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発行日時
2018-2-22 2:01
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《北ア》新穂高温泉から鷲羽岳、三俣蓮華岳、双六岳厳冬期アタック
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《北ア》新穂高温泉から鷲羽岳、三俣蓮華岳、双六岳厳冬期アタック(積雪期ピークハント/縦走/槍・穂高・乗鞍)日程:2018-02-18〜2018-02-22メンバー: yoneyama macchan90コースタイム:コース状況/その他周辺情報:左俣林道と秩父小沢、双六岳と三俣蓮華岳トラバースルートの雪崩は、今回に関しては不安なし。ただしいつも安全とは限らない。写真:左俣林道ラッセル。デブリで林道埋没のところ双六への稜線、時折視界が利くときを待つ。左俣林道ラッセル槍から旭小秩父沢を源頭へ左俣川林道ラッセル双六冬季小屋、明るく、入りやすく、広い。夜明け前双六から弓折への帰り道。長く感じる。左俣林道より、穴毛谷三俣蓮華爆風の中秩父沢と小秩父沢平湯でバス待ちの足湯とビール弓折岳南尾根、2330mから小秩父沢に滑降。芥子粒のようイグルーに帰着して、凍った文旦を食べる。トラバースルートより槍ヶ岳と穂高岳深いラッセル鏡平と槍ヶ岳穂高岳標高1470m、林道右岸から左岸への橋。中央白いのが弓折岳、その正面の尾根を登る双六冬季小屋槍ヶ岳の見えるイグルー左俣林道ラッセル鷲羽岳山頂、暴風の中。天候急速に悪化。他に写真の余裕なしイグルーから槍ヶ岳弓折岳山頂イグルーから、樅沢山林道入口に帰着イグルーの影その脇でイグルー、30分で完成イグルーから槍ヶ岳凍った広口プラティパス、ピッケルで割る穂高連峰林道の鏡弓折岳山頂イグルー出発帰りの林道。錫杖岳松本、常念岳を望むバス停で槍ヶ岳に旭弓折岳山頂イグルーから、乗鞍岳弓折岳山頂イグルーから、乗鞍岳槍ヶ岳北鎌尾根。常念岳と大天井岳左俣林道ラッセル、わさび平小屋、潰れそうな雪弓折岳南尾根より大ノマ岳、抜戸岳の雪コンモリ尾根。双六冬季小屋、明るく、入りやすく、広い。三俣山荘冬季小屋。左岸の河岸段丘上にイグルー乗鞍岳と抜戸岳C1イグルー。標高1480mに帰着弓折岳南尾根、2330mから小秩父沢に滑降。乗鞍と焼岳。大ノマ岳あたりが見えてきた。双六を巻いて三俣山荘へ抜ける近道ルート鏡平と槍ヶ岳三俣山荘冬季小屋。掘り出すまでは余裕なく写真なしすぐに消える三俣山荘冬季小屋。外は3mの雪を掘り下げてこの戸を開けたが、朝は戸が開かなくて困った。秩父沢と小秩父沢双六小屋の向こうに、目指す鷲羽岳出発の朝弓折岳南尾根、2330mから小秩父沢に滑降小秩父沢を源頭へ弓折岳南尾根、2330mから小秩父沢に滑降。芥子粒のよう穂高連峰弓折岳南尾根、2330mから小秩父沢に滑降ひとやすみ焼岳が見えてきた弓折岳山頂イグルーから、乗鞍岳三俣山荘で暴風を避ける双六岳の中腹を北上する小秩父沢を源頭へ弓折岳山頂、ツエルト被って気象通報、天気図書きC1イグルーより振り返る。三俣山荘冬季小屋。大きな結晶。三俣山荘冬季小屋槍ヶ岳が逆光になっていく夜明け前橋の上より見納め弓折岳山頂イグルーから、槍ヶ岳双六小屋発見槍ヶ岳、穂高岳目指す鷲羽岳はハーンテングリみたいトラバースルートから鷲羽岳が見える。シールつけてとことこ下る松鏡平と槍ヶ岳弓折岳山頂イグルー鷲羽岳。左奥に水晶岳樅沢岳感想:突然5連休が来た。現在失職して「カレンダー・レッドマン(毎日祝日男)」の松が二つ返事で応じてくれた。15年前にもこういうことがあった。得難い大切な山の友である。はじめ扇沢、いやいやブナ立て尾根からの大縦走を考えたが、厳冬期のこの時期、貫徹見込みのまだある往復計画で立て直した。1日目)林道ラッセル松は前夜松本のウチに前泊で、バスを乗り継ぎ新穂高温泉へ。左俣川林道は10センチ〜30センチの普通のラッセル。この地域は2週間近く大した降雪も無く、雪崩の気配も今はない。20キロの荷物で初日6キロを5時間かかる。下山日も雪が降っていればこの時間を見込まなくてはならない。30分で二人用イグルーを作る。2日目)尾根1000m登り一生懸命スキーで登る。快晴で顔が焼ける。登るに連れ、穂高も槍も姿を見せる。心配していた雪崩の気配は無い。雪は安定している。はじめ、鏡平経由を考えていたが、弓折岳から真っ直ぐ谷に降りている尾根を直登することに決めた。全体に樹林の少ない山域だ。雪崩のせいだろうか。C1イグルーの標高1500mから上は基本的に疎林だ。槍の穂先が近くてデカい。これまで槍は穂高に比べ小さいような気がしていたが、四方に根を張るこの存在感はどうだ。前に槍に登ってから、かれこれ40年。見直した。