネンベツ)石のあった場所 幅30-40cmヤオロピークか (コイボク本流)来し方1つ目の雪渓 (中の岳北西面) サッシビチャリ川清和橋からコイボク感想:北大に入学してからの数年間、山登りに没頭していくうちに頭の中は日高の登りたい沢や歩きたい稜線のことでいっぱいになっていった。でも、そのほとんどは実現せずに終わった。就職すればおそらく北海道を離れることになると思うし、長い山行に行くのも今より難しくなるだろう。残された時間はわずかだ。休学中、とりあえず夏は日高の沢にささげようと思う中で、1度の山行でいっぱい登ってしまおうと考えた。というわけで、中級レベルの沢をひたすら繋げられないかやってみた。おなじみの「都ぞ弥生」の前口上はこんな言葉で締めくくられている「去りては再び帰らざる若き日の感激を謳歌(うた)はん」そんな思いで地図に線を引き、計画した山行しかし結末を先に書くと貫徹とはならなかった。事故はあったが、単独で再入山しなかった辺りやはり自分は弱い。8/6 車(7:30)Co330入渓点(9:30)・507(10:50)上二股=C1(13:00)曇り後晴れ4年目の成田に送ってもらいヌピナイ川沿いの林道からスタート。これから長々と山にこもる実感が湧かない。荒れた林道を1.5h歩くと下二股手前の中州に着き,入渓する。玉石が多く歩きにくい河原だ。Co200手前で巨大なデブリとなぎ倒された木,雪渓を見る。どうやら春に巨大な雪崩があったらしい。去年もここにきている山崎によれば渓相が変わっているとのこと。・507を過ぎるとすぐさま雪渓。左岸から越える。これ以降は水の濁りが取れて評判通りの美しい沢となる。しばらく雨が降っていないため水量が少なく,楽々函の中を行くことができた。途中で5mほどの滝を左岸から捲いたが,去年あったという植生やフィックスロープが消滅しており,ひしゃげたペツルボルトが残るのみであった。釜滝や函滝を快適に越えていくと七ツ釜に着く。確かにきれいだが,これが・・・というくらい小さかった。これは下降沢だね,などといいつつ歩くと上二俣に到着。天気よく気持ちいい。8/7 C1(4:30)ソエマツ(7:00〜7:30)神威北東面出合(10:30)Co980二股=C2(13:30)晴れC1での夜は極寒だった。できるだけ進もうと早出する。960二股を右へ,以降ガレた沢。鹿道をたどって薄いやぶ漕ぎでソエマツピーク。遠くカムエクが見える。とりあえず1つ目のピークだ。しばしホゲホゲした後北面沢を下る。急なガレ場がえんえんと続きしんどい。神威出合付近には雪渓が詰まっていた。そのまま神威への沢に雪渓が続いているので右岸を捲きつつ入っていく。小滝をいくつかやり過ごすと5万図「川」から「七」の字まででかい雪渓。第一の函はあらかた埋まっていた。この雪渓を超えると水がきれいになった。やがて沢が北向きになり,核心の第二の函。函滝がいくつか出てくるが水量が少ないので中を行くのも苦労しない(1つだけ捲いた)。楽しい時間はすぐに終わり,沢は開けてくる。きれいな沢だ。Co700二股過ぎから第三の函。釜滝が2,3個出てくるのみ。Co750から連瀑帯となる。全て直登できる。のっこしてきた後なので堪える。Co980二股でC2。出合からここまで3時間で来ることができた。少々あっけない。きれいで快適なテンバだが,谷から風が吹き上げてきて寒い。ツェルトを張る。8/8 C2(6:00)神威岳(7:40)神威山荘(10:45)ガス後晴れせっかくツェルトを出したが,C2での晩も寒かった。外に出るとメタメタのガス。やはり昨日のうちに核心を抜けておいてよかった。こんな天気の中,朝イチで函に突っ込む気にはなれなかっただろう。テンバを出ると昨日の続きで滝が続くが,やはり全て直登できる。ひいひい言いながら神威岳。