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発行日時
2022-3-15 1:33
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利尻山 仙法志第二稜
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http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4077687.html 利尻山 仙法志第二稜への外部リンク
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利尻山 仙法志第二稜(アルパインクライミング/道北・利尻)日程:2022-03-08〜2022-03-12メンバー: sy2017 Takenaka2017写真:Ω2と西壁C14日目は暗闇の中出発。American Death Triangleこの支点が設置されたのは何年前だろうか?早朝、ハイマツピークへザイルを伸ばす佐藤ベガ雄改め、アゾ郎onバットレス第一稜とのジャンクションルートファインディング難振り返ると日本海利尻だけ雲がかかっていたP2より振り返る海外の山みたい小屏風岩の巻き視界10mくらいでナイフリッジを進む。バス間違えてしまい入山口まで歩くはめに後ろに北峰のほこらがある感想:今回3日目に突っ込んだが後悔はしていない。結果的に成功したが、小さなミスが命に関わるということがよくわかった。また、組織に所属していないと誰も助けてくれないので、その辺は、すごく弱いと思った。救助してくれる仲間がいるというのは山岳会に所属するメリットの一つだ。もちろんこんな風ではヘリはとてもこないだろう。まつお食堂のカツ丼はすごく美味しかった。その時その場では最善を尽くしたつもりだったけど、自分は慎重なのではなく臆病だったのだろう。要はこの類の山に必要な覚悟が足りていなかった。自然に謙虚に、自分の力量と相方ともよく相談したうえで、勇気を持って一歩踏み込みたい。もっと山に登りたいと強く感じた。ーーーー以下、詳細記録ーーーー3/8 晴れ/曇り栞橋(8:50)大空沢取り付き尾根(12:00)第二稜・1170手前コル=C1(16:00) C0を6時発で携帯アプリが指示するバス停に向かうが全く見当たらない。宗谷バスに電話してみたら、バス停は全然違う場所だし始発に間に合わないうえに次のバスは2時間半後。。。仕方ないので入山口まで2時間歩いた。栞橋に到着し、さぁいよいよ入山!と思いきや佐藤のスノーシューが壊れた。なんか今回幸先悪いなぁ。2人のアイゼンバンドとシュリンゲを出し合って固定し、何とか歩く。汗だくになって第二稜に乗り、いつもより早めにアイゼンに替え、・1170手前に風が避けれる良い感じの平坦地があったのでC1した。第一稜との合流点まで偵察がてらトレースを付けに行く。ここも確かに泊まれそう。3/9 ガス強風→晴れ C1(6:00)JP(10:00)第一ギャップ=C2(12:00)テント出るとガスっているがまぁ晴れるでしょうと出発。第一稜との合流(JP)までは適宜ロープ出してルンゼを繋いだ。JPからは灌木混じりの細い岩稜で、中間支点取りながらコンテで進む。予報とは違って一向に晴れる気配が無い。5m程のギャップで懸垂したり、細い雪稜をcdしたりしてる時うっすらと岩峰のような物が見えた。何となくあそこを登るのかな?程度は分かるがほぼホワイトアウトで自信が持てないので、風が凌げる岩陰で時間待ち。するも全く晴れない。テンバ情報のあるP2基部まで時間的に厳しそう。色々話し合った結果、あと1.5dayでバットレスも登って下山するのは厳しいし、1日晴れる予報なのにこの天気だから今日引き返すのも厳しいので、今日はここでイグルー作って明日1日かけて引き返すことにした。するとイグルー完成する頃には視界が開けてきた。。。