OBの山行記録・ 2005年4月19日 (火)
東北・安達太良山〜ほんとの空とスキーと温泉の旅
安達太良山(1699.6m)
●2005年4月16日(土)〜17日(日) (2ー0)
【ルート】
奥岳温泉→勢至平→くろがね小屋→安達太良山→矢筈森→勢至平→奥岳温泉
【メンバ】
L:田中健太郎(87入部)、M:清原実(86入部)、山森聡(86入部)
●2005年4月16日(土)〜17日(日) (2ー0)
【ルート】
奥岳温泉→勢至平→くろがね小屋→安達太良山→矢筈森→勢至平→奥岳温泉
【メンバ】
L:田中健太郎(87入部)、M:清原実(86入部)、山森聡(86入部)
【行程】
4月16日(土) (雨→曇→雪) 奥岳温泉駐車場(11:05)→くろがね小屋(14:00)C1
4月17日(日) (晴、強風)くろがね小屋(6:20)→安達太良山(7:40-8:00)
→奥岳温泉駐車場(9:50)
【記録】
<1日目>
恒例の春山スキーの季節がやってきた。
春山スキー仲間の斎藤清克は、北海道へ転職してしまったが、1年前に札幌市役所から霞ヶ関に2年間の有期出向で東京にやってきたシェイク(田中健太郎)から、ほんとの空を見に行きませんか?との誘いがあった。そして、この秋に札幌から東京へ転勤になったババア(清原実)も一緒に行こうということになった。こうして、昔の仲間3人で、ほんとの空を見に行くことになった。早いもので、東京に出てきて、今年で17年目になる。メンバーは入れ代わり立ち代わりではあるが、Roomの仲間と、今年も、恒例の春山スキーができるのは、幸せなことだと感謝している。
シェイクは、ババアの家にC0して、早朝自家用車で東京を出発。私は横浜の自宅を早朝電車で出発して、東北本線二本松駅で9:45に、2人と合流。駅前のコンビニで買出しをする。買出しといっても、今回は2食付の山小屋泊なので、行動食少々と、酒とつまみの買出しだ。
奥岳温泉では、雨が降ってきた。雨具の上下を着込んでシートラで歩き出す。いつしか雨はやみ、どんよりした曇り空の下をシール登高で登っていく。勢至平にあがると、乳首と呼ばれる安達太良山が見えた。ここで、あらかじめ五万図の裏に書いてきた詩を、みんなで朗読する。
「あどけない話」
智恵子は東京に空がないといふ、
ほんとの空が見たいといふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、
切っても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ、
阿多多羅山の山の上に
毎日出てゐる青い空が、
智恵子のほんとの空だといふ。
あどけない空の話である。
「高村光太郎、智恵子抄より」
今日の安達太良山の上の空は、白い曇り空なので、ほんとの空ではないだろう。明日に期待しよう。くろがね小屋に着く頃には雪が舞ってきた。
くろがね小屋は、20人位の宿泊客。温泉もあって旅館みたいだ。夕食はカレーライス、朝食は生卵と味噌汁の定食であった。私にとって営業小屋に泊まるのは、AACHに入部以来、初めての経験であった。(と思ったが、現役時代の十勝・白銀荘での冬合宿があったな。)
宿泊客のなかで、スキーをもってきているのは、我々だけであった。(ちなみに、シェイクはいわゆるスキーではなく、ミニスキーを持ってきた。私は、今回、兼用靴から板・ビンディング・シールまで一式を新調した。明日の滑りが楽しみだ!)
