【行程】
3月18日(土)(晴→雪→雨)小谷温泉/旅館栃の樹亭前8:45→雨飾高原キャンプ場(10:00)→雨飾山南尾根P2(14:00)→雨飾高原キャンプ場(16:00)→小谷温泉/旅館栃の樹亭前16:30
※下山後、小谷温泉山田旅館に宿泊(自炊)し、シェイクの送別会と温泉三昧。
【記録】
シェイク(田中健太郎)がこの3月末で2年間の東京出向を終えて札幌に帰ることになった。1年前の昨年4月にシェイクが本当の空を見に行きませんかと安達太良山に誘ってくれたのをきっかけに、山スキーの道具一式を新調し、この1年は、山スキーや沢登りにずいぶんと通った。
(1) 2005/4/16-17 東北・安達太良山スキー
(2) 2005/ 5/ 3火 上越国境・谷川岳(芝倉沢)スキー
(3) 2005/ 5/ 4水 尾瀬・至仏山スキー
(4) 2005/ 5/ 8日 越後・巻機山スキー
(5) 2005/ 7/ 9土 多摩川源流・日原川鷹ノ巣谷(沢登り)
(6) 2005/7/23-24 利根川源流・湯檜曽川東黒沢〜宝川ウツボキ沢(沢登り)
(7) 2006/ 1/15日 上信国境・四阿山スキー
(8) 2006/ 1/22日 那須連峰・赤面山スキー
(9) 2006/ 2/18土 東北・蔵王山スキー
(10) 2006/ 2/19日 東北・西吾妻山(大沢下り)スキー
(11) 2006/ 3/ 5日 東北・面白山スキー
山岳部を卒部し首都圏に出てきて17年間、細々とGWの恒例の春山スキー山行だけは続けてきたが、この1年は、突出して山登りを楽しむことができた1年であった。これもひとえにシェイクのおかげだと感謝している。ババア(清原実)やヤンケ(石川守)も同じ気持ちだったようだ。シェイクに感謝の気持ちを込めて送別山行を行うことになった。登攀志向のシェイクと、スキー志向の残り3人の折り合いをつけ、スキー&登攀山行として、頚城山塊の雨飾山南綾を目指すこととした。雨飾山南稜のP2〜頂上間は、岩登り2Pと細い雪稜を登る為、天候・雪や岩の状態・体調等が全て良い場合のみに行くこととし、P2にてパーティ全体で最終判断を行うこととした。
頚城山塊は、2003GWに、松木さん(83入部)、齋藤(87入部)、銭谷(90入部)と一緒に、笹倉温泉から火打山北面、焼山北面へのスキー山行(3-0)を行って以来2回目である。今回もお膝元の松木さん(妙高市)と是非ご一緒したかったが、豪雪の影響で、この週は土・日も仕事とのことで、残念ながらご一緒できなかった。
計画では、1日目(3/18土)は大渚山スキー(5h)およびテント泊、2日目(3/19日)は雨飾山南稜スキー&登攀(9.5h)であったが、3/18土の夜から3/19日は低気圧の通過で天気予報は雨。大渚山と雨飾山P2までのどちらをとるかという選択で、3/18土に雨飾山P2を目指すこととした。中央自動車道双葉SAに、シェイク号(ババアが同乗)と山森号(ヤンケが同乗)が集合し、2〜3時間の仮眠をとって4:30AMに出発。信濃大町付近では、車窓から見える爺が岳などの北アルプスの山並みが美しい。
小谷温泉/旅館栃の樹亭前の除雪終点に車を止め、8:45出発。山スキーヤーの車が数台あり、人気の山域のようだ。時間的に雨飾り山頂上への登攀を行う可能性は低いが、念のため、アイゼン、ピッケル、ハーネス、ザイル、ハーケン、ハンマー、ヘルメット等の登攀道具も持って出発する。私は、ハーネスを着け、メットを被って出発したが、他の3人からは笑われてしまった。雨飾山はかなり遠くに見える。
林道のトレースを登っていくが、途中で大渚山向けのトレースであることに気づく。林道をショートカットしたババアのみが正しい林道で雨飾高原キャンプ場付近に到着し、残りの3人は遠回りしてしまった。何はともあれ、全員合流できて良かった。雨飾高原キャンプ場付近から望む雨飾山。
南尾根末端に取り付いて登る。ブナの森が美しい。
振り返ると、大渚山(中央)が見える。 ※今回は翌日悪天候のため、大渚山スキーは断念したが、またの機会に是非行きたい。
雨飾山を目指して登るシェイク。
北アルプスの後立山連峰が美しい。白馬岳、雪倉岳、朝日岳が一望できる。私は後立山連峰には過去3回スキー山行をしている。1回目は1990GWに山スキー部OB百瀬氏と栂池から蓮華温泉へ乗越し(3-0)。2回目は、1998GWに斎藤やババアと白馬岳大雪渓と長走沢(3-0)。3回目は、2002GWに斎藤やヤンケと蓮華温泉から雪倉岳・朝日岳を目指すが、口の開いた瀬戸川を渡渉できず、乗鞍岳に登頂(3-0)。これらの山行を懐かしく想い出しながら景色を眺める。
雨飾山を目指して登るシェイク。
雨飾山南尾根P2(Co1838m)から、雨飾山(1963.2m)を望む(左:ババア、右:ヤンケ)。天気も下り坂で、時間も遅いので、当然ながら下山することとする。この日に入山した2〜3パーティは全てP2までだったようだ。見たところ、頂上への登攀はかなり難しそうで、時間があったとしても今回の雪の状態では、このパーティの力量では行けなかったのではないだろうか。
P2直下のスキーはド快調だった。スキーの寵児を歌いながら、快調に滑るババア(写真右下)とヤンケ(写真右上)。2人とも、気持ちよくターンを刻んでいて、なかなかカッコイイ! そう思いませんか?
ミニスキーのシェイク。豪雪地帯では、ミニスキーは雪面に刺さって扱いづらいらしい。怪我をしないように斜滑降とキックターンで慎重に滑る。
ブナの尾根を滑るババア。
ブナの尾根を滑るヤンケ。
今回のヤンケは、美しいシュプールを刻むことにこだわっていた。この写真を拡大して見ると良く判るが、ブナの森の中に、きれいなターンを刻んでいる。
今回はテントに泊まる予定であったが雨も降ってきたので、小谷温泉の山田旅館(自炊素泊まり1人4300円)に泊まる。山田旅館はこの写真の本館が江戸時代の建築で、国の登録有形文化財である。この旅館の館主は代々、わが国でのスキーの普及に尽力されており、昭和初期には「スキーの寵児」映画撮影にも協力しているとのこと。今後、雨飾山や大渚山へ来るときは、最初からテントの計画ではなく、山田旅館をベースにしようと思う。
温泉も気持ちがいい! 今回は泊まりだが、日帰り入浴も可能(500円)。
(左からシェイク、ヤンケ、バアア)
テント泊のつもりで準備した食材を自炊し、暖かい部屋で、シェイクの大送別会。みんな日焼けした顔に酔いも入って、顔が真っ赤(左から山森、ヤンケ、シェイク)。翌朝は吹雪。温泉に入ったりしてのんびりして、AM10時に車で出発。シェイク号(ババア同乗)は、白馬からオリンピック道路で長野に出て上信越自動車道経由で帰るという。山森号(ヤンケ同乗)は、信濃大町の大町山岳博物館をのんびり見学し、中央自動車道経由で帰宅した。ヤンケは3/21水から1週間程度シベリア(ヤクーツク)へ出張だそうだ。ご苦労様。
(文責:山森 聡)
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