夜も明日の行動について話し合った。明日はwindy,気象庁,予想天気図など、どれを見ても日没までは完璧な晴れ予報。4時発でミスなく対処して14時頃にバットレス登攀開始すれば20時間行動で貫徹出来ると言う佐藤。食糧燃料,明後日の天気,本当にミスなく対処できるのか,色々と余裕がないし、入山前のバストラブル,スノーシュー破損,炊事中の火器不調など不吉な予感もするから帰ろうという僕。21時くらいまで検討を重ね、明日は命取られる程の悪天ではないこと、ある程度の勝算は持てたので突撃することにした。3/10 快晴→悪天 C2(4:15)P2基部(10:00)バットレス基部(15:30)バットレス頭=C3(23:00)起きるとイグルー内積雪5cm、火器の調子も悪く、なんか不吉な予感しかしない。僕はやっぱり行きたくないと佐藤に告げる。だがイグルーを出ると満天の星空と幻想的な雲海、街の灯り。きれいだ。風もない。なんだかやっぱり行けるような気分になってきた。佐藤に「やっぱおれ達なら行けるよ。行こう!」と言う。佐藤も「よし!行こう!」と気合が入っている。ハイマツピークまでは小岩塔、細いリッジを3ps出した。第二ギャップへはハイマツ掘り起こし、バックアップ取って20m懸垂。小屏風岩は右の雪斜面へ30mcdしザイル引っ張って60m急な雪面を登った。稜線に復帰し、仙法師ローソク岩を確認してマオヤニキレットへの懸垂。入念なアクティブテストとバックアップの後リングボルトと残置ハーケンで懸垂。ズボズボ雪壁を登り返して稜に復帰すると、P2,P1,バットレスが間近に見える。ここまでいい感じのペースだ。P2への登りは2ps出し、大量残置で2ps(25m,30m)懸垂。2p目頃からガスが出始め、ガスの切れ目を待ってRfし、P1のルートも目処を付けておいた。P1の少し傾斜強まる所まで上がり、イボ2で支点作って登攀開始。・1p目 50m 佐藤左へトラバース気味に雪壁登り広いルンゼ手前で灌木で切る・2p目 40m 竹中目の前のルンゼを登ろうとしたが見た目以上に傾斜が強く無理だった。左側のリッジも試すが頭ラッセルで不可。仕方ないので10mほどcdして右側のリッジ状を行くが結構悪い。ランナウトしながらリッジ内の凹角を縫うように登る。エビの尻尾破壊や絶妙なバランスを強いられ時間かかった。ルンゼ出口へトラバース出来る所まで上がり、トライカム3で切る。他の人達はあのルンゼが越えれるのだろうか。・3p目 佐藤 50mノーピンでバットレス基部まで雪壁トラバース〜太めの雪稜。この時点で15:30。バットレス基部では雪洞もイグルーも製作困難だからビバークは出来ないし、今後の天気を考えると今日の明るいうちに核心1p目を突破するしかないのでバットレスに取りかかる。1p目 40m 氷のような雪がべっとりと付いており、残置のある直上ラインとやらが見当もつかないので、奥の凹角に取り付く。難しいがカムとトライカムでプロテクションはそれなりに取れる。傾斜が落ちる草付き帯へのマントルがわるく、少し粘るが、時間もないので右壁にトライカムピンクをナッツの様に決めて入念にテスティングし、A1でのっこす。そのあとは氷の張ったチムニー。残置ハーケンがあり、正規のルートであったことに安堵するが、ランニングはあまり取れない。ランナウトしながらのフッキングでじりじりと進んでいくと右手にレッジがありアルヌンも尽きていたので、ここでとりあえず切る。ハイマツでビレー。下部は冬季のトビラの核心と同じくらいなので、フリーでの突破も不可能ではないが、やはり全装だとなかなか難しい。残置のある直上フェース→トラバースよりもダイレクトで自然なラインかな?2p目 50m 壁は真っ暗。もう急いでも仕方がないが、風は強くなる一方だ。左手の先程までいたルンゼにはハングしたエビの尻尾が覆い被さっている。あまり行ける気がしないので、とりあえず直上しようとするが、氷と雪の中間にはアックスが決まりにくく、いきなり核心。騙し騙しのっこす。