<2日目>
今日は快晴。安達太良山めがけて、元気よく歩く。ババアとシェイクはつぼ足で歩いている。私は、シール登高だ! 途中1ヶ所スキーを脱いでハイマツの中の夏道を越えた。その後もシールで登高できたが、今回、兼用靴用にワンタッチアイゼンも新調したので、ここでシートラし、アイゼンも試してみる。先に山頂に着いた2人は、「こんなところでアイゼンを履いている奴がいる」と笑っている。3人で登頂を祝って握手。私は、山頂での握手が大好きだ。山頂から、なんども青い空を眺める。これが、ほんとの空か!山頂から、スキー滑降点の矢筈森まで、稜線を歩くが、風が強い。稜線上は、風で飛ばされてか、雪は全くない。何度も耐風姿勢をとらなければ、本当に飛ばされてしまいそうだ。
矢筈森からは、沢の源頭を快調に滑る。さすがに兼用靴にカービングスキーを新調した甲斐あって、気持ちがいい。あとから振り返ってみると、沢の源頭に、かっこよく、スキーのシュプールが刻まれている。本当に気持ちがいい。ハイマツの夏道をシートラで少し歩いて、勢至平の疎林の緩斜面をスキー滑降だ。途中、つぼ足で登ってくる登山者とすれちがいながら、スキーの寵児を歌いながら、快調に滑っていく。勢至平からみる山容は、十勝みたいだ。というより、Roomの仲間と春山スキーに行くと、「十勝みたいだ!」という感想になることが多い。どうやら、十勝が、心のふるさととして、原風景として、しみついているようだ。
晴れ渡りたる青空 輝き満てる雪原
遠き山連なり ぶどう色に浮かぶ
丘を滑りて谷間へ 木立潜りて出湯へ
雪煙上げつつ いつか裾野に着きぬ
風を(風を)切りて(切りて) 滑る嬉しさ
我を(我を)包む(包む) 雪の柔らか
今は(今は)在らず(在らず)
山は(山は)遥か(遥か)
雪山の楽しければ かくも切なく目に浮かぶ
さて、歌の通り、スキーを脱ぐなり、奥岳温泉に飛び込もうとするが、何と、お湯が満杯になるのが正午になるというではないか。早く下山しすぎた。仕方がないので、車でちょっと下って、岳温泉の光雲閣で入浴。高級ホテルの立派な大浴場なのに、日帰り入浴料¥525はとってもリーズナブル!その後、ふもとの安達町で、「智恵子の生家」を観光して、文学と温泉三昧の春山スキー第一弾は、楽しく終了した。
GW後半には、石川ヤンケ(87入部)や石橋兄(82入部)とともに、第二弾、第三弾を計画中。(谷川岳芝倉沢や守門岳が今のところ候補。)折角、山スキー用具一式を新調したので、もとをとらねば!
ちなみに、学生時代から約20年使用した冬用シュラフ(タフバック1)にも別れを告げ、ダウンシュラフを新調した。早くテントで試さねば!
(文責:山森聡)
谷間のくろがね小屋!
くろがね小屋の温泉!
安達太良山山頂にて!
スキー滑降点(矢筈森)から安達太良山(乳首)を望む!
矢筈森からのスキー滑降!
勢至平の疎林の緩斜面を滑るババア!
勢至平から安達太良山を望みながら詩の朗読!
ミニスキーのシェイク!
4月16日(土) (雨→曇→雪) 奥岳温泉駐車場(11:05)→くろがね小屋(14:00)C1
4月17日(日) (晴、強風)くろがね小屋(6:20)→安達太良山(7:40-8:00)
→奥岳温泉駐車場(9:50)
【記録】
<1日目>
恒例の春山スキーの季節がやってきた。
春山スキー仲間の斎藤清克は、北海道へ転職してしまったが、1年前に札幌市役所から霞ヶ関に2年間の有期出向で東京にやってきたシェイク(田中健太郎)から、ほんとの空を見に行きませんか?との誘いがあった。そして、この秋に札幌から東京へ転勤になったババア(清原実)も一緒に行こうということになった。こうして、昔の仲間3人で、ほんとの空を見に行くことになった。早いもので、東京に出てきて、今年で17年目になる。メンバーは入れ代わり立ち代わりではあるが、Roomの仲間と、今年も、恒例の春山スキーができるのは、幸せなことだと感謝している。
シェイクは、ババアの家にC0して、早朝自家用車で東京を出発。私は横浜の自宅を早朝電車で出発して、東北本線二本松駅で9:45に、2人と合流。駅前のコンビニで買出しをする。買出しといっても、今回は2食付の山小屋泊なので、行動食少々と、酒とつまみの買出しだ。
奥岳温泉では、雨が降ってきた。雨具の上下を着込んでシートラで歩き出す。いつしか雨はやみ、どんよりした曇り空の下をシール登高で登っていく。勢至平にあがると、乳首と呼ばれる安達太良山が見えた。ここで、あらかじめ五万図の裏に書いてきた詩を、みんなで朗読する。
「あどけない話」
智恵子は東京に空がないといふ、
ほんとの空が見たいといふ。
私は驚いて空を見る。
桜若葉の間に在るのは、
切っても切れない
むかしなじみのきれいな空だ。
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ。
智恵子は遠くを見ながら言ふ、
阿多多羅山の山の上に
毎日出てゐる青い空が、
智恵子のほんとの空だといふ。
あどけない空の話である。
「高村光太郎、智恵子抄より」
今日の安達太良山の上の空は、白い曇り空なので、ほんとの空ではないだろう。明日に期待しよう。くろがね小屋に着く頃には雪が舞ってきた。
くろがね小屋は、20人位の宿泊客。温泉もあって旅館みたいだ。夕食はカレーライス、朝食は生卵と味噌汁の定食であった。私にとって営業小屋に泊まるのは、AACHに入部以来、初めての経験であった。(と思ったが、現役時代の十勝・白銀荘での冬合宿があったな。)
宿泊客のなかで、スキーをもってきているのは、我々だけであった。(ちなみに、シェイクはいわゆるスキーではなく、ミニスキーを持ってきた。私は、今回、兼用靴から板・ビンディング・シールまで一式を新調した。明日の滑りが楽しみだ!)
