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現役の報告・ 2010年2月5日 (金)

【報告】2009年度冬メイン1年班 十勝〜大雪〜東大雪

【年月日】2009年12月24日ー2010年1月2日(10−0)
【メンバー】L田中省(3 AL小池(3 M鹿島(2 井ノ上 岡戸 木城(1
【ルート】殿狩橋〜オプタテシケ山〜緑雲橋〜カムイサンケナイ二股〜地獄谷〜沼の原〜石狩岳〜大雪湖
<Whether>冬型が全く決まらず低気圧が次々に通過。トムラウシは夢のまた夢。
<Time & Route>
※毎日初め→天気。平均気温。ラッセル量。備考。
12月24日 除雪終点(7:45)―トノカリウシュベツ川橋分岐(8:45-9:00)−Co960(11:30)=C1
ユキ時々曇。−6℃。踝。
イヴ入山。予定があったMには悪いことをした。除雪が殿狩橋少し先まで入っていた。トノカリウシュベツ川橋の分岐に荷物をデポする。オプタテ沢を橋で渡り、少し行ってから磁石きって・997南東斜面にあてる。Co960台地上の密なタンネ帯でC1.
オプタテの登り
12月25日 C1(6:30)−Co1380(9:00-10:30)−オプタテPeak(12:45)−C1(15:55)=C2
晴れ時々ユキ。−11℃。脛。移動高が午後に弱く張り出してくる。
・997は小さいコル。・1249の尾根の1本右東の尾根をつめてCo1380カンバ限界まで行く。上は視界ないようなので時間待ち。天気図をとってみると移動高はまだ張り出していないようだった。ぎりぎりまでまってみるも視界は変わらず。ダメ元で行ってみる。Co1470でシーデポEP。南尾根は強風帯で時折突風が吹く。露岩が出ていた。ハイマツシュカブラのバリズボでかなりうっとうしい。視界は100〜500の間で変動。行けそうなので行く。ピーク直下は急で岩岩しているがバリズボであれば直登できそうなので真直ぐピークを目指す。ピークにて−15℃。いきなりオプタテを踏めた。今回はツイてると、このときは思っていた。ピーク直下帰りは10mほどバックステップ。他固いところで所々軽くカッティングする。移動高の縁に入ったらしく突風がますます吹き荒れている。この尾根はピーク直下以外何もないが広いので下り上部は視界2〜300ないとわかりづらく、また長いため風、気温も考慮する必要がある。遠くニペソツ、ウペペサンケを一望しつつ、シーデポからは快調にスキーでC1まで。

12月26日 C2(6:45)−トノカリウシュベツ川橋分岐(8:00−8:20)−緑雲橋(13:00)=C3
快晴。−5℃。踝〜脛。移動高は東に進み日本海から低気圧が接近し午前前面。午後から湿雪が降り始める。
快晴のオプタテを後ろに見つつC2を出発。あんなにデカかったのか。昨日はAtだけで精一杯だったので今日は緑雲橋まで行くことにする。橋でデポを回収し三股山南の道の終点まで。ここから・834付近まで行き同コンタトラバースを開始する。今日も東大雪がよくみえる。晴れわたった穏やかな冬山ほど心地の良いものはない。東トノカリ沢Co780でブル道にあたる。このブル道はもしかしたら途中でそれた林道から分岐しているものかもしれない。ブル道橋で東トノカリ沢を渡渉。探せばスノーブリッジもあるだろう。コンタ尾根をのっこして緑雲橋をわたり、道からそれたところでC3。夜、翌日以降高気圧が張り出すとの予報を聞き皆色めき立つ。
12月27日 C3(8:15)−カムイサンケナイCo980(11:45)−カムイサンケナイ川二股(13:30)=C4
晴れ時々ユキ。−5℃。踝〜脛。夜半に低気圧が通過し積雪30cm。
移動日なのでゆっくり起床。出発時にMがLのストックをへし折ったため木の棒で代用する。停滞3を残し、トムラAtは天気次第でかなり粘る可能性があり、また翌日Atするとしてどれだけ天気が持つかわからないため、快適なテン場と聞いていた、ルート上にあるカムイサンケナイ川二股までテン場を延ばすことにする。緑雲橋から夏道尾根の西の尾根にとりつく。ポコをたどってカムイサンケナイ川まで。若干上流に降りてしまいCo980にて転石スノーブリッジ渡渉。対岸は急でとりつくのにてこずる。登っている途中でCo950に倒木の橋を確認した。対岸も登りやすそうだが右岸Co980より、左岸Co960よりいずれも下流が崖になっていて沢底をCo950まで行くことは厳しい。カムイサンケナイ川二股下にテントを張り、L-sは翌日のルート工作をした。18時の天気図で日本海西部に低気圧発生。ガーン・・・。
12月28日 C4(5:45)−Co1300 引き返し(7:40)−C4(8:45−11:00)−パンケトムラウシ川左岸林道上(13:00)=C5
ユキ。−5℃。日本海から低気圧が接近。
前面に期待して暗いうちから出発するが、既にユキが降りだしている。カムイサンケナイ川は二股すぐ下をスノーブリッジで渡渉し、取り付く尾根へ再度転石と橋かけで渡渉する。右股左股どちらも20mくらいの岩盤の滝が上流にあり、二股からしか予定の尾根にはとりつくことができない。尾根は取り付くところが急で小さい沢型がはしっているため雪崩が怖く、なだれると下の沢に落差のある落ち方をするためいやらしい。幸い雪面は安定していた。なるほど取り付けば快調な尾根だ。取り付きの苦労の甲斐なく、Co1300で回復の見込みないため引き返すことにする。テン場で天気図を取ると低気圧は二つ玉となって北海道に接近していた。今後通過とその後冬型が決まるとの見込みから、トムラを諦め移動することにする。カムイサンケナイ川左岸尾根をCo1060でのっこして林道へ。トムラ断念にショックを受けたM1は先頭でラッセルをしながら唐突にジグをきりはじめたり倒木の下を無駄にくぐり始めたりする始末。俺もトムラ行きたかったよ。だが天気ばかりはどうにもならない。西沢を林道の橋で渡り少し行ったところでC5。あまった燃料で物を乾かす。
橋かけ渡渉
12月29日 C5(7:15)−トムラウシ川支流Co1020(11:00)−地獄谷地図上「新」の字(14:00)=C6
晴れのちユキ。−8℃。脛〜膝。湿雪でラッセルが重い。前線を伴った低気圧が北海道の西を北上し、片われは北東に遠ざかった。
・1115は北東側をネグり、トムラウシ川支流はCo1100付近を降りて沢沿いに下りCo1020でスノーブリッジ渡渉。いたるところ渡渉できるが対岸が急なのでこのあたりか、あるいはかなり上流が適当だろう。これまでの渡渉をみると、雪の量は例年並みくらいだと思われる。トムラウシ川本流はCo1020に中州がありそこをつたってから橋かけ渡渉。雪が少ないと厳しいだろう。ここであるMがスキーをあらぬ方向へ投げ危うく川に流しかける。渡ってからは北東のコル地形を越え、地図上「新」の字のあたりでC5。タンネ帯。

