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OBの山行記録・ 2008年1月20日 (日)

【アイスクライミング】雷電海岸/米山(84)

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【年月日】2008年1月19、20日
【メンバ】清野啓介(76)、米山悟(84)、斉藤清克(87)
【ルート】雷電海岸の2ルンゼと1ルンゼ

上州沼田から出張でやって来て仕事をあっという間に終わらせたスーパーOBを迎え、雷電海岸でアイス合宿をした。卒業20年近くにしてもセンパイに先端技術を教えてもらえるなんて最高のクラブです。現場近くの雷電温泉ではごちそうもそこそこにひたすらヤスリがけの稽古。本日も吹雪で氷点下の北海道、キチガイ三勇士です。


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雷電海岸はニセコの裏、数百メートルの岩壁に大きなルンゼが4本。氷柱氷瀑が連続ピッチで登れる。米山はアイスほとんど初めて。内地で最先端をやっている清野さんにイロハから教わる。米山、斉藤とも10年前の東京勤め時代には上越や北アルプスの数々の古典バリエーション沢、岩、雪稜ルートを導いて頂いた師匠である。3人一緒は今回が初めて。いつまでたっても追い抜き不能のセンパイである。




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初日は長そうな滝を下ろしている2ルンゼを目指す。駐車場から20分ほどラッセルするともう取り付きで、下から見るとなんとかなりそうな傾斜だが取り付くと高度感が凄い。センパイの金言をまとめると、

●派手にアックスふるな、ちょんちょん登れ。
●アックスを強く握るな。腕の骨にぶら下がる心持ちでいけ。重心を落としてモンキーハングだ。
●むやみに打ち込まず、弱点を探せ。
●濡れたワレメには、そっと刺せ。
●滝の抜け口では氷がない、強打するな。刃先がもったいない。



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学生のころアイスのまねごとをやった時はまっすぐシャフトの普通のピッケルを握りしめてスコスコ登り、一挙に腕と指の筋力が無くなった。技術も進み、道具も進んだ。指導の賜物で今回は筋肉痛にもならなかった。2ルンゼのF1にトップロープを張り、真ん中、右、左(垂直氷柱)、と稽古する。F1には2ピッチ目があり、下から見ると行けそうなのに、取り付いてみると結構な傾斜があり、登り切ると結構な高度感がある。40m×2。




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日が暮れるまで登りまくって、直ぐ近くの雷電温泉三浦旅館で積丹半島の明かりの見える露天風呂でゆらゆらして、ムチムチの刺身やハマ鍋といううまい鍋で食いシゴキ。いつもとはかなり違う山の夜を過ごす。しかし飲食を終えるとセンパイにアックスの磨き方を教わり、皆せっせと磨き始める。金言をまとめると、



●先端下面の角度を付ける。
●先端上面の肩を落とし、両側から均等に刃を付けるように磨く(抜きやすくなる)。
●先端両側は真ん中が中心にくるように両側から磨く。滑らかにし、鎬(しのぎ)を作らない。
●美しく。
●ヤスリはニコルソンの中丸細目と中目

他にもアックスのリューシュ(手首バンド)の着脱可能金具の自作方法や、ロープマンを使ったセルフビレーロープの作り方など、実戦と工夫の果実をさまざま享受した。ごっつぁんです。

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出来上がったアックスは正に別物。打撃ありの右手用とチョンチョン登りの左手用で研ぎの形も少し違う。スクリューハーケンにも丸ヤスリで磨きをかけ、一本刃アイゼンも磨く。買ったまんまじゃ全然ダメなのね。




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翌日は1ルンゼ。4ピッチで、最初の滝は見かけ以上に長く、傾斜もあった。その後氷柱6mもあり、最後にも数メートルの滝がある。この日はすべて斉藤がトップ。日本海を見ながらのクライミングは最高だ。広い海の向こうから雪雲がカーテンのようにやってきて吹雪になり、突然青空が少し見えたりして、またいつしか吹雪に。海岸に寄せる波濤と波のはなのたゆたいは見ていて飽きない。海鳥になった気分だ。僕のような海無し県育ちには特に。



