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報告_2022.08.27-09.04(8-1)

2年班沢メイン

ナナシ沢~1839峰~サッシビチャリ川~ペテガリ岳

-日高は燃えているか-

L中川(4AL宮下(3M齋藤(2

<時間とルート>

Day1(8/27)[曇り/雨]:林道ゲート(5:00)神威山荘(8:00)ペテガリ山荘(11:20)=C1

当初の入山予定は大雨で延期。入山時点で(7-2)というシビアな日程となる。事前情報通りゲートは閉まっており、いつもの場所から歩き出す。竹内さん送迎ありがとうございます。眼下に見える川が白く濁っており早くも不安になる。1hほど歩いたところで記念すべき1頭目のクマ目撃。神威山荘の手前でも林道脇からヌッとクマが現れて、しかもこちらに近づいてくるので15m程の距離を保ちながら後ずさり。息のつまる展開を5分ほど続けるとあっちが林道を外れ斜面を下って行った。騒がしくベッピリガイ乗越して林道に降りたところで本降り。この分だと翌日のナナシ遡行は厳しそうだし、ペテガリ山荘が見えてしまったので逃げ込む。翌日の方針を西沢デポ&ナナシへの移動とする。

Day2(8/28)[雨/曇り]:C1(5:15)西沢デポ(6:00-11:00)ナナシ沢林道入り口(14:00)Co420あたりの河原(15:00)=C2

シベチャリ橋まで歩き、Ls2人で西沢デポへ。サッシビチャリも少し増水している。荒れた左岸林道を歩き、不明瞭になったところからもしばらく左岸笹薮トラバースして1つ目の函終点から沢床に降りる。2つ目の函は右岸から容易に捲く。あとは重い渡渉を繰り返しながら河原を進んで西沢出合まで。木に後半分の食糧(3-0)をぶら下げて来た道戻る。再び林道を歩き、不気味なほど立派な道道111号に乗る。コイボクが明らかに増水しており陰湿な天気も相まって負のオーラが漂う。持って行った地図と橋の位置が合っておらずナナシ沢の同定に時間がかかる。ナナシの荒れた左岸林道を歩き、Co420あたりの支沢からナナシ沢に降りてすぐの河原でC2。耐えられないが逃げられる。ナナシは若干増水しているが流れはあくまでも透明。湿気りきった薪と3h格闘するもまさかの焚火敗退。ガスで雑炊作って寝る。疲れた。

Day3(8/29)[曇り時々晴れ]:C2(5:15)23南面出合(9:00)39北面出合(10:30)=C3

一晩でかなり水嵩が減ったようだ。ガス節約のため朝は水戻しうどん。2度とやらない。しばらくは河原。Co530あたりから函状。久々に太陽を見る。基本へつり等で中を行き、1つ右岸から捲いた。23南面出合でお酒と黙祷を捧げ旅の安全を祈る。Co710多段函Fは右岸ルンゼから捲いた。39北面出合手前にも函。AL空身で泳いで段差突破し、後続も空身にしてゴボウの一幕あり。39北面出合右岸にちょうど3人で横になれる砂地があり、翌日までの好天を見越しそこでC3。大増水したらやばい場所。午後は晴れたのに寒い。

