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92カムチャツカ第二次遠征 »

ハンガール火口湖散歩

フラテ山の会 上田 エリヤ


 6月9日にハンガール峰ピークに立った後、翌10日も快晴だった。しかし、ヘリが迎えに来るのは11日。また日も果てしなく長かったので、ヒマを持て余した有志6名が集まって前日ピークから見下ろした火口湖に行こうということになった。ハンガール湖は東南の岸近くに小さな島が2つあり、あれに渡れたら面白いだろうという話になって、テン場直上の岩峰の南を目指して12時出発。メンバーは植田さん、本多さん、澤田さん、小倉君、そして僕上田である。




まず岩峰下まで雪渓をスキーで登る。斜度は中程度。標高差約250mで岩の出ている貴部に着く。この下のトラバースはいやらしかった。本多さんを先頭に一人づつそろそろと通過。




トラバースが終わるとすぐ火口湖が視界に広がる。手頃な斜面があったのでスキーで下降。デブリはあったとはいうものの、雪は固く、快調。島の正面に着いた。島までは50m位だろうか。湖は氷の上に雪が積もって白い。しかし岸近くには割れ目などもあって緊張させる。抜き足差し足で渡り始めたその時、植田さんがサーっとスケーティングで通過。やられた。スキーをトラバース前で置いてきた小倉君はプラ靴で渡ろうとしている。初めは何でもないように見えた。ところが島との真ん中近くに来たとき、突如ズブリ、と来た。真青になる小倉君。膝まで沈みながらズブリ、ズブリと前進。ようやく岸に着いた時にはホっと息をついた。靴の中びしょぬれ。15:00。




島は北大の中央ローンの半分位の大きさだったろうか。空は快晴。物音一つ聞こえない。白とエメラルドグリーンの湖面は雲の上から見た南の海のようだ。無風。




しばし休息の後、帰途に着く。行きと同じ斜面を登る。岩峰下のトラバースは行きより下の雪渓上を通過したが微妙だった。岩峰からは新たなデブリを作ったりしながら重いスキー。17:30帰着。結局一日仕事となってしまった。




最後になりましたが、今回は部外者ながらこの遠征に参加させていただき、仕事は何もしなかったにもかかわらず、AACHの皆さんのケアのおかげで素晴らしい体験をたくさんさせていただき感謝しています。有難うございました。


 
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