ここから見る槍にとっては、穂高は家来のようだ。標高差1000mを喘ぎながら登り、9時間近くかかった。双六までテン場を伸ばしたかったが、天候悪化の際すぐに下れる安心感ある弓折山頂にイグルーを作る。その間に松がラジオ気象通報で久しぶりに天気図を描く。高気圧ばかりでめでたい出来。槍ヶ岳の見えるイグルー。ここを二泊目のテン場にした時点で、水晶アタックは消える。3日目)鷲羽ロングアタック、帰りビバーク稜線のラッセルはほぼ無く、山スキー使わずともアイゼンピッケルで軽身で夏道時間読み並のスピードで進む。双六と三俣蓮華を巻くトラバースルートも、視界が無限大なのでひと目で分かる。雪崩の恐れもない。念のため、帰りにどう通るか、振り返り振り返り、記憶に刻む。トレースは風ですぐに消える。三俣山荘のコルで、風がすごく強くなり、鷲羽の上りにかかると台風並みに。雲も西の方からどんどん流れてきて、あっという間に悪天に変わってしまった。山頂にタッチして引き返す。三俣山荘のコルで行動食を詰め込み、帰路につく。ここまでは帰着できる時間読み通りだった。三俣蓮華岳南東のトラバースルートで、大きな円形の谷を標高2770m付近で回り込むあたりで、視界が極端になくなる。まるで白い闇の夜になったよう。足元の傾斜しかわからない視界20mほど。台風並みの風、気温は氷点下10度ほど。地形の確認作業にも時間がかかるようになり、この状況では弓折のイグルーまで帰れないのが明らかになった。その場でイグルーを作ってビバークできる自信があるから慌てない。どうせビバークなら三俣小屋にもどろうということになったが、この視界では、だだっ広い緩斜面で、いま来た小屋まで戻るのにも1時間かかる。恐るべき天候急変と白い闇。冬季小屋は屋根まで埋まっていて、直下に3m掘り進み、しかも戸が外側開きのため入るのにまた1時間かかった。一時間あれば立派なイグルーが作れる。これでは朝も出るのに苦労しそうだ。広さは三畳間ほどの納屋のようなところ。寝袋なし、飯なし、コンロはあっても鍋はなしで、手持ちの水の凍っていないとこだけ飲んで行動食を食べ、持っている非常用防寒肌着を全部着込んで、お風呂マットとウスウスシュラフカバー。ザックに足突っ込んで眠る。おきている間は震えていたが案外少しは眠れた。きょうは意外な展開だったがイグルー技術があるから、吹雪の中で疲労凍死する気は全くしない。これは我らの強みだと思う。鷲羽岳、美しい山の上に、価値ある登頂になった。4日目)悪天の中、稜線通しで三俣蓮華、双六岳。弓折イグルーに帰着地吹雪は相変わらず強く台風並み。視界は昨日よりは良く、常時300m、時々1000mくらいは見える。これならば稜線通しで帰れる。三俣蓮華を越えて風は更に強く、時々背を向けて立ち止まり痛い頬を擦る。久しぶりに目出帽をデストロイヤにする。松は眼鏡が曇ってきょうも盲人状態だ。一つ一つの地形特異点で確認し、磁石で確かめる。双六の南東、2911から双六小屋へ下る当たりは、降雪も深く、雪崩の可能性を考える。視界も利かず、斜面か雪庇かわからず下るのに勇気がいるところだ。小屋が見えてきて安堵する。冬季小屋は入り口が高いところにあり雪かき要らずで広く使いやすそうだった。小休止で風を避けることが出来た。ここから先も長かった。再び視界のない中、稜線までのトラバースルートを探すのに時間をかけたし、上り下りが多く、疲労もたまった。しかし厚い寝袋と、温かい食事のあるイグルーに戻り、生き返った。狹いながらも極楽だ。ビバークに比べればぬくぬくと眠る。5日目)晴天、滑降槍ヶ岳から朝日が登る。乗鞍、白山も、見える。滝谷は、真っ黒だ。尾根の上部はここ数日の地吹雪で吹き溜まっている。傾斜もあるので初め警戒してスキーを履かず、アイゼンで下る。傾斜があるのであっという間に高さが下がる。2330m,南尾根が分岐するあたりで、左下の小秩父沢へスキーで一直線に下る。この辺では尾根よりも、沢の中のほうが傾斜が緩く、雪崩はなさそうだ。デブリもトレースもない無垢の大斜面だからスキーは滑らかに運転できる。重荷だけど楽しく下る。松はシールを付けたままトコトコ下る。「身の程をわきまえておりますから」とのこと。林道の降雪は無かったみたいで、登りのトレースを頼りにできた。日向の雪は板の裏にくっついて厄介だったが、日陰はよく滑った。林道入口付近で、今週穴毛谷をスノボードで滑るという地元の若者1人と会い、話をする。厳冬期の平日でもあり、2日もラッセルしないと行けないこんなルートは、静かなものだ。久しぶりに学生みたいな山行ができて、生き返った。新穂高温泉でラーメン食べて、足湯に漬かる。春節休みで中文のお客がたくさん。平湯で高山へ行く松と分かれて松本へ。四晩、長い睡眠をしなかったせいか、松本まで眠りこけた。
 
 
 
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