雲海をしばし眺め,バカ尾根を下る。膝にくる下り。ニシュオマナイ川は魚影ちらほら。川で洗濯したりしつつ神威山荘でC3。夏道登山者に食べ物を少しいただく。今後の行程を話すと「いい訓練だね。自衛隊に入れば」といわれる。明日はちょうど雨なので停滞だ。8/9 C3(10:20)Co700二股=C4(12:10)雨時々曇り夜中から雨が降ったりやんだりする。停滞するつもりでいたが,10時ごろから雨が止んだ。現在台風13号が接近中で,さらに週明けには14号もやってくるとの情報もあり,進めるうちに進もうということで,出る。神威岳への夏道から荒れたニシュオマナイ川に入り,中の岳南西面沢のCo700二股まで。これといった快適な場所はないが,ここまでなら大体どこでも泊まれる。テンバに着くと雨が降り出した。このみじめな感じ,メインらしくなってきたなあと思った。天気図を取ると台風13号は宮城沖にあり,今晩最接近することが予想された。小屋に戻ることも考えるが,直撃コースではなさそうだし,増水しそうな沢でもないので,そのまま泊まることにする。8/10 C4(6:00)稜線(8:00)中の岳(8:50)ペテガリ沢川本流出合(12:55)B沢出合=C5(13:20)ガスときどき雨台風13号の影響はほとんどなかった。C4からガレの多い沢を登っていく。この沢はただのつなぎだし,特に見どころはない。Co860二股を左に入ってすぐに進む予定であるCo980二股の右股が20mくらいの滝となって出合う。しかしパッと見た感じほとんど水が流れていないのでスルーし,直後の支沢へ入った。しかしこの沢型はすぐに消滅したので,左岸側の支尾根をのっこして正しい沢へ復帰。小滝やガレの混じった薄汚い急な沢で,重荷にあえぐ。しまいには何て不毛なことをしているんだという気分になる。詰めは薄い笹で,楽に稜線に出ることができた。稜線上は十勝側から風が吹き付けて寒い。カール泊などすべきではないことを悟る。はっきりした踏み跡をたどり,中の岳西のコルにザックデポして空身でポン。ガスで展望はよろしくない。ペテガリ沢川へ下っていく。この沢はやぶは全くないが,上部が極めて不安定なガレに埋まっており下降に気を遣う。やがて滝や雪渓が連続するようになる。Co1100に一つ目の雪渓。右岸から乗るが,薄い箇所があり側壁に戻って捲く。それ以降の雪渓は全てペラペラなので捲いた。滝のほとんどはクライムダウンで対処できたが,Co880大滝と,流木に残置がかかっている滝のみ懸垂下降。Co780から下は河原となる。ペテガリ沢川本流を少し歩いてB沢出合のキャンプ場にてC5。14時頃から雨がぱらつき,19時から本降り。8/11 C5(6:20)ペテガリ岳(9:20)Bカール(10:55)キムクシュ三股(12:30)=C6ガス寝坊。だんだん朝起きるのが億劫になってきた。今日はB沢を登ってキムクシュを下れるだけ下る予定。B沢は最初から最後までずっと滝。滝はほとんど全て直登可能で,ザイルも出すことなく,面白いようにコンタを稼げる。Co1050辺りの15m滝のみ左岸を小さく捲いた。これがルーム通称逆層ヌルヌルなのかな?上部は似たような滝がずっとでてきて同じところをぐるぐるしているような感覚。千本ノック的に登っていく。やぶは決して濃くはないが想像していたよりは多かった。テンバをでてからちょうど3hでペテガリ岳。ピークはガスガスで日高側から風が吹き付け寒い。ここからBカールへ向かう。やぶとガレと泥で不快極まりない下り。カール底でしばしホゲホゲした後沢を下る。美しい岩盤状の沢で,延々と続くナメ滝をひたすらクライムダウンしていく。結構疲れた。三俣には2週間前にもピークから見えた巨大な雪渓がでんと居座っており,化け物のような口で水を吸い込んでいた。三俣なので雪崩が集まるのだろう。今日はあわよくば四の函近辺の河原までと考えていたが,もう昼を回っているし,この先どれだけ雪渓が出てくるかもわからないので行動を打ち切る。三股から小滝を2段ほど上がったところの右岸でC6。デコボコで寝づらい。雨が少しぱらついたが15時頃から晴れる。8/12 C6(6:10)歴舟側本流出合(11:30)晴れ時々曇りキムクシュを下っていく。まずは三股の雪渓。左岸から上に乗っていく。以降,七の函までおびただしい数の雪渓が出てくる。困難なものはないがいちいち泥壁を登らされてドロドロになるし,時間もかかる。水も濁っていて泥臭い。どぶのようである。八の函はよくわからないままに通り過ぎ,七の函はキンキンの雪渓ウォーターを泳ぐ。朝日がさしているところで小休止。七の函下に増水に耐えられそうなテラス。Co610にも泊まれそうなテラスあり。以降もずっと函状で,へつるか泳ぐかの二択を常に迫られる。へつれば時間を失い,泳げば体力を失う。この沢は仮に登るとしても技術的にそう難しい印象は受けなかったが,体力勝負のところがあると思った。我々も三の函のあたりから疲れがどっと出てくる。函はもうお腹いっぱいという気分で歴舟本流出合。今日は本流のCo540二股を目指していたが,結構疲れたので出合の河原でC7とする。だんだん長時間行動が厳しくなってきた感がある。装備を乾かし,日向ぼっこしながら優雅な午後を過ごす。今日でやっと1週間か。8/13 C7(5:30)上二俣(9:00)Co830(10:30)稜線(13:30)ヤオロ=C8(14:40)晴れのち雨C7を出発し,しばらく箱状の河原を歩くと核心の函。奥に滝がある。取付けないか泳いでみるが無理だったので慣例通り左岸リッジから捲いていく。樹林帯に入るまで結構高度感あったのでザイル垂らすが特に必要なかった。その先はふみ跡があり,辛抱強くたどっていくと傾斜の緩い崩壊地のようなところに出て懸垂なしで沢に戻れた。そこからは単調な河原を黙々と歩く。Co535二股の左岸に増水に耐えられそうな非常に良いテンバ。C7をでてからわずか3.5hで上二俣着。右股へ進む。函状になり釜滝が連続するが全く苦労しない。Co830手前の釜滝群が比較的面白かった。Co830の左股はでかい雪渓。我々は右股を行く。滝が連続する。この辺りから疲れが出始める。頃合いを見て泊まろうという感じで登っていくが,そうこうするうちにCo1000くらいで雪渓が出てくる。くぐって左岸の穴から上に上がり,捲いたり乗ったりする。この先にテンバ適地はなさそうなので,もうのっこすしかないなという雰囲気になる。上部のガレをヤラレながら登った。稜線へは詰めをミスってかなり濃い笹やぶを漕ぐ。ヤオロが遠い。ピークに着いた時点で3時前になり,ペースや消耗具合からこれ以上進むのは無理そうだということでC8。恐れていたピーク泊である。今日は勝毎花火大会らしいが,このガスじゃ何も見えやしない。しまいに雨が降り出し,ひしゃげたツェルトで辛い夜になる。こんな時には明日は山荘と念仏を唱え,早いとこ夢の世界に逃げ込むしかない。8/14 C8(5:20)・1569(7:00)林道(12:30)ペテガリ山荘=C9(13:30)曇り時々雨運よく明け方に雨はやみ,景色良い。札内川流域の山々を見ると,北に進んでいる実感が得られる。ピークを降りるとちょうどいい具合の風となる。ふみ跡をたどって・1569まで。稜線から見えるルベツネ北面やヤオロ南面の迫力がすごい。サッシビチャリ川は上部岩盤状のちガレ。虫多い。ルベツネ北面までに雪渓が2つほど。ルベツネ北面出合の滝は左岸捲き。荒れた感じの沢を歩いていくとヤオロ南面出合にすさまじい大きさの雪渓。こいつは稜線からも見えていた。この大きさでは今年中に消えることはあり得ないし,これだけの倒木やガレはいったいいつまで残るのだろうか。