左に合流したいが分厚すぎるエビの尻尾になすすべもなく、右上するバンドに吸い込まれていく。このバンドはどこまで続くのだろうか、今バットレスのどこにいるのだろうか、全くもって謎だ。気づいたらアックスから火花が出る位全力で振っていた。20m位ロープを伸ばすとバンド状は終わり、あたりを見渡すとぶったった壁のど真ん中にいることがわかった。正規のラインからだいぶ離れてしまっていたので、なんとか復帰すべく左上するようにラインを変更。下から見るとワンポイントの乗越のように見えるが近づくと八十五度くらいの垂壁で越えても越えてもなかなか終わらない。日高のニセピークのように何度も騙される。しょぼい草付きをホールドにしての持ち替えを何度も強要される。とにかく傾斜が強いので若干パンプもしてくるし、足も雪だか氷だかで何回か乗ると崩れる代物なので、何度か落ちそうになる。こんな所で落ちたらスーパーロングフォールで開放骨折→死だろう。男には絶対に落ちてはならない時があるとdzブログで読んだが、間違いなく今がこの時だ。目の前の一手一手に集中しながら登っていくと大きなルンゼが見えてきた。ここのマントルも結構悪い。ここで落ちたら全てが終わるので、はやる気持ちを抑えながら超絶スローで越える。安全地帯に抜けた瞬間は声が出なかった。その位緊張していた。ランニングは50mで5個位。カミホロと比べたら取れてる方かもしれないが、精神的に消耗した。イボイボ3本でビレー。フォローも苦戦しているようで定期的にロープにテンションが入る。ビレイしてると凍傷になりそうなので、腕を振りまくる。多分1000回は振っていたと思う。3p目 40m ルンゼから立った雪壁。登ってると時々振られる位の風。ハイマツでビレイ。暗黒と視界不良、風も強くこれ以上進めない。イグルーも雪洞も掘れないので、西風が凌げる場所を何とか整地し、ハイマツとメインロープで自分のハーネスとセルフを取ったり(←これはさすがに不要だった)氷の層を削って風防作ったりした。風に煽られ苦労してテント立てて入る頃には1:00。昼までは引き続き強風予報なので12:00まで泥のように眠る。3/11 快晴無風 C3(20:00)本峰(22:00)長官小屋(23:00)R108(5:00)低気圧前面の接近でテントを叩く風が徐々に弱まるのを感じつつゆっくりと準備。出発する頃には街明かりもくっきりと見え、不気味なほど風が無かった。南峰は雪質的に雪崩の心配もなく、ザイル出して東側を50m巻く。本峰へは急なリッジを40mリード。表面を覆うエビの尻尾を叩き割るとサラサラとグラニュースノーが出てきて、結構細いのに足場が決まらず緊張した。ザイルをしまい北峰へ。残念ながら雲海や日本海、青々と繁る樹林帯に囲まれた絶頂を感じることはできなかったけれど、星空は見えるし街明かりで島の輪郭も辿れる。この景色が見れる人間はそういないだろう、会員限定的な夜景が見れたみたいでなんだか得した気分。それに、これでもうすぐ安全圏だ。ここまで本当に長かった。長官小屋で小休憩し、よろよろと下山開始。途中、北稜にしては東成分が多いなとは感じていたが、樹林帯に入り、合流する沢型の向きもおかしいのでGPSを確認してみるとやはり違う尾根を降りていたことが判明。まぁ真北に歩いてれば海に出るだろと、僕のスノーシューを2人で分け合い、2人とも右足だけ履いて国道108号線まで。眠すぎて、何度もザック下ろして休憩した。もう街まで歩くのもしんどいのでヒッチをすると、なんと開始5分で漁師の方に乗せてもらえた。しかも自宅倉庫でストーブに当てていただき、暖かいコーヒーやパン、バナナをご馳走になった上にフェリーターミナルまで送っていただいた。泣きそうになりました。稚内のまつお食堂と豊富町のふれあい温泉で癒され、日付が変わる前には帰札し、5年間と短い登山人生でもTOP5には入る濃密な山行が完結した。
 
 
 
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