Day4(8/30)[曇り/稜上はガス/夜は雨]:C3(5:00)1839峰(11:00)ヤオロマップ岳(13:30)=C4

ようやく39北面に入る。出合から1つ目の滝は前日の偵察で直登厳しそうだったので右岸尾根から捲く。ブッシュつないで降りられる。2つ目の滝は右岸直登。微妙なのでLの腰がらみでお助け出しゴボウ。その後も10m前後の直登可能な滝が連続。Co940二股の15mFはL空身で左岸リードし後続タイブロック。Ⅳ級くらい。その上も直登可能な連瀑帯。Co1100二股は出合から2段50m程の滝。下段は左岸捲き気味に登り上段は右岸のブッシュに突入し捲く。Co1200くらいの左岸テラスは泊まれそうだった。その後Co1300くらいから谷はV字状となり、凄まじい勢いでコンタが上がる。Co1380を左、Co1440を右に行くと中を突破できない箇所があり、少し手前の左岸コーナークラックをLがリードし30mでブッシュまで。プロテクション取れて快適。ここもⅣ級くらい。後続タイブロックとセカンドビレイ。ブッシュからはトラバースで沢に戻れた。Co1550を左に行くとすぐに水が涸れ、薄い藪漕ぎで稜線に出る。ピークは空身でポン。ナナシの沢を登り名無しの頂に立った充実感を噛みしめる。

ナナシの頂

ヤオロまでは踏み跡明瞭な藪の細尾根。ヤオロピーク直下のテンバでC4。電波で天気確認すると、前日の天気図には存在すらしなかった北海道直撃コースの低気圧が日本海に出現しており面食らう。水を取りに行ったジャン負けMがクマ2頭と遭遇し半べそ帰還。少し時間をおいてALが汲みに行った。ヤオロマップ川側に10分下れば水が出る。

Day5(8/31)[雨]:C4=C5

昨晩からずっと雨。雨脚が強まっていく中でのサッシビチャリ下降は怖いので停滞とする。昼のラジオで「日高は今夜から明日朝にかけての12時間で150mmの雨が降る見込みです」と言っていてビビる。焚火は出来ずガスも切れ、ネーベンとうどんを生のままボリボリかじって過ごす。日が落ちるとバケツをひっくり返したような雨となり、沢からの吹上げでタープもあまり意味を成さず極い夜。クマや鹿もどこかで耐えていると思うとなんとか頑張れる。

Day6(9/1)[稜上はガス/霧ション/曇り]:C5(6:00)・1569(8:00)・825(9:45)=C6

Lはほとんど寝れず使い物にならないが、ALとMはわりと元気そうなので出る。ヤオロから・1569までの主稜線は岩と藪の細尾根。踏み跡はほぼない。主稜線からでも沢の音がゴーゴー聴こえ時折ガスの切れ間から明らかに大増水しているヤオロマップ川見えてしまい、これはやばいんでないかと不安を募らせる。慎重に地図読みして・1569の先からサッシビチャリに降りていく。平水時なら・825まで出ないはずの水がCo1400くらいからジャバジャバ流れている。しばらくガレと岩盤の沢を降りていくと伏流。Co900くらいに側壁が土砂で構成された函状地形があり、おっかなすぎて中を行けないので右岸のガレ交じりのブッシュから捲く。・825二股で水流が復活し、増水によりこれより先下降できないので右岸の高台でC6。必死に焚火をあおぎ濡れ物を乾かす。頼む、太陽をくれ。

Day7(9/2)[晴れ]:C6(5:00)西沢出合(7:15-50)Co1020二股(13:20)=C7

いまだ増水気味だが前日よりかなり減水している。渡渉点を選びつつ、名だたる銘渓を横目に下降していく。いくつかある函や段差はすべて捲く。39南面出合に親子クマ。西沢出合で無事デポ回収し、装備を整え西沢に入る。西沢も少し増水している。すぐに函状。今山行一番の晴天に恵まれ、岩盤の渓相がとても美しい。轟音をとどろかせる1つ目の滝は左岸バンド状を登る。落ちたら洗濯釜なので緊張する。その後も函地形続く。Co600くらいまでの間に、中を行く→左屈曲の先に突破不可函F→少し戻って右岸捲きを3回ほど繰り返す。捲き自体は難しくない。Co600以降は一見厳しそうでも絶妙なフリクションとバランスで内部突破していく。Lがへつりで突破し後続ザックピストンと、シュリンゲ投げたのが1か所ずつあった。そこを抜けると一旦河原が点在するようになり好天が読めれば泊まれる。すぐに函状に戻り、5m前後のピリ辛Fが連続。ほとんど直登できるが落ちると大抵渦巻く釜が待ち受けるので緊張感が続く。Co850に1つ目の滝記号の15m+5m+15m。1段目は左岸の洞穴から乾いたカンテを登り、2段目3段目は左岸リッジを捲いた。ザイルは出さなかった。

