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OBの山行記録・ 2007年5月6日 (日)

北アルプス・五龍岳周辺スキー山行
五龍岳(2814.1m)
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●2007年5月3日(木・祝)〜5日(土・祝)(3ー0)
【ルート】
八方尾根→唐松岳頂上山荘→(餓鬼谷左股滑降)→餓鬼谷Co1969m二股C1→(餓鬼谷右股登高)→稜線→五竜山荘⊃五龍岳→シラタケ沢→遠見尾根Co2200m付近C2→遠見尾根下山
【メンバ】
L:竹田英世(1968入部)、AL:古川幹夫(1970入部)、M:平野逸雄(1968入部)、山森聡(1986入部)、G:大村富士夫(1965入部)
※ゲストの大村さんとは、1日目(5/3)の八方尾根途中まで一緒に行動し、後は別行動。3日目(5/5)の下山口で再合流。
【行程】
5月3日(木・祝)(晴れ)
八方尾根スキー場ゴンドラ乗車(8:00)→(ゴンドラ1本、リフト2本乗り継ぎ)→リフト終点/八方池山荘Co1840m(8:40-9:00)→八方ケルンCo2035m(10:00-25)→八方尾根Co2260m付近(11:20-35)→八方尾根
Co2570mシートラ(12:45-13:00)→主稜線Co2620m(13:30)→唐松山荘付近Co2610m/餓鬼谷下降開始(14:00)→(シートラで餓鬼谷左股上部を下降)→餓鬼谷Co2510m滑降開始地点(14:20)→(餓鬼谷左股滑降)→餓鬼谷Co1969m二股C1(15:10)
5月4日(金・祝)(晴れ)
餓鬼谷Co1969m二股C1(7:55)→餓鬼谷右股Co2180m(8:50)→主稜線/白岳北側コルCo2440m(10:10-30)→五竜山荘Co2490m(11:00-20)→五龍岳2814.1m(12:50)→五竜山荘Co2490m(13:50-14:10)→(シラタケ沢源頭部滑降)→遠見尾根Co2200m付近C2(15:30)
5月5日(土・祝)(晴れ)
遠見尾根Co2200m付近C2(6:35)→中遠見山手前雪稜Co1970m(7:10-20)→中遠見山2037m(7:30)→白馬五竜スキー場アルプス平トップCo1640m(8:50)→Hakuba47ウインタースポーツパーク駐車場Co840m(9:45)
【地図】(五万図)白馬岳、大町、黒部、立山
【記録】
 GWの後半は、AACH東京支部スキーの宴2007での世代間交流の成果として、1960年代入部組中心のパーティ(東京中年登山隊)に、約20年も後輩の1980年代入部の私(山森)も加えてもらって、北アルプス後立山連峰・五龍岳周辺スキー山行に行ってきた。
 登山者の多い後立山連峰にあって、誰もいない静かな黒部側(餓鬼谷)をスキーで滑降してテントに泊まるなど、変化に富んだスキー山行を、世代を超えて楽しむことができた。

<1日目>

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八方アルペンライン(八方尾根スキー場のゴンドラ1本とリフト2本)を乗り継いで入山開始。乗車券・手廻り品切符を合わせて1800円/1人。天気は快晴で、尾根の左手には今回登る五龍岳や下山路の遠見尾根が見渡せる。そして遠見尾根の向こうには双耳峰の鹿島槍ヶ岳が格好良く聳え立つ。写真は左から、平野(1968)、竹田(1968)、大村(1965)、古川(1970)(撮影:山森(1986))。



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尾根の右手には白馬三山(白馬岳、杓子岳、鑓ヶ岳)が見渡せる。写真は白馬三山を望みながら八方ケルンに到着した「往年の名スキーヤー」大村さん。ゲストの大村さんと一緒に登ったのはここまで。大村さんは、この後で八方池まで登り下山。白馬村の民宿をベースに、2日目は白馬五竜スキー場から小遠見山まで登山。3日目は、下山口のHakuba47ウインタースポーツパークにて再度我々と合流し、一緒に東京へ戻った。



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八方尾根は、大勢の登山者で賑わっているが、山スキーヤーは少ない。その少ない山スキーヤーもシートラしているパーティが多く、シールで登っているのは少数派。今のシール(貼り付け)は、昔と違ってズレないので楽チン楽チンとつぶやきながら、シールで急登する東京中年登山隊。写真は、先頭から平野、古川、竹田。皆さん元気過ぎて、断トツで若い私(山森)が、登りでは皆のペースについていけず一番歩くのが遅い。



