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書評・出版・ 2006年7月31日 (月)

書評)ganさんが遡行(ゆく) 北海道の沢登り/米山84

image

『ganさんが遡行(ゆく) 北海道の沢登り』

岩村和彦著 /共同文化社

全26ルート 初級中級

週末の沢登りにいれあげている、サラリーマンのおっさんの道内沢登り記録集。


写真豊富な本だ。このスジの本は関西の「わっさかわっさか沢登り」などあったが、道内では初めて。というか道内のヤマ本は「登山大系」と「山と谷」しか無かったけれど。

沢を楽しむおっさんの情熱があふれかえっている一冊である。

北海道の山メーリングリスト(HYML)にはとてもたくさんの人が書き込みをしていて、一日に10や20のやりとりがある。Ganさんはその中でも沢派で知られ、山頂からは毎度一言メッセージが届くほどだ。入り込みやすく情報量の多い独自の文体である。細かな描写が豊富なのにさらりと書いてある。

ザイルを使わない難易度の沢が対象で、基本的に金曜夜発日曜深夜帰宅という制限内の週末休みを使うサラリーマン登山なので学生バリバリ沢族にとっては易しい沢が多いが、上述の既存の沢案内本からはこぼれた銘渓がまだまだあちこちにあることを知る。

著者ganさんとは、昨年夏、大千軒岳の山頂で初めてあった。知内川奥二股沢を登って山稜のお花畑で熊のうんこを踏んで登頂したら、いた。先行パーティーだった。登った滝の話などして別れた。その日、帰りの食堂で新聞を見たらganさんが山小屋のウンコ掃除している写真が載っていた。山のオーバーユース問題の解決に活動していた記事だった。人の多い山には行かないようにすればいいやと僕なんかは思ってかたづけていたが、社会との接点を尊重し、奉仕活動をする姿はやはり尊い。

https://aach.ees.hokudai.ac.jp/MT/archives/2005/07/000092.php

それはともかく、沢をやめちゃったOB諸氏のみなさん、これを読んで復活の機会にしてみてはどうでしょう。日本の夏を楽しむには最高の遊びではなかろうか。
  • コメント (3)

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コメント一覧
共同文化社 長江   投稿日時 2007-6-5 16:58
米山様 大変お待たせいたしました。続編が出ました。「ganさんが遡行(ゆく)北海道沢登り三昧」です2007年6月1日全道の書店で発売開始しました。ぜひ、手に取っていただければと思います。前作より、初級者向けの沢を多く紹介しています。また、初めて沢に登る方のために、必要な用具も紹介しています。難易度も記しましたので、参考にしていただけると思います。前作よりパワーアップしたganさん節をぜひ、お楽しみ下さい。
米山   投稿日時 2006-8-19 16:16
ganさん、こんにちは。わざわざ著者からのコメントをありがとうございます。山岳部のOBもほとんどサラリーマンなのに沢登りをやめちゃってホントもったいない!と思って紹介しました。

現役も、登る沢がワンパターン気味なので、ganさんの本に良い沢のヒントが有ると思いました。続編の出版を期待しています。
gan   投稿日時 2006-8-19 6:01
米山さん、こんにちは、ganです
この度は歴史ある会のHPで紹介して頂き、誠に有難うございます
出版社からの連絡で知りました
貴方が書いてある通り、サラリーマンおっさんのたわいもない沢の紀行文です
4,5年前から構想はありましたが、やっと昨年秋から書き始めました
私は山岳会に所属せず無手勝流でやって来ましたから、皆さんから見ると物足りないものでしょう
沢の面白さ、楽しさを未経験者に伝えることが出来ればそれでいいのです
また何処かの沢でお会い出来れば正に沢屋冥利に尽きるというものです
では、また
 
 
 
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