あとは大したものもなく河原歩き。ペテガリ西沢出合を過ぎてしばらく歩くと下部の函。一つ目は右岸捲いた。二つ目は捲くのが面倒になり行水がてら中を泳いだ。寒い。函をぬけるとすぐに林道があり,1時間ほど歩いて待望のペテガリ山荘。しかもちょうど人が出て行って貸し切り状態だ。ストーブをガンガン焚き,濡れた装備を広げ,飯をたらふく食い,ビールを飲む。何という至福。やがて雨がざあざあと降り出し,今日入山の現役パーティは運が悪いなあなどといいながらくつろぐ。8/15 停滞C9=C10雨がしとしと降り続く。絶好の休養日和だ。小屋においてある古い山雑誌を読む。1990年,生まれる前のものだ。これがなかなか面白い。「本邦初の屋内クライミングジムオープン」とか,「山と渓谷テレホンカードのご案内」とか見ていると時代を感じるが,「若者の登山離れ」とか見ていると今も昔もかわらんなあという気がする。やがて昼頃に現役部員が2名メインのデポを置きにやってくる。ちょうどよいので余っている食料で炊き込みご飯を作り彼らにも食べてもらう。食後は僕以外の3人は雨の中釣りに出掛けて行った。山荘前はよく釣れるらしいが,釣果は各人1匹ずつ。増水していて厳しかったらしい。現役がジャガイモやてんぷらセットをもってきていたので晩飯は豪華である。メニューはニジマスの刺身、てんぷら,フライドポテト,カレーライス,デザートの豆の黒蜜漬け。ワインももらった。うめうめ。にぎやかで楽しい1日だった。8/16 停滞 C10=C11大雨今日も休む。後輩たちは長々と支度をして帰っていった。僕と山崎は再び読書タイム。雑誌を読み漁る。昔の雑誌には「こうゆう」とか「さがしびと」といったコーナーがあり,実名顔写真付きで「山に興味のある女性の方,連絡ください」とか「カメラを拾いました。この写真に覚えのある方は云々」などと書いてある。プライバシーにうるさくSNSが全盛の2018年とはえらい違いだ。こういうコーナーっていつ頃までやっていたんだろうか。ラジオは夜にかけての豪雨,明日朝までは雨と告げる。8/17 C11(7:25)清和橋=C12(12:15)曇り時々雨いよいよ快適な山荘を後にする時が来た。雨は午前中には残ると思っていたが明け方には上がっていた。完璧なタイミングである。飯食って小屋を掃除し、林道をてくてく歩く。さすがに川は増水している。やがてコイボク出合から未完の道道111号線。でかい橋がいくつもかかっており、雰囲気はまさに負の遺産。もしこの道が完成し、車がびゅんびゅん走っていたら、今回の山行も計画しなかったと思う。ナナシ出合を過ぎ、しばらく行くと現役の2年班パーティと出会う。彼らは僕らが山荘についた日から清和橋に泊まり、豪雨の中コイボクに入渓することもかなわず2停滞して引き返してきたのだという。まだ何もしていないはずなのにそろいもそろって無精ひげを生やし、薄汚かった。停滞の間何をしていたのか聞いたら、「座ってました」とのこと。哀れなものである。これから尾根を乗越しナナシに入って39北面を登るそうだ。お互いに頑張ってねと声を掛け合い別れる。1時間くらいで清和橋着。橋を降りたところでC12とする。やはり水は多く、魚は釣れない。明日はどこまでいけるかな。8/18 C12(5:30)Co810三股(8:05)コイボクカール(13:05)カムエク(14:15)八の沢Co950=C13(17:00)晴れ夜はめちゃくちゃに寒かった。ガタガタ震えながら準備し、出発。水も冷たいし、減水しきっていない気がする。渡渉を繰り返しながら河原を歩く。Co610以降は断続的に函状。とにかく寒いのでできるだけ捲いていく。Co700付近に函滝いくつか。しばらくしてCo810三股。開けていてピークが見える良いところ。ここから急になり、滝場が始まる。