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八方尾根Co2570m付近からは、シートラにする。主稜線まではあとわずか50m程の登りだ。写真はシートラの準備をする山森(左)と竹田(右)。写真中央には、唐松岳(2696.4m)が見える。唐松岳は写真のように信州側から見ると岩肌が露出して切れ落ち荒々しいが、後ほど写真で紹介するように、越中側(黒部側)から見ると白く雪の付いた斜面で構成されて穏やかに見える。このように、山は見る方角によって全く印象が異なったりするから面白い。



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主稜線は風が強く、ガスもかかり出しそうな雰囲気だ。餓鬼谷は滝が露出している可能性もあるため、唐松岳へは行かず、視界がある内に餓鬼谷への下降を開始することにする。下降点は傾斜が急のため、少し、アイゼン・シートラで下ることにする。谷の左手には、明日登る五龍岳(2814.1m)が格好良くデーンと聳えている。写真は餓鬼谷をシートラで下降開始する竹田さんと五龍岳。



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餓鬼谷を革製の登山靴でスキー滑降する竹田さん。写真左の岩の基部までは、アイゼン・シートラで下降し、そこからスキー滑降した。重い雪で滑りにくいので、竹田さんと平野さんは、AACH伝統の斜滑降とキックターンも交えながら安全に下る。



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餓鬼谷をスキー滑降する古川さん。古川さんは、私(山森)同様に、現役時代はスキーは苦手だったそうだが、卒部してから、ゲレンデでスキー技術を磨いたそうだ。滑りにくい重い雪にもかかわらず、きれいにターンを刻みながら高度を下げていく。この先、心配された滝の露出もなく、天場まで雪がベッタリ付いており滑って行けた。今年は雪不足と言われたが、4月になって雪が降ったりして雪解けも遅かったようで、GWも標高が高いところでは例年より雪が多い印象だ。



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餓鬼谷の1969m標高点の二股の高台にテントを張る。登山者の多い後立山連峰にあって、黒部側(餓鬼谷)に入ると全く人の気配がなく、静かな山行を楽しめる。



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この日の夕飯は、食糧係の古川さんのセンスで、マーボー豆腐丼。なかなか美味しい。雑炊しか食べたことのない現役時代を経て、東京の社会人山岳会で経験を積み、洗練された食糧センスを身につけたらしい。皆でそのセンスに脱帽。つぶさないように豆腐をザックにいれて後立山連峰の主稜線を乗越したのには感心した。写真は、テントの中で昔話に花を咲かせながら、美味しい夕食をとる平野さん(左)と竹田さん(右)。


 
<2日目>

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この日の朝食は、納豆ご飯。おかずに魚を焼いたりもする。私は、現役時代には里(恵迪寮)では、納豆ご飯が主食だったが、山で納豆を食べるのは、今回が初めて。この日は早立ちしても、谷の雪が硬いだけなので、ゆっくりと朝食を楽しんで、雪が緩むのを待っての出発だ。写真は、食糧係の古川さん(左)と、納豆ご飯を食べる平野さん(右)。



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出発してすぐ、古川さんの指導で雪崩ビーコンの動作確認テスト。古川さんは社会人山岳会で仕入れた新しい知識を、山行の節々で皆に披露してくれるので、とても勉強になった。今回の山行では、古川さんと私が2台づつ雪崩ビーコンを持参したので、全員がビーコンを装着している。



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雪崩ビーコンのテストの方法は、1人が発信モード(通常モード)、あとの3人は受信モード(捜索モード)にして、発信モードにした人が50m位歩く。それを残りの人はビーコンの表示距離が変わるのをチェックする。4人全員が発信モードで50m位歩いたところで、ビーコンテスト終了。写真の餓鬼谷右股をシールで登って行く。



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餓鬼谷右股Co2180m付近まで登ると、左後方には唐松岳が見えた。前日に八方尾根(信州側)から見た唐松岳は、岩肌が露出して切れ落ち荒々しかった。それに対し、この日に餓鬼谷(越中側)から見る唐松岳は、白く穏やかな感じだ。餓鬼谷右股は、ここまでに1箇所、小滝が露出しているところがあったが、右岸を簡単にスキーで巻けた。ここから先、主稜線までは雪も硬く斜度もあるので、皆はシートラ・アイゼンで登った。私(山森)は、スキーアイゼンを併用してシールで登った。



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主稜線に出ると、他の登山者にも会う。静かな山行はここまで。五竜山荘までは、シートラして歩く。写真は、先頭から竹田、古川、平野。皆、AACHの伝統を守って横シートラだ。(ちなみに私は、最近は世の中で一般的な縦シートラです。)本州では、Roomの人以外で、横シートラをしている人を私は見たことがない。五竜山荘付近に荷物をデポして、アイゼン・ピッケルで五龍岳へのアタックに向かう。