<2日目>
今日は快晴。安達太良山めがけて、元気よく歩く。ババアとシェイクはつぼ足で歩いている。私は、シール登高だ! 途中1ヶ所スキーを脱いでハイマツの中の夏道を越えた。その後もシールで登高できたが、今回、兼用靴用にワンタッチアイゼンも新調したので、ここでシートラし、アイゼンも試してみる。先に山頂に着いた2人は、「こんなところでアイゼンを履いている奴がいる」と笑っている。3人で登頂を祝って握手。私は、山頂での握手が大好きだ。山頂から、なんども青い空を眺める。これが、ほんとの空か!山頂から、スキー滑降点の矢筈森まで、稜線を歩くが、風が強い。稜線上は、風で飛ばされてか、雪は全くない。何度も耐風姿勢をとらなければ、本当に飛ばされてしまいそうだ。
矢筈森からは、沢の源頭を快調に滑る。さすがに兼用靴にカービングスキーを新調した甲斐あって、気持ちがいい。あとから振り返ってみると、沢の源頭に、かっこよく、スキーのシュプールが刻まれている。本当に気持ちがいい。ハイマツの夏道をシートラで少し歩いて、勢至平の疎林の緩斜面をスキー滑降だ。途中、つぼ足で登ってくる登山者とすれちがいながら、スキーの寵児を歌いながら、快調に滑っていく。勢至平からみる山容は、十勝みたいだ。というより、Roomの仲間と春山スキーに行くと、「十勝みたいだ!」という感想になることが多い。どうやら、十勝が、心のふるさととして、原風景として、しみついているようだ。
晴れ渡りたる青空 輝き満てる雪原
遠き山連なり ぶどう色に浮かぶ
丘を滑りて谷間へ 木立潜りて出湯へ
雪煙上げつつ いつか裾野に着きぬ
風を(風を)切りて(切りて) 滑る嬉しさ
我を(我を)包む(包む) 雪の柔らか
今は(今は)在らず(在らず)
山は(山は)遥か(遥か)
雪山の楽しければ かくも切なく目に浮かぶ
さて、歌の通り、スキーを脱ぐなり、奥岳温泉に飛び込もうとするが、何と、お湯が満杯になるのが正午になるというではないか。早く下山しすぎた。仕方がないので、車でちょっと下って、岳温泉の光雲閣で入浴。高級ホテルの立派な大浴場なのに、日帰り入浴料¥525はとってもリーズナブル!その後、ふもとの安達町で、「智恵子の生家」を観光して、文学と温泉三昧の春山スキー第一弾は、楽しく終了した。
GW後半には、石川ヤンケ(87入部)や石橋兄(82入部)とともに、第二弾、第三弾を計画中。(谷川岳芝倉沢や守門岳が今のところ候補。)折角、山スキー用具一式を新調したので、もとをとらねば!
ちなみに、学生時代から約20年使用した冬用シュラフ(タフバック1)にも別れを告げ、ダウンシュラフを新調した。早くテントで試さねば!
(文責:山森聡)
谷間のくろがね小屋!
くろがね小屋の温泉!
安達太良山山頂にて!
スキー滑降点(矢筈森)から安達太良山(乳首)を望む!
矢筈森からのスキー滑降!
勢至平の疎林の緩斜面を滑るババア!
勢至平から安達太良山を望みながら詩の朗読!
ミニスキーのシェイク!
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