登ったり捲いたりする。途中の2段函滝でてこずる。1段目は福本が空身で右岸を上り、ザック吊り上げて山崎はゴボウ。ザック吊り上げに手間取り、福本の行動食がびちゃびちゃになる。2段目は右岸をショルダーし、ザック吊り上げ後続ゴボウ。この滝はノーマークだったがみんな捲いているのかな?捲くなら右岸の枝沢だろう。さらに滝が無数にでてきて重荷を負担に感じる。1180右岸ハングの滝は想像していたより小さい。右岸水流際を直登。山崎はザック手渡しでシュリンゲ垂らした。直後の滝は登れないので左岸側壁から捲く。連続してCo1200二股は両股滝となっており、左岸直登しながら左股へ入る。小滝を少し挟んで出てくる3段大滝は右岸ルンゼから捲く。晴れているのに寒い。さらに小滝を登っていくと草原のようになってきてコイボクカール。くまさんがいた。うなって威嚇するとカムエク南西稜のほうへ逃げていった。豪雨の影響かカール内には水が流れていた。ヤラレながら小川をたどっていき稜線へ。道をたどってピーク。素晴らしい展望。ついに北日高だ。八の沢カールへと下っていくと、うなり声を聞いたような気がして、さらに上のほうから大きな落石がぽーんと飛んできた。疲れているが沢を下ったほうがよさそう。八の沢の連瀑帯は途中で捲き道を外れてしまい、緊張する捲きやクライムダウンを強いられる羽目に。三股には雪渓あり。Co950で止まれそうな場所を見つけてC13。ハードな1日だった。ビールうまし。8/19 C13(7:00)札内川本流(8:00)記念別沢Co970三股=C14(11:10)曇りのち雨今日で2週間目。北日高に入っていく。人くさい八の沢を下り札内川本流へ。すぐに記念別出合。Co860二股まではずっとブタ。途中Co830二股過ぎに雪渓あり。対処は容易。魚影が見えたような気がして竿を出すが釣れない。860二股すぎると函状になりいい雰囲気。函滝がいくつか出てくるが苦労せずにへつることができる。三股周辺は開けており気持ちの良いところ。ここでC14。すぐに雨が降り出す。ラジオを聞くと台風19号が心配になる。8/20 C14(5:10)Co1220落石事故発生(6:15-45)札内川七の沢出合林道終点(12:30)札内ダム(14:00)晴れテンバを出て進むと簡単な滝がいくつか。雪渓もある。Co1220付近の函を登っていると後ろでドボンと音がし山崎がうめいた。へつりでも失敗したのかなと後ろを振り向くと山崎は濡れた様子はなく、替わりに顔を歪めて悶えていた。大きな落石が右足の甲の上に落ちたという。30分ほど流水で冷やすが痛みは引かない。かかと歩きしかできず、登りの動作はできないとのことで、引き返しを決める。これから易しい山域に入ろうかというところで唐突に山行は終わった。装備をいくつか福本が持ち、下山にかかる。途中で懸垂1回。ちょっとしたクライムダウンのたびに痛そうな山崎。長い長い河原歩きと林道の果てに札内ヒュッテ。しかしゲートが下で閉まっているらしく、もう1時間頑張って札内ダムまで歩く。運よく登山者の方の車に乗せていただき、中札内の道の駅まで送ってもらった。車窓から眺める日高の山並みがあっという間に小さくなっていく。ついさっきまでこの中で這いずり回っていたのが信じられない。バスに乗って帯広に行き、はげてんへ向かうが休みだった。結局7時の高速バスに乗ってその日のうちに札幌へ着いてしまった。山での時間と下界での時間が地続きのものとはどうしても思えなかった。*引き返し地点以降は、記念別→ピリカペタヌ沢→戸蔦別ヒュッテ→カタルップ沢→エサオマン入りの沢→新冠本流→戸蔦別本流→戸蔦別十の沢→美生川 とつなげる計画だった
 
 
 
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