沼の原
12月30日 C6(6:30)−沼の原北西コル(11:30)−大石狩沢出合(15:00)=C7
ユキ。−6℃。踝〜膝。ラッセル重い。日本海から低気圧が接近している。
スゲ沢沿いを行く。このあたりは沢型が無数にはしっており小地形多くわかりづらい。磁石きって六ツ沼山北西のコルにあてそこから長沼を経由して沼の原北西コルへ。地獄谷のタンネ限界はCo1400。視界あるので沼の原を通る。視界なくとも湿原以外はタンネがあるのでタンネ沿いを行けば問題なさそう。コル少し手前から南東に進んで沼の原に上がり・1501北東コルを経由して大石狩沢出合まで。沼の原からの下りでMがストックをなくす。ほとほとストックに縁のないものとみられる。大石狩沢出合付近は石狩沢、大石狩沢どちらも雪で埋まっている。出合ちょっと下でC7。

石狩からの下り
12月31日 C7(6:45)−Co1760シーデポ(11:00)−石狩岳(12:00)−C7(15:00)=C8
ユキ。−10℃。脛〜膝。最もラッセル重い。発達した低気圧が宗谷海峡に進んでおり午前中は寒冷前線の手前にあるものと思われた。
朝は晴れ間がのぞく。大石狩沢出合から石狩岳北西尾根につづく尾根に取り付く。Co1500から細くなりコルは吹きだまっている。Co1540ポコ〜40間は両面雪屁のちっこいのが出来ていた。Co1700ポコ先で北側に1〜2mの雪屁。Co1760でシーデポEP。樹林限界はCo1750。風はCo1800から気になる風。視界は100〜500の間で変動。肩にあがるとピークがガスの切れ間からのぞき神々しい。肩から先は岩が出ているため所々捲き気味に行く。結構きれているので固ければ怖いところだろう。尾根分岐4箇所にデポ旗を打つ。看板があるはずの・1966ピークが良くわからず・1966と・1967の間をピークと決めて記念撮影。下りは細く急なところスキーが難しいが、概ね木が生えているのでスキー滑落怖そうなところは2,3箇所くらい。天候が悪化してテン場につく頃には吹雪に。テントの周りを除雪して年越しに備える。夜はあらゆるものが開放となり年越しを祝う。その矢先23時58分火傷事故発生。


1月1日 救助要請組 C8(1:15)-大雪湖(11:00)
L田中とM2鹿島が国道まで下山。

1月2日テン場待機組 C8(9:00)-沼の原橋先(11:00)
沼の原橋先にて救助隊と、自力下山中のAL及びM1の4人が遭遇し共に下山。

<事故の簡易的詳細>
Mの井ノ上が湯をこぼし臀部と太腿、脇腹に火傷を負った。Lは早急な救助が必要と感じ、M2と共に下山し警察に救助を要請した。1日テン場にはALとM1の計4人が待機。1月2日、LとM2を含む警察の救助隊と、自力下山中のALとM3人が林道途中で遭遇し、共に全員下山。
<原因>
Mがジッヘルをしていなかった。またジッヘルの徹底が準山を通して行われていなかった。
<今後>
・ジッヘルの徹底
・部員の医療知識の向上

この場をお借りして、救助にご協力いただいた関係機関および関係者の皆様にお礼を申し上げます。

<Party>
冬メイン1年班、最後の最後で敗退。
  • コメント (2)

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コメント一覧
tanakasho   投稿日時 2010-2-7 15:20
ボコボコで取っ手は例によって焚き火で半分溶けています。
よねやま   投稿日時 2010-2-6 22:28
最後の晩に残念でした!
事故後の対応は、なすべき事をできたと思います。早くやけど治してまた登ってください。
ルームは鍋がボコボコのせいもあり、よくジッヘルしているほうです。この躾はよく伝えましょう。よく社会人パーティーなどでは鍋底がきれいなせいか全くジッヘルしていない人もみかけます。
・・・もしかしてルームは今時ボコボコのタライ鍋なんか使ってないんでしょうか?
 
 
 
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