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切り抜き詳細
- 発行日時
- 2010-3-1 3:36
- 見出し
- 奥秩父
- リンクURL
- http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-57969.html
- 記事詳細
-
奥秩父(雪山ハイキング/奥秩父)日程:2009-11-22(日帰り)
メンバー: kiiroibuta
コースタイム:
コース状況/その他周辺情報:概略:昨年北大山岳館から重複本として尾崎喜八の「山の絵本」
(昭和13年5月15日発行)をいただきました。
その中に「花崗岩の國のイマアジュ」と題した一節があり、
当時の瑞墻山登山の様子が記されていました。
それがきっかけで瑞墻山へ行ってみようと思いたった次第です。
沢には寒すぎるし、北海道の準備山行のようにスキーができるわ
けではない。
そんな訳でフツーの山靴でフツーの夏道を行くことにしました。
麓は晩秋、高度を稼ぐにしたがって1800m付近の北面から、
白いものがちらほらと見られ始め、
頂上は先日下界で冷たい雨が降ったときの名残である雪で、かなり
白くなっていました。
2000m以上はすでに冬の趣でした。
尾崎喜八さんの記述にあるアマドリ沢からの登りクーロワールに
は、70年以上前と比べると、今ははしごが一部かけられて
登り易くなっていました。
頂上はガスと風で視界が利かず早々に退散し、頂上を少し下った
風の当たらないところでストーブをたき、ホットココアで
昼食と暖を取りました。
あとは落ち葉の山道を淡々と下り、増富ラヂウムで冷たい湯船と
暖かい湯船に交互に入り、本日の疲れを癒しました。
午後から雨が降るという天気予報にもかかわらず、中高年のおば
さん勢の登山者がかなり目立ちました。
今回の山行のイントロ:
山岳部OBの方が亡くなられたときに、その方の山に関する蔵書を
ご遺族の方が山岳館に寄贈され、山の会の蔵書の内重複するものを
会員に分けていただいた経緯がありました。
そのときに分けていただいた1冊が今回の「山の絵本」です。
今回の山行の別章:
いただいた「山の絵本」の中に古い名刺がはさまれていました。
【女子山岳練成会 佐藤テル】 さんの物でした。(添付?)
佐藤さんは日本の女子登山界のパイオニア的存在で、女性で初めて
海外遠征(ニュージーランド)を行った方でしたが、昨年2009年
5月に104歳で亡くなられました。
この本の裏表紙には、【贈 佐藤テル氏】と著者からと思われる
贈呈印がありました。(添付?)
また、裏表紙の手前のページには古本屋が販売するときに付けている
シール様のものが添付されていました。(添付?) その内容は
KURETAKEDO(くれたけどう) 朝鮮 釜山となっていました。
これらから推察すると、著者が佐藤さんに贈呈したあと、佐藤さんに
何らかのいきさつがあり、戦前に手放された後、韓国の釜山にある
古本屋さんに回ってそれをOBの方が入手されたのか、はたまた
いくつかの手を経てOBの手に入ったのか、想像するだけで
非常に興味が尽きません。
そのような経緯のなか一昨年の山の会の忘年会で、この話を浜名さん
(1967)にしたところ、同席していた山と渓谷社の方を紹介してくれて
その方に本をお預けしました。いろいろ情報を集めていただき、
海外の和書の流通に詳しい古書店をご紹介していただきました。
まだ訪問をしていませんが、いずれ訪問して話を聞いてみようと
思っています。
昨年夏に、同期の伏島さん(1968)と山岳館を訪問し、中村ボレロさん
(1958)とお会いしたときにこの話をしたところ、佐藤テルさんからの
贈呈本が結構あるという話がありましたので、この辺に何かヒントが
ありそうな気がしました。
*佐藤テルさんは旧姓で、中村テルさんが結婚後のお名前です。
写真: