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書評・出版・ 2014年11月26日 (水)

【書評】富士山のスラッシュ雪崩遭難の考察 (米山悟1984年入部)

日本山岳会の年報、「山岳 2014年 第109年」に安間荘会員(1955年入部)が載せた論文を紹介します。安間さんは長く富士山の地質、積雪防災関連の調査に当たる仕事をしています。「スラッシュ雪崩」という聞きなれない雪崩現象があり、1972年3月20日に24人が亡くなった大規模遭難の際、このスラッシュが起きていた可能性を指摘し、遭難当事者や生還者に聞き取り取材をした上でまとめた力作です。

特殊な雪崩なだけにあまり知られておらず、当時の遭難も登山者の未熟のせいにされた節があり、十分な総括と反省対策がなされていません。40年前は、たまたま登山者が多く大事故になりましたが、その後も毎年起こっている可能性はあります。無知のままならば今後も死亡事故が起こるかもしれません。以下にその概要を抜粋します。
≪スラッシュ雪崩≫
初冬や春先、積雪の時期に気温の高い南風で雨が降り、積雪層の下、氷面の上に大量の水分がたまり、ずぶずぶの氷水の状態になる。ラッセル歩行すれば下半身が氷水漬けになり、低体温化し、疲労凍死の危険が高まる。不安定な層になるから雪崩の危険も高い。そのデブリは氷水とシャーベット状で速度もあり埋没は致命的。
古来富士山麓で時折発生した「雪代(ゆきしろ)」という災害はこのスラッシュ雪崩とそれによる土石流災害であることが近年の研究で明らかになってきた。
生還者の話によれば「積雪層の下底部に轟々と水が流れ、斜面下部の雪崩の通った谷状地に滝を作って激しく濁流が流れ、渡るのが困難だった」というほどになる。

≪1972年3月20日の遭難≫
富士山の過去の遭難で10人以上の死傷者があったのは4件、うち二回は吉田大沢の11月の新雪表層雪崩で、3月はこの一件のみ。
南岸を通る速度の速い低気圧の暴風雪のため、20日下山途中、低体温症で24人亡くなった。静岡頂山岳会7人、清水労山11人、平塚登高会3人、平塚日産車体山岳会2人、個人山行者1人。遭難パーティーと同行しながら生還した人5人だけ。

清水労山パーティー
御殿場ルートの六合(2750m)でテント泊したがミゾレ交じりの暴風雪で早朝六合目避難小屋に移り、午前10時、そこから普通なら2~3時間で下れるはずの太郎坊駐車場目指して下った。が1時間もしないうち意識障害を起こし次々倒れた。何人かがスラッシュ雪崩に浚われ先頭のリーダーのみが奇跡的に生還した。

静岡頂山岳会パーティー
宝永山肩(2700m)にテント泊していたが朝9時半、暴風雪で撤収し下山。4合目付近で次々倒れデブリにものまれ、二人がかろうじて下山、捜索を呼ぶ。

≪その伝えられ方≫
当時は雪のスラッシュ化そのものの認識が、登山者にも砂防関係者にも社会にもマスコミにもなく、報道では「甘く見た結果」というようなもので終わった。死者にも生還者にも辛いものとなった。その後ここに計画されていたスキー場建設にも水を差すとされた。(ここにその後できたスキー場は、スラッシュ雪崩による損壊で、その後閉鎖されている)。

富士山におけるスラッシュ(融雪)雪崩と
積雪のスラッシュ化に起因する山岳遭難事故
ー富士山に特徴的な雪氷気象と遭難の特異性ー
安間 荘
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