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五龍岳へのアタック途中の岩稜上で、雷鳥のお出迎えを受けた。私が雷鳥に遭遇したのは、火打山(2003GW)・双六岳(2006GW)に続き3回目。雷鳥については、「中村弘志著/雷鳥が語りかけるもの/山と渓谷社刊(2006年)」を読むことをお勧めしたい。日本での生息数は、わずか約3000羽で、「地球温暖化」や「低山帯の野生生物の高山帯への進出」など、様々な課題を抱えて、絶滅の危機に瀕していることが理解できる。そんな中で、また雷鳥に出会えたことが、私はうれしい。



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五龍岳山頂(2814.1m)からは、立山(写真左)や剣岳(写真中央)方面が見渡せた。左から、平野、古川、竹田。平野さん以外の3人は、五龍岳への登頂は、今回が初めてだ。平野さんは、現役時代の1971年3月に2年班のALとして五龍から鹿島槍をアタックして以来、36年振りの再登頂だ。(部報11号P196参照。)



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五竜山荘からはシラタケ沢源頭部を滑降して遠見尾根に登り返す予定であったが、スキーで滑ると、足元から表層が崩れ落ちるような雪の状態。雪崩の危険があると判断し、シラタケ沢のスキー大滑降はあきらめ、左側の尾根沿いに逃げることにする。この日、白馬五竜スキー場から小遠見山(2007m)まで登山した大村さんが、4人がシラタケ沢上部を少し滑って尾根に逃げる様子を、小遠見山ピークから眺めていたそうだ。



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シラタケ沢のスキー大滑降をあきらめ、シートラ・ツボ足で、雪崩を起こさないように慎重に、遠見尾根(写真中央)目指して下る。



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遠見尾根Co2200m付近にテントを張り、C2とする。背後には、先ほど登ってきた五龍岳を望んでいる(写真)。この日の夕食はカレーライス。皆さんが年齢の割に体力があるのは、「竹田:社会人のサッカーチームで汗を流している」、「平野:ランニングを続けており、川口湖マラソンなどのフルマラソンにも出場」、「古川:社会人山岳会で毎月1回は登山に出かけている」からであると、テントの中での会話で知った。


 
<3日目>

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鹿島槍ヶ岳を右手に見ながら、天場を出発する平野さん(写真)。遠見尾根は最初シールをつけて出発したが、東面のため日が当たって雪が緩んできたことと、アップダウンの多い遠見尾根も南側斜面を使ってスキーで滑っていけそうなことから、すぐシールを外す。



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中遠見山手前雪稜Co1970mから中遠見山2037mを経て小遠見山2007mまでは、五龍岳を背に、シートラ・ツボ足で登る。小遠見山からは、またスキーで滑降する。



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中遠見山付近からの大パノラマ。



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白馬五竜スキー場のアルプス平が見えてきた。ゴールは近い。正面の山は、地蔵の頭。写真は、快調にスキー滑降する平野さん。



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「白馬五竜スキー場アルプス平」から「Hakuba47ウインタースポーツパーク」まではゲレンデがつながっており、シーズン中なら滑っていけるのが、雪が切れているためコースは閉鎖されていた。スキー場のパトロールに、「この先は雪がなく、スキー場の管理外なので、行くなら自己責任で」と言われ、「わかりました」と答えて、閉鎖されているコースを下山する。写真のように、ところどころ雪が切れている。五龍岳ピーク(2814.1m)から駐車場(Co840m)まで2000m近くも、良く下ったものだ。



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下山口で、ゲストの大村さんと合流。お決まりの温泉は、みみずくの湯。まさに、大村さん(1965年入部)の現役時代に、山森(1986年入部、1967年生まれ)は、オギャーと生まれたわけだが、そのような世代ギャップを超えて、一緒に山に行き、AACHのDNAを受け継いだ者同士、共通の話題で盛り上がることができた。これもAACHの良き伝統であると実感できた今回の山行であった。



(報告:山森 聡
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ばばあ   投稿日時 2007-5-7 0:04
3日間よい天気に恵まれなによりです。八方からの不帰や遠見尾根からの鹿島槍北面はやはり圧巻ですね。ご一緒できずに残念でした。
当方は、この連休とても3日間も同行できる状況になかったので、4日の日に日帰りで杓子沢を滑ってきました。雪の状態が思っていたよりも悪く滑りは今一でしたが、念願のコースだったのでまあ楽しめました。
 
 
 
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