充実の西沢

そこからもしばらくは函地形続くが徐々に開けていき、核心部の終わりを感じさせる。Co1020二股の右岸でC7。夜は星がギンギラ。

Day8(9/3)[高曇り]:C7(5:00)ペテガリ岳(7:20-50)ペテガリ山荘(11:50-13:00)神威山荘(15:40)=C8

テンバ出るとすぐに2つ目の滝記号。左岸登れそうだが朝一からシャワーは避けたいので右岸捲く。沢が北向きに屈曲し、Co1100-1400くらいまでひたすら滑滝の連続で美しい。大小さまざまおそらく20個くらいはあった。中にはピリリと辛いのもあり目が覚める。滝の上からクマがこっちを見降ろしててギョッとする場面も。Co1500くらいで水が涸れ、背の低いハイマツをこぐとピーク看板の見える距離で主稜線に出る。ピークからは正面に圧倒的存在感を放つ39が見え、あれの向こうから来たんだと感慨にふける。日数も気温もアウトな感じなので西尾根を下る。序盤は西沢の滑滝群を横目に快調に下るが、中盤は降りてるのか登ってるのかわからなくなり、最後は膝に悪すぎる斜度でなんとかペテガリ山荘へ。山荘には小屋管理でたくさんの人が来ており、1週間クマにばかり会っていたので不思議な感じがした。豚汁やおにぎりを恵んでいただき、人情をエネルギーにもうひと頑張りして神威山荘へ。ひとり遅れて歩いていたはずのLがまたしてもクマにあったりしながら神威山荘にたどり着くと、そこにALとMの姿はなく「?」となるが火をつけて1hほど待っていると2人ともやってきて安堵。2人は林道からベッピリガイ乗越に入る場所を見落としてしばらく進んでから気付いて戻ってきたらしい。山行を振り返るいい夜。

Day9(9/4)[晴れ]:C8(6:00)林道ゲート(8:50)

来た時と変わらぬ景色。その中を歩く自分たちは少しだけ大きくなれただろうか。旅の終わりを感じさせる下山晴れの穏やかな余韻の先に、お迎えの車が見えてきた。

 

<パーティ>

2年班沢メイン貫徹ならず

 

<所感など>

・39北面

とにかく滝の連続。ピリ辛な箇所でいちいちザイルを出しているときりがなくなるが、全員がある程度登れるパーティなら爽快に駆け登れる沢。ほとんどの滝が直登可能。というか捲く方がむずい場合が多いと思う。あのV字谷に中途半端な雪渓が残っているとかなり面倒だろうなという印象を受けた。

・ペテガリ西沢

岩盤のとても美しい沢。“捲きの沢”という印象があったが、今回は雪渓も無くわりと中を行けた。捲かざるを得ない場面はたしかにあるが捲きは難しくないのであまり印象に残らない。それよりも微妙なバランスで突破する下部のゴルジュ、中盤以降の直登可能な連瀑帯の印象が強く、思った以上に登攀的な沢だった。トヨニ北峰南西面の方が難しいという記述がネットにあったが両方同じような条件(雪渓皆無)で登った感じだと、西沢の方が格式や難易度は上であると感じた。

函・捲き・滝どれもバランスよく出てくるし、出合からピークまでのコンタ差1200mに冗長なパートがほとんどない素晴らしい沢だった。

 

<感想>

中川:山の大きさを感じ何度も逃げ腰になったがなんとか踏ん張れたと思う。僕の4年間がルームに何かを残せたのならうれしい。

宮下:貫徹こそできなかったが楽しい沢登りだった。1839とペテガリのピークを踏めて大満足!

齋藤 :9日間心身安定していて成長を感じた。来年はLsとしてまた大きな夢をみたい。

 

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