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共同装備についての解説
1. 個人装備
個人装備は、道内で使用する積雪期装備を用いた。日中の行動はジャージで十分であるが、朝晩はやはり冷えるので、冬の装備を持って行くに越したことはない。[ページのトップへ]
その他、各自アイスバイルを持参し、氷壁や稜線上の登攀に非常に有効であった。
2.登攀装備
ルート工作用に、φ9ミリのクライミングザイル4本を用意した。3人ずつの2パーティに分けてルート工作したので、十分な量であった。[ページのトップへ]
フィックスロープは、ダンライン(φ9ミリ,φ8ミリ)をそれぞれ200メートル、計400メートル用意した。主にクラクマリ滝岩壁と懸垂氷河の氷壁に使用した。C2以上でのフィックス箇所が計画より増えたので、足りなくなった分は、岩壁部のロープを回収することで補った。
クラクマリ滝岩壁のフィックスロープは、ユマーリングの際の損傷を防ぐ為、随時ガムテープを捲いて補強を行った。
その他、サブザイルとしてφ6ミリ×20メートルのロープを2本用意した。フィックスロープ代わりに1本、もう1本はタックパーティが非常用ザイルとして、使用した。
支点類は、ロックピトン、アイススクリューを中心に各種揃えた。ほぼ十分な量であったが、氷壁の部分はアイススクリューのみしか使用できなかった。
新雪用にスノーバーは、4mm×40mm×40mm×660mmのものを自作し持参した。雪との摩擦を大きくするために、穴をあけたり、くさびを入れたり工夫をしたが、今回は使用する局面がなかった。全体としてロックピトン、アイススクリューのみで殆ど用を果たした。
3.露営装備
ハイキャンプのテントは全てドームテントで、C1に4人用と2人用,C2に4人用,C3に3人用を配置した。普段、道内で使用するものを持参したが、天候が良いため、不安を覚えることはなかった。隊員数が6名なので、C3建設前は、C1,C2に全隊員が泊まれ、C3に泊まるアタックパーティを2パーティに分けたので、この量で十 分であった。[ページのトップへ]
BCは、エージェント持参の隊員用2人用テント3張、他リエゾン用テント,キッチンテント,メステント,コック用テントが1張ずつという構成であった。
C1以上では、ガスストーブを使用した。特に支障になるようなことはなかった。
ガスカートリッジは、現地のエージェントを通してイギリスの会社より購入した。消費量は、C1、C2で水が取れたため計画より遥かに少ない量で済んだ。
一応、何かあったときのために、石油ストーブを持って行ったが、ガスカートリッジが予定通りに手に入り、使用することはなかった。
炊事用具は、3人単位で、ジフィーズ、ラーメンを主体とした食事だったので、小さいコッヘルセットで十分であった。 スノーソー、スコップはC3設営時に使用した。
ローソクは、日が長かったのでハイキャンプでは使用しなかった。
4.その他の装備
梱包材は、日本からの輸送にはプラパールとダンボールを、キャラバン中にはこれに加えて麻袋を使用した。空輸時には各装備を分散させたり、ビニールに包むなどの防水対策を施した。
トランシーバーは、アイコムIC−P2(144MHz)を4台使用した。軽く、コンパクトで性能が良く使いやすかった。
高度計は正確ではなかったが、ある程度の目安となり、気圧の上下がわかるので、天 候の予測にも役にたった。
デポ旗は、針金に赤布をつけたものを作成したが、使用する機会はなかった。
食料等のパッキング用ビニール袋,輪ゴム,ガムテープは日本から持ち込んで正解であった。現地のものは劣化が早く、よく切れた。
リエゾンの装備は、隊員と同等の装備を支給した。ポーターには支給する必要はない。
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