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1ルンゼ4ピッチを完登し、50m3回の懸垂で降り、岩内→倶知安に出て、ラーメン屋「なかま」に入る。汽車に間に合うぎりぎりまで注文が来なくて気を揉んだが、かッ込んで汽車に乗る。千歳空港に向かうセンパイとはまた山で会う約束をして。今や特急の通らない函館本線は、雪降る暗い鉄路を長万部まで。長万部からは特急で函館まで。腕の筋肉痛はないが、指は痛めて内出血だ。アイスはこれがある。雪の函館本線は鉄道員を見ているだけで感無量だ。



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高橋@とまの風   投稿日時 2010-2-2 10:31
雷電海岸の情報ありがとうございました。30・31で1ルンゼ・2ルンゼに行って来ました。初心者が居ましたので、思うようには登れませんでしたが、それでも「日本海」を見下ろす絶好のロケーションに感激でした。天気も高曇り、気温もまずまずで助かりました。氷は1ルンゼの2Pは氷が薄く、支点に不安があったので登れませんでした。2ルンゼでは左のミックスを「勝俣青年P」が綺麗にクライミング、同行の美しい女性クライマーも素晴らしい登りを拝見させていただきました。旭川のオダ・プロガイドもお客さんを連れてお見えになっていました。氷も楽しみましたが、「余市の海鮮食堂」は安く、美味しくて満足。小樽の「回転寿司」もどうしてどうして・・・。小樽では寿司は回転に限ると、オダさんの助言に従って正解でした。そんな事で、北海道氷ツアーは我々の恒例山行のなりそうです。ありがとうございました。
追伸
2ルンゼの勝俣青年Pの写真が出来たらお送りしたのですが、アドレスなどお教えいただければ幸いです。
'99入部 田戸岡   投稿日時 2010-1-19 23:32
私がレスして良いのか迷う所ですが,たまたま発見したので書きます。補足等だれかお願いします。

雷電は,岩内から国道を南下して,長いトンネル(雷電トンネル?)を抜けた所の海側に広い駐車帯があります。
そこに停めると各ルンゼが見えますが左から1〜4ルンゼで,アプローチはつぼでも30minから1hです。ナイル川等の方は登った事ないので誰かよろしく。
いずれも結氷が悪いことがありますが,1は数ピッチでWI3,2は実質2ピッチでWI4くらい,3はつながらないことがありますが,完全に垂直,4は二段に分かれてて,下段が80度くらいのWI4で,上段は年によりますがWI4-5だと思います。
恵庭の氷はあまり知りませんが,美笛の滝(千歳?)でしたら支笏湖の西側で,道路地図にも載っています。
駐車場から1〜2kmくらい歩いてアプローチですが,けっこう雪がかぶっている滝です。いちおう2ピッチありますが半分は雪かきになります。向かって右側ではトップロープで簡単なミックスができます。

取り急ぎ私が分かる情報を書きました。あとはよろしくです。
トマの風 高橋   投稿日時 2010-1-19 13:18
清野さんのご活躍振りは会の仲間からお聞きしていつも頭の下がる思いでおります。さて、2010年1月29〜2月1日の予定で北海道の氷を楽しみたく計画しています。昨年は層雲峡で4日間遊びましたので、今回は「雷電海岸」をと考えています。そこで、ここのアプローチ方法、各ルンゼの登攀グレードなどお教えいただければ幸いです。初心者が一人居るものですからチョッと心配です。また初日が千歳着9:00なので、
雷電海岸は時間的に無理とおもいますので、恵庭の氷のアプローチを併せてお教え下さい。はなはだ不躾なお願いですがよろしくお願いいたします。
Alex Maznev   投稿日時 2008-2-8 16:43
I am researching in Hokudai for 2 months and would very much like to go climbing with you.

わたしに連絡していただければ、非常に幸せです。
よろしくお願いします。
Alex Maznev
(US-Russian dual nationality)
Dept. of Applied Physics, Faculty of Engineering, Hokkaido University
Tel. 706-7817
岡島(83入部)   投稿日時 2008-2-4 22:46
早速、清野さんの教えを実践して来ました。
中ア千畳敷の麓、駒ヶ根の「野猿の岩場」です。年に1度程度のアイスですが、今回はコツをつかめました。ありがとうございます。
 
 
 
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