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95ブニ-ゾム峰西面-West face of Buni-Zom »

2.山行計画(斎藤)

計画

                            
・登山隊の名称:1995 Academic Alpine Club of Hokkaido, Buni-Zom Expedition
・目標とする山:ブニ・ゾム主峰(6551m)
・登攀ルート:コーラボルト氷河を最奥までつめ、主峰と北峰とのコルに出て北方稜線経由で往復
・キャンプ位置:ベースキャンプ(BC)の他にC1−C3の3つの上部キャンプを設置する。
BCはクラクマリ滝岩壁下、C1はクラクマリ滝岩壁を越えたコーラボルト氷河末端、C2はコーラボルト氷河上、C3は氷河をつめきったところの主峰と北峰とのコル付近とする。

ルート工作

 C1―C2間の標高4000m前後のクラクマリ滝岩壁、C3を設置するコルに至る急な懸垂氷河(5500―6000m)及び、C3―主峰間の稜線(6200m前後)を技術的に困難な箇所ととらえていた。なかでも、1971年に日本のスワロー会が途中で断念した急な雪壁の登攀に重点を置いた。
 これらの岩壁、懸垂氷河については登降の安全を確保するため、急な箇所にロープを固定する。そのためのフィックスロープは各200m、計400mを用意する。支点はロックピトン、アイススクリューを中心とする。
 C3―主峰間の稜線(北稜と呼ぶ)は1957年のニュージーランド隊の初登頂以来記録になく、また初登頂の記録も詳細には不明なところがある。彼らは東面のゴールドハン氷河を経由しているため、西面からのアプローチには未知の要素が多い。我々は1971年に日本のスワロー会が撮影した西面からの写真と、1968年に法政大学体育会山岳部の撮影した東面からの写真の両側からの写真から想像して、北稜のルートは部分的に岩が混じるが概ね細い雪稜が続き、我々の技量でも大丈夫あろうと判断した。
 全般的にフィックスロープは必要最小限におさえ、個人の技術、判断を重視したスピーディーな登攀を目指した。そのためには次に述べる高度順化を確実にすることが最重要と考えた。

高度順化

 全体を3期に分け、一期目を4000m台の岩壁の登降、2期目を5500―6000mの懸垂氷河の登降。その都度、荷揚げをまじえて登降を数度繰り返すことによって次第に高度に慣れる。これらの間に丸2日のBCでの完全休養を入れ、順化をより確実なものとする。
 3期目に2隊に分け順次登頂。約21日間で登山を終了する。今回のルートは一般に高度順化の「壁」といわれる4000m、6000m前後に急な登りがあり、短時間で高度を稼げることがスムーズな高度順化につながると考えた。


 
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